2020/5
更年期は医学的には閉経の前数年から始まるとされていますが、これはほぼエストロゲンの減少期と重なります。
現場の意見としては、患者さんを年代別に分けると、50歳前後の女性が最も来院頻度が高くなり、その症状を分析してみると、更年期は閉経前後5年程度はあるとみてよいでしょう。
教科書的には発汗過多とホットフラッシュを2大症状としておりますが、東洋医学の眼からならこれは熱の症状となります。
むしろ何故熱の症状が顕著になるのかといいますと、熱が出ないようにしている仕組みの崩壊にほかなりません。
崩壊とはおどろおどろしい表現をしましたが、年代的低下と言い直します。
熱を抑えるものは?考えればわかりますよね。そうです。熱に拮抗するのは水なのです。
この時期は体内の水分が貯留できなくなるのです。
つまり保湿力の低下こそが更年期の本体なわけです。その結果ホットフラッシュや熱さをコントロールするための発汗といった症状がでるわけです。
《本体は保湿力の低下》
BSなんかを見ているとお肌の潤いがなくなる話ばかりですが(今から30分以内オペレターを増員してどうたらこうたら・・・)、これは全身で起こります。
口の中が乾けば口渇、お肌もシワだけでなく痒みも出ます。
筋肉、靭帯から水分がなくなれば、ことさらに硬くなり、腱鞘炎、五十肩。
腸内の乾燥は便秘に、陰部の乾燥は膀胱炎を引き起こします。
本体の保湿力低下で、結果熱症状なら心悸亢進、不眠、頭痛、眩暈、寝汗も出るでしょう。
それゆえ「更年期は症状のデパート」と呼ばれるわけです。
専門家の私たちは、このような症状と毎日向き合います。
保湿(滋陰)と熱を取る(清熱)をツボを主体に治療していきます。
ご安心ください。