20012/4
《症例・脊椎感間狭窄症と椎間板ヘルニアの混合例》
皮膚が熱い。これが第一印象、舌を見ると舌全体を覆うような白い苔。
右下肢全体がピリピリして痛む。
布袋様を想起しまわんばかりの太鼓腹。
脈が弦と渋が混ざる。
元より脊椎間狭窄症で通院している患者さん。
長期に安定状態を保ててはいたが、今月に入り悪化。
本日病態が迅速に動き出している。
椎間板ヘルニアも既往歴としある
このまま行けば入院は必定。
弁証:痰陰が著しく増加し、腰部の血オを圧迫しているため、血オが収縮し、熱化した状態。
治法:皮膚表面まで届いている鬱熱をさばいた後、腰部の血オをゆり動かし、いつもの状態にまで引き戻すようにする。
治療:陽明経、太陽経を主体に全身を使った散針で熱を取る。長針を使い腰椎椎間部の血オを経絡まで引き戻す。
結果:これにより30分足らずで、皮膚熱感は引き、ピリピリした痛みは消え、いつもの状態にまで戻る。
(感想)
慢性期の治療と急性期の治療は全く違うということを改めて体験させて頂きました。
慢性期は体の声を聴きながら匠で対抗しますが、急性期はある意味で大胆な治療が求められます。
大事なことは優先順位を間違わないことです。
※新着時期を過ぎるても左サイドバー《脊椎管狭窄症》の中に収められています。