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2023-06-06

足というと骨盤より下部、いわゆる「下肢」を指す事もあるが、ここで言う足痛はくるぶしより下の「足」。

靴を履く足の痛みである。

 

足は、痛む場所によって名称が付く。

もし足の土踏まず辺りが痛ければ「足心痛」

足の甲であれば「足背痛」

指の辺りであれば「足趾痛」

踵の辺りの痛みは「足根痛」

原因によってはどれかのみに痛みが現れる事もあるため注意して見てゆこう。

 

 

風湿痺阻によるもの

風と湿が足の経絡を停滞させ、停滞した経絡は痛みや腫れ、変形を生じさせる。

雨が降ると痛みが増悪する傾向があり、足の他の手足にも関節痛や腫れ、曲げ伸ばしができないなどの症状が現れる。

 

寒湿凝滞によるもの

寒さによって経絡の滞りが現れたもの

汗をかいたまま身体を冷やしたり、寒い場所にずっといるなどすると起きやすい。

湿は身体の下に溜まる性質があるので、足の痛みとして現れる事がある。

痛みとしては、脛の辺りに張る、思い、だるいといった痛みが現れ

夜間に痛みが増し、肌が白っぽくなる特徴がある。

 

風湿痺阻と寒湿凝滞は気血の流れが悪くする。これが長期化すると血瘀を形成したり熱を帯びる様になる。血瘀は流れなくなった血のこと。流れないと熱を持つ法則に則って熱化する。

幹部に血管が浮き出たり、青紫になったりすると血瘀に進展したサインだ

 

肝腎陰虚によるもの

肝は血を蓄え、筋肉を司り、腎は精を蓄え骨を司る。肝腎の力が衰えると骨や筋肉の能力が低下し痛みが発生する。

原因としては生まれつき不足していたり、激しく消耗する程の仕事や運動を行ったり、過度な性交渉を行うなどが挙げられる。

足が痛くてずっと立っていられない足腰の怠さや眩暈目の点滅といった症状が同時に現れるのが特徴だ

 

経絡の詰まりによる足の痛みでも、長期化するとやがて栄養不足つまりは肝腎陰虚に移行する。

 

 

スタッフ伊澤

足の腫れや痛みは古書の中にも痺れや痛風などの種類が記載されている。

膝の腫れと似ているが、ここでは膝以外に現れる「足」の腫れや痛みについて述べてゆく。

 

寒湿阻痺によるもの

寒湿の邪が悪さをし、冷えを纏ったもの。発生要因に湿気が絡む事が多く、雨に濡れた・長い間水に浸かる様な事があった・湿気っぽい所に居た等の経過を持つものが多い。

そこに身体を温める「陽」の弱さが加わると冷感を伴う。

症状としては腫れ、切られる様な痛み、足の曲げ伸ばしができない、患部の冷え冷やすと悪化する等が挙げられる。

 

湿気熱阻痺によるもの

寒湿阻痺と同じく体内に侵入した湿気が、熱を帯びる事で発生する。

素因としては身体の「陰」が不足し、身体の熱冷ましの機能が働かない事がある。

症状としては腫れ、痛み、患部の発熱雨天増悪などがある。

 

瘀血阻絡によるもの

外邪を追い出せなかったり鬱鬱とした感情により血脈の流れが悪くなったり足を挫く・肉離れ等の外傷により発生する

症状の特徴として、腫れと共に刺す様な痛みが現れ、夜間に増悪する。幹部の皮膚が緊張する事もある。

 

・労傷によるもの

沢山歩いたり、立ちっぱなしの時に起こる。足に静脈瘤(青い筋状の血管が浮かび上がる)ができ、顔色も青紫になるのが特徴

足の廻りをよくする事で緩解する。

 

大体の痛みは経絡の詰まりに起因している事がお分かり頂けただろうか。

 

 

スタッフ伊澤

足首

足首を回しましょう、足首を返すように歩きましょうと患者さんに伝えます。

関節を動かさないと固まります、筋力が弱くなり筋肉が薄くなります。これは足首に限定したものではなくすべての関節で言えることです。今回は足首を例にあげます。

足首は身体の一番下の関節で、そこが固まって弱くなると膝や股間節などの上の関節をも固く弱くなっていきます。固く弱くなった状態が続くと循環が悪くなります。

固い・弱い・循環悪いのあまり聞こえの良くないワードが揃います

・筋肉が固いと、伸び縮みの際に負担がかかり微小な炎症を起こしやすくなります。痛みの元になりやすいです。

・筋肉が弱いと、関節を支えられなくなり関節に負担をかけやすく、関節変形の元になりやすいです。

・循環が悪くなると、足末端まで血液が届きにくくなり冷えやすい要因にもなります。また疲労物質のが流れにくくなり疲れやすくなります。

このような状態が続くと起こりやすい症状を書いてみました。

関節を動かせる範囲で使ってあげることが重要になってきます。

すぐに起こるものではないので、負担にならない程度に意識してみると良いかもしれませんね

「足」というと部位はどこを指すのか?

足の裏なのか、はたまたなのか。くるぶしなのか・を指すのか。

中医書における「足」の範囲は足くび以下の部位を指し上記は全て該当します。

足首以下には片足28個の骨、19個の大きな筋肉、100個以上の靭帯など多くの組織が存在しています。現代医学的には、この複雑な構造にズレが生じることで痛みが生じることが多いとされ、足関節捻挫・足底腱膜炎・足根管症候群etc.といった名称がついております。

当院にもこの足の痛み」で治療に通われている方が多くいらっしゃいます。

以下、東洋医学における「足の痛み」の原因を解説いたします。

大きく分けて、3タイプ。「体質型」「体質+気候型」「気候型」になります。

●体質型

1)肝腎陰虚型(栄養+潤い不足)

骨や靭帯を構成する成分、身体の潤す成分等の不足によって足裏、踵に痛みが生じる。

・原因・・・歳を重ねていくことや、働きすぎること

・特徴・・・赤みや腫れはない・長い間立つことが難しいこと

・その他の症状・・・めまい耳鳴り・足膝の痛み・目のかすみなど

2)気血両虚型(体力低下+栄養不足)

体力低下や栄養不足により、足裏、踵に痛みが生じる。

・原因・・・長期間病気にかかること・大病を患うこと・出血過多

・特徴・・・踵が痛むが赤くはれない・日中の活動時よりも夜の方が痛む

・その他の症状・・・精神疲労・顔色の青白さ・自然としきりに汗がでること

●体質+気候型

身体に冷えや水分過多が生じることによって生じる。冷えと余剰水分が結託することでエネルギーや栄養物質の運行障害が生じて足痛(多くは指)が生じる。

原因・・・長時間寒い、湿気の多い地にいること

特徴・・・歩く時足が重だるい(ひどい時には足を引きずる)

その他の症状・・・皮膚は冷たく青白い

●気候型

気候によりエネルギー及び栄養成分の運行障害が生じて足首以下の広範囲に痛みが生じる。

・原因・・・台風などの気圧の上昇・湿気の高い環境にいること

・特徴・・・足に限らず全身の関節の痛み・腫れ、陰天時や冷えによって悪化・曲げ伸ばしがスムーズでない・下肢が重だるい

大きく3タイプに分けて説明しましたがいかがだったでしょうか?

ご自身の足の痛みの原因を理解する上での何かしらの参考になれば幸いです。

実際には3タイプの他にも、東洋医学的では多くの原因が考えられております。

お話や身体診察を通じて、皆様にあった治療を提案していきますので、ぜひお悩みの方はご相談下さいませ。

スタッフ 杉本

 ※新着時期を過ぎると左サイドバー《足首/足底》に収められています。

カガトをつけた途端に痛み出す。カガトの骨が変形し、棘が出てきたり、凹凸が出たりすることを原因とします。中医学では腎虚によるケースが多く見られます。

腎虚のほかは寒湿が多いですね。

taikei.gif

 腎は下半身を司るとされており、腎が弱ることで、下半身の骨の老化もあらわれやすくなります。
 1.足首を回す
腎 が衰えてくると、大半の人は足を返して歩かず、カガトからドテドテとした感じで歩くようになります。日頃から足首を手で持って回すように心掛けて下さい。
 
2.太谿の灸腎を強めるツボとして太谿をお勧めします。日に2壮ぐらい灸を据えて下さい。なるべくお腹の空いたときが効果的です。
 3.ふくらはぎのストレッチ
仰向けに寝た状態で、膝の裏を地面に接触させます(腎の弱い人は地面と膝裏に隙間ができます)。その状態で足の趾先を自分の方に反り返します。10秒ほど我慢して戻します。3〜5セットぐらいから始めましょう。

2014/11

《症例・足底痛》

見た目にも老化が著しいご婦人。

年より10歳は老けて見えます。

主訴は足底が痛く歩けないということ。

胃下垂もひどく、骨盤内に入り込んでいます。

ちょっと圧が加われば、脊椎の圧迫骨折でもしそうな気配。

右尺脈がかなり重度の軟脈

これは命門の衰微といって、かなりの生命活動能力の低下時に見られる脈です。

証なら腎陽虚から陰陽陽虚に入っています。

治療後の痛みは少し良くなりましたが、

その後の治療計画は滋陰のツボに鍼し、お灸も多用し、命門の衰退に対処していきます。

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