肩関節の機能障害により上肢を上げられなくなること。
痛みを伴うことが多く、肩の痛みによって肩を挙げられなくなる事も、肩の機能障害により痛みが発生する事もあり、肩の痛みと機能障害には密接な関係がある。
主な原因としては
肩の詰まりによるもの、肩凝よるもの、胸痺によるもの、筋肉損傷によるものがある
肩の詰まりによるもの
歳を重ねた人、とりわけ虚弱体質の人に発生しやすい。寒さや湿気が肩の筋肉にとどまる事で気の流れが抑えられ発生する。
痛みが先に発生し、長い間発生するのが特徴。しばしば肩の機能障害に繋がる。
症状としては、患部の冷え、冷えたり湿気に当たると悪化する、放置すると肩関節運動に支障をきたす、酷い時には腕を持ち上げられなくなるなどが挙げられる。
肩凝によるもの
50歳以上で良く現れる肩の痛みで、いわゆる五十肩と言われるもの。
しばしば軽度の肉離れを起こす。
痛みと運動障害は同時に発生し、日を追うごとに悪化する。最終的に腕が上がらなくなり、日常生活に影響が及ぶ。
主に結髪動作(後頭部に手を回す動き)、結滞動作(帯を腰の後ろで結ぶ動き)ができなくなり睡眠障害や激しい夜間痛を伴う。
胸痺によるもの
肩凝にとても似ており、歳を重ねてから発生しその痛みにより腕や手の運動ができなくなる。長引くと筋肉の萎縮や硬直が現れる。
原因ははっきりしないか、風寒湿の邪の影響を受ける時がある。こちらも軽度の肉離れを起こす時がある。
肩凝と異なる点は胸の痛み(時に背中を曲げられない)、動悸、呼吸が浅くなる、舌が紫になったり斑点が現れたりする事。痛みも激しく指の腫れや黄色い変色が起こり、放置すると指が曲がったまま硬直し、回復が困難になる。
筋肉損傷によるもの
外傷によるものである。肩を痛めたきっかけがはっきりとあり、損傷部位の圧痛がある。
損傷により瘀血が生成される事で肩の痛みや可動域制限が現れる。
伊澤