陽萎は所謂勃起不全のこと。
生殖能力がある年代にも関わらず勃起に至らないことを中医学では「陽萎」あるいは「陰萎」と呼びます。
①元陽不足
元陽とは腎の陽気を指す言葉で、腎の陽気が失われる事で陽萎を起こします。
腎は生殖器を司り、生殖機能に大きく関わりますから、腎の弱まりは生殖能力の弱まりに直結します。
元陽不足では、加齢や性生活の不摂生などが原因となって腎の陽気が減少した結果
陽萎に至ります。
当然、腎に関わる随伴症状を伴い、足腰の弱りや怠さ、耳鳴り、脱毛、そして寒がりや手足の冷えなどを併発します。
②心脾両虚
飲食物から気や血を作る脾、血を司る心。これらの臓器が傷すると気血が新しく作れないので不足してゆきます。
心と脾が起因する事で気血不足を呈し、腎の気や精までもが不足するのがこの病症です。
動悸や息切れ、汗が止まりにくなどの心の症状や
顔色が白い、身体が疲れやすい、痩せこける、未消化便が出るといった脾の症状を伴います。
③惊恐傷腎
「惊恐」とは「恐れ慄く」という事で
恐れにより腎を痛める事で発生します。
というのも、恐れという感情の動きは腎を傷つけると言われており
恐怖によって腰が抜けたり、失禁するというのは恐怖が腎に影響が及んでいる状態と言えます。
これが長期に渡ると、やがて腎気や腎精を消耗して陽萎を引き起こす様になります。
④湿熱下注
肥満体型であったり、油っこい食生活、お酒をよく飲む食生活を送っていると、余分な水分が身体に溜まってゆきます。
そうなると足の重だるさや汗と共に、勃起不全が現れます。
その他、陰部の痒みや小水が赤くなるなどの症状が現れます。
スタッフ伊澤