陰部神経痛でお困りの方

陰部神経痛は鍼灸院ではなかなかお目にかからない疾患ではないでしょうか? 


この疾患は陰部神経の腫脹をもって確定診断となります。これには肛門診が必要なのでちょっと躊躇ってしまいますね。かなり独特な痛みと違和感のある疾患で、下から突き上げてくるような痛みを訴えた方もおられました。また抗うつ剤かよく効くこともあり、心療内科に回されるケースもよく見かけます。というか今まで診た方の8割くらいの方が一度は心療内科に行かれていました。

 

※かなりの苦痛を伴う割に医療側の理解の低い疾患の1つでしょう。 


鍼灸治療は主に手足と腹部、臀部、腰部のツボが主体となります。弁証(一般でいう分析に相当)により使うツボと技法は異なりますが、概ね以下の2つは共通します。参考にしてください。


 

○患部である肛門付近は血オか血熱の病理が圧倒的に多い。 

○長く座る、硬い椅子に座るなど圧迫の度合いと痛み方が比例する(この辺はご自身で工夫してください) 

  

立て続けに新患の方が

2020/5

このところ立て続けに陰部神経痛の患者さんがお見えになっています。

正確には陰部神経痛は肛門診での陰部神経の腫脹を確定診断としますから、それに類似する疾患の可能性もあります。

骨盤内うっ血症候群、膣前庭炎、過去に毛嚢炎やバルトリン腺炎、内痔、内膜症の方もおられました。消散性直腸肛門痛もあります。神経因性骨盤臓器症候群(※一部病院で病名として採用)もあります。

痛みが後ろから前、前から後ろと広がることもありますからこの辺の疾患まで網羅するものと思います。

「とにかく激しい痛み」が多く、心理的に限界状態で来られます。

鍼灸院の選択は皆さまいつも最後です(〃艸〃)ムフッ

東洋医学からは経絡上は肝、腎。病理上は血オ、血熱が絡み合い複雑化することが多く、日常での肛門の圧迫を極力に避けてもらいながら治療を進め参ります。

まずは緩まってください。

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2011 陰部神経痛

陰部神経痛はこの数年注目した疾患である。

次項有ブログにも書いたが診断までに非常に時間がかかり、よく心因性疾患と間違えられる。

今年9例の症例を診たが5例に有効を示し、1例は無効であった。

弁証すると、著効を示した5例のうち、虚症系の4例は非常に有効であった。

3〜12回でその痛みが9割方は減少する。

実症系の1例も完治した例ではあるが、これは梨状筋症候群からきたケースである。陰部神経叢への刺針のみで緩和する。

残り4例のうち、2例が大腸癌に由来するものである。うち1例は癌進行期にあり、わずかに改善するものの、途中オペが入り中断になる。もう1例は大腸癌のオペ後のケースである。

介護によると思われる仙骨部からの神経圧迫の例も1例ある。少しは改善されるが、日常の所作と大いに関連するため、介護により再度悪化する。

もう1例は家族間の問題から高齢になり重労働を始めたケースである。このケースに関しては心因性は否定できない。現に抗うつ剤で緩和する。

(総括)

まだまだ陰部神経痛に関しては医学界全体で十分な研究がなされているとは言い難い現状で、症例は少ないものの、半数以上で効果的だったという事実は鍼灸が有効性を示す治療法であると解釈する。

中医学的視点では肺気虚の人が多い。肺気虚から宗気の下陥を起こし、骨盤内鬱滞現象を起こし、しいては骨盤内の血オに転じるという構造があることは確かである。

 

 

    

2012年の陰部神経痛

2012年中に陰部神経痛と確定し治療に入ったケース3例ある。3例とも大学病院にて肛門診により陰部神経に沿い腫脹、圧痛を認めたケースである。類似ケースは内痔核、子宮内膜症のダグラス部病変があり、このケースが10数例ある。

この3例のうち2例は略治する。完全消失は適わないが日常生活に不備がない状態に達しているので、後は1ヶ月に1度の状態維持の治療に留める。日常生活では過度のストレスや物理的な肛門部の圧迫が増悪因子となるので、注意深く観察する必要がある。

もう一例は8割方の回復状況にある。高齢による臀部筋繊維の萎縮および筋力低下がみられ、圧迫要因になっている。ときに長時間の座位で痛みが出ることがあり、それがストレスの要因となる。

全体像として肝腎陰虚があり、肛門自体には血オか血熱がある。肝腎陰虚があるため、不安・緊張などで容易に肝気鬱を派生させ、それが患部病理に影響を来す、というケースがでは大多数を占めた。また昨年あった肺気虚から下陥を起こし、その圧迫から血オを起こすケースは今年見あたらなかった。

専門家の方も参考にして欲しい。

 

    

陰部神経痛の痛みを少しでも早く軽減させる

 このところ立て続けに陰部陰経痛の患者さんに出会いました。肛門あたりが夜も眠れないほど痛む、肛門科に行っても内痔ではない?、婦人科に行っても内膜症があるわけではない?。挙げ句に神経科?を勧められる人もいました。
内痔がなく、内膜症もなく、会陰〜肛門部や陰部に痛みがあり、かつ陰部神経に沿った痛みでもあれば陰部陰経痛の確立はかなり高いと考えたほうがよいでしょう。

陰部神経痛は原因が不明なことも多いのですが、視点を変え、中医の眼から見ると肝の疏泄失調の方が多いようです。肝の疏泄を解消するツボと仙骨孔あたりのツボを組み合わせると効果が早く出ます。ここからが勝負です。病態に合わせながらコツコツと治療効果を積み上げていきます。患者さんにも根気のいる治療であると認識してもらっています。

※当院では年間5名前後の陰部神経痛の方がお越しになります。生涯でもそうそう会わない疾患なので受け入れてくれる鍼灸院さんが少ないそうです。

だから皆さんすごく遠方から来られます。

申し訳ないです。 

  

陰部神経痛

2015/11

◇症例◇

陰部神経痛はなかなか完治といかない厄介な疾患。

この患者さんも数か月痛みがないこともあった。

しかし、家庭の諸事情で悪化。

精神的ストレスが悪化要因となる。

また、肛門部の圧迫も刺激要因となる。

今回この二つをもろに被る。

こうなると鎮痛剤は無効。

当院まで3時間かかる故、週1回の治療が限界。

活血を主体にストレスを取る。

2、3回で元の状態に戻るが・・・・

家族を因としたストレスはそうやすやすと心の切り替えができないだろう。

ならば治療の第一義は活血とし、患部の循環を取り戻すことだろう。

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臨床日誌 陰部神経痛

お疲れ様です。金澤です。

久しぶりの更新になります。

当院では陰部神経痛の患者さん診ることが多いように思います。比較したことがありませんが…

人によって症状や経過、弁証が違うので参考程度に見て頂けたら幸いです。

 

・西洋医学の経過

その方は外痔核になってから陰部神経痛のような症状が出てきました。

外痔核の症状や所見がなく、痛みが続き肛門科→ペインクリニックで硬膜外ブロック等をしたが効果が持続しません。整形外科でレントゲンも撮ったが所見はありません。

某大学病院で陰部神経痛と診断。

その後当院に受診

・伝統医学所見

悪化因子は座位による患部の圧迫刺激++、腸管の張り感(おならが出そうなとき)+、陰天時後(湿度が強い日)+、午後疲れてくると+

緩解因子はお風呂に入った後、午前中は楽なことが多い(夕方になると症状強くなる)

患部は伝統医学でオ血といって循環障害系の部分にあたります。

では、なぜオ血ができたのが問題になってきます。よくよく話を聞くと2年間で8キロほど体重の減少があったみたいです。

西洋医学でいう消化吸収系、伝統医学でいう脾胃の機能レベルが下がった結果、下半身のオ血形成になったのかと考えられます。

治療はお腹から下半身の気を補う治療と患部のオ血をとる目的で行っています

まだ完治とまではいきませんが現在は徐々に軽快方向に向かい安定してきています。

頑張ります!!

 

~院長~

確かにうちでは陰部神経痛の患者さんは多いです。確証は足りませんが、血オ形成の前に体重減少があったなら一般には脾気虚か陰虚を考えるでしょう。