2022/8
今まで陰部神経痛あるいはその類似疾患を60例以上は見てきた。
類似疾患と記したのは、陰部神経に沿った腫脹を認めなければ確定診断に至らないことから、腫脹を見つける肛門診を受けてない方は類似疾患としか言えないからである。
これだけ治療させて頂くと共通する増悪因子が見えてくる。
増悪因子のキーワードは圧力である。
《上から下への圧力》
代表的なものは下痢あるいは排便の際に力むこと。生理なら出血量の多い初日から2日目あたりであろう。
《中から外への圧力》
これは便秘、とくに直腸あたりに詰まっているケースが挙げられる。下部大腸から直腸が便の為に膨らんでいるイメージである。
《下から上への圧力》これは椅子に長時間座るとか、座った椅子自体が硬いなどである。座る時間の長さ×椅子の硬さ×肛門との角度で圧力程度が決まってくる。
この疾患はかなり根気のいる治療になることもある。
また、遠方からの患者さんも多いので、どうしても長時間の電車や車での来院になることも少なくはない。
この圧力に関わる状況を、日常の中で少しでも回避して頂ければ有難いと思うし、治療に関わる期間も短縮できる。