月経の期間は28日を標準とし、早い人や遅い人でも28±3日以内が正常になります。
この範囲よりも早く終わったり長引いたり、そんな経験はありませんか?
どうして正常な範囲から外れてしまうのか、そんなお話です。
まずは月経周期が早くなるパターン。
28日で来るのが20日で来てしまったりという。
主な原因として挙げられるのは「熱」によるものと「保てない」によるもの。
熱というのは物質の活動を早める力があります。
水を熱すると流れを生じさせたり、水蒸気へと変化させたりするようにです。
逆に考えると、冷えると氷のように固まって動きにくくなります。
身体のどこかしらの熱が子宮に影響すると、月経周期までも早くなるのです。
その熱の主な原因のひとつは
①血熱
外部からの熱が血に籠る事ではっせいします。
その多くは体質的に熱を持ちやすい、辛いものばかり食べる、高温の環境に身を置いているといった事が要因になります。
その血が子宮に注がれるために生理に影響するのです。
主な症状として月経期間が短くなる事に加えて
経血量が増える、経血の色が濃くなる、粘り気が強くなる
その他に便秘、舌が赤くなる、脈が早くなるといった熱の影響による症状が現れます。
②陰虚血熱
こちらも熱が血に籠るもの。
しかし、こちらは熱冷ましができなくて籠ってしまうタイプです。
火を水で消火するのと同じ様に、身体の熱も水分によって抑えられています。
この水分が不足することで熱を制御できずに熱が籠ってしまうのです。
原因として多いのは、元々水分が少ない体質の方や、長患い、多産など、消耗することなど、いずれも消耗が鍵になります。
生理期間の短さと同時に現れる症状も
月経量の減少、色が赤っぽくなる
身体症状としては気持ちが落ち着きにくくなる、不眠といった、精神活動の抑制力の低下
手足の火照り、寝汗、舌の渇き赤みなどといった熱冷まし作用の低下や渇きの症状が現れるとこが多くあります。
③肝鬱化熱
血熱の様に生理周期の早まりに加え、胸や肋骨周りの張り、下っ腹の張りなどの張り症状や
口の苦み感や渇きといった症状が現れます。
肝の流れを調節する機能が不具合を起こすことで、気の流れが停滞し、留まれば熱化する法則に則って熱化します。
肝はストレスに弱いために、ストレスや不快な感情によって症状が悪化します。
④脾気虚弱
これまでとはいっぺん変わって保てなくなるタイプ。
気には物質を留める力があり、臓器の場に留めたり、血が血管から漏れないようにしたり、尿を溜めたり出来るのも気が働くからなんです。
もちろん、子宮に溜めた血が漏れ出ないのも気のおかげなのですが、気が足りないと溜めて居られなくなって漏れ出してしまうんです。
結果、生理が早くきてしまうということ。
気の不足にも色々タイプがありますが、このタイプは「脾」つまりは消化器系の気の不足が原因です。
食べ過ぎや疲労、激しい思い込みは脾(消化器)を痛め、その気を消耗させます。
気は食べ物から摂取され、その過程は西洋と同じで消化器によって行われますから、全身の気の量も不足するのです。
そして子宮の気も少なくなり血が漏れ出てしまう。
症状と特徴としては、血が薄くなり、顔色も悪くやつれる。お臍の下がぺこぺこと空になったようになって、弱い痛みが出る事も。
消化器を健やかにする治療で回復させます。
⑤腎気不固
脾気虚弱と同じ、気の不足から溜められなくもので、
こちらは腎の気の不足を原因とする物。
腎の気も、生理の際に子宮に送られますが、それが不足している状態です。
どんな時に不足しやすいかというと、身体の変化が起きている時。
成長期だったり、閉経の直前だったり
腎には「天賦」といって身体の成長や老化を起こす役割もあるので、そちらに気を使用した時、元々の腎気の総量が少ないと子宮の気の減少に繋がります。
腎の気が少ない時は、気の供給元である脾も弱っている事が多いので、便秘や痩せ気味などの脾気虚弱(消化器不良)がある場合も多いです。
⑥瘀血停滞
産後や、気候による外邪、感情の昂りによって血の流れが悪くなり、子宮に血を送る経絡を詰まらせることで
血の行き場をなくしてしまうタイプ。
これまで紹介した物と明らかに違う症状として、経血が黒や紫といった暗い色になること、そして、血の塊が混ざること
血の流れが悪い時の特徴的な症状です。
これに加え、舌の色が暗くなったり、下っ腹に張る様な痛みが出たりします。
以上、月経周期が早まる原因でした。
伊澤