背痛とは肩、胸、腰をも含む「背中」の痛みである。
腰痛などとの鑑別が大事になるが、背中全体の痛みがどのような機序で発生するのか観てゆきたい。
寒湿侵襲によるもの
虚弱体質の方に見られる事が多く、寒湿の邪が背中の経絡に入り込み流れを阻害する。
阻害された気血が「通ざざれば即ち痛む」の原則に則り痛みを生じさせる。
板が貼ってある様な痛みが特徴的で、首まで痛みが広がり、肩甲骨の動きが悪くなる。
これらは冷えにより悪化する事も特徴。特に雨が降って冷えたりした時が顕著。
脈は浮いて緩むか、沈んで緊張する。
気血瘀滞によるもの
歳を重ねる、長患いなどによって気血の量が減ると、気の流す力が弱まって気血を滞らせる。また、減った血は栄養する事ができず経絡の低栄養状態を発生させる。
滞り、低栄養はどちらも痛みを発生させる。
特徴としては、寝起きの背中の痛み、夜間増悪、運動すると楽になる。
書籍によるとこの2タイプに分かられる
気血瘀滞は、疲れが溜まった時や同一姿勢で発生する肩凝りの一例とも考えられるだろう。
スタッフ伊澤