●陰部神経痛の鍼灸治療について●
今月に入り「陰部神経痛」を治療目的として来院される方が続く。
ただ、正確にいうと陰部神経痛ではなく、「陰部周囲が痛む」方がほとんどである。
陰部神経痛は直腸診において神経の腫瘍を認められてはじめて陰部神経痛とされる。
では「陰部神経痛」でなければ治療対象にならないかの?
そんなことはない。
「陰部の周囲の痛み」でも当院の治療適応疾患であるために安心してご相談いただきたい。
ここ数日かかられた方は皆症状はバラバラであり、
「肛門の奥が燃えるような感じがする」・「前陰部がヒリヒリする」・「肛門の皮膚表面が痛い」といった声が聞くことができた。
●陰部の燃えるような痛みについて●
今回はお見えになった方はいずれの方も「肛門」が「燃えるよう」痛いという相談内容であった。(ちなみに陰部神経痛の診断はなし)
この「燃えるような痛み」=「熱」であることが多い。
この熱が作用する陰部の痛みについて、中医書を参考にして原因を解説していきたい。
●「肛門疼痛(こうもんとうつう)」とは?●
中医書において「肛門疼痛」という表記がある。肛門とその周囲の痛みを主な症状とする。
痛みと排便の関係性に基づき、排便時に肛門部が痛むか平時からずっと痛むかが最初の鑑別ポイントとされる。
また痛みの性質によっても鑑別でき、「裂けるような痛み」・「張ったような痛み」などがある。燃えるような痛みは「灼痛(しゃくつう」に該当する。
今回はここまで。
次回からは「肛門疼痛」が生じる原因を東洋医学的に解説していきたいと思います。
どうして「熱」が生じたのかがポイントになるかと思います。ではでは。
スタッフ 杉本