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寒さ、そして乾燥

霜焼けや乾燥肌と、何かと痒みに悩ませる季節になりました。

 

掻くのを我慢するけれど、やっぱり掻いてしまう。そして痒みが悪化してしまう

そんな経験がある方がいらっしゃるのではないでしょうか

 

今回は、冬場の痒みに加えて、肌の痒みの原因をご紹介してゆきたいと思います。

 

 

風寒によるもの

冬に起こる肌の痒みは風寒の邪によるものが多くあります。

気の量が少なくなり、皮膚の防御作用の低下から外邪が入りやすくなっている人が、冬場の寒い空気による「風寒の邪」に当てれる事で起こります。

顔や頭部、首、手といった露出した部位は外気に超絶触れる為、特に痒みを引き起こしやすくなっています。

霜焼けや乾燥肌は手によく現れますよね。

 

外から来る寒さが原因なので、暖めたり・汗をかいて外邪を外に出すと痒みが収まります。

 

 

 

風盛によるもの

こちらも皮膚の防御機能の低下により、「風の邪」が侵入し、熱を持つもの。

風寒の邪は冷たい外気によるものですが、風の邪は強い風に乗って侵入してきます。

特に、春先の風が強く吹く季節に起こりやすい痒みです。

 

特徴的なのは、痒みの場所がコロコロ変わること。

まるで風が吹いているように場所が移り変わります。これが風の邪の特徴でもあるのですが。

 

掻きむしることで皮膚が粉を噴いたり、厚くなったりする事もあります。

 

 

 

 

血虚によるもの

お歳を重ねた方に現れやすい皮膚の痒み。

原因は気血の減少により皮膚を栄養できなくなることで

皮膚が乾燥して屑がでてしまい、掻いても掻いても痒さは続き、掻き跡も残りやすくなります。

痒みが長期に渡ると皮膚組織が変化していまうことも。

 

気血を補う事で痒みを抑える治療を行います。

 

 

 

血熱によるもの

比較的若い方に見られ、夏場に痒みが現れるのが特徴。

若く血気が盛んな人は熱を持ちやすい傾向にあり、そこに外からの熱が加わる事でより熱化し、熱が風を産んで痒みを発生させます。

熱が原因なので冷やすと楽になる傾向にあり、引っ掻くと血痕が残ります。

 

 

風湿によるもの

水疱や発疹を伴う痒みです。

中医学的には、暴飲暴食や辛いものの食べ過ぎにより体内の水分が増えた状態と、風の邪に当たった状態が重なると発生するとされています。

デキモノを引っ掻くと中から間質液が流れてきます。

風の邪による痒み、湿による液体成分の漏出が合わさったものと考えて良いでしょう。

 

 

 

スタッフ伊澤

沢山食べてお腹いっぱい!

そんな時に現れるのが噯気、いわゆる「げっぷ」です。

 

胃から漏れ出てくる空気によって発生するげっぷですが、中医学の病理に当てはめるとどんな理屈になっているのでしょうか?

 

①食滞胃腸

お腹いっぱいの時がこれに相当するでしょう。

不摂生な飲食が胃脘部を詰まらせ、胃の気が上に登ることで起こるゲップです。

ゲップの音は濁った・澱んだ音で、

満腹時を思い出すと分かりやすいですが

胸苦しさや、もう食べたくない!という状態になります。

それに加え、ゲップや大便が酸味を帯びた臭さになります。

 

 

②肝気犯胃

怒りやストレスといった感情が肝の気の流れを悪くし、胃の気の流れに影響したもの。

肝は全身の気の流れを調節する作用を持ち、また、胃の働きを助ける作用を持っています。

 

それ故、肝が不調になると胃にも影響する事がしばしばあります。

 

ゲップの音は、今度は高い音で、しかも頻繁に繰り返すゲップになります。

 

その他には胸のつかえ感、肋骨の鈍い痛みなどを伴います。

 

 

 

③脾胃気虚

虚弱体質や、病気が治った後に発生するゲップで

虚弱体質も、病後も気の不足で胃の働きが落ち、断続的なゲップを発生させます。

ゲップの音は弱く、低めの音で、とにかく弱々しい印象になります。

 

食滞胃腸では酸味のあるゲップ

肝気犯胃では高い音、そしてつかえ感

脾胃気虚では弱々しいゲップ

 

それらの違いに注目して観察してみてください。

 

 

 

スタッフ伊澤

2023-11-13

胃脘痛とは胃痛や心窩部に現れる痛みのこと

文献には、「胃脘は心の痛みが当たる」、「心腹痛」、「心胃痛」との記載がある。

痛み方には虚痛、熱痛、寒痛、瘀痛、食痛、虫痛などがある。

 

古代文献では、心痛(心臓疾患を起因とするもの)も胃脘痛として記載されているが

実際の心痛は左の側胸〜肩に、突然発生する、鍼で刺されているような強烈な痛みが発生し

胸の悶えや窒塞が起こり、耐え難い苦痛が発生する

 

対して胃脘痛は上腹部にのみ発生する痛みで

全くもって症状の現れ方は異なってくる。

 

では、胃脘痛が発生する機序はどんなものなのだろうか

 

 

①脾胃虚寒

虚弱な体質の人や長患いにより脾胃の気が減少し、温める力や栄養する働きの低下によって

胃の栄養不足、冷えを生じさせた状態。

不栄即痛(栄養できないと即ち痛む)の法則に則り、胃脘部の痛みや冷えを生じる。

痛みは「しくしく」や「もやもや」といった鈍いような軽いような痛みがいつまでも持続し、お腹を抑えたり温めたりすると痛みが和らぐ。

 

その他、四肢の冷えや下痢、頻尿などが現れる

 

 

寒邪犯胃

寒邪とは冷えが原因で身体に不調をきたす事。

外的要因の寒さや、刺身といった生食、冷たい物の食べ過ぎ飲み過ぎが脾胃に影響して起こる。

 

締め付けられるような強い胃痛が突然起こるのが特徴である。

 

 

肝鬱気滞

怒りという感情により、肝の働きが鈍る。

肝は気の流れを調節する為に、気の流れが悪くなる。

その影響が真っ先に出るのが胃で、食物を下()へ降ろす力が弱くなり、降りない気機が痛みを生じる。

 

気滞で特徴的な張ったような痛みが現れ、痛みは移動するかの如く場所が不安定である。

また、胸や肋骨部に関しても張ったような感じがするの特徴だ。

 

これにプラスして、胃の気が上がっている事を示す(げっぷ)が現れる。

 

 

 

瘀阻胃絡

肝鬱気滞の状態が長引くと血の流れを悪くする。

また、胃痛が血の通り道を損傷する。

そういった理由で瘀血が生成される胃脘痛。

 

特徴は針で刺された様な痛み。痛む場所は、気滞とは異なり一点から動かないといったところ。

 

随伴症状として、血便がでたり、吐血が出たりする。

ここまで行くとかなり重症と考えられるだろう。

 

 

 

肝火犯胃

こちらも肝鬱気滞から発展するもの。

滞った気が熱を帯びたり、辛いものや味の濃いものを食べすぎて熱が籠ったりすると発生する。

 

熱化してるが故、胃痛は突然に現れ痛みの程度も強い。

熱の症状として口の乾き、顔や目が赤くなる、呼吸が荒くなるなどが現れる。

 

 

 

⑥胃陰虚

長患いや熱病によって胃の潤いが消耗した状態。

肝火犯胃と同じように口の渇きや身体の熱さや火照りといった症状が現れるが、

違う点は、胃脘痛がシクシクとした、鈍い痛みであると言う事と、

肝火犯胃は顔や頭部に熱感があるのに対し、胃陰虚では手足や胸部に熱感を覚える。

 

 

 

食積

暴飲暴食をきっかけに現れる胃脘痛。

食べ物が詰まっていると考えて頂けると想像しやすいだろう。

胃脘痛は、押圧すると嫌な感じがし、食欲の低下やゲップの匂いが腐ったような臭いになるなどの症状が現れる。

滞りの点では肝鬱気滞と似た症状があるが、こちらは胸の詰まり感や、張ったような痛みがないのが特徴的である。

 

 

食欲の増す季節ではあるが、食べ過ぎにはくれぐれも気をつけましょう

 

 

伊澤

2023-11-04

前回の食欲不振の反対、今度は食欲が旺盛になり過ぎてしまう「善食易飢」についてのお話です。

 

善く食べ飢え易い

食べても食べてもお腹空腹感がある状態になる事を指します。

 

 

食欲不振が体調不良のサインなのは理解に容易いでしょうが、食べ過ぎも不調のサイン

程よく、バランスよく食べれる事が健康にとっては大事なのです。

 

 

では、実際に、善食易飢がどのようにして起こるのか見てみましょう

 

 

 

胃火

暑い外部環境やストレスによって、胃の機能が異常行進した状態

ストレスにおいては気の流れを悪くし、流れが悪くなった気が熱を帯び、その熱が胃に影響する流れになるのですが

暑さもストレスも、最終的には熱が胃に悪さをする形となります。

 

熱が胃に入りますから、胃の機能が行進し、どんどん消化をする為にお腹が空きっぱなしになるのです。

また、多量の熱は水分を蒸発させますから、口の水分が蒸発すれば口の渇き、身体の水分が蒸発すれば痩せてゆく、大腸の水分が蒸発すれば便秘になる

といった随伴症状が現れます。

胃の水分を補い、消化をする治療をする事で症状を抑えます。

 

 

 

陽明畜血

血の巡りが悪い状態が長期に渡り続く、或いは血の巡りの悪さに邪が加わり、胃腸に影響を及ぼすと起こります。

特徴としては瘀血の症状を有することで、具体的には下腹部が硬くなる、下腹部が満たされた感じがする、小便が出にくくなる、顔色が暗くなる、物忘れが増える、性格が狂暴になるなどです。

 

 

 

 

どちらも食欲旺盛で、口が渇きやすいという似た症状が現れますが、胃火盛は何か飲みたいとは感じず、陰明畜血では飲みたいと感じるという違いもあります。

 

 

 

食事は多すぎず少なすぎずがベストです

食欲と体調をコントロールしながら、冬を超えてゆきましょう!

 

伊澤

2023-10-28

秋は食欲の季節!とは言っても、どうしても食欲が湧かない時ってありませんか?

 

特に今年は暑さが長引き、ようやく涼しくなっても1日の内の寒暖差が大きい

体力も消耗して、疲れを感じやすい秋になっていますよね

 

せっかく食べ物が美味しくて、体力を付けるのにもうっけつけの時期ですから

しっかり食べられる身体を作ってゆきましょう!

 

 

という訳で、「食欲不振」に関するお話

始めてゆきます。

 

 

肝気犯胃

よく見られる食欲不振のパターンひとつで、「ストレスで何も食べたくなくなる」というもの

思い当たる方結構居るのではないでしょうか?

 

ストレス過多は肝の疏泄作用を失調、簡単に言うと、気を動かす力を鈍らせます。

口に入った食べ物が口から胃へ、胃から腸へ…と流れてゆくのは消化器と肝の共同作業による賜物なのですが

肝の働きが鈍ることで消化器の働きも鈍ります。

 

消化器の働きが鈍ると、食欲が落ちるのです。

当然、放置すれば便秘や嘔吐など更なる症状に繋がりますが

先ずは何も食べたくないという状態になるのです。

 

 

イライラして何も食べたくない、ストレスで食欲が出ない

そういった時はこのパターンを疑ってみてください。

 

 

 

脾胃湿熱

食事の不摂生、特に甘い物や脂っこい物の食べ過ぎによって消化器の働きが悪くなった物です。

 

偏った食事や、甘い物や脂っこい物の食べ過ぎが身体に悪い事は広く知られていると思いますが

消化器の働きの低下に繋がり食欲不振に繋がるというお話です。

 

特に、消化器は水分を運ぶ役割も担っていますから、このパターンの食欲不振では水の停滞による症状も一緒に現れます。

主に口臭や身体の重さ、緩い便が出るなどがそれに当たります。

また、脂っこい物を食べたくない…となる事もあります。

 

 

食べ物の影響だけでなく、夏の雨天のような、高温多湿な状況でも起こりうることがあります。

 

 

 

胃陰不足

陰とは潤い成分を表す言葉です。

それが不足するのですから、身体には乾きの症状が現れます。

喉の渇きや舌の渇き、口の乾燥、便の乾燥など

そして、胃の渇きがありますから、それは食欲減退として現れます。

 

胃の陰の不足が起こる原因は、主には発熱を伴う風邪。

熱が水分を蒸発させてゆきます。

 

風邪などの病が長引いた時に渇きを伴う食欲減退があればこれを疑ってみましょう。

 

 

 

胃気虚

胃の気の不足によって、胃の機能低下が起こり食欲減退が起こります。

胃の気の低下は暴飲暴食といった食生活の乱れや、疲れなどから起こります。

 

胃は食べ物を貯める機能があり、その機能が低下する為に

食べるとお腹が張る、食べたのに戻してしまう、お腹が空かない、食欲の増減が激しい

と言った貯蓄に関する症状が現れます。

 

 

 

脾胃虚寒

胃気虚が悪化し、冷えを伴うようになったものです。

脾気虚と同じような症状に加えて冷えの症状が現れるのが特徴で

身体が冷えたり冷たい物を飲み食いすると症状が重くなる、逆に温めると寛解する

お腹を下す、腹痛がなかなか治らないなどの症状がでます。

 

脾胃虚寒は特に、胃気虚を含む虚弱体質の方が冷たい物や生物を食べ過ぎることで、胃気虚を加速させるメカニズムになっています。

 

 

 

脾腎陽虚

脾胃虚寒が長期化すると、腎にまで影響をきたす様になります。

脾胃虚寒自体が気虚の発展型ですから、かなり悪化した状態とも言えます。

腎の陽気までもが不足し、腎との関わりが深い腰や膝には重だるいような痛みが現れ

腹痛も腰痛もある様な状態になり、

陰部においては未消化便が出る様になります。

もちろん、食欲不振も現れます。

 

 

 

傷食

食べ過ぎなどの暴飲暴食で脾胃を傷つけた状態です。

上腹部の張りや痛み、ゲップがでる、便秘や大便の臭さが強くなると言っ症状が現れます。

 

 

 

以上、食欲不振の原因たちでした

どれか心当たるものはありましたか?

 

 

美味しい物、おいしいものを沢山味わえると良いですね!

前回の「不足による生理の遅さ」に対し、今度は「詰まりによる生理の遅さ」のお話です。

 

改めて、「詰まる」のは「子宮へ注ぐ経絡」。

子宮への気血の供給元が足りない不足型に対し、

供給経路で止まってしまい子宮へ辿り着きにくいのが今回のお話。

 

主に詰まるのは衝脈、任脈と呼ばれる経絡達。

 

 

①衝任寒凝

生物や冷たい飲食物の食べ過ぎ、雨に打たれた後に放置したなどの「冷えが原因」で衝脈、任脈の流れが悪くなる状態。

水を冷やすと氷になる様に、「冷え」には物を固まらせる「凝滞性」があります。

身体に冷えが入ると、気血を凝り固まらせて流れを悪くするのです。

これが衝脈や任脈を流れる気血の流れを悪くすると血が溜まるのに時間がかかる為に、生理が来るのも遅くなります。

 

他の症状としては、下腹部の痛み、詰まり故の血塊が出て血塊がでると楽になる。

その他冷えると悪化するなどがあります。

 

 

 

②肝鬱気結

精神面の影響、特に鬱々とした感情が気の流れを悪くし、血の流れも悪くしている状態。

感情によっても気の流れは変わりますから、気持ちと身体の健康は繋がっているのです。

「鬱々とした感情」は具体的には、何をするのも面倒でやる気が起きない様な、胸が塞ぎ込む様な、感情が動かなくて怠いような感じでしょうか

身体も気持ちも動かしたくない様な状態。

とにかくマイナスな感情です。

 

気が停滞した状態ですから、身体の気の流れも悪くなって、血の流れも悪くします。

その影響で子宮に溜まるのに時間が掛かるのです。

 

気の停滞をベースにしているので、症状も気の停滞でよく現れる

下っ腹や乳の張るような痛みを伴う事が多く、経血の色は赤紫色で血塊を伴う事があります。

 

激しい怒りの後や、イライラしっぱなし!という時の痛みの時は当てはまっているかもしれないですね

 

 

③痰湿阻滞

消化器系の機能低下や、甘い物・脂っこい物の食べ過ぎ、肥満などは水分の流れを悪くして「痰湿」を形成します。

痰湿も言い換えれば「水の詰まり」なので、他の病態と同じように気血を滞らせます。

特に衝脈や任脈を滞らせると生理が遅れるのです。

他の病態との区別は

経血の色が薄いこと、経血自体の粘り気が強いこと、帯下の量が多くなるなどが挙げられます。

 

最近10㌔体重が増えた〜といった、いわゆる肥満化の時に現れやすいです。

元々痩せ型の方が健康的な体重、体型になるのはまた話が別ですけどね。

 

 

 

 

以上、不足と詰まりによる生理の後退のお話でした!

生理周期が早くなるには、熱によって早く来る物、エネルギー不足で保持ができなくなる物とありましたが、

生理周期が遅くなるのはなんでなのでしょうか

 

今回はその原理のお話です。

 

 

遅くなる場合のポイントは大きく分けて2つ。

気血が溜まるのが遅いか

 

 

 

ではなぜ、溜まるのが遅くなるのかというと

①全身の気血の総量が少なく、子宮に貯まるのに時間がかかる。

②子宮に気血を送る経絡に詰まりがあって、子宮に気血が行き届かない。

この2つのどちらかが関わることが多く、症状の特徴も変わっていきます。

 

ではまた更に細かく、何が気血の流れを妨げているのかをみてゆきましょう。

 

 

衝任血虚

これは①の、血の量が少なくなるタイプ。

長患いや長期的な出血、産後と言った、血を消耗した人や

虚弱体質の様に胃腸が弱く血が少ない人に起こりやすいです。

 

症状は周期の遅れの他にも血の不足に由来して、経血量が少ない、経血の色が薄くなると言ったものが現れます。

その他、脈は弱く、舌の色も薄くなります。

 

 

②衝任虚寒

虚寒とは、気の不足が悪化した時に現れる気虚の発展型の1つで、気の温める力が弱くなり冷えをきたしている状態のこと。

生育環境や慢性病など、気が供給されなかったり大量に消耗したりすると起こることがあります。

子宮に送られる気も不足するので周期が遅れる事になります。

 

症状は周期の遅れに加え、経血量の減少。

他の部位では舌が淡くなる…と、衝任血虚ととても似ていますが、衝任虚寒は経血の濃度が薄く、色は黒め、痛みが続くといった違があり、

最も特徴的なのは手足の冷えや顔色の悪さ、脈が沈んで遅くなると言う、冷え症状が現れることです。

栄養不足+冷えがでたら、これを疑いましょう。

 

 

③陰虚月経後錯

陰虚は、身体の陰分の不足を指します。

陰分とは血液や組織液といった液体成分の事。

血虚を発展させたものと捉えることもできます。

 

この陰虚もこれまで挙げた虚証と同じく、長患いや感情の変化によって液体成分が減少する事で起こります。

これまでと違うのは、性生活の不摂生が陰の不足に関わる事ですね。

 

月経血量は減少し、経色は黒くなり、血塊ができることもありますが

顔や手足の火照り、口の乾きなどが同時にら現れる事が特徴になっています。

 

液体が不足しているのだから、乾燥するのは当然ですね。

 

 

これまで虚証によるものを挙げましたが、次回は詰まりによるものを紹介します。

 

伊澤

 

月経の期間は28日を標準とし、早い人や遅い人でも28±3日以内が正常になります。

 

この範囲よりも早く終わったり長引いたり、そんな経験はありませんか?

 

どうして正常な範囲から外れてしまうのか、そんなお話です。

 

 

まずは月経周期が早くなるパターン。

28日で来るのが20日で来てしまったりという。

 

主な原因として挙げられるのは「熱」によるものと「保てない」によるもの。

 

 

熱というのは物質の活動を早める力があります。

水を熱すると流れを生じさせたり、水蒸気へと変化させたりするようにです。

 

逆に考えると、冷えると氷のように固まって動きにくくなります。

 

 

身体のどこかしらの熱が子宮に影響すると、月経周期までも早くなるのです。

 

 

その熱の主な原因のひとつは

血熱

外部からの熱が血に籠る事ではっせいします。

その多くは体質的に熱を持ちやすい、辛いものばかり食べる、高温の環境に身を置いているといった事が要因になります。

その血が子宮に注がれるために生理に影響するのです。

 

主な症状として月経期間が短くなる事に加えて

経血量が増える、経血の色が濃くなる、粘り気が強くなる

その他に便秘、舌が赤くなる、脈が早くなるといった熱の影響による症状が現れます。

 

 

 

陰虚血熱

こちらも熱が血に籠るもの。

しかし、こちらは熱冷ましができなくて籠ってしまうタイプです。

火を水で消火するのと同じ様に、身体の熱も水分によって抑えられています。

この水分が不足することで熱を制御できずに熱が籠ってしまうのです。

 

原因として多いのは、元々水分が少ない体質の方や、長患い、多産など、消耗することなど、いずれも消耗が鍵になります。

 

生理期間の短さと同時に現れる症状も

月経量の減少、色が赤っぽくなる

身体症状としては気持ちが落ち着きにくくなる、不眠といった、精神活動の抑制力の低下

手足の火照り、寝汗、舌の渇き赤みなどといった熱冷まし作用の低下や渇きの症状が現れるとこが多くあります。

 

 

肝鬱化熱

血熱の様に生理周期の早まりに加え、胸や肋骨周りの張り、下っ腹の張りなどの張り症状や

口の苦み感や渇きといった症状が現れます。

肝の流れを調節する機能が不具合を起こすことで、気の流れが停滞し、留まれば熱化する法則に則って熱化します。

 

肝はストレスに弱いために、ストレスや不快な感情によって症状が悪化します。

 

 

脾気虚弱

これまでとはいっぺん変わって保てなくなるタイプ。

気には物質を留める力があり、臓器の場に留めたり、血が血管から漏れないようにしたり、尿を溜めたり出来るのも気が働くからなんです。

もちろん、子宮に溜めた血が漏れ出ないのも気のおかげなのですが、気が足りないと溜めて居られなくなって漏れ出してしまうんです。

 

結果、生理が早くきてしまうということ。

 

気の不足にも色々タイプがありますが、このタイプは「脾」つまりは消化器系の気の不足が原因です。

 

食べ過ぎや疲労、激しい思い込みは脾(消化器)を痛め、その気を消耗させます。

気は食べ物から摂取され、その過程は西洋と同じで消化器によって行われますから、全身の気の量も不足するのです。

そして子宮の気も少なくなり血が漏れ出てしまう。

 

症状と特徴としては、血が薄くなり、顔色も悪くやつれる。お臍の下がぺこぺこと空になったようになって、弱い痛みが出る事も。

消化器を健やかにする治療で回復させます。

 

 

腎気不固

脾気虚弱と同じ、気の不足から溜められなくもので、

こちらは腎の気の不足を原因とする物。

腎の気も、生理の際に子宮に送られますが、それが不足している状態です。

 

どんな時に不足しやすいかというと、身体の変化が起きている時。

成長期だったり、閉経の直前だったり

腎には「天賦」といって身体の成長や老化を起こす役割もあるので、そちらに気を使用した時、元々の腎気の総量が少ないと子宮の気の減少に繋がります。

 

腎の気が少ない時は、気の供給元である脾も弱っている事が多いので、便秘や痩せ気味などの脾気虚弱(消化器不良)がある場合も多いです。

 

 

瘀血停滞

産後や、気候による外邪、感情の昂りによって血の流れが悪くなり、子宮に血を送る経絡を詰まらせることで

血の行き場をなくしてしまうタイプ。

 

これまで紹介した物と明らかに違う症状として、経血が黒や紫といった暗い色になること、そして、血の塊が混ざること

血の流れが悪い時の特徴的な症状です。

 

これに加え、舌の色が暗くなったり、下っ腹に張る様な痛みが出たりします。

 

 

以上、月経周期が早まる原因でした。

 

 

伊澤

生理痛の痛みはお腹だけでなく、人によっては腰部に現れたりもしますよね

 

なんで腰にも痛みが出るのか?そんなお話です。

 

 

生理痛の原因をいくつか挙げてきましたが、あれらは「お腹の痛み」を指している事が多く、大体の痛みはお臍の下に現れます。

 

物によってはお腹全体に出る事も。

 

 

しかし時々、お腹に留まらず腰の方にまで痛みが及ぶ事があるのです。

 

 

 

その原因の①血虚気滞によるもの

気血両虚による生理痛が腰にも現れます。

 

血虚は血の不足。虚弱体質や長患いの後の人というのは気や血を消耗してしまっているのですが

これは経絡内を流れる物質の総量が減っているという事を表します。

 

するとどうなるかというと、流れる物が少ないので流す力が弱く、流れが止まりやすくなるのです。

例えるなら、水の少ない川の方が流れが弱くなる様にです。

 

流れの弱くなった経絡が詰まる、それが、子宮に気を送る経絡に起こる。

その経絡が腰にもある為に腰痛が発生します。

 

気血両虚による腹痛と併発する事がありますが、痛み方もシクシクと弱い痛みが持続的に続く様な痛み方です。

 

 

 

その次の原因は

②肝腎損虚によるものです。

 

肝腎陰虚の生理痛が腰にも現れた物です。

ストレスや怒り、出血が多かったり、性生活の乱れや出産経験が多かったりすると肝と腎を傷します。

その結果、肝の血や腎の気と精の不足が起こると生理痛となる事があります。

特に、腎は腰部にある臓で、経絡も腰部を通る為に腰痛に繋がる事がしばしばあります。

火照りや寝汗など、肝腎陰虚型の生理痛がある方で、腰にも痛みがある時はこの病理を疑ってみてください。

 

 

以上、生理痛に現れる腰痛でした。

 

スタッフ伊澤

生理痛の原因の後編になります。

前編はこちら→http://www.sakuradou.biz/blog-post/372814

 

寒湿凝滞衝任虚寒
「寒」という文字がつく通り冷えが痛みの原因となっています。
血の流れの悪さの為、痛むは血を排出する月経前から月経中に起こり、下っ腹に冷えを伴う痛みが起こります。

子宮に気血を注ぐときに通る経絡に衝脈、任脈があるのですが、これらから注がれる気の不足によって起こる「寒」という意味で衝任虚寒と言います。

気血が溜まるのに時間がかかる為に、月経が遅れる事もあり、来たとしても血の量が少ない事が多いです。
寒湿凝滞も、衝任虚寒もお腹や身体全体を温めると楽になる事が多いです。
肝腎陰虚
原因としては、生まれつき肝腎が弱かったり、疲労が溜まっていたり、性生活の乱れがあったりなど。
また、肝腎の弱まりに由来する頭痛や耳鳴り、腰痛、火照りなどが、生理痛と一緒に現れるのが特徴です。

虚弱体質の人や、長患い・大病の後に現れやすい生理痛で、すごくすごく疲弊しているイメージをしていただければ分かりやすいかと思います。病の後など、すごく体力が落ちますからね。
血の量は、多い事も少ない事もありますが、いつもと違うな?と感じるところがあるかと思います。


とまぁ、生理痛の原因は以上の6通りになります。

基本的には、詰まっているか、溜めるものが足りないかのどちらかになります。
足りないものは痛み鈍め、生理の後くらいに現れるものが多くなっています。

生理痛にお悩みの際はご相談ください!



スタッフ伊澤

生理期間中にお腹や腰が痛くなる「生理痛」

皆さまもご自身やご家族、ご友人の中に生理痛や生理前症候群(PMS)で苦しむ方がいませんでしたか?

 

日本では「生理は痛いのが当たり前」とか、「みんな同じ」と軽く扱われる傾向にありますが

「生理痛は病気です!!」

 

邱紅梅(きゅうこうばい)先生が発売された図書のタイトルにもなっていますが、

生理痛があるのは異常な事なのです。

 

そもそも、異常があるからこそ痛みや体調不良が出るわけで

放っておくと将来的には不妊、子宮筋腫、子宮内膜症などの婦人科疾患に繋がったりもします。

 

 

そこでこの記事では生理痛が起こる原因を中医学的な観点から、見てゆきたいと思います。

 

 

 

①生理痛の原因とは?

 まず、生理というのは「卵子を育てて、卵子に最適な子宮環境を作る」目的があります。

 

その為に、気血が子宮や卵巣(中医学では総括して胞宮という)にそそがれていますが

 

この時、流れる気血が少ないと、卵子が育たなかったり子宮内膜が厚くならなかったりします。

 

また、気血の流れが悪いと

これもまた卵子や子宮内膜の妨げになります。

 

上手く卵子が育たない、子宮内膜が正常にならない。

こういった不調が生理痛として現れるのです。

 

 

では、気血の不足、流れの悪さはどう言った原因があるのでしょうか

 

 

1,肝鬱気滞

「気の流れ」を主な仕事とする「肝」の気が滞る為に胞宮の気も滞ったもの。

肝はストレスの影響を受けやすく、何かしらのストレスや怒りの感情の後に、下っ腹・胸・乳などに張った様な感じや痛みが現れます。

痛みを感じる時期としては月経の前が多く、排卵時にも痛みを感じるケースも。

 

2,胞宮瘀阻

胞宮内の血や、胞宮に注がれてる時の血の流れが悪くなっている状態です。

「切られるような」痛みが出る事が特徴で、程度も強く現れる事が多いです。

また生理血には、血の流れの悪さ故に血塊が混ざり、色も黒くなります。

この血塊を出すと流れは一時的に改善される為、痛みは軽減します。

強い生理痛がある方は、血瘀を疑ってみてください。

 

3,湿熱

このタイプのポイントは「湿」と「熱」

湿気の持つ「粘体性」により、子宮内の血の流れが悪くなり痛みを生じます。

これらが生じる原因は

ストレスによる肝気の失調は熱を産むこと、また、脾気を傷付けます

脾は水分を流す作用もありますから、失調により湿を身体に溜め込み、肝気から生じる熱を含む形となります。

 

このタイプの特徴は痛みよりも平常時にあり

低温期の体温の起伏が激しくなる

おりものの色が黄色っぽくなる

尿の色も黄色が濃くてトイレの回数が増える

などの傾向が現れます

 

原因としては、ストレスの他には辛いものの食べ過ぎや天気の影響によるものが多いです

 

 

④より先は多くなる為、前後編に分けたいと思います。

後編へ続く→http://www.sakuradou.biz/blog-post/373209

 

 

スタッフ伊澤

暑くなったこの季節、治療中の患者さんのお洋服を捲る時に皆さんそろってこうおっしゃいます

「汗かいちゃっててごめんね。」

 

暑くてしっかり汗をかいているのは寧ろ良いこと

中医学的にいえば、心や肺の機能が働いている証拠でもあります

 

それでもあえて、疑問を問いかけて見ましょう。

 

なぜ人間は汗をかくのか?

 

 

暑くなれば当たり前にかく汗。

哺乳類の中には汗をかく動物は他にもいますが、体温調節の為に、全身的に汗をかく動物は珍しいのです。

 

なぜ我々はこんなにも汗だくになっているのでしょうかね

 

 

その答えは人類の進化の歴史にあります。

 

 

人類が初めて地球上に現れたのはおよそ400500万年前。

アフリカの森林に生息していた我々の祖先は、木の根や木の実を食べる菜食家で、見た目もチンパンジーやゴリラのように毛むくじゃらな姿をしていました。

 

しかし、約258万年になるとアフリカの乾燥化が始まり、森が減る事で、木の根や木の実が少なくなり食糧難となっていったのです。

 

そこで彼らは仕方なく狩りへ出るようになるのですが、ここで1つ問題がありました。

それは、当時の猛獣の存在です。

アフリカといえばライオンやハイエナと言った肉食動物が生息しますが、それらの様な、当時の肉食動物との狩猟競争に打ち勝てなかったのです。

 

困った先祖たちはどういう行動をとったか

 

それは、肉食動物の活動しない時間帯を狙って狩をするという方法でした。

具体的には、肉食動物が活発的に狩を行う夜間、明け方を避け

それらが活動を休止する日中に狩をする様になりました。

 

実に策士ですよね

 

この方法は大成功し、人類は新たに肉食を手にする事になります。

 

 

 

しかし、昼間に狩を行うのにも問題点がありました。

それは「暑さ」です。

毛むくじゃらな祖先達はアフリカの蒸し暑い日中に狩りを行うのにとても困難な身体をしていました。

 

 

この暑さを解決するべく発達したのが、「汗腺」

祖先達は、毛むくじゃらな体毛を重要な部位以外は消し去り、代わりに汗腺を発達させる事で

暑い中狩を行っても汗が身体を冷却し、暑さに耐える事ができる様になったのです。

 

 

そう、狩をする為に昼行性になる為、素晴らしい冷却装置を身体に備えたのです。

 

 

これが、我々人類が汗を沢山かく様になって、毛が少なくなったプロセスです

(「冷却装置の仮説」と呼ばれ、人類が他の霊長類に比べて体毛が少ない理由として、もっとも信ぴょう性の高い仮説とされています。)

 

 

汗をかいたおかげで肉を食べれる様になり、摂取カロリーが増える事で脳が発達し、人類は更に高度な頭脳を得て、文明が発達し

今の我々へと進化してゆきました。

 

 

うっとうしい様な「汗」、この冷却装置のおかげで今の我々が在ると考えると、なんだか有難いものの様に感じますね。

 

 

汗と進化と我々のお話でした

 

 

スタッフ伊澤

ソース)サイエンスドリーム

2023-08-22

妊娠した女性の半数以上が経験するというつわり

お腹はへれども気持ちが悪くて食べられない。匂いすらにも嫌に感じる

妊娠の初期に現れるこれらの症状の原因はなに?

 

中医学的な目線で説明してゆこうと思います。

 

・胃気虚型

胃の気の不足を素因とする悪阻です。

 妊娠をすると受精卵の保持・胎児の育成の為に子宮に気血を溜め込むのですが、子宮に気を溜め込むルートから胃の経絡に気が溢れてきます。

この時、胃の気が健全でないと溢れてきた気に上へ上へと流されて悪阻になります。

普段よりお腹が弱い人がなりやすいタイプです。

症状としては食べたものをすぐに吐く、頻繁な嘔吐があるといったものがあります。

 

 

 

・胃寒型

上記の胃気虚より発展したものです。

こちらも普段からお腹の調子が悪い人がなりがちですが、特にお腹に冷えがある人に起こりがちです。

気血を子宮に溜め込む際に冷えも一緒に溜め込み、強い冷えと化して逆上する事で悪阻となります。

症状としては、お腹を冷やすと強い痛み(切られるような痛み)が現れ、吐瀉物は水っぽさが強くなります。

冷えや顔色の悪さ(白っぽい)、お腹の張りが現れることもあります。

 

 

・痰湿型

痰湿とは、水の流れが滞って停滞したものです。日本人は湿気の多い国に住んでいる分、体の水捌けが悪い人が多いためにしばしば見受けられます。

症状としては胸や胃(みぞおち)のつかえ感、動悸、息の吸いづらさなど。いづれも胃の辺りのつかえを起点に、呼吸や心拍を妨げられる事で起こります。

そして吐瀉物の粘りは強く、水分の粘稠度が高くなっていることがよく表れています。

 

 

胃熱型と肝熱型

胃と肝に熱が溜まって起こるもので、それぞれ別の素因ではありますが、同じ熱による影響を受けたものです。

温かい空気が上に登るように、熱によって気が上逆する為に吐き気や嘔吐に繋がります。

胃熱では胃の熱によって、口の渇き・冷たい食べ物を好む・便秘などが一緒に現れ

肝熱では肝が上に昇る性質がある事から、目眩・口の苦味感・口臭などが現れます。

 

 

 

上記のような嘔吐が続くと、想像に容易いですが、胃液を消耗し胃の栄養状態が悪くなります。

そうなると口や周りや便秘といった「渇き」の症状が現れるようになります。

 

吐きすぎて渇きの症状が出た場合には「陰虚型」に移行したと考えられるでしょう。

7月20日、院長金子先生の奥様である邱紅梅先生が執筆した「生理痛は病気です」が発売されました。

この記事は実際に読んでみての感想です。

尚、書籍は当院でも販売しておりますので、読んでみたい!と感じてくださった方は店頭にてお声がけください

 

痛みがある事が当たり前、不調があるのが当たり前

辛くても我慢して頑張る!

日本人はそういう気質の人が多いと、読んでいて感じました。

 

学校や家族を見てもそうですよね

肩は凝っているのが普通、身体は怠いのが普通、生理は痛いのが普通。

身体は不調を訴えているのに、それが当たり前だと感じてしまう。

我慢して頑張ってしまう。

それはやがて五十肩だったり、早老だったり、不妊だったり、大きな疾患に繋がる。

 

本書では、生理痛を起点にどんな悪い影響が起こってゆくのかを、実際の事例を交えて教えてくれています。

僕の想像を絶するような生理痛、人生への影響もありました。

 

それもこれも、「生理が痛いのは当たり前」という悲しい習慣から引き起こった事で

その習慣は少しずつでも変えてゆける事でしょう。

生理痛に限らず、すべての不調に言える事でもありますけどね。

 

「痛みがあったら不調の証」「少しでも不調なら養生する」

自身の将来の為にも、家族の将来の為にも、「養生の習慣」が広がるように

 

少しでも多くの女性男性に手に取って頂ければと思います。

 

スタッフ伊澤

本の文字が読めない、スマホの文字が見えない

年齢を重ねると現れる所謂「老眼」。

医学的には「遠視」と呼ばれ、文字通り遠くの物しか見えない、つまりは近くにある物へのピントが合いづらくなる症状が現れます。

 

ではなぜ、近くの物が見えづらくなるのか、中医学的にご紹介してゆきたいと思います。

 

 

陰精不足によるもの

陰精という、生殖活動や精神活動、また若さを保つ物質の不足によって生じる遠視です

この物質が不足するとピント機能が低下する為に近くの物が見えづらくなります。

陰精が不足する要因としては、疲労・食事の不摂生・性活動の不摂生・過度な悲しみの感情・老化などが挙げられます。

 

 

 

②陰虚火旺によるもの

①をベースとし、潤い成分の低下から熱が亢進したものです。

身体の中の潤う力と熱は互いに互いが暴走しないように上手くバランスを取っていますが、潤う力が弱まり熱を抑えられなくなると様々な熱症状が現れるようになります。

この型で主に現れる症状は目や口などの渇き症状と、頬の赤み・寝汗・午後に悪化する微熱と言った熱症状です。

熱が精神に影響すると思考が巡り続ける・夜寝付けないといった症状が現れます。

 

 

気血両虚によるもの

いわゆるエネルギー不足により長時間目を凝らす事ができなくなり、同時に、眼球や眉間に痛みが現るのが特徴です。

エネルギーと血(けつ)の不足ですから、身体は疲れやすく虚弱で、顔色も白っぽいような体質の人に見られます。

 

 

④陰陽両虚によるもの

陰は「陰精」、陽は「気」を指します。

と、いうことは①陰精の虚③気血両虚両方を併発し、目の力がかなり衰えている状態です。

基本的にはどちらか一方の症状が現れた後でもう片方の症状が上乗せされます。

症状も2つの原因に記載したものが出やすいですが、特に暗いところで見えづらさが際立ちます。

歳を重ねることでおこる遠視はこのタイプである事が多いです

 

 

 

遠視の原因の多くは「不足」によるものが多いことが分かりました。

であれば、普段から不足に至らないように胃腸を強めたり、激しい消耗をしないような養生が健康な目を保つのに必要ですね。

 

 

 

伊澤

近代人の悩みの一つとして、近視があるのではないでしょうか

パソコン、テレビ、スマートフォンなど、科学の発展は私達の生活を豊かにしましたが、モニターに囲まれ、モニターを注視する様な生活の中で

我々の眼は機能を阻まれています。

 

そこで、中医的な見方から、どの様にして近視になるのか、紐解いて行きたいと思います。

 

 

まずひとつ目に挙げられる原因は"気虚神傷"です。

目の使いすぎによって目を働かせる気が減少し、視力の低下に繋がります。

目も他の臓腑と同様に、気血がないと働けない器官なのです。

目の低下と共に倦怠感があり、逆に疲労が溜まると見えづらさは悪化します。

疲れると目が見づらい時はこれを疑います。

 

 

次の原因は肝腎の虚です。

こちらは、目の働き支える立場の「肝」の力と、肝をバックアップする「腎」の力が落ちることで視力が低下します。

力の低下という部分は気虚と同じですが、こちらは全身的というよりかも肝の機能が落ち、目の機能が落ちると考えられます。

その為、発生の原因も心が穏やかにできなかったり、性行為の不摂生などといった肝・腎の力を弱める要因が主になっています。

視力の低下の他には、足腰のだるさや勃起不全、尿漏れといった「腎」に関わる症状が現れます。

「腎」は年齢を重ねる事でも痛みますから、年齢による近視はこのタイプが考えられます。

 

 

いかがでしたでしょうか

近視の原因は、主にエネルギー不足にあると。

しかも、大抵は使いすぎにあるというのです。

 

くれぐれも、目の使い過ぎには気をつけなくてはなりませんね。

 

 

伊澤

本をパラパラとめくっていると、「頭面瘙痒」という文面を見つけました。

あれ?普通の「痒み」とは違うの?と思ったので調べてみようと思います。

 

痒みの記事はこちら→痒みの原因

 

頭面瘙痒は頭、顔、首、に限定して現れる痒みらしい

そしてどうやら、痒みの発生機序も異なるようだ。

 

 

風熱上によるもの

汗をかいた後に痒くなるものがこれに相当する。

汗は身体の内部から外側へ、主に水分を排出するが、この時逆に外からの侵入も容易くしているのだが

開いた穴(汗腺の様なもの)から風の邪が入り込むことで痒みが発生する。

痒さの特徴として、「虫が這う様な痒み」を発生させ、痒い場所もコロコロと変わってゆく。

1箇所に止まらない「風」の性質がよく現れた痒みと言えよう。

 

血熱風燥によるもの

元気過ぎる人に現れる。

「元気過ぎる」というのは、血気盛んな人を指しているのだが、気血が多過ぎるのは熱を持ち易いことを意味する。

多少の熱は感情や身体を動かす原動力となり、元気な人物像を作る。

しかし、熱が溜まり過ぎると、落ち着きがなくなったり、イライラしたり、興奮して眠れなくなったりと不調の原因となる

そういう状況の時に頭の痒さが現れたら血熱風燥が疑われるだろう

他にも口の渇き、頭皮の渇き、頭皮が屑となって落ちる、といった渇きの症状を呈する事もある。

 

虫毒によるもの

いるゆる「アタマジラミ」が頭に寄生することで発生する。

アタマジラミは髪の毛に寄生し血を吸って生活するが、粘着力の高い卵を髪の毛にビッチリ付けるためにシャンプーで根絶させるのは大変難しい。

治療としては主に薬での駆除を第1選択としするも、繁殖スパンが短く薬の耐性を持つ可能性も高くなっている。

しっかり効く薬を選び、根絶させることが重要だ。

 

感染経路は頭皮同士をくっ付ける、帽子やタオルなどから直接感染する「接触感染」。

保有者との接触の際には注意だ。

 

人に寄生するシラミは大きく

頭に寄生する「アタマジラミ」

衣服や布団などに寄生する「トコジラミ」

陰毛に寄生する「ケジラミ」

がいるが、それぞれの生活環境にはそれぞれのシラミしか寄生できない。

毛に引っ掛ける爪の形が違うからだと考えられている。

 

頭の痒みにおいてもポイントとなるのは風邪と熱邪のようですね。

この邪たちをいかに外に追い出せるかが痒みを止めるポイントですね。

以上、頭の痒さでした!

 

伊澤

夏になると気になるのは虫刺され。

特に、蚊に刺されると痒くて痒くて仕方ない!

今回は、そんな悩める肌の痒みについてのお話です。

 

痒みの原因は主に「内風」と呼ばれ、身体の中に風が吹いていると考えられてきました。

虫刺されも、乾燥肌も、身体の中で風が吹く要員があるのです。

 

 

血熱によるもの

温まった空気が対流を起こす様に、熱が篭ると風を生み出します

辛い物の食べ過ぎ、焦りなどの心因的な要因で血に熱が篭る事を起点に風が発生します

掻きむしると痒さは悪化し、熱がベースにある為に冷やすと楽になります。

夏になると痒くなる様な症状はこれがメインかもしれません。

 

血虚によるもの

血は身体に栄養を運びます。

この血が不足し皮膚を栄養できなくなると皮膚は乾燥し、風を産みます。乾燥しているので搔くたびに皮膚の屑が吹き、搔いた爪痕が残るのが特徴です。

年齢を重ねる、体質的に気血が少ない方に起こりやすいです。

 

風湿によるもの

痒みを伴う発疹のことです。水疱瘡(みずぼうそう)などをイメージしていただくと分かりやすいかと思います。

風の邪から来る痒みと、湿の水疱、両方の性質を持っているのが明らかで

水疱を掻いた後に組織液が流れ出ることもあります。

夏場から秋にかけて発症する事が多くなります。

 

風盛によるもの

痒みの原因である「風」の勢いが更に増したものです

これまでにあった皮膚の栄養不足や熱の亢進、外からの風の邪

これらが悪化する事で勢いを増します。

痒みは転々とし、一日中何処かが痒くなります。

風が強まる春によく見られます。

 

 

風寒によるもの

風の邪・寒さの邪が体内に侵入する事で発症し、顔や首・手に症状が現れます。

冬場に見られる乾燥肌の様なものでしょう。

温めたり、汗をかく事で症状が和らぎます。

 

 

 

この中で虫刺されはどこに分類されるでしょうか?

恐らくは血熱でしょう。それも刺された箇所の限定的な。

体内に入った毒を排除する炎症反応は熱症に分類出来るためです。

と、言うことは、痒さに我慢できない時は冷やすと良いのです。

是非やってみてください。

 

 

 

伊澤

鼻を摘んで水を飲むとしゃっくりは止まる、びっくりすると止まる。

しゃっくりに関する知恵袋はいくつか知られているが、では、何故しゃっくりが出るのか?

 

中医学的には胃は食物を溜め、腐らせ、腸へと運ぶ役割があるとされている

口→胃→腸の流れはいづれも上から下へ物が移動し、この流れ方が正常な消化器官の働きかたであるが

何らかの原因で下へ流れなくなる・むしろ逆走する、と言った現象が起こる。

この時、逆走つまりは上向きの力が働いた状態をしゃっくりと呼んでいる。

 

どんな原因で流れが阻害されるのか、さっそく見てゆきたいと思う。

 

 

胃寒気逆

不摂生な食事、なまの食物の食べ過ぎ、風邪などによって寒邪が胃腸の機能に障害を与える

胃は食べ物を貯蔵し、腸へ送る。つまりは下へ下げる作用を持っている。

寒邪によってこの作用が障害を受けると、胃の気は下げられなくなってしまう。

下がらなくなった気は上に登るしかなく、それがしゃっくりとなって現れる。

主に「寒さ」に原因を置く為、身体を温める事で症状が和らぐ。

 

胃火

こちらは「熱」を原因とする辛い物の食べ過ぎ、風邪により胃に熱邪が籠る

温かい空気が上に向かっていくように、身体の中の熱邪も気を上へ持ち上げてしまうのだが

それ故に、胃の気が上に持ち上がる現象がしゃっくりとして現れる

熱に起因するしゃっくりなので、口臭や胸苦しさ(心煩)を伴う事もある。

熱を冷ますこと、上がった気を下げる事で症状が治る。

 

同じ様な熱→上に上がる原理で、怒りの感情によるしゃっくりがある。

頭に血が昇るという事は、気は上に上がっている。

この上がった気が胃に影響すると、しゃっくりとなって現れる。

 

脾腎陽虚

陽とはいわゆる「気」の事。気の温める力が落ちるという事だ。

気とは身体を動かすエネルギー、機械で言えば電気の様な存在。

(消化器)や腎(下に降す力を持つ)の気が不足する事で食物が下へ降りなくなり、しゃっくりが出る。

名前が「気虚」ではなく「陽虚」になっているが、これはしゃっくりと併発して冷え症状が現れる為である。

具体的にはお腹や手足の冷え、下痢が現れる。

また、疲労が溜まる事でしゃっくりが現れる特徴もある。

 

 

胃陰不足

「陰」とは、いくつかある身体を潤す成分の総称(中医学的には血や津液、精をまとめて呼んだもの)

胃を潤す事ができないと胃の動きが悪くなり、食べ物が腸へ進めなくなり、溜まった気が口の方へ向かうとしゃっくりとなる。

潤いは水分を多く含むが、それが不足するので「乾き」や「熱」の症状が一緒に現れる事が多い。口や喉が渇きやすい、頭がザワザワする(煩わしい)・不安になりやすくなる、舌が赤くなる、等だ。

人によっては肌の乾燥なども現れる。

渇き+しゃっくりがでたらこのタイプだろう。

 

 

どのしゃっくりにも言える事だが、「胃の気を下に下げれるようにする」というのが大事だ。

「びっくり」すると腰が抜けるように、「恐る」という感情は気を下に降す力を持っている。それ故にびっくりさせるとしゃっくりは止まるのである。

驚かせるのではなく、恐れさせるのが止めるコツなのかもしれない。

 

 

 

スタッフ伊澤

前回に引き続き、膝に起こる痛みを調べてゆこう。

 

熱毒によるもの

外傷によりアザや血行不良が起こる。滞ったものは熱化する法則によって熱毒となる

膝に触れても分かるくらいの熱を帯び、温めると痛みが増す。

放置すると関節液の粘度が高まり、酷いと皮膚に漏れ出す。

ここまで来ると治るのに時間がかかる。

 

湿毒によるもの

湿と毒邪が入り込む事で発生する

緩やかに発症し、膝関節を腫らせるも色は変わらない。痛みは強く、絞られているようだったり、切られるような痛みが現れる。

 

 

鶴膝

膝疾患のひとつ。膝関節が腫れ、足の肉が痩せ細る事で鶴の脚のように見える病。

腎気の不足、寒凝が膝に溜まる、小児の場合は先天の天賦の不足、などによって引き起こされる。

 

 

 

スタッフ伊澤

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