③風湿束表
寒湿の邪が皮膚表面を覆い汗が出なるタイプ。
多湿で気温の低い環境に身を置くことで発生します。
湿には粘滞性があり、ネバネバしていて陽気の動きを悪くします。
そうする事で汗腺が開かなくなり、汗が出なくなってしまいます。
無汗と共に強い寒気や冷えによる頭痛、発熱、はたまた身体が沈む様に重くなると言った症状が現れやすく、夕方以降に段々と強くなったりします。
以上、汗が出なくなる無汗でした。
スタッフ伊澤
〒242-0021 神奈川県大和市中央3-8-26 杉中央ビル1階
営業時間 | 9:30~18:30 |
---|
定休日 | 水曜日・金曜日・日曜日・祝日 ※ただし急を要する方には第2・第4日曜日にて 個別対応も可能なこともあります。前日までにご相談ください。 |
---|
③風湿束表
寒湿の邪が皮膚表面を覆い汗が出なるタイプ。
多湿で気温の低い環境に身を置くことで発生します。
湿には粘滞性があり、ネバネバしていて陽気の動きを悪くします。
そうする事で汗腺が開かなくなり、汗が出なくなってしまいます。
無汗と共に強い寒気や冷えによる頭痛、発熱、はたまた身体が沈む様に重くなると言った症状が現れやすく、夕方以降に段々と強くなったりします。
以上、汗が出なくなる無汗でした。
スタッフ伊澤
無汗とは汗が出なくて止まってしまう事を言います。
通常であれば、陽気によって汗腺がコントロールされ、陽気が盛んな春や夏ではよく汗をかき、陽気の少なくなる秋や冬には汗をかかなくなります。
この時の秋冬の無汗は生理的なものですが、外から入ってくる外邪によって汗がでなくなってしまうこともあります。
外邪による無汗症と、随伴する症状についてご紹介致します。
①風寒表熱
風寒の邪が体表に付き纏い、汗を出せなくしてきます。
いわゆる冷えによる風邪タイプ。
冷えには、凝帯性という物質をギュッと締め上げる力があります。まるで水を氷にする様な力です。
風寒の邪に犯されると汗腺がギュッと締め上げられてしまい、汗が出にくくなります。
また、人体と寒邪の闘いにおいて、身体の陽気を大きく消耗します。
代表に居る気が傷つくことで、気によって開いたり閉じたりする汗腺の機能が損なわれる事でも汗は出にくくなります。
このタイプはよく見られる風邪のタイプで、悪寒発熱や身痛などを引き起こします。
②表寒裏熱
これは、体表には寒邪が居て身体の中は熱を持っている状態です。
具体的な状況としては、元々熱が旺盛な人が体調を崩して体表の気が弱くなり寒邪に見舞われたり
①の風寒の邪が体内に侵攻して熱を発生させたり。
こちらも外感病の一種ですが、風寒表熱に比べると進行度合いは強くなります。
無汗、悪寒発熱、身痛などの外感症状に加えて頭熱や口の渇き、喉の痛み、舌の苔が黄色くなるといった熱の症状を強く表します。
スタッフ伊澤
⑦心火亢盛
精神を司る心に熱が溜まる事で、不眠に至ります。
精神活動は中医学では「神」という物質が担うとされています。
この神は活動時には脳で働き、夜の眠る時には心へ降りて休みます。
心火亢盛では、心労により心の機能が乱れる事で心の熱が暴走します。
熱がある心では、神は休む事ができないために眠れなくなり、不眠や夢見が悪いなどといった症状が現れます。
その他の症状としては、激しい動悸、顔や口が赤くなる、小便の回数が多くなり色が濃くなる、胸痛
などが現れる事があります。
⑧余熱襲膈
これは心火亢盛と非常によく似ていますが、とりわけ病の後に現れるという特徴を持っています。
熱を伴う病にかかった後、その熱をしっかりと取れないと膈(横隔膜)の辺りに熱が集約します。
熱された横隔膜は心のちかくにありますから、心を炙る事で心火亢盛と同じように不眠や不安感などを引き起こします。
胸の悶え感や、食べても食べてもお腹が空くといった、横隔膜や胃の症状を併発する事もある不眠の症例です。
スタッフ伊澤
⑤肝胆鬱熱
強い怒りやストレスが原因で不眠を起こすタイプ。
肝は条達と言う、伸びやかな状態を好んで気を隅々まで運ぶ働きがあります。
強い怒りやストレスはこの働きをストップさせ、気の流れを停滞させてしまいます。
これが「疏泄の失調」と呼ばれる状態です。
気が停滞すると、「停滞すれば即ち熱化する」の法則により熱化、及び気が上向きに逆上し上炎します。
こうして、上炎した熱が心や神(精神機能)を掻き乱し不眠へと至ります。
随伴症状としては、
肝胆を起因としているので、イライラ感や胸郭の張った様な痛み、溜息の増加
長期化すると目の血管が赤く浮き上がったり、口の中に苦味を感じる様になったりします。
⑥痰熱襲心
滞り、熱化した水分(痰)が心や精神を襲う事で不眠を引き起こします。
この水分の停滞(痰)は
消化器の不調、甘いものや脂っこいものの摂りすぎ、はたまた外からの湿気によって発生します。
このタイプの不眠は横たわっても安心感を持って眠れず、夢をよく観て中途覚醒しやすく、胸のザワザワ感や不安感をよく覚えます。
その他にも痰熱の症状として
胸のつっかえ感や痰の詰まり感、気持ち悪や嘔吐などの症状をきたします。
どの症状も、痰の粘っこさからくるもので
胸のつっかえ感や気持ち悪さなどは痰を吐き切らない限りはずっとスッキリしません。
スタッフ伊澤
③心脾両虚
消化吸収機能を司る脾胃の機能失調により、飲食物から気血を取り出せなくなり心において血の不足が起こり不眠になるケースです。
胃腸機能の低下で起こる不眠ですが、思い悩みが強くなる事も原因となります。
不眠や動悸といった心血虚の症状の他に、食欲減退などの脾虚症状を伴います。
④胆虚
常に漠然とした恐怖感に襲われなかなか寝付けなくなるのが胆虚の不眠です。
胆は臓腑のうちのひとつで、胆汁の貯蔵と排泄を行う腑です。
この胆は「決断する意志」を司っていて、大胆や落胆という熟語がある様に感情の一部を担っているのです。
ここで現れる恐怖感は、決断の意志の力が弱まる事で不安感や恐怖感を感じるとされています。
眠っても恐怖感で目が醒めやすく、目眩を伴います。
恐怖感や不安感は眠る時だけでなく、常に感じる傾向にあります。
入眠困難や中途覚醒、その後にまた寝付くことが出来ないなど、睡眠の減少に悩む方はたくさんいらっしゃるのではないでしょうか?
果たしてどんな理由で不眠が発生してゆくのかを見てゆきます。
①心陰虚
精神を司る心の機能低下によって起こるタイプです。
心の栄養や水分が不足する事で、精神が安定しなくなり、睡眠時にしっかりと休めなくなります。
栄養を送る血や水分、これらの物質は陰陽で分けると陰に属します。
これに対して陽に属するのが気。
陰が陽より弱くなる事で、相対的に陽が旺盛になり、心においては精神の旺盛が見られるようになります。
具体的には、夢を沢山見るようになったり中途覚醒しやすくなったり(眠りが浅い)
睡眠以外では動悸や物忘れが激しくなる、口や喉が渇きやすくなる、手足や顔が火照る、寝汗をかく、午後になると熱っぽくなる
などの症状が現れます。
②心腎不交
心腎不交とは、腎における陰の不足が心に影響したもの。
腎は身体の陰の根本を支えていて、各臓腑の陰は腎から送られています。
心腎不交では、腎の陰虚が心陰になれずに心を栄養できなくなり、心において陰が陽を支えることが出来なくなって心陽が旺盛になります。
腎の陰が不足し、心の陽が過剰になる、この状態が心腎不交になります。
心陰虚との違いとしては、頭痛や耳鳴りを併発したり、夢精するようになったり、一晩中眠れなかったり、足腰が弱るといった様な症状を併発します。
スタッフ伊澤
前回の毛髪脱落の続きです
③気血両虚
これも
長患い、大量出血、出産時などの大量出血や消耗を起こした時に発生します。
発生の機序は肝腎陰虚や脾腎陽虚と同じで栄養の不足。
ただし、このタイプでは先天的な問題はなく、心や脾の単独失調で起こります。
心の気血両虚であれば動悸が、脾の気血両虚であれば食欲減退や食事そのものが疲れてしまうなどの症状が現れます。
④疠毒攻肺
「疠」とは「疫病」のこと。
これは伝染病によって毛髪の脱落がある事をしめします。
伝染病にさられされる時、強い風湿の邪が入り込み気血を滞らせます。
外から入ってくる邪は肺に侵攻すると考えられており、呼吸器系を含む、肺に関わる症状が発生します。
その中の1つとして、肺に関わりの深い皮毛が犯され、眉毛や髪の毛の脱落に繋がるのです。
スタッフ伊澤
毛髪脱落とは読んで字の如く、髪の毛や脇の毛、陰毛、眉毛などの一部分が脱落してしまう状態を言います
では、なぜ脱落してしまうのでしょうか
①肝腎陰虚
栄養を運ぶ「血(けつ)」や生命力の源である「精(せい)」の不足が原因で起こる脱毛です。
これらは主に身体を栄養する役割があり、多大な出血や長患いが起因して不足すると、毛根に栄養が届かなくなり抜け落ちてしまいます。
肝腎陰虚では生まれつき精が少ない体質の方が、血の不足の状態を引き起こすとしばしばなる状態です。
栄養がいかないのは毛根だけでなく、頭に栄養が行かなければ眩暈や耳鳴りが起こりますし
足腰の栄養が不足すれば下半身の重だるさ
また、精神に影響して、心の煩わしさ(ザワザワ感)や不眠に繋がったり
手足への影響としては知覚鈍麻や神経痛を起こしたりもします。
②脾腎陽虚
こちらは「気」の不足によって生じるものです。
気は機能の発現を行う物質で、全身をくまなく巡る事で全ての身体機能を発現させています。
これが不足すると、各々の身体機能が低下するのですが、毛根部においては脱毛と言う形で現れます。
脾腎陽虚では、生まれつきの精の不足にプラスして、気の不足を引き起こすとなりやすいです。
他の部位の症状としては、精神の無気力感や手足の嫌な冷え、腹痛や下痢、食欲低下や痩せ。はたまた生理が止まったり勃起不全がおきたりといった、機能低下の症状が起こります。
主に脾と腎の機能低下によって起こるので、消化器系や生殖泌尿器の症状がよく起こります。
スタッフ伊澤
⑤風痰入絡
痰飲の邪が経絡内に潜伏し、風邪を招く事で起こります。
風が関わるためにピクピクとする筋肉の細動が現れ、
知覚異常と痒み、目眩や背中の沈重感を感じる事があります。
顔面神経麻痺の様な症状によく見られる状態です。
⑥肝陽化風
肝の機能失調により肝陽が強くなり、陽が強くなるために風を発生させます。(この様な体内で産まれる風を内風と呼びます)
肝の病理を伴う為、知覚異常以外にも眩暈や焦り感、イライラするなどの症状を伴い
怒りやストレスによって痛みが悪化する傾向にあります。
⑦湿熱阻滞
湿気の邪、あるいは熱を帯びた湿気の邪が経絡を塞ぎ、その場所以降の経絡を母阻む事で起こります。
知覚異常と一緒に沈重感と熱感を伴うのが特徴で、両脚に灼熱感が出る事もあります。
逆に、冷やすと楽になる傾向にあります。
スタッフ伊澤
③気滞血瘀
気の流れ、血の流れに問題が生じ経絡が詰まり、詰まりより先の経絡に気血が行き届かなくなる事で知覚異常を起こします。
「気行則血行、気滞則血滞」(気行けば則ち血行く、気滞れば即ち血滞る)という様に、気と血の運行は連動しており、どちらがが滞ればもう片方もその影響を受ける為、気滞と血瘀は同時に起こることがよくあります。
気滞か血瘀、どちらに偏るかで症状の重さが軽重します。
気滞の割合が多い時は感情の動きによって発生することが多く、知覚異常は重かったり軽かったり増減し、痛みは少しある程度。
血瘀の場合は外傷によって起こることが多く、また、長患いによっても起こります。
痛みは強く出ることが多く、知覚異常は気滞のように増減せずに一定です。
また、皮膚が黒ずんだりしてゆきます。
④湿熱阻滞
水分代謝の低下により経絡中の水分が鬱滞し、熱を帯びたもの。
気滞血瘀と同じように滞った先に気血が流れなくなる事で知覚異常を起こします。
知覚異常の他に灼熱感を表し、患部を温めると症状が悪化する傾向にあります。
スタッフ伊澤
いわゆる「知覚鈍麻」のことで、手足の感覚が鈍くなって感じづらくなったり
手袋や靴下を履いていないのに履いている様な、包まれた様な違和感が発生します。
今回は、その様な症状のメカニズムを何回かに分けて紹介致します。
①風中経絡
外的要因によって知覚鈍麻を起こすもので
経絡の中に風寒の邪が侵入し、経脈の栄養作用を害する事で気血の不足を起こす病態です。
風邪が旺盛な場合と、寒邪が旺盛な場合の2パターンあり
風邪が旺盛な場合では、知覚鈍麻が逃げ回るように移動し、一定の場所に留まらないという特徴があります。また、目や口に軽度の歪斜が現れる事もあります。
寒邪が強い場合には、手足の冷えや悪寒といった冷え症状が現れ、知覚鈍麻と一緒に痛みを呈します。
寒邪は、水が氷になるように物をギュッと固める性質がありますから、知覚鈍麻の位置は固定され、痛みも絞られているような物が現れやすいです。
また、膝や腰に沈むような怠さが出る事もあります。
②気血両虚
経絡の中を流れる気血が減少する事で起こる知覚麻痺で、経絡の気血が空虚になる事で風を生み知覚鈍麻を起こします。
気血の不足を起こす原因としては、過度の疲労や嘔吐、多量の出血、長患いなど、気血を消耗する様な事があげられます。
①の風寒の邪も原因のひとつです。
気と血、どちらの減少が強いかによって症状にグラデーションがあり
気の不足に傾いている時は顔色の蒼白や手足の軟弱、挙動の無力感、動悸や息切れしやすいなどの「疲労感」が強い症状が現れ
血の不足の時には顔の艶が無くなる、皮膚が乾燥する、鈍い頭痛や眩暈が起こる、入眠困難や忘れっぽくなるといった「栄養や潤いが不足する」形の症状が現れます。
どちらの場合でも、知覚鈍麻の部位に痛みを生じる事は少ないです。
スタッフ伊澤
膝の痛みの後半です。
③湿熱阻滞
体内の水分の停滞と熱をきたすタイプで、体外の高温多湿の影響や、水捌けの悪い体質などが相まって起こります。
水分の停滞が膝に起こり、「滞れば即ち痛みとなる」の法則に従い痛みを生じます。
患部に熱感を感じられることが多いです。
④寒湿阻滞
水分の停滞と冷えが一緒になると寒湿になります。
重々しい水分と、物をキュッと凝固させる冷えが合わさり、より強固な滞りとなって痛みを生じます。
痛みの表現としてノコギリで切られているような、といった激痛をきたす事が多く、雨の降る日やその前後に悪化する傾向にあります。
熱とは反対に、膝に冷えを感じたり、触ると冷たかったりします。
⑤熱毒
怪我の後に炎症を起こした物です。
傷口から風毒が入り込み、中で熱毒となります。
現代でいう「傷口から菌が入り込んで炎症を起こした」という状況を中医学的に見るとこの様な見方になります。
「風」は体外から侵入する外邪を指し、大体に邪が侵入する際にはこの邪が先導して他の邪を連れ込みます。
また、傷口ができない場合でも青痣になると中で内出血が起こり血の停滞が生まれます。
停滞したものは熱を帯びる様になる為に膝の痛みを悪化させる事もあります。
傷と炎症を伴い、強い痛みや組織液の漏出、膿が出るなどの症状をきたします。
スタッフ伊澤
膝の腫痛
文字通り、膝が腫れあがり痛みを生じることです。
ここでは、どんな状況でそのような痛みが出るのかを見てゆきます。
①気血両虚
膝の気血が不足し、そこに外邪が重なることで起こります。
発生するタイミングとしては病後などの気血が著しく減少したタイミングに多く、ゆっくりした進行で重怠さと痛みを展開してゆきます。
気血は栄養を持ちますから、筋肉の豊満さが減少して見える事はありますが、痛みの程度は軽度であることが多いです。
②肝腎虚損
こちらも気血が不足する事で発生する物ですが、痛みの程度は重く、病気の期間は長くなる傾向にあります。
というのも、「気血両虚」は病後などに一過性のエネルギー不足の時に起こるものなのに対し
「肝腎虚損」は高齢化や虚弱な体質などによって起こる事が多く、筋肉が痩せこけて皮と骨しかないのではという程の時に起こります。
当然、歩く事も困難になってゆきます。
④腎陰虚によるもの
陰虚、即ち液体成分の減少が原因で熱を抑えられなくなった状態。
身体の液体成分は、熱が強くなり過ぎるのを防ぐ役割があるのですが、加齢や性生活の乱れによって腎精が減少し、熱とのバランスが取れなくなると発生します。
熱が脈絡を焼く為、尿が赤くなるのです。
随伴症状としては、ふらつく様な眩暈や耳鳴り、深部からの火照り感がよく現れます。
⑤脾腎両虚によるもの
これは、身体を温める陽気の減少によって起こります。
脾は「統血作用」という血を脈から漏れ出ないようにする役割を持っていて、これは脾で気が働く事で発現します。
しかし、気が少なくなると留めて置けずに漏れ出るようになります。
また、腎にも「封蔵作用」という液体を留めておく作用があり、これが低下すると尿が溜められなくなります。
この2つの「溜めておく力」の減少によって、尿に血が混ざるようになります。
多くは脾陽虚によって発生しますが、腎気の低下を伴っていることも多く、兼ねて発生します。
以上、尿に血が混ざる「血尿」でした。
スタッフ伊澤
小便に血が混ざり、赤い尿が出来る血尿は出血量の多さによって色が淡い赤〜紅赤まで上がり、甚だしいと血塊混じりの尿が出ることもあります。
今日は、尿に血が混ざる病理を中医学的に見てゆきます。
内容がやや多くなる為、前後編に分けさせて頂きます。
①膀胱湿熱によるもの
熱によって血の流れに支障をきたすケース。
この熱の出所は余分な水分にあり、不摂生な食事や湿熱の外部要因によって溜まります。
溜まった水分は「滞れば即ち熱となる」の法則に則って熱化し、血の運行を早め、やがては出血をもたらします。
膀胱に余分な水分・熱が溜まり、代謝が出来なくなることで下腹部の張りや膨満感、尿道でも熱感や痛みを生じます。
②肝胆湿熱によるもの
気の運行の一部を担当する肝と、それに付随する胆に湿気が溜まり熱化したもので
外部からの高温多湿によるもの、はたまた食事の不摂生、お酒の飲み過ぎや生ものの食べ過ぎによって胃腸を害し、湿気が溜まって熱を帯びるもの
これらが肝に影響すると肝胆湿熱になります。
そうする事で発熱や口の苦み、吐き気や季肋部痛とともに、血尿が現れる事があります。
血尿は、肝胆に溜まった湿熱が膀胱へと降りる事で発生します。
③心火更盛によるもの
これは熱の亢進により血脈を損傷するもの。
心火更盛では、精神的な疲労や消耗が重なる事で心が熱化し、その熱が小腸に降り、下腹部の脈絡を炙る事で発生します。
強い熱が影響する為、血尿の色ははっきりとした赤になる事が多くあり
心疲労による心の騒めきや不眠、はたまた口腔内潰瘍を併発します。
スタッフ伊澤
陽萎は所謂勃起不全のこと。
生殖能力がある年代にも関わらず勃起に至らないことを中医学では「陽萎」あるいは「陰萎」と呼びます。
①元陽不足
元陽とは腎の陽気を指す言葉で、腎の陽気が失われる事で陽萎を起こします。
腎は生殖器を司り、生殖機能に大きく関わりますから、腎の弱まりは生殖能力の弱まりに直結します。
元陽不足では、加齢や性生活の不摂生などが原因となって腎の陽気が減少した結果
陽萎に至ります。
当然、腎に関わる随伴症状を伴い、足腰の弱りや怠さ、耳鳴り、脱毛、そして寒がりや手足の冷えなどを併発します。
②心脾両虚
飲食物から気や血を作る脾、血を司る心。これらの臓器が傷すると気血が新しく作れないので不足してゆきます。
心と脾が起因する事で気血不足を呈し、腎の気や精までもが不足するのがこの病症です。
動悸や息切れ、汗が止まりにくなどの心の症状や
顔色が白い、身体が疲れやすい、痩せこける、未消化便が出るといった脾の症状を伴います。
③惊恐傷腎
「惊恐」とは「恐れ慄く」という事で
恐れにより腎を痛める事で発生します。
というのも、恐れという感情の動きは腎を傷つけると言われており
恐怖によって腰が抜けたり、失禁するというのは恐怖が腎に影響が及んでいる状態と言えます。
これが長期に渡ると、やがて腎気や腎精を消耗して陽萎を引き起こす様になります。
④湿熱下注
肥満体型であったり、油っこい食生活、お酒をよく飲む食生活を送っていると、余分な水分が身体に溜まってゆきます。
そうなると足の重だるさや汗と共に、勃起不全が現れます。
その他、陰部の痒みや小水が赤くなるなどの症状が現れます。
スタッフ伊澤
转筋とは、ふくらはぎの筋肉が痙攣、もしくは痛む事を言います。
所謂こむら返りや足が攣るといった現象に近いもの。
寝ている間に足を攣って起きた事があるという人は少なくないのではないでしょうか?
今回は、そんな转筋の状態を見てゆきます。
①気血不足
虚弱な体質の人や長患いをしている人などに起こりやすい、片側に発生しやすいこむら返りです。
気血の不足によって筋肉への栄養供給が減り、筋肉の伸縮性が減る為に起こりやすくなります。
全身の気血も消耗している為に声が小さかったり無力感があったり
また、顔色の悪さや虚血による眩暈などが併発します。
②肝腎不足
ご年配の方に見られるタイプ
肝は筋肉と関わりが深く、また、血を溜め込む臓器。
腎は血の材料でもある精を溜め込む臓器。
加齢によりこれらの臓器が弱まったり、溜め込む量が減ったりすると気血不足のように筋肉への栄養が減りこむら返りが起こりやすくなります。
加齢が原因である為、足腰の弱りや耳鳴り、物忘れが激しいなどといった症状をていします。
③風寒外襲
冷えによって筋肉が強張り発生するもの。
冷えには凝滞性、收引性と言って、物をギュッと縮こませる作用があります。
液体を冷やすと固体になる様なイメージです。
この作用により筋肉がギュッと収縮し、気血の流れが悪くなり痛みを発生させます。
冷えに晒された直後に発生したらこのタイプでしょう。
スタッフ伊澤
中国の古代書「傷寒論」の一文に"胃主四肢、手足汗出者、陽明之証成"(胃は手足を主り、手足から汗が出る人は、陽明証である)とある。
ここにある様に、手汗や足汗は消化器に問題が生じた時に現れる症状のひとつになります。
ここでは、具体的にどんな消化器の状態で手汗や足汗が起こるのかを見てゆきます。
①脾胃湿熱
脾胃は消化器系のこと。
食物の消化や運搬を担うこの臓腑は、体内の水分の運搬も行っています。
ここが弱る事で水の流れが悪くなったり、また、外からの湿気の影響によって悪くなったりすると水の停滞が熱を産みます。
この状態が湿熱。
脾は手足の流れを特に司りますから、脾胃の失調による手足の汗として
脾胃湿熱が現れます。
②脾胃気虚
これは脾胃の気の不足で発生するタイプです。
気が不足するという事はつまり、力がなくなるという事。
水を運搬する力がなくなって流れが悪くなったり
水が漏れないようにする力がなくなって、汗となって滲み出たり
こういった要因で手足から汗が滲むように出てきます。
力の不足は汗だけでなく、倦怠感や声を出すのが億劫になるなどといった形でも現れます。
気は身体を温める熱源でもありますから、四肢の冷えなんかも一緒に現れます。
③脾胃陰虚
前項では脾胃の気の不足、陽の不足がありましたが、こちらは陰の不足によって起こります。
具体的には脾胃の水分の減少や渇きの発生です。
脾胃に渇きや熱を生じる為に、口や喉の渇きや消化機能の低下を表します。
そして、身体が熱に傾くので汗をかくことでそれを抑えようとします。
手足に汗が出るのは、これまでと同様に脾胃との連動が高いからです。
特に夜以降の暗い時間に、微熱や渇きと共に現れることが多いです。
伊澤
絶汗とは、「大量の汗が止まらない」状態の事で、玉の様な汗が大量に出ます。
汗が出ないではなく、絶え間なく出るなのですね。
この様な症状は大病と共に現れる事が多く、とりわけ
重篤な高熱と汗、重度の嘔吐や下痢、大量出血の際などといった、液体成分が大量に失われた時に現れます。
液体成分が失われると陽気が巡らなくなり、陽気が巡らなくなると液体を作り出す事が出来なくなり、そうして気と液体のバランス即ち陽と陰のバランスが崩れてしまいます。
気陰脱証は、発熱により汗腺が開き、気も陰駅も大量に漏れ出す事で益々悪化し、汗が止まらなくなります。
やがて気と陰が衰退してゆきます
特に心の気と陰を消耗しやすい傾向にあり、粘りの強い油の様な汗と身体の熱さ、唇や舌の熱さなどが現れます。
陽気脱は気がなくなりかける事で気の固摂作用(物が漏れ出ないようにする働き)が弱まり、汗が止まらなくなります。
こちらは長引く病や重病の際など、気を沢山消耗した時に現れ、大汗が現れる場合には"亡陽"と呼ばれる、気が急速に消耗する状態に陥ります。
気の不足による症状を併発し、手足の強い冷えや重度の疲労感、意識がフワフワするなどの症状が現れます。
伊澤
寝汗②
寝汗の原因、まだまだあります。
③脾虚湿阻
消化器の不調が寝汗に繋がるケースです。
消化器は体内の水分輸送の一旦を担います。
冷たい飲食物や生物、甘いもの、お酒、飢餓などは消化器の働きを悪くするので
体内で水の停滞を起こします。
停滞が起こると気が巡りづらくなるので、頭に気が巡らなくなると水を保持できなくなり、汗となって流れ出ます。
この他に頭痛や身体の重さ、口や舌が浮腫んで粘っこくなるなどの水分停滞症状を伴います。
④邪阻半表半裏
風邪のひき始めに見られる寝汗で、邪気が身体の表面で闘争を行う際、身体側は侵入を防ぐ為に汗をかくことで応戦します。
その時に見かけ上汗をかいて見えるのがこの寝汗。
邪気が身体の中に入るかの瀬戸際なので、半分外で半分中、「半表半裏証」と言います。
風邪の症状を伴い、寒気と熱、胸の痛み、口の中の苦味、嘔吐などが随伴症状として現れます。
スタッフ伊澤
受付時間:9:30~18:30
休診日:水曜日・金曜日・日曜日・祝日
※ただし急を要する方には第2・第4日曜日にて
個別対応も可能なこともあります。前日までにご相談ください。
不妊症や生理痛、陰部神経痛、腰痛、坐骨神経痛などでお悩みの方は神奈川県大和市のさくら堂治療へ。ぎっくり腰、椎間板ヘルニア、五十肩、膝痛、寝違えなど、急性期の治療も対応します。
診療日※(予約優先)
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 | |
10:00~12:00 受付 | 〇 | 〇 | 休 | 〇 | 休 | 〇 | 休 |
15:00~18:30 受付 | 〇 | 〇 | 休 | 〇 | 休 | 〇 | 休 |
※このホームページは鍼灸治療のほか医学、歴史、地域、時事、感情の動き、院内の出来事などを読み物風として仕上げております。雑誌を読む感覚でお使いくだされば楽しいかと存じます ~スタッフ一同より~
当院のご案内
婦人病/不妊症
頭、面部、頸
肩/腕/肘/手
背中/腰
股/膝/足
腹部
泌尿器
肛門
その他疾患
〒242-0021
神奈川県大和市中央3-8-26
杉中央ビル1階
相鉄線・小田急線大和駅相鉄口下車、徒歩6分。
駐車場駐車場完備。
瀬谷、三ツ境、相模大野、さがみ野、鶴間、南林間、桜ヶ丘、高座渋谷からもお近くです。
9:30~18:30
水曜日・金曜日・日曜日・祝日