臨床例から考える(学びの旅)

DSCN0903.JPGこのコーナーは鍼灸治療の特徴や醍醐味、

個人的に気をつけるていること、

症例から考え感じたことどを書いています。

 

個人を特定できないように書いていますので、わかりずらいところがある場合はご了承くださいませ猫

私たち「チームさくら堂」は患者さんとの出会いから学び成長します。

学びの旅はどこまでも続きます。

経絡疏通の3パターン

2020/11

経絡中の気血の流れには大きく3つある。

停滞、枯渇、そして逆流の3つ。

停滞とは気血の流れが悪くなること。

神経痛などに多く、外邪、精神的抑鬱などを因とする。

枯渇は気血の総量が毀損すること。

臓腑の失調、外邪の長期化でなることが多いが、上部の経絡の停滞が原因で、その下部の経絡の気血の総量が減ることもある。

逆流は部分的な気血の逆行現象を指す。

停滞の次の段階として起こりやすい。たとえば下降を常とする胃の気が逆行すると嘔吐するなど。


直近の患者さんだったが、抗癌剤使用際の太陽膀胱経の逆流の例を聞く。

使用後は自身の体調にもよるのだが、概ね倦怠感があらわれる。

ある時の話として顔面部が眼を中心におもいきっり腫れあがった、そうである。

これが太陽経の逆流である。

逆流は経絡が表層部から体内に分け入る場所で起こりやすい。太陽経なら頭頂部から脳に入るところと膝窩から腓腹筋に入ることである。

このケースは別ルートで脳に入るところの逆流として捉える。この時の常見症状が面頭部の腫れなのである。

抗癌剤がいつも以上に腎に影響を及ぼし、表裏の太陽経の逆流を起こしたのか?たまたま正気が弱くなったところに外邪が入り、停滞から即座に逆流を起こしたかのどちらかであろう。


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肩と目の痛み

定期的に通っていただいている患者様の症状を見る(治療補助で)と、症状の展開や五臓六腑の連動性を感じる機会が多い。

現代医学では診療科も分かれており、一見関係がないように思われる「肩」と「眼」。

全てが「肩の痛み」→「眼疾患」と展開するわけではないのですが、伝統医学上での知識を通じることで、展開や連動性が見えてくることがあります。

下記、一例ですが事例を用いて紹介したいと思います。


■初診(2年前):主訴「五十肩」

50代女性。「腎陰虚」ベースと判断(加齢により保湿成分が損なわれた状態)。

肩関節を構成する組織の潤いが損なわれた結果、組織が硬くなり痛みとして現れる

数回の治療で回復。その後は、症状によって適切な通院頻度を提案。来院いただく(急性症状は週2回程度・養生目的で月1度)。

 

■1●回目:主訴「眼の痛み」

弁証は「肝腎陰虚」。「腎陰虚(加齢により保湿成分が損なわれる状態)」→「肝腎陰虚」の展開。五臓六腑の「腎」と「肝」は保湿成分を補う関係にあり、腎に不足している陰液を肝が補うことで、肝も陰液を不足しまうような状態。

「肝」は人体における眼と密接な関係があり、眼の保湿成分が失われることによって痛みとして生じる。

 

少し専門的ですが、伝統医学上での症状の連動性や展開を感じることが出来たでしょうか?

事例のような「肩」と「眼」に限らず診療科が別な症状でも連動しているケースは多く存在します。そして鍼灸治療はあらゆる疾患に対応しております。

主な通院目的以外にもお身体のことで気になることがあれば、対応できますので気軽にご相談下さいませ。

 

スタッフ 杉本

 

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季節限定疾患-夏の鼻血

2020/8

ある特定の時期にしかお見えにならない患者さんがおられます。

たとえば、冬に来られるぎっくり腰の方。

梅雨時期の眩暈の方や秋~冬にかけての便秘の方などなど・・・

 

この間来られた方は夏場限定の鼻血の方

元来水分の保湿力が低く、猛暑日などでは体温のコントロールままならずのぼせが出てきます。

いうなれば熱が上部にこもる感じになります。

熱により血が動かされて出血しやすい環境になるわけです。

たぶんいつも左の鼻からということなので、粘膜が薄くなっている部分があるのでしょう。そこから薄い壁を破るように鼻血が出ます。

典型の陰虚火旺というカテゴリーに入る症状です。

発症期は主訴を抑える。

できれば緩解期には定期的体質改善の治療をすればベストな状態に持っていけるでしょう。

 

この場合なら今は上部の熱を取り除きます。

その後は保湿力のupをわかる治療に切り替えるとベストということです。

 

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初めて臨床家として自分を認めた日

2020/8

信仰心の強い祖父に導かれるようにこの道に入ったわけであるが、果たして自分がやれる道なのか実に20数年迷っていた。

一応、論文が多いこともあり業界ではそこそこの知名度はある。

書籍もそこそこ認められている。

勉強会を通して育っていった後進は100名を下らないだろう。

人から見れば「オーexclamation」かもしれないが、本人は全然納得していない。

鍼一本であらゆる局面に対応しよう思っているから。

現実の壁に右往左往する自分を認めていなかったのだろう。

 

とある日、知人の勧め(騙されて)マニラ郊外のバルナバでボランティア治療をすることになった。

僕はいかにもボランティアしました爆弾的乗りは好みではない。自己満足か売名に思えるから。

もちろんそうではい方も多数おられることは知っている。そのような方は軽くボランティア活動を口にしたりはしないと思っている。

無医村で命を削りながら助産、教育、治療に励むT女史の生き方に興味を持ったことに尽きる。

情熱大陸でも紹介されたので知名度はおありなようであるが、僕にとってはそんなことより「どうしてそこまでやれるのか」の一点以外は興味がない。

自分がちゃんとこの人との眼をみて対峙できるのかを試したかった。

とにかく自分の今までを出してみよう。

たとえばゴミ山での生活。生きるという意味が観念論ではなく、すごくリアリティー。

来る患者はERかターミナルケア―。

何とか持てるすべてを出し結果を出したが、精神的な置き場がなく、2日目には自分自身の片耳の聞こえが悪くなっていた(耳管開放症のような症状)。

夜中分娩室に呼ばれチアノーゼ色の新生児をどうにかしてといわれる。生まれて10分くらい?まだ大きな産声は上げていないが、微かに呼吸はある。

胎盤部分剥離が7日以上続いた後の出産らしい。

日本ではあり得ないことばかりだったが、これには完全に立ち往生。

指を鍼に見立てながら上下の気海を交通させる。

その後肋骨に手を当てながら気を送る。

それをとにかく繰り返した。

頭の中は真っ白で、とにかく僕の命を少し上げるから頑張れ、という感じで、論理的にそうしたわけではない。

時間感覚が全く飛んでしまったので、5分後か30分後かわからないが、とにかく肌の色が急に赤みがかり大きな声で泣いてくれた。

良かったとかは後の話、とにかく終わったと言う感じの脱力感しかなかった。

臨床家は大きな山を幾つか越えなければならない。

ひと山超えた瞬間であった。

この子の生命力のお蔭で山を越えることが出来た。

相手との関係の中でしか臨床家は育たないことを体に刻まれた気がした。

そしてこれ以後、少しだが息を抜いて包み込む感じの治療が出来るようになる。

 

 

※新着時期を過ぎると左サイドバー《臨床のお話》に収められています。

切り替え力が大事

2020/7

僕は日頃はごちゃごちゃと気を病む質だが、臨床に入った時だけは恐ろしく切り替えが早い。

ベッドから次のベッドに入った瞬間に前の方の症状、分析した内容、ときには名前まで忘れてしまう。

忘れるというか、頭の隅の格納庫に入れてしまうので、引きずってしまうことは皆無である。

その格納庫にしまう儀式が患者さんと患者さんの間に一度だけ大きな心呼吸をすることである。

長年の臨床経験からそれが一番良い治療ができると思い身に着けたようである。


「120%の力を軽く80%ぐらいで力でやっているようにする」というのが理想である。

 

ときどきテコでも病態が快方に向かわず、一進一退を繰り返す方もいる。

思い切った策を講じなければならないときである。

まず、治療の方向性を再検討する。

証は間違っていないのか?

あるいは証にたどり着くまでの病理は間違っていないのか?

確証を取り間違っていないなら・・・・

同じ方向でもツボを変えたり、刺激の質量を変えたりする。

それでもダメなら証として捉えた病理の前病理を治療の対象にしたりする。

 

他にもいろいろあるが、言いたいことは臨床家は二の手、三の手を常に用意しなければならない、ということなのである。

この折、前の患者さんのことを頭に残しているとフラットな状態で最善の策が打てないのである。

 

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※新着時期を過ぎると左サイドバー《臨床のお話し》に収められています。

 

経絡の壁

2020/6

僕が鍼を刺すときにもっとも留意するのが経脈と絡脈の間にある「経絡の壁」

集中して鍼を体に入れる。

表層から絡脈を通し、少し硬いところに触れる。

これが経絡の壁。

この壁が硬い人、柔らかい人、フニャフニャな人など千差万別。

この壁のところで刺激量や技巧を変えてゆくと、鍼独特の響きが生じてくる。

その響きを広げたり、先に進ませたりする。

 

この壁を越えた(経脈の入り口)場所で刺激量を変え、ときにひねるなどの技法を加えると、そこの硬さが変化する。締まってきたり、緩んできたりする。

できるだけ患者の呼吸に合わせながら行う。

治癒率が格段にあがるのだexclamation×2

 

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※新着時期を過ぎると左サイドバー《院長の呟き》に収められています。

問診と脈診の違い

2020/6

皆さん、鍼灸院に行くと、そこの先生が手首の動脈を診ながら難しい顔をしている風景に出会うと思います。

これが伝統医学独特の診断法のひとつ脈診です。

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これで気血の状態や臓腑の盛衰を診ます。

 

もちろん問診も取ります。

主訴は?

いつから?

どんな状況で発生したのか?

増悪因子は? 緩解因子は?

随伴症状は?

既往歴は?などなど。

 

このふたつは病理を探す両輪です。

どちらもなくてはなりません。

もちろんその他の診断法もありますけど。

 

チームさくら堂のスタイルは問診で病理を絞り込みながら、脈診で確認を取ってゆくスタイルです。

たとえはどうかと思いますが、問診は自白による証拠、脈診は物的証拠と考えてください。

 

※新着時期を過ぎても左サイドバー《臨床の話》に収められています。

治療6、語り1、そして聞くこと3

2020/6

「治療6分、語り1分、そして聞くこと3分」

これが僕のが理想形の治療スタイル。

でもこれも意識しないと、おしゃべりの僕は聞くと話すが逆転してしまう💦💦💦

 

聞くことで患者さんの隠れた問題点が見えることもある。

心をフラットにしてとにかく聞く。

症状を落とさないために聞くというというより、何気ないひと言や言葉の行間を聞く。

ここからいろいろな背景を推理する。

 

これからもこういう姿勢を「チームさくら堂」で共通してゆきたいと考えている。

 

※素直に聞く。

※聞く勉強を怠らない。

※肯定的に聞く。

の3要素が大事なように思う。

 

ときに男性脳というか直線的思考回路が邪魔になる。

患者さんはときに質問形式で語られる。

しかし、その実答えを求めていない、という場面が結構ある。

共感を求めたり、愚痴をもらしたりするだけ・・・・

男性脳はこれに気づかず、答えを考えてしまう。

その間、耳が隠れてしまうふらふら

いけませんなぁー、と反省する。

耳を大きく広げましょう。

 

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※新着時期を過ぎるても左サイドバー《臨床のお話》に収められています。

 

 

 

 

 

老化には2段階あると思っている。

2020/5

老化には段階があるのではないだろうか。

そのまえに腎気の成り立ちを考えてみる。

まず父母からもらった先天の精がある。

その先天の精は後天の精である飲食物の滋養を受けて成長する。

その先天、後天のミックスされた精は腎に蓄積されるので腎精といわれる。

その腎精の転化したものが腎気となる。

僕はこうように考えています。

※元気の位置づけはまた別の項でやります

 

話を戻します。

老化とは?ですが、一応時間経過とともにおこる死に至るまでの機能低下現象と定義します。

一般論として漢方家は老化は腎虚というでしょう。

この腎虚は幅がありすぎ(〃艸〃)ムフッ

 

老化は初期には腎精が減少した頃に起こる、と考えています。もちろん程度の差はあります。

腎精が不足した分、腎気に転化する分が減り腎虚ということになります。

おおむね症状の現れどころは慢性の腰膝酸軟、前陰の固摂失調から腎精不足の兆候、軽度の肺気の不足などです。

先天の精はある程度ある⇒腎精は減少⇒腎気不足。となるわけです。


第2段階としては先天自体が減少します。後天だけでは補いきれません。結果腎精不足が起こり、当然ながら強度の腎虚となります。

症状は脳髄の機能低下、不可逆性に近い耳目の症状あたりが有力です。

先天の精の減少⇒腎精の減少⇒腎気不足。となります。

 

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完全オーダーメイドの世界観

2020/5

鍼灸治療の特徴は全面的個別対応である。

たとえ主訴が同じ疾患の人でも、

※そこまでの成り立ちが違う

※歴の長さが違う

※増悪因子、緩解因子が違う

※体質が違う

よって取るツボ、その角度や深度、あるいは組み合わせが個々で全く違ってくる。

要は完全オーダーメイドの世界なのだ。

よく健康系の雑誌とかで〇〇に効くツボを挙げてくださいと言われる。

実にこれが一番困るわけ。

仕方なく一番使う確率の高いツボだけ挙げる(それとで角度と深度が状態によって違うけど)、最近はお断りできるようになったので気が楽。

これが東洋医学の特徴のひとつである。

 

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呼吸を合わせる

2020・4

良く学生さんや塾の生徒さんに、「患者さんと息を合わせるんだよ」と言います。

治療がうまくなる秘伝みたいなものだから、ちょっと言い過ぎか((´∀`))ケラケラ

息を合わせるとは、呼吸を合わせ患者さんの間合いに自然に溶け込むことなのです。

なんといいますか、同調する感じですかねー、

楽器は違っていいのですが、リズムを同じにするというかー

 

こういうのは結構簡単なようで難しい。

その人そのものが如実に出てしまうから。

小学生でこれを習得している子もいれば、50過ぎでも全くお粗末な方もいる。

最初のポイントは「ユリ」です。

ユーゆずる

リー理解する

ですねー

 

 

痛みの感じ方に違い

同じような病気でも、人それぞれに痛み方が違います。どうしてこのような現象が起きるのでしょうか?

確かに『痛みに強い人・弱い人』という言い方があるように、感じ方は人それぞれです。このような違いは、一般に閾値(いきち)の違いとして理解します。
疼痛閾値は、文字通りどのくらい値で痛みを感じるかという点を数字化したものです。通常は圧力計を使い図ります。
痛みは脳内で把握するものですから、その時々の精神状態や過去の経験などが、この疼痛閾値を大きく左右します。

たとえば、神経質になり、痛みのことばかり考えていたら、閾値は下がる、つまりちょっとの痛みでも、ことさら大きく強く感じます。つまり痛みに集中すると、さらに痛みが増すという法則が成り立つわけです。

逆にいえば腰痛や神経痛があっても旅行中(楽しい場面)などでは痛みが出ないことがあるわけです。
恐怖心も閾値を下げます。初めての痛みだと、過去に経験がなく、不安が強くなる傾向を持ちます。たとえば東洋医学で驚悸(きょうき)といいますが、不安・恐怖による急な動悸には、胸痛を伴います。

 

  

壮健な御仁

臨床的印象であるが、老化とは徐々くると思っている方もいようが、私にはそうは見えない。 ある時期の数ヶ月で、どっと老化し、数年その状態が続く。そしてまた急激に老化し、また小康状態に入る。 齢80を超えると、このような老化ポイントが数回はあるだろう。 今回の患者さんは82歳の御仁。 下肢のシビレが主要症状。 年齢の割に腎が強壮という印象を受ける。 通常のケースでは年齢なども加味すると、症状の消失まで相当の時間がかかることもある。 今回はシビレの消失まで3回の治療で済む。 かなり短期間で消失した。 余程壮健な腎の持ち主と考えて良いだろう。 この間の大雪の中雪かきもされたようである。 何でもなかった、とご本人は満足げではある。

この時期風邪ひきさんが多い

2017/12 この時期風邪をひいて来院される方が多い。 今日の方も感冒が主訴。 証でいえば「太陽中風証」、いわゆる風寒虚の状態。 散寒解表もするが、寧ろ調和営衛が主体となる治療が必要。 補気滋陰をしながら、それを表部に集まる形になる。 風邪だから邪を出すというほど単純なものではない。 どこまでの状態だと解表するか、大半の治療家は知らない。 感冒は治療の対象ではないと考えている限り、なかなか風邪の鍼灸治療は発展しないように思う。 今月も感冒の鍼灸治療をテーマの講演がある。 少しでも参加やの面白さを伝えられたら嬉しい😂

同級生が同じ症状

2017年10月 患者さんの中に時折教え子さんがいたり、塾の生徒さんがいたりします。 この間は面白いことに同級生のお二人が同じ症状を出しています。 共時性 左右の違いはありますが、2人とも足首痛。 しかし、原因は違いました。共時性ではない? ひとりは明らかな捻挫、しっかりとした外傷歴があり、そのため、持病の股関節痛まで再発しています。 証は離経のオ血も存在する血オ血熱から血オ気滞。 もうひとりは外邪が足首に侵入したケース。湿熱の邪が悪さしています。 ツボ、鍼の打ち方、響かせ方など病理が違えば、全て違います。 同じような痛みでもわ病理が異なれば治療方法が違ってくる。 これが伝統医学の持つ構造なのです。 、

お灸による瞬間脱力法

2017年10月 ひどい筋肉のこわばりで首が後ろに回らなくなった患者さんでした。 実に印象深い患者さんです。 理由は全身彫り物の方を始めて見たからです。 そちらに興味が行きがちにならないよう気を引き締めましょう。 まず、この症状には瞬間脱力方という方法を取りました。 瞬間脱力方とは筋肉に一時的な強い収縮状態にした後、瞬間に力を抜いてもらうことで、 一気に弛緩状態に持って行く技法です。 強いこわばり状態には著しい効果が期待できます。 これをお灸でやったわけです。 頚椎あるいは上部胸椎で一番凹んだところにお灸します。 じかに 直にお灸すると物凄く熱いでしょね。 そうすると筋肉は熱さに抗するため、緊張しますか?弛緩しますか? 当然、緊張しますね。 お灸の厚さなどものの1秒ほど、その後は筋肉は緊張しますか?弛緩しますか? 当然、今度は弛緩します。 すると一気に緩みます。 背骨のところを治療しているので、私は患者さんの背後にいるわけです。 この方、冒頭で話したように全身に彫りものが入ってます。 「熱いだろう、何するんじゃ、このヤロー」でした。 後ろを向かなかった首を180度近く回して私に叫びました。 終了です。

2011年1月 疾患別来院数

「鍼灸院にかかったことがありません。私の状態は治療の適応範囲でしょうか?」というご質問を数件頂きました。そこで2011年1月に実際に行った治療から、すべての主訴を割り出しました。ご参考にしてください。

○腰痛

1月全体の治療回数の1/4近くの22.1%が腰痛の治療でした。思った以上に多い気がします。そのうち3割が急性腰痛、7割が慢性の腰痛です。診断が確定しているケースでは脊柱管狭窄症が最も多く、ついで椎間板ヘルニア、変形性腰椎症でした。

 

○不妊症と妊娠後のアフターケーアー

妊娠前後を合わせ、1月全体の18.0%は妊娠に関わる治療でした。そのうち55.0%の方が不妊症で、残り45.0%の方がその後の安胎の治療です。安胎の治療とは過去に流産歴などがある方などに妊娠の安定状態を保持するために行う治療のことです。悪阻の処置なども含めました。また、不妊治療のうち90%以上の方が不妊外来(病院)と併用なさっています。

 

○病後のアフターケアー

体調管理の一環ですが、過去に何か大病を患い、その再発防止を目的とするケースが大半です。癌が最も多く、ついで脳梗塞、腰痛、潰瘍性大腸炎の順でした。全体の11.2%を占めます。癌は乳癌、大腸癌、胃癌でほぼ90%を超えています。

 

○膝痛

変形を中心に9.0%が膝の治療です。少数ですが急性の靭帯損傷の方もおられます。

 

○頚痛

ストレートネック、頚椎症、鞭打ち症などが主で、7.7%が頸にまつわるケースでした。近年ストレートネックの方が増えている感じがしています。

 

○関節周囲炎

いわゆる五十肩ですが、7.2%を占めます。大半の方が病院の紹介です。急性期は痛みを取ることに主眼を置きますが、慢性化したケースでの来院もあり、気長な治療が必要です。

 

2011年1月は上記の疾患で約75%です。以下複数(2〜9回)までの治療した疾患を多い順に列記します。

○足底痛

○坐骨神経痛

○腱鞘炎

○癲癇

○突発性難聴

○痩身

○更年期症状

○肩こり

○リウマチ様関節炎

○頭痛

○鬱病

○潰瘍性大腸炎

○動悸

○不眠

○胸痛

○腹痛

○手のしびれ

○外痔

○アトピー性皮膚炎

○下痢

○背部痛

○血糖値の下降依頼

 

このようなデーターは定期的に提示するつもりです。

ニューヨークからの手紙

2015/12

昨今はクローバルな世界。。。。。

以前にもニューヨーク在住の中医師の女医さんから患者さんの依頼を受けたことがあります。

シンガポールの中医師の先生に患者さんをご紹介したこともあります。

今回は突然のニューヨークからのお手紙。

それまで治療していた患者さんさんからプレゼント

お礼と近況報告。

このような手紙は治療者冥利に尽きます。素直に嬉しいものです。

 

この患者さんは仕事のきつさやプライベートな悩み、目標の喪失などで・・・・

伝統医学でいう肝気鬱に・・・・・

簡単にいえばストレスにより筋の収縮病理および疼痛閾値の低下があらわれています。

精神的にも「ゆ・と・り」がない。

眉間に皺を寄せないでよ・・・美人ちゃん、という感じでしょうか。

肝気鬱の配穴を組み、色々話をしているうちに徐々に肝気鬱が取れて来ました。

人それぞれには波があり、良い時も悪い時も、楽しい時も、つらい時もあります。

流れを食い止めるような生き方も悪くはありませんが、疲れます。

また激流に逆らうには心身ともにエネルギーが充満していないと臨めません。

「流れに任しながら、力を抜く」という生き方も悪くはないものです。

心を放すとゆ・と・りが生まれます。

ニューヨークでの生活が楽しそうで何よりでした。

 

 

 

 

 

 

 

急がば回れ

2015/11

医療関係のお仕事の方。

一応の病名は過敏性腸症候群。

昨年夏より慢性前立腺炎。

頻便、腹痛、肛門痛が出現。

痛みが現れると過緊張状態から動けなくなる。

 

まず小腸気滞から始める。

クローン病、潰瘍性大腸炎はないだろうとのこと。

肛門痛は陰部神経近くに鍼を届かせる。

色々お話しながら少しづつ職場復帰を目指す。

お疲れの際は腎虚に対処。

※最終目標は肝気鬱を取ることです。

 

〇この例は本人の医学知識が高く、意向を最大限組みながら治療を組み立てることにしました。

それが本人の理解に繋がり、肝気鬱を取ることにも繋がります。

大きな弁証より、その場の最大のことをする、という方針で功を奏した珍しいケースである。

 

※この症例では肝気鬱、ご本人の言葉なら極度の緊張や強い不安感が見えました。

そこで少し遠回りでしたが、あえて多岐にわたる症状をひとつずつ拾い上げ、

拾い上げた治療方針を説明し、医学的な頭で納得してもらいながら進めました。

ときに患者さんの意見を取り入れたりもしています。

理解ー納得ー信頼ー症状緩和ー不安感の減少という進め方です。

山の頂を目指す道から整理してゆく感じでしょうか。

急がば回れという感じです。

この諸症状は不安感を因とする極度の過緊張によるものなので、そうそうは良くはなりません。

そこで不安感を取り除くための治療を捨て、細かな症状の緩和から入ったレアーなケースでした。

本丸を最初から捨てることで本丸を目指すという感じです。

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悲しくないけど涙が止まらない

2015/6

子育てしながら2時間の通勤をこなす患者さん。

勤務先までの通勤時間が2時間近く、神奈川から東京をまたいで埼玉まで。

毎日の生活がやっとやっとという感じです。

 

いつもは気丈に振る舞われるのですが・・・

今日は、泣いてしまう。

サポートしてくれた同僚がやめてしまうらしい。

これで緊張の糸が切れたのだろう。

涙が止まらない。

本人いわく、悲しいわけではないが涙が止まらない。

 

〇心気の低下すると、気のものを貯める働き(固摂作用)が著しく落ち、悲しくないのに涙が止まらないことは良くあります。

心の病証なので不安はありますが、悲しいわけではありません。

現に治療中、私のつまらないギャグに笑いながら涙は出ています。

 

 

 

 

冷えの塊りが・・・

2014/2/20

今日は珍しい臨床がありました。

寒凝気滞(冷えが経絡に入ること)の肩こり〜頚部痛の患者さん。

寒凝気滞自身は珍しいものでもなく、ごく日常的に見られる病理です。

舒筋活絡(筋肉を弛緩させること)の目的で左の陽陵泉というツボを触ると・・・

ツボの中に冷たい少しブヨッ射手座とした塊りを感じました。

ここまではっきり知覚できることは珍しいです。

ちなみに反対側の陽陵泉にはこの現象はありません。

そこで塊りのある側(左側)のみに冷えが侵入したものと判断し、

左だけ痛むのですか?と尋ねました。

ドンピシャリ・・・その通りというお答えです。

とても珍しい現象でした。

 

胆病

2014/2

今日初めての体験をした。
といいますか、古典の条文と寸分違わない患者さんに出会う。

《霊枢・邪気臓腑病刑》に『胆病む者は、善く太息し、口苦く、宿汁を嘔し、心下澹澹として、人のまさに之に捕まらんとするを恐る。介介然して、数々唾するは足の少陽の本末にある。亦其の脈の陥下する者を視て之に灸す。其の寒熱する者は陽陵泉を取る』という下りがある。

太息、口苦、胆汁は吐かないが強い悪心、心下を指して落ち着かない感じがするという。誰かに追われるている感じもするという。喉の異物感、多唾もある。

やっぱり古典はすごいわなぁ〜、とあらためて思いました。


やはり古典を読んでおかないとだめだがく〜(落胆した顔)


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※新着時期を過ぎると《臨床のお話》に収めらています。

温めることが全て良いか?

2019/7

お疲れ様です。金澤です。

以前みたいなジリジリした暑さではないですが暑いです(>_<)

また台風来てますね(>_<)今回の名前はファクサイですって…15号で良くないですか?笑

 

さて今日は「温めること」について

最初にお伝えしておきますが、温めることの善悪を書いているわけではありません。

温めることについて東洋医学的な視点で見ていきましょうのコーナーになります(・∀・)

皆さん温めるイメージはどんな感じでしょうか?

温めるだけだと大きすぎるのでお風呂を例にとってイメージします。

身体が温まる、血流が良くなる、発汗する、リラックスする、などが一般的ですネ

中医学でお風呂の効能を挙げていくと

・補陽(温める力を補う)、

・散寒(寒邪を散じる)、

・行気(気を巡らす)、

・利湿(余分な水分を取り除く)、

・疏肝(リラクセーション)、

などがあります。※カッコの説明は東洋医学用語を一言で表してみました。

例えばお風呂に入って症状が緩解する場合、その人の症状に上記した効能が当てはまっていることになります。

反対にお風呂に入って起こりうる身体の副反応を書いてみます。

・温め(熱)による気が上がる症状→めまい、耳鳴り、立ち眩み、のぼせ、頭痛など

 症状が熱病理であれば悪化、体質的に上に気が昇りやすい人などは上部に症状が起こりやすい

 

・温めによって陰液の消耗

 陰液とは身体の保湿する機能を主ります。いわゆる身体から作られる天然保湿剤のイメージです。

 身体を温めすぎで大量の発汗をすると陰液の消耗に繋がります。

 

・温めによる気の消耗

 上述した陰液と似た感じになります。大量の発汗をすると陰液の消耗と同時に気の消耗もします。

 陰液と気はセットみたいなものです。マクドナルドでいえばハンバーガーとポテトのような存在です。ラーメンと餃子のような仲です。ケーキに紅茶のような仲です。僕はコーヒー派です!(どうでもいいですね笑)

 

温めの熱、温めによる発汗から身体の生理物質の消耗が副反応として現れやすくなります。

人によって反応が違うので具体的な症状は書けません。ごめんなさい!

 

温めに関して今回は書いてみましたが

何に関しても良い効能があれば、副反応もありますということです

もう少し深くすると、

人の体質によっても変わります。

その人の持っている症状の性質によって変わります。

その時の季節によっても変わります。

 

温めが良いこともあれば、温めが良くないこともあります。どちらでもない時もあります。

ただ温めが身体に良いと偏った考えをしてほしくないので書いてみました。

吐法の鍼灸治療

2014/1/27

鍼灸治療には大きく瀉法と補法があります。

そのうち瀉法とは簡単にいえば余分なものを取り除くこと。

熱があれば清熱、血オがあれば活血化オとなります。

今回は吐法を試みました。

吐法は吐かせること。

吐法は痰飲という病理にのときに用います。

内関、陽陵泉に後、数穴足しました。

治療後に吐いてもらうなんて、普通の患者さんには到底理解できないと思い、やったことがありません。

この方は身内のような方(お弟子さん)なのでこの方法をとりました。

かつ心理的に誘導することは行けないと思い、その趣旨を告げませんでした。

治療後気持ち悪くなり、吐き気を催しましたが、吐くまでに至りませんでした。

吐くということに抵抗があったようです。

吐きたくないと我慢したようです。

しっかり「吐きたくなったら、吐いてください」と告げるべきでした。

吐いたら今の症状が劇的に改善したでしょう。

治療後は・・・・

脈は弦数⇒滑数に(快方に向かう)

舌苔は膩苔⇒滑苔(快方に向かう)

その後の宴会の帰りにはかなり全体の倦怠感が改善していました。

悪い師匠ですね(笑)

 

力量が試される(不育症)

2014/1/24

昨年あたりから不育症の方が急増しました。

12因子減少症、抗リン脂質抗体の方など・・・。

また不育症という診断に至りませんが、胎嚢、心拍確認のあとに流産した経験が2度以上ある方も居られます。

妊娠確認後に素早く安胎治療に切り替えます。

そのとき少しだけ活血や化痰清熱を加味することが多くなります。

現在20週目に入った方、胎嚢確認前の方、明日心拍確認をする方を抱えています。

患者さん自身が一番心配でしょうが、私もかなり心配します。

脈の安定か否かを診ながら1本、1本鍼を打つ感じです。

アスピリンなどを飲まれている方なら、微量な出血があることもあります。

体温が急に下がることも少なくありません(私はこれが一番怖い)。

温陽して上げます。

色々なシュミレーションを日頃から行い、出来るだけの対処の手を持ちたいと考えています。

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臨床始め

2014/1/7

新年あけましておめでとうございます。

本日から臨床を始めました。昨日まで知人の台北の先生のところを見学していました。

今年も宜しくお願い申し上げます。

好ダッシュです。

30日に受精卵を戻した患者さんに一応の妊娠反応。

幸先が良い揺れるハート

卵巣嚢胞6pの患者さんが3pに縮小。黒ハート

皆さん頑張ってくれたので・・・有難い報告を受けました。

ありがとうございました。

 

衝脈と排卵の関係を示唆する3例から見た私見

2012/9

《公孫穴考察》

この3例は同一日であったため、印象に残る。

共通点は排卵〜受胎期であること。いわば子宮が活動期にある。

1例は体外受精の半日前(@とする)、1例は同じく二日前(Aとする)、もう1例は人工授精の10日後(Bとする)。

Aは4日前の時点で内膜が15ミリに達す。Bは人工授精後10日間ホルモンパッチを使用する。

 

3例ともに衝脈調整のために公孫穴に千年灸(竹生島)を施灸。

通常は現れない左右の温度差を自覚する。

@、Bは左公孫が、Aでは右公孫が熱すぎて途中で中止する。

@に関しては逆に右公孫が知覚がない。A、Bは反対側の公孫が通常の感覚である。

 

●衝脈は子宮より起こる。気衝穴に出て、足少陰経に走行する。ゆえに体内の気血は衝脈を経て子宮に流入するものと考える。

その宗穴が公孫である。

個人的認識では排卵時に衝脈を通じ、子宮内の血がMAXになる。気も増量する。

衝脈はフル稼働し、生理的範囲で運動エネルギーとしての熱を帯びる。

そこに公孫でさらにお灸(熱)を加えることで、必要以上の熱さを自覚するものと考察する。

熱さを自覚する側は、排卵したほうの卵巣と考える。

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※新着時期を過ぎても左サイドバー《臨床のお話》に収められています。

 

 

 

 

笑おうよ〜不妊治療〜

2012/6

今月比較的妊娠まで至る方が多かった。

その中でも印象的な例である。

不妊外来へ通うこと5年。この間、妊娠反応が2回ある(胚移植)。

いずれも心音確認前後で流産する。

当院での鍼灸治療も6ヶ月目に入る。

月経周期、月経日数は問題ない。3cmほどの筋腫はあるが、位置的に問題はなさそう。

高温相への移行に時間がかかり、月経量も少なめなことから、E2の低値や黄体の機能低下を予想する。

後にホルモン値からもそれを確認する。

気になる点は職場に公にしない形で5年間不妊外来に通っているところ。

 

〜これでは時間の作り方や、休む理由づけを見つけるなどがかなりしんどいと思う〜

 

予想通り、相当に気持ちを保つがしんどくなってきている。

眉間に皺が寄りすぎだよ???

弁証では肝の疏泄失調が顕著に現れている。

ときに現われる頭痛や胃腸障害および排卵、月経の予定日のズレは見事なまでに肝の疏泄失調による。

治療は補腎養血とする。

胚移植との併用なので2〜3回目までには妊娠は可能と判断する。

問題はどう肝の疏泄を順調にするかである。

友達風に会話を作り、なるべく思っていることをしゃべってもらえるよう心がける。

ニコニコ顔になる会話に努める。

予想通り鍼灸を始めてから3回目の移植で心音確認の壁は越えた。


肝の疏泄の調整は、こちらの思い以上に不妊治療を良好な結果に導くことができる。


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※新着時期を過ぎるても左サイドバー《臨床のお話》に収められています。

妊娠初期反応

2012/5

心音確認前後ぐらいに妊娠初期の免疫反応、俗にいうつわりを現す人が続いた。

この時期の治療はことのほか慎重を期す。

まだまだ安定妊娠とはいい難いので、刺激量、ツボの選択では常に胎児に影響はないかを考えながら進めることになる。

概ね子宮の高温が続き、また胎児を成長させるためにかなり大量の気が子宮に流れ込む。

いわば子宮のタービンが高速回転状態になっている感じ。

そこで周囲に余剰の熱を放出する。

その熱が子宮から陽明胃経に入ると、胃の不快感と吐き気、ちょうど下から気持ち悪さが上がってくる感じになる。

イメージとして、胃経の熱をさばきながら、衝任脈にスペースを作り、そこに熱を還流させる感じになる。

日常では適度の運動が必要になる。

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陰部神経痛の診断と症状

20012/04

このところ陰部神経痛のお問い合わせが多くなりました。

診断:陰部神経痛は症状からの診断は容易ではありません。

一般に内診しなければを確定診断は適いません。直腸内指診で陰部神経に触れた際に圧痛があり、それが患者さんの日常の圧痛と同部位であれば陰部神経痛と認めます。

症状:痔核、裂肛、痔瘻、直腸癌などは肛門周辺の疼痛となるのに対して、陰部神経痛はもう少しの奥の痛みになります。痛みの性質は鈍痛〜激痛といったところです。

また、会陰部や骨盤内面の痛む方も少なくありません。

排便障害のある方もいます。陰部神経痛の場合の排便障害は、直腸性排便障害です。便が直腸まで来ているのに、出にくい、残便感があるなどの症状をあらわします。

直腸性排便障害のある方は、結腸が便を押し出そうと痙攣することもあります(結腸運動障害)。

肛門深部から上に向かって突き上げる痛み(消散性肛門痛)のある方もおられます(当院では今年2例の方が該当)。

また主体的症状ではありませんが、肛門括約筋の静止圧及び随意圧が低下し、便失禁する方もおられるようです。

《考察》陰部神経痛の原因は、出産やオペによる直接の陰部神経の損傷のケースもありますが、大半は原因不明です。前者の損傷ケースでは現時点では鍼灸の有効率はそう高くはありません。それ以外のケースではかなり高い有効率を示します。

 

 

 

深酒から神経痛

この患者さんは、脾胃の湿熱が経絡を侵したタイプの神経痛です。

 

脾胃に溜まった湿熱はズバリ酒です。かなりの量です。

 

体のことを考え、日本酒からワインにしたという患者さんの説明は、

 

下戸の私には通じません。

 

だって現実に神経痛が出ていますからね。

 

ここ最近の暑さで、いつも脾胃に引っ込んでいる湿熱が、経絡まで浮き上がってきた感じです。

 

このときは、鍼で尿量を増やす工夫をします。

 

2回で腰痛、神経痛は取れましたが、また飲んじゃうでしょうね。


目下、鬱々と酒を連動させない生活スタイルを患者さんと模索しています。

 

(論点)一般に神経痛は腰椎の変性、狭窄、すべりなどから起こります。鍼灸ワールドでは病因を体全体やその人を取り巻く環境(衣食住)まで広げて考えています。そこでお酒を飲みすぎることで余分な湿熱の邪が溜まり、それが経絡に及ぶことで神経痛(痺証)を起こすこともあるわけです。

 

疲労反応は年齢で変わる

5年ぶりにお見えになられた患者さんです。

主訴は慢性腰痛。

以前から疲労が溜まると、激痛に変わります。

腰椎の強度の変形に、狭窄症を兼ねています。

膝もレベル4の変形です。

 

旅行好きの方で、今年もイギリス横断や中国・敦煌に行かれたそうです。

不思議なことに旅行中は腰痛がないそうです。

 

この手の慢性腰痛は疲労と実際の痛みの間にタイムラグがあります。

 

この方の場合、以前から7〜10日前後のタイムラグがありました。

 

つまり、旅行先から帰国した頃からかなり痛み出すわけです。

 

年齢が高くなるほど、この傾向は強くなります。

 

若い方はすぐに疲れが出ます。つまり反応が早いのです。

 

比べて年を増すにつれて、反応が遅くなります。疲れが後で出てくるようになります。



不安と星の王子様

毎日治療しておりますと、不安を先取りする方が少なくありません、。否、かなり多いです。

 

こうなっらどうししょう?

 

なってから心配しようよ。
とは言いますが、本当に無力なひと言です。

患者さんによっては『そうですね』とは言ってくれるものの、そうとおりする人は皆無でしょう。


そんなとき星の王子様の話をします。


とある米軍基地の近くの街(ココ大和市)、10代の夢見る少女がいました。

いつも目の前に王子様が来て、求愛されることを待っています。

ただ、ひたすら待っています。

終に王子様は現れませんでした。


この話しをすると大半の人が「有り得ない話しですよね」といってくれます。

では、先の不安先取り心理とどこが違うでしょう。

将来有るかどうかわからないことに、

一方は心配になり、一方は夢想しています。

+−の違いだけで構造は似ています。



そう考えると少し冷静になれるのではないでしょうか?


1、具体的に不安を取るアクションを起こすか。

2、そのことから意識を離すか

3、たとえば、将来もっと美しくひかり、男性が寄ってきたらどうしよう?という感じで、心配を夢に入れ替え笑って見せるか


心の洗濯は個々の自由です。





治療の姿勢ー気を使う人は損

鍼灸院では、仰向けで鍼を打ち、それからうつぶせで鍼を打つ。この(仰向け)から(うつぶせ)のパーターンが一番多いように思います。

患者さんが痛くて仰向けになれないから横向きの姿勢をとって頂きます。当たり前ですね。

中には、とてもいい人がいます。気を使う人???

『仰向け大丈夫ですか?』と尋ねると、『ハイ、大丈夫ですよ』と答えてくれる。

こちらが治療しやすいように、そうしなきゃと思っているのか?

あるいは『いや』と言えない性質なのか?

我慢しながら、無理に仰向けになっている。

その結果、余分な力が入るため、治療効果が低下する。

いい人ほど治療成績が悪いなんて癪な話ですねしょぼん

とかく姿勢は大事です。

そのためにも状況を把握が大事ですが、大丈夫、大丈夫と言われると・・・。

ご自身が一番楽な姿勢を取って下さいませ。

お願いします。

 

2011年夏の特徴

概ね近年の日本の夏には2つの特徴を有します。

1、以前より気温の上昇が激しい。

2、以前より集中豪雨が起こる。

この2つの事象から、中医学でいう湿熱の邪が強まってきています。単純にいうと湿気と暑さが一段と増してきたということです。

昨年は暑さが強く、湿<熱でしたが、今年は湿気が優位で湿>熱となっています。

湿<熱の症状の特徴は「上方あるいは上へ上へ、表面へ表面へ」となりやすくなります。頭痛、眩暈、嘔吐、湿疹が主体になります。これが昨年の特徴でした。

今年は前半が熱が強く、昨年同様の特徴がありました。後半は雨も多く、湿の割合が増しています。ジメジメ、ベッタリが主体で気持ち悪さを伴います。湿が邪魔して気の流れが遮断され、気欝を起こす人が極めて多く居られます。つまり湿気が原因でイライラが募る感じです。

発汗力を落とし浮腫みを出す人も少なくありません。

また、こういうときは秋になり急に冷えだすと、湿の残存が発散できずに神経痛を出す方が急増します。

 

二者択一

肝の疏泄失調(かんのそせつしっちょう) は中医系の医療家なら、毎日耳にする言葉です。
症状はイライラ、易怒、鬱々…… 眉間の縦ジワなどなど。それだけですか ?いや、まだまだ ありますね。たとえば
思い込みは……? そう思い込みね。
「あの人は私を嫌っている」に違いない。って感じの心持ち。

疑う気持ちが大きいね。
思い込みは怒りや焦りの感情の先走りかもね。
ベトナムの田舎でハンモックで寝ててわかったけど、

ハンモックは適当に揺れるから気持ちがいいの。
揺れ過ぎると落ちるだけ。怪我するだけ。
疏泄失調は揺れ過ぎるハンモックのようなもの。


疏泄失調を治すには、

怒る題材を探すか、

微笑の題材を探すかの二者択一。
どちらの選択肢も可能。

貴方ならどうしますか……?

風邪をひかない工夫

流感も含め、風邪がはやっています。

本日の午前中も、風邪の治療が2例ありました。

ともに風寒型(冷たい風に当たったことが原因)。

衛気を増しながら、邪気を払うという典型的な治療でした。


寒邪は衛気が弱い以外、衛気が開くときに侵入します。

衛気が開くとき。。。。。?????


何それ。。。。????


衛気が開くとは、具体的に汗をかいている時。。。

つまり、汗をかいた状態で、冷たい風に当たるのが最悪ということです。


自分の脇に手を入れてみて、汗ばんでいるようなら、汗をかいている状態です。

暖房の効いた部屋で、わずかでも汗ばむ状態のまま、外に出るなどはご法度。

ご法度・・・古臭い表現ですね。。。


ほっといて、とにかくちょっとした工夫で回避できることもあるということです。


症状の見極め(脈診の乖離から)

極めて診断が難しい症例でした。

主訴は急性の右下腹部痛。

針で刺されたような激痛です。

その回りに放散痛があり、上下背中に走ります。

ガスが出ると少しだけ楽になります。


ここまでなら学生でもわかります。

血オ気滞です。

ただ・・・・

脈は虚弱でやや細数。

体をくの字にすると、すこしだけ軽減・・・

押してみても拒按はありません。

通常なら腎虚血オか気虚血オなどの虚実挟雑と考えますが、

。。。。。少し違うような。。。。。

現実に、虚実挟雑型の急性腹痛処理の治療がほとんど無効・・・

師匠が昔。。。

「ひとつの否定は10の肯定より重い」と。。。。


(卵巣か大腸の)陰虚です。

傷陰の顔のひとつは津液が消耗し硬くなること。

そこに何かが通過すると、無理に伸ばされたり、

擦れて一過性の血オ様症状をあらわします。


ひたすら足の裏を揉みます。

10分、20分、痛みが徐々に引いてきました。

「よし!!

 

 

居酒屋での治療

昨日、塾の別のクラスの新年会に出させて頂きました。

ある女性が急性の腹痛。吐けども何も出せん。

状況判断からは湿熱か寒湿か食滞か・・・読めません。

どの可能性もあります。


ここは脈診の登場。。。。

明らかに湿熱の脈、背後に脾気虚ありです。

左滞脈、左内関、患部の接触針、合谷の接触針。


10分で治まりました。

無事、家路に着けたという連絡を頂きました。

居酒屋の方、治療の場所を提供して頂きありがとうございました。

 

 

先週の臨床から


先週は持病の歯が痛みだし、

その間に塾の会報、

鍼灸学校へ、 原稿の直し、 原稿の仕上げ、 背中がバリバリです。


本日、左半身の痛みや張りを自覚する患者さんに出会いました。


首、腕、背中、腰、足の冷え。。。。すべて左側のみです。

他覚的にも左側に凝りが集中し、左足の皮膚温度わずかに低くなっています。

脈も左が弦脈です。

このように症状がどちらかの半身に集まる方って?たまにお見えになります。


まず、滞脈で全身の経絡を緩ませた後、

疏肝します。

8割方は取れたので、

何とかお仕事できると思います。

○まだ自分の背中の張りはとれませんが。。。。・・・・???


ぎっくり腰!?

お疲れ様です。金澤です。

 

最近、急性腰痛でいらっしゃる方が多いように思います。

重なった方々の特徴的なのが急激に腰に圧力が加わえて痛めたような、いわゆるぎっくり腰のような受傷機転ではないのです。

長時間座っていて、その日は痛みなく過ごしたが次の日朝起きたら動けなかった、荷物の整理した数日後に激痛に変わって動くのが辛くなったなど

腰に負担をかけたことは事実ではあるのですが、痛みの出現とタイムラグがある急性腰痛が多かったように思います。

このようなケースは痛みの形成する病理を促進させてしまうこと、大きく分けると疲労系か停滞系のきっかけを作ってしまうことで負荷がかからない状態でも激痛になるケースであります。

虫歯をイメージして頂くとわかりやすいかもしれませんね。(ない人はごめんなさい)

初期は無自覚なことが多いですが、進行していくと痛みを伴うような感じです。

わかりにくいですかね?笑

普段は腰痛を自覚していない方が多く、痛みを取り除く治療を数回して腰痛は治まりました。

めでたしめでたしいい気分(温泉)