〒242-0021 神奈川県大和市中央3-8-26 杉中央ビル1階

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ただし急を要する方には第2・第4日曜日にて
個別対応も可能なこともあります。前日までにご相談ください。

⑤風痰入絡

痰飲の邪が経絡内に潜伏し、風邪を招く事で起こります。

 

風が関わるためにピクピクとする筋肉の細動が現れ、

知覚異常と痒み、目眩や背中の沈重感を感じる事があります。

 

顔面神経麻痺の様な症状によく見られる状態です。

 

 

⑥肝陽化風

肝の機能失調により肝陽が強くなり、陽が強くなるために風を発生させます。(この様な体内で産まれる風を内風と呼びます)

 

肝の病理を伴う為、知覚異常以外にも眩暈や焦り感、イライラするなどの症状を伴い

怒りやストレスによって痛みが悪化する傾向にあります。

 

 

⑦湿熱阻滞

湿気の邪、あるいは熱を帯びた湿気の邪が経絡を塞ぎ、その場所以降の経絡を母阻む事で起こります。

 

知覚異常と一緒に沈重感と熱感を伴うのが特徴で、両脚に灼熱感が出る事もあります。

 

逆に、冷やすと楽になる傾向にあります。

 

スタッフ伊澤

③気滞血瘀

気の流れ、血の流れに問題が生じ経絡が詰まり、詰まりより先の経絡に気血が行き届かなくなる事で知覚異常を起こします。

 

「気行則血行、気滞則血滞」(気行けば則ち血行く、気滞れば即ち血滞る)という様に、気と血の運行は連動しており、どちらがが滞ればもう片方もその影響を受ける為、気滞と血瘀は同時に起こることがよくあります。

気滞か血瘀、どちらに偏るかで症状の重さが軽重します。

 

気滞の割合が多い時は感情の動きによって発生することが多く、知覚異常は重かったり軽かったり増減し、痛みは少しある程度。

 

血瘀の場合は外傷によって起こることが多く、また、長患いによっても起こります。

痛みは強く出ることが多く、知覚異常は気滞のように増減せずに一定です。

また、皮膚が黒ずんだりしてゆきます。

 

 

④湿熱阻滞

水分代謝の低下により経絡中の水分が鬱滞し、熱を帯びたもの。

気滞血瘀と同じように滞った先に気血が流れなくなる事で知覚異常を起こします。

 

 

知覚異常の他に灼熱感を表し、患部を温めると症状が悪化する傾向にあります。

 

スタッフ伊澤

2025-03-27

 

いわゆる「知覚鈍麻」のことで、手足の感覚が鈍くなって感じづらくなったり

手袋や靴下を履いていないのに履いている様な、包まれた様な違和感が発生します。

今回は、その様な症状のメカニズムを何回かに分けて紹介致します。

 

①風中経絡

外的要因によって知覚鈍麻を起こすもので

経絡の中に風寒の邪が侵入し、経脈の栄養作用を害する事で気血の不足を起こす病態です。

 

風邪が旺盛な場合と、寒邪が旺盛な場合の2パターンあり

 

風邪が旺盛な場合では、知覚鈍麻が逃げ回るように移動し、一定の場所に留まらないという特徴があります。また、目や口に軽度の歪斜が現れる事もあります。

 

 

寒邪が強い場合には、手足の冷えや悪寒といった冷え症状が現れ、知覚鈍麻と一緒に痛みを呈します。

寒邪は、水が氷になるように物をギュッと固める性質がありますから、知覚鈍麻の位置は固定され、痛みも絞られているような物が現れやすいです。

 

また、膝や腰に沈むような怠さが出る事もあります。

 

 

 

②気血両虚

経絡の中を流れる気血が減少する事で起こる知覚麻痺で、経絡の気血が空虚になる事で風を生み知覚鈍麻を起こします。

 

気血の不足を起こす原因としては、過度の疲労や嘔吐、多量の出血、長患いなど、気血を消耗する様な事があげられます。

①の風寒の邪も原因のひとつです。

 

気と血、どちらの減少が強いかによって症状にグラデーションがあり

気の不足に傾いている時は顔色の蒼白や手足の軟弱、挙動の無力感、動悸や息切れしやすいなどの「疲労感」が強い症状が現れ

血の不足の時には顔の艶が無くなる、皮膚が乾燥する、鈍い頭痛や眩暈が起こる、入眠困難や忘れっぽくなるといった「栄養や潤いが不足する」形の症状が現れます。

 

どちらの場合でも、知覚鈍麻の部位に痛みを生じる事は少ないです。

 

 

スタッフ伊澤

膝の痛みの後半です。

 

③湿熱阻滞

体内の水分の停滞と熱をきたすタイプで、体外の高温多湿の影響や、水捌けの悪い体質などが相まって起こります。

水分の停滞が膝に起こり、「滞れば即ち痛みとなる」の法則に従い痛みを生じます。

患部に熱感を感じられることが多いです。

 

 

④寒湿阻滞

水分の停滞と冷えが一緒になると寒湿になります。

重々しい水分と、物をキュッと凝固させる冷えが合わさり、より強固な滞りとなって痛みを生じます。

痛みの表現としてノコギリで切られているような、といった激痛をきたす事が多く、雨の降る日やその前後に悪化する傾向にあります。

 

熱とは反対に、膝に冷えを感じたり、触ると冷たかったりします。

 

 

 

⑤熱毒

怪我の後に炎症を起こした物です。

傷口から風毒が入り込み、中で熱毒となります。

現代でいう「傷口から菌が入り込んで炎症を起こした」という状況を中医学的に見るとこの様な見方になります。

「風」は体外から侵入する外邪を指し、大体に邪が侵入する際にはこの邪が先導して他の邪を連れ込みます。

 

また、傷口ができない場合でも青痣になると中で内出血が起こり血の停滞が生まれます。

停滞したものは熱を帯びる様になる為に膝の痛みを悪化させる事もあります。

 

 

傷と炎症を伴い、強い痛みや組織液の漏出、膿が出るなどの症状をきたします。

 

 

 

スタッフ伊澤

2025-02-25

膝の腫痛

文字通り、膝が腫れあがり痛みを生じることです。

ここでは、どんな状況でそのような痛みが出るのかを見てゆきます。

 

 

①気血両虚

膝の気血が不足し、そこに外邪が重なることで起こります。

発生するタイミングとしては病後などの気血が著しく減少したタイミングに多く、ゆっくりした進行で重怠さと痛みを展開してゆきます。

 

気血は栄養を持ちますから、筋肉の豊満さが減少して見える事はありますが、痛みの程度は軽度であることが多いです。

 

 

 

②肝腎虚損

こちらも気血が不足する事で発生する物ですが、痛みの程度は重く、病気の期間は長くなる傾向にあります。

 

というのも、「気血両虚」は病後などに一過性のエネルギー不足の時に起こるものなのに対し

肝腎虚損」は高齢化や虚弱な体質などによって起こる事が多く、筋肉が痩せこけて皮と骨しかないのではという程の時に起こります。

 

当然、歩く事も困難になってゆきます。

2025-02-13

④腎陰虚によるもの

陰虚、即ち液体成分の減少が原因で熱を抑えられなくなった状態。

身体の液体成分は、熱が強くなり過ぎるのを防ぐ役割があるのですが、加齢や性生活の乱れによって腎精が減少し、熱とのバランスが取れなくなると発生します。

熱が脈絡を焼く為、尿が赤くなるのです。

 

随伴症状としては、ふらつく様な眩暈や耳鳴り、深部からの火照り感がよく現れます。

 

 

 

⑤脾腎両虚によるもの

これは、身体を温める陽気の減少によって起こります。

脾は「統血作用」という血を脈から漏れ出ないようにする役割を持っていて、これは脾で気が働く事で発現します。

しかし、気が少なくなると留めて置けずに漏れ出るようになります。

 

また、腎にも「封蔵作用」という液体を留めておく作用があり、これが低下すると尿が溜められなくなります。

 

この2つの「溜めておく力」の減少によって、尿に血が混ざるようになります。

 

多くは脾陽虚によって発生しますが、腎気の低下を伴っていることも多く、兼ねて発生します。

 

 

 

以上、尿に血が混ざる「血尿」でした。

 

スタッフ伊澤

2025-02-06

小便に血が混ざり、赤い尿が出来る血尿は出血量の多さによって色が淡い赤〜紅赤まで上がり、甚だしいと血塊混じりの尿が出ることもあります。

 

今日は、尿に血が混ざる病理を中医学的に見てゆきます。

 

内容がやや多くなる為、前後編に分けさせて頂きます。

 

 

①膀胱湿熱によるもの

熱によって血の流れに支障をきたすケース。

この熱の出所は余分な水分にあり、不摂生な食事や湿熱の外部要因によって溜まります。

溜まった水分は「滞れば即ち熱となる」の法則に則って熱化し、血の運行を早め、やがては出血をもたらします。

膀胱に余分な水分・熱が溜まり、代謝が出来なくなることで下腹部の張りや膨満感、尿道でも熱感や痛みを生じます。

 

 

 

②肝胆湿熱によるもの

気の運行の一部を担当する肝と、それに付随する胆に湿気が溜まり熱化したもの

外部からの高温多湿によるもの、はたまた食事の不摂生、お酒の飲み過ぎや生ものの食べ過ぎによって胃腸を害し、湿気が溜まって熱を帯びるもの

これらが肝に影響すると肝胆湿熱になります。

 

そうする事で発熱や口の苦み、吐き気や季肋部痛とともに、血尿が現れる事があります。

 

血尿は、肝胆に溜まった湿熱が膀胱へと降りる事で発生します。

 

 

 

③心火更盛によるもの

これは熱の亢進により血脈を損傷するもの。

心火更盛では、精神的な疲労や消耗が重なる事で心が熱化し、その熱が小腸に降り、下腹部の脈絡を炙る事で発生します。

強い熱が影響する為、血尿の色ははっきりとした赤になる事が多くあり

心疲労による心の騒めきや不眠、はたまた口腔内潰瘍を併発します。

 

 

 

 

 

 

スタッフ伊澤

2025-01-30

陽萎は所謂勃起不全のこと。

生殖能力がある年代にも関わらず勃起に至らないことを中医学では「陽萎」あるいは「陰萎」と呼びます。

 

①元陽不足

元陽とは腎の陽気を指す言葉で、腎の陽気が失われる事で陽萎を起こします。

腎は生殖器を司り、生殖機能に大きく関わりますから、腎の弱まりは生殖能力の弱まりに直結します。

 

元陽不足では、加齢や性生活の不摂生などが原因となって腎の陽気が減少した結果

陽萎に至ります。

当然、腎に関わる随伴症状を伴い、足腰の弱りや怠さ、耳鳴り、脱毛、そして寒がりや手足の冷えなどを併発します。

 

 

②心脾両虚

飲食物から気や血を作る脾、血を司る心。これらの臓器が傷すると気血が新しく作れないので不足してゆきます。

心と脾が起因する事で気血不足を呈し、腎の気や精までもが不足するのがこの病症です。

 

動悸や息切れ、汗が止まりにくなどの心の症状や

顔色が白い、身体が疲れやすい、痩せこける、未消化便が出るといった脾の症状を伴います。

 

 

 

③惊恐傷腎

「惊恐」とは「恐れ慄く」という事で

恐れにより腎を痛める事で発生します。

というのも、恐れという感情の動きは腎を傷つけると言われており

恐怖によって腰が抜けたり、失禁するというのは恐怖が腎に影響が及んでいる状態と言えます。

 

これが長期に渡ると、やがて腎気や腎精を消耗して陽萎を引き起こす様になります。

 

 

 

 

④湿熱下注

肥満体型であったり、油っこい食生活、お酒をよく飲む食生活を送っていると、余分な水分が身体に溜まってゆきます。

そうなると足の重だるさや汗と共に、勃起不全が現れます。

その他、陰部の痒みや小水が赤くなるなどの症状が現れます。

 

 

 

スタッフ伊澤

筋とは、ふくらはぎの筋肉が痙攣、もしくは痛む事を言います。

所謂こむら返りや足が攣るといった現象に近いもの。

寝ている間に足を攣って起きた事があるという人は少なくないのではないでしょうか?

 

今回は、そんな筋の状態を見てゆきます。

 

 

①気血不足

虚弱な体質の人や長患いをしている人などに起こりやすい、片側に発生しやすいこむら返りです。

気血の不足によって筋肉への栄養供給が減り、筋肉の伸縮性が減る為に起こりやすくなります。

 

全身の気血も消耗している為に声が小さかったり無力感があったり

また、顔色の悪さや虚血による眩暈などが併発します。

 

 

②肝腎不足

ご年配の方に見られるタイプ

肝は筋肉と関わりが深く、また、血を溜め込む臓器。

腎は血の材料でもある精を溜め込む臓器。

加齢によりこれらの臓器が弱まったり、溜め込む量が減ったりすると気血不足のように筋肉への栄養が減りこむら返りが起こりやすくなります。

 

加齢が原因である為、足腰の弱りや耳鳴り、物忘れが激しいなどといった症状をていします。

 

 

 

③風寒外襲

冷えによって筋肉が強張り発生するもの。

冷えには凝滞性、收引性と言って、物をギュッと縮こませる作用があります。

液体を冷やすと固体になる様なイメージです。

 

この作用により筋肉がギュッと収縮し、気血の流れが悪くなり痛みを発生させます。

 

冷えに晒された直後に発生したらこのタイプでしょう。

 

 

 

スタッフ伊澤

2024-12-24

中国の古代書「傷寒論」の一文に"胃主四肢、手足汗出者、陽明之証成"(胃は手足を主り、手足から汗が出る人は、陽明証である)とある。

ここにある様に、手汗や足汗は消化器に問題が生じた時に現れる症状のひとつになります。

 

ここでは、具体的にどんな消化器の状態で手汗や足汗が起こるのかを見てゆきます。

 

 

①脾胃湿熱

脾胃は消化器系のこと。

食物の消化や運搬を担うこの臓腑は、体内の水分の運搬も行っています。

ここが弱る事で水の流れが悪くなったり、また、外からの湿気の影響によって悪くなったりすると水の停滞が熱を産みます。

この状態が湿熱。

 

脾は手足の流れを特に司りますから、脾胃の失調による手足の汗として

脾胃湿熱が現れます。

 

 

 

②脾胃気虚

これは脾胃の気の不足で発生するタイプです。

気が不足するという事はつまり、力がなくなるという事。

水を運搬する力がなくなって流れが悪くなったり

水が漏れないようにする力がなくなって、汗となって滲み出たり

こういった要因で手足から汗が滲むように出てきます。

 

力の不足は汗だけでなく、倦怠感や声を出すのが億劫になるなどといった形でも現れます。

 

気は身体を温める熱源でもありますから、四肢の冷えなんかも一緒に現れます。

 

 

 

③脾胃陰虚

前項では脾胃の気の不足、陽の不足がありましたが、こちらは陰の不足によって起こります。

具体的には脾胃の水分の減少や渇きの発生です。

脾胃に渇きや熱を生じる為に、口や喉の渇きや消化機能の低下を表します。

そして、身体が熱に傾くので汗をかくことでそれを抑えようとします。

手足に汗が出るのは、これまでと同様に脾胃との連動が高いからです。

特に夜以降の暗い時間に、微熱や渇きと共に現れることが多いです。

 

 

 

伊澤

2024-12-09

絶汗とは、「大量の汗が止まらない」状態の事で、玉の様な汗が大量に出ます。

 

汗が出ないではなく、絶え間なく出るなのですね。

 

 

この様な症状は大病と共に現れる事が多く、とりわけ

重篤な高熱と汗、重度の嘔吐や下痢、大量出血の際などといった、液体成分が大量に失われた時に現れます。

 

液体成分が失われると陽気が巡らなくなり、陽気が巡らなくなると液体を作り出す事が出来なくなり、そうして気と液体のバランス即ち陽と陰のバランスが崩れてしまいます。

 

気陰脱証は、発熱により汗腺が開き、気も陰駅も大量に漏れ出す事で益々悪化し、汗が止まらなくなります。

やがて気と陰が衰退してゆきます

特に心の気と陰を消耗しやすい傾向にあり、粘りの強い油の様な汗と身体の熱さ、唇や舌の熱さなどが現れます。

 

陽気脱は気がなくなりかける事で気の固摂作用(物が漏れ出ないようにする働き)が弱まり、汗が止まらなくなります。

こちらは長引く病や重病の際など、気を沢山消耗した時に現れ、大汗が現れる場合には"亡陽"と呼ばれる、気が急速に消耗する状態に陥ります。

気の不足による症状を併発し、手足の強い冷えや重度の疲労感、意識がフワフワするなどの症状が現れます。

 

 

 

 

伊澤

2024-11-21

寝汗②

寝汗の原因、まだまだあります。

 

③脾虚湿阻

消化器の不調が寝汗に繋がるケースです。

消化器は体内の水分輸送の一旦を担います。

 

冷たい飲食物や生物、甘いもの、お酒、飢餓などは消化器の働きを悪くするので

体内で水の停滞を起こします。

停滞が起こると気が巡りづらくなるので、頭に気が巡らなくなると水を保持できなくなり、汗となって流れ出ます。

 

この他に頭痛や身体の重さ、口や舌が浮腫んで粘っこくなるなどの水分停滞症状を伴います。

 

 

 

④邪阻半表半裏

風邪のひき始めに見られる寝汗で、邪気が身体の表面で闘争を行う際、身体側は侵入を防ぐ為に汗をかくことで応戦します。

その時に見かけ上汗をかいて見えるのがこの寝汗。

邪気が身体の中に入るかの瀬戸際なので、半分外で半分中、「半表半裏証」と言います。

 

風邪の症状を伴い、寒気と熱、胸の痛み、口の中の苦味、嘔吐などが随伴症状として現れます。

 

 

 

 

スタッフ伊澤

2024-11-12

睡眠中にのみ汗をかく寝汗は、中医学では「盗汗」と呼ばれています。

不思議な事に、寝ている間は汗をかくのに起きると汗は止まります。

 

どんな時に寝汗が発生するのかみて行きましょう。

 

心血不足

心を養う血の不足により、心の気が浮かび上がり、気が持つ「固摂」の力が弱まる事で汗が流れ出します。

 

どういう事かと言うと、昼間活動している心の気は脳の辺りで仕事をしています。

夜になると仕事を終え胸の中()に帰ってゆくのですが

この時心の血が不足していると帰るに帰れなくなってしまうのです。

 

そうすると、気が本来あるべき所に居られなくなり、機能を果たせなくなり、現れる異常のひとつとして寝汗が現れます。

 

 

血は眠っている間に蓄えられるので、寝不足が続いたり、また、多量の出血等で血が不足すると発生しやすいです。

 

 

血の不足の為に顔色が青白くなる、疲れやすくなるなどの症状も現れます。

 

 

陰虚内熱

上の血虚や、長患いなどにより、身体の液体成分の減少が起こり引き起こされるものです。

 

液体成分は身体の熱を抑える作用があります。

液体成分が減少すると熱を抑えられなくなる為、身体は熱を帯びるようになり、様々な内熱の症状を表すようになるのです。

 

寝汗、午後に上がる微熱(潮熱)、赤みがかった頬、手足や胸の火照りなどは全て内熱によって現れる症状です。

 

 

 

①②共に血虚を起因とする寝汗です。

血の不足は生殖器系にも影響を及ぼし、男性であれば精液の減少や夢精。女性であれば経期の乱れや経血量の減少などが現れます。

そして、身体は痩せ細ってゆきます。

 

 

 

スタッフ伊澤

手足が火照る、胸の辺りが火照る

手足2本ずつと胸を合わせて「五心煩熱」と言い、実際の体温が上がっていないにも関わらず熱感を感じる事があります。

 

これは、陰虚によく見られる症状で

身体を冷やす作用を持つ水分の低下で、身体を温める気の作用との均衡が破れ

見かけ上で熱が更新して火照りを表します。

 

 

では、どの様な要因で五心煩熱は現れるのでしょうか?

 

 

①陰虚五心煩熱

最も一般的な五心煩熱で、臓腑の陰の低下がきっかけとなります。

肺の陰が不足した場合には、夕方から夜にかけての火照り、寝汗をかく、空咳や息切れを起こす、血痰などの症状を併発させます。

これは、肺の病が長引いた時に起こりやすいです。

 

肝の病が長引いたり過度の出血があると肝陰虚となり、口の渇きや不眠、疲労感などが現れます。

 

これらの陰虚が治らずに居ると腎に波及し腎陰虚となります。

性生活の不摂生でも起こる事があるのですが

五心煩熱と同時に耳鳴り、寝汗、夢精、膝の痛みなどを引き起こします。

 

 

②血虚五心煩熱

脾と肝の機能失調によって起こる事がある五心煩熱です。

脾は消化器系を包括し、飲食物から気血を作ります。

肝は血を貯蔵し、血の量をコントロールします。

 

このどちらか、あるいは両方に問題が生じると血の量が不足します。

 

血は栄養と水分を全身へ運びますから、血の不足によって陰虚と同じ様な五心煩熱が現れるのです。

特に肝の血が低下すると、気が旺盛な肝の陰陽バランスが崩れてより現れやすくなります。

 

血虚の症状である皮膚や毛の低栄養化、顔色が青白くなるなどの症状と

肝が絡むと頭や目の栄養が不足する為に頭部の微痛や熱が現れ

心の血虚では動悸や舌の赤い色が白に近づくなどの症状が現れます。

 

 

③邪伏陰分

風邪を引いた後、治すのに時間がかかっていたり、治りきらなかったりする時に現れる五心煩熱です。

夜間に少しの時間現れる事が多く、これは、外邪が夜になると身体の浅い所まで浮かんでくる為に、身体の気が外邪と戦う事で起こります。

朝方になると外邪は身体の奥へ戻ってゆくので熱も治ります。

 

風邪なのに、外邪は皮膚表面にはいないので汗は出ません。

また、長い戦いの消耗で身体は痩せてしまう事が多くあります。

 

 

スタッフ伊澤

2024-10-24

潮熱とは、1日の中で発熱の温度が高くなったり平熱まで戻ったりするような熱を指し

まるで潮が満ちたり引いたりする様に似ている事から潮熱と呼ばれるようになりました。

 

1日の中でも特定の時間だけ熱が上がるという現象が現れ、何度も熱が上がり下がりする発熱とは別の病理として考えられています。

 

今回はそんな潮熱についての解説です。

 

 

①陽明潮熱

風邪と共に現れる潮熱。

身体の表面で邪気と身体の気とで戦った後、邪気の勢いが強いと身体の内側の経絡へと進行してゆきます。

 

その時に侵入するのが、胃腸との関連が強い「陽明」の経絡。

発熱と共にお腹の強い張りや便秘をもたらし、熱は日没辺りに強くなる性質があり、熱が上がると汗を伴います。

 

日没に熱が強くなるのは、陽明の経絡に気が多く巡る時間帯である為です。

 

 

 

②陰虚血失

身体の潤いが低下することにより、熱を抑えられなくなるタイプ

汗、嘔吐、下痢、出血などによって身体の液体成分が減少したり

寝不足や加齢によって不足する事で発生します。

 

特徴的なのは午後から夜間にかけて微熱が現れる事です。

手足や胸の火照り、頬が赤くなる、寝ている間に寝汗を沢山かくなどの症状が現れ

人によってはホットフラッシュといった形で現れることもあります。

 

 

③血瘀内熱

打撲などの外傷や、強い寒さ、また鬱々とした感情などは血の流れを悪くし停滞させます。

停滞した物は熱を帯びる性質を併せ持つ為、血が熱化します。

 

陰虚と同じ様に、午後や夜間に熱を発生させ、同時に痛みや肌の荒れ、青や紫かかった斑を表す事もあります。

 

 

④脾胃気虚

過度の疲労や食事の不摂生などを起因とする、気の不足がもたらす潮熱です。

脾胃は気の動きに大きく関与するのですが、その力が弱くなる事で気が下に停滞、溜まって熱を持つ事で発生します。

多くの場合は午前中に熱がでて、午後には落ち着く事が多く、熱と共に気虚の症状

疲れやすや倦怠感、呼吸のしずらさ、滲む様な汗が発生します。

 

疲労や空腹によっても増減し、熱は微熱で現れる事が多いです。

 

 

⑤暑熱傷気

子供に、夏場に見られる事が多いこのタイプ。

子供は身体未熟な為、夏場の蒸し暑さに耐えられません。

この時に陰液や気を損傷する事が潮熱の原因となります。

 

 

 

スタッフ伊澤

2024-10-07

近視、近眼、遠くがぼやけて見づらくなる。

遺伝によって近視になりやすい人と、体調不良によって近視が一時的に現れる人がいますが、ここでは一時的に見え辛くなるタイプについてご紹介します。

 

 

 

①気虚によるもの

過度の疲労や眼の使いすぎ、暗いところで細かい文字を見たなどをすると眼の気が消耗されるので

遠くの物が見えづらくなります。

 

全身的に強い倦怠感を感じている事が多く

夜眠れなかったり、物忘れがひどくなっていたりといったエネルギー不足の症状がよく現れます。

 

 

 

②肝腎虚損

肝や腎の精気不足によって起こる近視で、心尽きる程の思い悩みやストレス、怒りによって起こります。

また、性生活の乱れによる精気不足でも起きる事があります。

 

精気の不足は気の不足をもたらし、気虚と同じように眼の機能を発現できなくなる事で近視が発現します。

 

 

このタイプでは全身の症状として、足腰の弱りや勃起不全、残尿感などを併発します。

 

 

 

 

スタッフ伊澤

白内障は眼の中に濁りが現れ、だんだんと視界を遮り、視力低下や失明を引き起こします。

古い時代では「内障」や「圓翳内障」など呼ばれていました。

白内障の中医学的な機序を見てゆきます。

 

 

①脾虚白内障

消化器系の失調により気が不足し、目に気が回らなくなり、目がぼんやりとしてゆくタイプ。

瞳に濁りが現れ、だんだんと悪化して最後は白内障に発展するのが特徴です。

 

消化器の不調により、身体が痩せこけたり肌艶が白っぽく不健康に見えたり

倦怠感や気力の低下、食欲の低下などをきたします。

 

 

 

②陰虚によるもの

年齢を重ねる事で身体の水分量がへり、身体の全体的な栄養不足が眼の霞を引き起こし

これもだんだんと白内障に発展するタイプ。

古典では「精散ればすなわち眼に分かれる、故に物を見られる」という文があり、""という栄養源が眼を養う事で眼が見えています。

 

年齢を重ねると精が減少する為、眼がぼやけてゆくのです。

随伴症状としては精の不足が関わるものが多く

眩暈(ふらふら)や耳鳴り(低い音)、足腰の虚弱化をていします。

 

 

 

③火盛によるもの

体内の熱が強まる事で眼の水分を蒸発させ、濁りを生じます。

濁りは、熱が影響した特徴である黄色を帯びた色をしており、それにより目の霞みや飛蚊症のような異物漂う感じ、やがては失明へと至ります。

熱が口や頭などにも影響すると、口の渇き・焦感・不眠なども現れます。

 

熱の出所としては

考え事のしすぎが原因の心火

辛い食べ物や熱い食べ物の食べ過ぎ

激しい怒りによる肝火

などが挙げられます。

 

 

④胎患白内障

新生児の白内障で、眼の濁りを確認できます。

もちろん、赤ちゃんが「見えづらい」や「視界が変」と教えてくれる事はないので、よく観察しなければ発見できません。

原因の多くは母親の胎内にいる時に、不摂生な食事であったり何かの病であったり

発育に影響があった事で起こります。

 

 

⑤外傷によるもの

外傷によって水晶体を損傷し、白内障を起こします。

中医学では、「精」と呼ばれる物質がある事で視力や聴覚などの力が発揮されるとされているのですが

これが白っぽい色をしており、外傷によって漏れ出ることで白い濁りが現れると考えられています。

 

 

 

 

スタッフ伊澤

喉の異物感、吐き出そうとしても吐き出せず、飲み込もうにも飲み込めない。

時々起こるこの現象の謎を説明いたします。

 

 

①肝気上逆によるもの

所謂「梅核気」と言われるもの。

実際に異物があるわけではないにも関わらず、咽の異物感が拭えません。

 

この理由は、気の運行を行う「肝」の機能低下によって気が巡らなくなり

咽での気の停滞が異物感に感じられる為にあります。

 

異物がある訳ではない為、飲み込む事も吐き出す事も、また飲食物が通るのを邪魔する事もありません。

 

肝の気が停滞している為、イライラしやすかったり、季肋部(胸の下部)に貼ったような痛みを伴う事があります。

 

 

 

②痰凝気滞によるもの

消化器系の機能低下により水分の代謝が落ち、水の停滞が咽に現れる事で発生します。

痰が咽に絡みますが、粘稠度が高く吐き出しづらいです。

痰は気の停滞よりも強い停滞性を持ち、水分と同時に気の停滞、つまりは気滞も引き起します。

 

 

 

 

③肺熱陰虚によるもの

肺に熱が籠る事で、水分が蒸発する。或いは、何かの原因で水分が少なくなった時に起こりやすい咽の異物感です。

肺は呼吸によって気を全身に送付する役割があります。

その役割が肺の水分減少によって行えなくなると咽の気も動かなくなり、異物感を生じます。

 

水分の減少や熱を生じるので、咽の赤みや微痛、渇きを感じる事もあります。

痰は少なく、全身の微熱や寝汗を生じる事もあります。

 

 

 

 

スタッフ伊澤

声が出ずらい、かすれると言うことを中医学では「嘶」といいます。

 ここでは、声が出ずらくなる原因をご紹介いたします。

 

風寒によるかすれ

風邪を引いた時に声が掠れる事を指します。

風邪が肺を犯すので、声を出すと言う肺の働きを鈍らせます。 

発熱や悪寒といった風邪症状の他、喉の痒み、声帯の腫れや酷いと充血、また汗が出にくいといった症状が現れます。

 

 

 

風熱によるかすれ

風寒タイプと同じく風邪を引いた時に起こるもの。

違う点は、熱が強いために喉の焼けるような灼熱感がある事です。

喉も痒みより痛みが現れる事が多いです。

 

風寒よりも全身の強い熱感が発生やすく、汗も沢山かき、痰も黄色くなるなど熱の所見を表します。

 

 

熱邪犯肺によるかすれ

上記の風邪が悪化したタイプ。

熱がより侵攻しているために、粘膜の炎症や充血が現れます。

また、風邪はまだ身体の浅いところに居るのに対し、このタイプは深いところまで侵攻している為

肺の関連領域である胸や大腸にも影響を及ぼし、胸苦しさや血便などを伴います。

 

 

 

 

 

肺腎陰虚によるかすれ

歳を重ねてかすれるようになった、大病の後などに声のかすれたりしたらこのタイプでしょう。

これらの要因は体内の水分を減少させます。

水分が少なくなると喉自体を潤せませんし熱冷ましの機能が働かなくなるので熱が亢進しやすくなります

そうして強くなった熱が喉に影響する事で声が出にくくなったりもします。

 

口や喉が渇きやすくなったり、粘っこく黄色い痰が絡むようになります。

 

 

 

血瘀痰聚によるかすれ

聚とは集まるという意味。

何らかの原因で血の巡りが悪くなったり、余分な水分が集まる事で

声帯が肥厚したり、出来物が出来たりして発声しづらくなるタイプです。

 

 

 

スタッフ伊澤

2024-08-29

喉の渇き感、喉の乾燥は体外からの要因でなる事もあるし、体内からの要因でなる事もあります。

ここでは、どんな時に喉の渇き、乾燥を感じるのか見てゆきます。

 

①風熱襲肺

外部からの熱、或いは長期化した冷えが熱化した事で発生する、熱による喉の渇きです。

喉の痛みを伴うことがあり、咳や黄色がかった痰、飲み物をたくさん飲みたくなるなどの随伴症状が現れます。

 

 

②燥熱傷肺

乾燥が肺を傷つけるタイプです。

喉だけでなく鼻にも乾き感が現れ、乾いた咳がよく出ます。

気道の乾燥がありますから、痰はほぼ出ないか粘っこいのが少し出る程度。熱があるのでたんの色は黄色になります。

 

 

③脾胃熱盛

辛い食べ物や濃い味の食べ過ぎや胃腸炎が原因で、消化器系に熱が篭ることで発生します。

熱は水分を蒸発させるので喉の渇きが発生し、とりわけ冷たい飲み物を欲するようになります。

その他の特徴的な症状としては口臭が起こる、胃脘部(みぞおちの辺り)が痛む、胸焼けがすると言ったものが現れます。

 

 

 

④肝胆鬱熱

これも熱の影響で起こる口の渇きですが、外からの暑さや加齢、怒りのエネルギーなどを原因として肝の機能が邪魔される事で起こります。

喉の渇きと併発して、頭痛や目の充血・痛み、耳鳴りや難聴といった頭部の症状を表す事が多いです。

 

 

⑤肺陰虚

長患いや、発汗過多などによって肺の渇きを生じるものです。

肺は呼吸器官全てと関わりが深い為、喉や口の渇きを生じます。

その他、渇きを起因として、喉の痒み、乾いた咳、発音障害などを現すこともあります。

 

 

 

⑥腎陰虚

年齢を重ねる、長患いなどで腎の水分が少なくなったタイプ

肺陰虚から発展する事もあります。

肺と同様に、腎と関わりのある場所に渇きや熱の症状を発生させ、

喉の渇き、耳鳴りや難聴、腰や膝の滑液泡減少による変形や痛み、不眠、精力減退

などが現れます。

 

 

 

 

スタッフ伊澤

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