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乳房が張って痛いことを中医学では「乳房張痛(にゅうぼうちょうつう)」という。

主訴として来院される方は少ないが、症状として訴えられる方は多い。

そこで中医書を見てみることにした。

下記のように、3タイプに分類されているが、キーワードは「気」か。機序は「気」に由来することが多いようである。


●乳房張痛の分類●

①痰気鬱結タイプ

体内の余剰水分が長期間停滞して体内に「痰」が形成される(水液性の病理物質)。この「痰」が気の動きをブロックすることで乳房においては張り感・痛みが生じる。

鑑別ポイントとしては、乳汁は出ずらいことが挙げられる。

②肝気鬱滞タイプ

気のスムーズな運行を担う臓腑「肝」の失調に由来する。多くの原因はストレス・抑うつ感など精神的な部分とされる。

鑑別ポイントとしては、胸の張り感が著しく、月経前に出現しやすい(その他は出現しづらい)

③気血虚弱タイプ

エネルギー物質の「気」・栄養物質の「血」の不足に由来。飲食物より得るエネルギー・栄養の不足により生じる。運行・循環させる力が停滞することで乳房においては滞り・停滞が生じてしまうので乳房の張り・痛みが生じる。

鑑別ポイントとしては、乳房の張り感は時折生じること・痛みとともに規則性がはっきりしないことか。

スタッフ 杉本

●参考文献

『中医症状鑑別診断学』 人民衛生出版社

●「閉経溢乳」とは?●

妊娠してはいないのに生理が来ず乳汁が漏れ出てしまうことを「閉経溢乳」という。

「閉経」という文字がつくが、中医学では現代医学での意味と異なり「生理が2〜3か月来ない」ことを指す。

この「閉経溢乳」は現代医学でいうところの「高プロラクチン血症」に該当する。

●「閉経溢乳」の東洋医学的分類●

①肝鬱化火タイプ(かんうつかか)

「乳頭」は五臓「肝」の担当エリアである。このエリアに何かしらが原因で熱が発生し、熱が乳汁押し上げることで乳房からあふれ出てしまうことが機序である。熱が生まれる原因としては長期間の精神抑うつによるものが多い。子宮においては血液運行の停滞が生じていることから生理が2〜3か月来ないといった問題が出現する。

※鑑別ポイントは「乳房が張って痛む」・「乳汁は粘稠度が高い」ことか。

②脾胃気虚タイプ(ひいききょ)

「乳房」は五臓「脾」の担当エリアである。このエリアに気の「生理物質が体外に漏れ出ない力」(これを気の『固摂』作用という)が低下することで生じる。つまり本来乳房に貯蔵されているのが通常である乳汁が、漏れ出てしまうといった現象が現れる。子宮においても生理物質の不足ゆえ血液を満たすことがなかなかできないことから生理が2〜3か月来ないといった問題が出現する。

※鑑別ポイントは「乳房はやわらかいこと」・「乳汁はサラサラしている」ことか。

スタッフ 杉本

●参考文献

『中医症状鑑別診断学』 人民衛生出版社

『中医婦科学』 人民衛生出版社

2022/6

〇インスリンと多嚢胞性卵巣症候群

多嚢胞性卵巣症候群の原因のひとつはアンドロゲンの分泌が必要以上に亢進することにあると言われています。

これにより白膜の肥厚、卵胞の発育抑制から排卵障害が起こります。

また俗にいう男性化、つまり多毛、ニキビ、肥満などがあらわれやすくなります。

なぜアンドロゲンの分泌亢進が起こるか?といえば、それは高インスリン血症、つまり血中にインスリンが多いことが考えられます。

これは概ねインスリンが効きにくいことによります。

効きにくいゆえ、量でカバーするためインスリンが増えるわけですね。

とくに肥満が形成されるとアディポカインが出るため、さらにインスリンの働きを妨げます。

そこで量でカーバーする。

そしてこの傾向にある方が運動しないとどうなるか?

筋肉に行くべき糖分が脂肪細胞に回ることになります。

患者さんには対処策として食後の運動、もしくは散歩、片足立ち(3分)を選択してもらっています。

治療は腎気を補いながら、消化器を調整する健脾に代謝を促す化痰を加えます。

※一定期間を過ぎると不妊症(雑話、症例、内膜症、筋腫、その他)に収められています

2022/6

多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)は不妊症の20%以上を占めると言われている。

大きな問題点は、体外受精の際に採卵で躓くことだろう。ここで躓くと先に進めないから。

そこで誘発剤(クロミッドなど)を用い、それでダメならステロイド(プレドニンなど)を併用する。注射で排卵を促すこともある。

ただPCOSの方は投薬に対する有効性が狭いというか、抵抗性が高いというか、少量では反応しないのもかかわらず、適量を少し過ぎると過剰反応を起こすので卵巣過剰刺激症候群(OHSS)になりやすい。

このような過剰反応の傾向性を帯びる方は血不足を内在する方に多い。

そこで養血のツボを加えていくことになる。


この記事は一定期間を過ぎると不妊症(雑話、症例、内膜症、筋腫、その他)に収められています。

月経周期に随伴して頭痛の発作が起きるものを「経行頭痛」という。通常は月経後には頭痛は軽減するものが多い。ただし、習慣的に見られるものでなく、1度だけ見られるものは本症の対象外とする。

①血オ経行頭痛

血液の運行に停滞が生じたために出現。停滞の理由は身体循環のコントロール権を握っている五臓「肝」の失調によるものが多い。「肝」の失調はストレスフルな環境などが原因となる。東洋医学における「不通則痛(体内の流れがとどこおると痛みが生じる)」の原則により、頭部の血液運行が停滞することで痛みが生じる。

(特徴)痛む場所は一定・刺すような痛み・月経はスッキリ排出されない・量は少なく血塊を含む・

(身体症状)下腹部の痛み(頭痛同様に月経が終われば痛みは緩解する)

②肝陽上亢頭痛

血に密接と関わる五臓「肝」「腎」のトラブル。血液の貯蔵庫「肝」に保有されている血が不足した場合、「腎」は「肝」の血を補充する役割を担っている。「肝」⇔「腎」と相互に補完関係にあるが、いずれも虚損してしまった場合には体内に潤い不足症状が出現してしまう。潤いは身体を冷ます役割を担うが不足することで熱が出現。その熱が頭部に上昇することで頭痛が生じてしまう。長患い・失血過多などが潤い不足の原因となる。

(特徴)月経前や月経中に頭が張ったような痛み・頭がクラクラする症状が出現する・月経が早まる・量は多く色は鮮紅色

(身体症状)怒りっぽい・睡眠障害・腰の重だるさ・耳鳴りなど

③血虚頭痛

もともとの栄養不足体質に加えて、月経による血液の排出が加わることで生じる。消化・吸収能力の低下で血液が十分に生成されていないことも原因となる。全身的に栄養・血液不足症状が生じる。

(特徴)月経時月経後に軽い頭痛が出現する・痛い時には目に及ぶ

(身体症状)眩暈・動悸・顔色は血色悪い・月経量は少ない・色は淡い

スタッフ 杉本

◎参考文献

「中医症状鑑別診断学」 人民衛生出版社

「中医症候鑑別診断学」 人民衛生出版社

「問診のすすめ」 東洋学術出版社

「中医基本用語辞典」 東洋学術出版社

●無月経の東洋医学的解説

通常、発育した女子は平均14歳前後で月経が見られるとされるが、18歳までに月経の来ないもの・月経は来ているが3カ月以上中断している状態を中医では「経閉」という。

この経閉が生じる理由は大きく分けて2つに分類される。

①子宮内を充満させる血液量を生み出せないこと(肝腎不足・気血両虚)

②子宮および子宮への血液供給ルートに停滞が生じて血液が通じないこと(気滞血オ・痰湿阻滞)

◎血液生成不足タイプの経閉

①肝腎不足(かんじんふそく)経閉

血液不足により子宮内の血液が空っぽになるために経閉が生じる。

血液である「血」の不足や血を生成する源となる「精」の不足により生じる。

「血」・「精」の不足は、先天的な体質・過剰な性生活・長期間大病を患うこと・加齢・出血過多が原因となる。

(特徴)

初潮が遅い(18歳過ぎても来潮しない)など、成長・発育に影響が見られる

月経周期が延長し、経血が少なくなり、次第に閉経する(子宮内の血液が減少・枯渇するため)

(身体症状)

膝腰重だるい・頭部のふらつき・眩暈・耳鳴り・聴力減退・難聴など

②気血両虚(きけつりょうきょ)経閉

血液不足により、子宮へ供給される血液が少なくなることで生じる経閉である。

飲食の不摂生による栄養状態の低下・働き過ぎ、思い悩みすぎ、慢性病による体力の消耗などによって栄養・血液不足を生じさせることが原因となる。

(特徴)

月経周期が延長し、経血が少なくなり、次第に閉経する(子宮内の血液が減少した後、枯渇するため)

(身体症状)

めまい・顔色は青白い・不眠・動悸・精神疲労・倦怠感など

◎滞りタイプの経閉

③痰湿阻滞(たんしつそたい)経閉

体内に余剰水分が生じ子宮への血液供給が阻害されること・また余剰水分が子宮内におよべば子宮の働きが阻害されることで経閉が生じる。(ベタベタした水液がその他の物質の運行を停滞させるイメージ)

余剰水分が生じる原因としては、油濃いもの・甘いもの・味の濃いものの過食・アルコールの常飲・湿度の強い環境などが挙げられる。

(特徴)

帯下を伴うことが多い(体内の水分量が余剰なため)

月経周期が延長し、経穴量が少なくなり次第に経閉する(子宮への血液供給が停滞するため)

(全身症状)

身体の湿り気が出る・食欲不振・頭重感・めまいなど

④気滞血オ(きたいけつお)閉経

体内に血オ(血液が停滞し凝縮したもののイメージ)が生じ、血液運行が停滞するため子宮への血液量が減少することで生じる。

また子宮自体にも生じることで血液を溜めておく器が小さくなることで閉経が生じる。

血オが生じる原因は、全身の循環力の低下・冷え・湿気・外傷・手術後などが様々な原因が挙げられる。

(特徴)

下腹部に刺すような痛みが生じる・押されると痛い

(身体症状)

舌に赤い点々が見られる・抑鬱感・胸の張り感など

「血液不足タイプ」については、五臓六腑を整え血液を生成できるように

「滞りタイプ」については、滞りの原因(循環の低下や余剰水分)を取り除き、子宮に血液を運搬できるように治療を行っていきます。

スタッフ 杉本

◎参考文献

「中医症状鑑別診断学」 人民衛生出版社

「中医症候鑑別診断学」 人民衛生出版社

「問診のすすめ」 東洋学術出版社

「中医基本用語辞典」 東洋学術出版社

「漢方用語大辞典」 燎原出版社

2021/1

前回子宮を定位とするツボが18穴あるとお話ししました(子宮に関わるツボ①参照)。

その効能は大きく「子宮を温める」「子宮の気を流す」「子宮の気を固める」「子宮の熱を下げる」「子宮の気の不足を補う」の5つに分けられます。

これだと治療学上どうしても足りないものが出てきます。何でしょう

「子宮の血を補う・増やす」

「子宮の血を散らす・促す」の2つです。

前者は子宮の血が少ない時に使います。具体的に経量が少ない、生理が3日で終わるなどの方。相応に子宮内膜が薄いと考えて良いでしょう。

後者は子宮の血流が悪いということ。具体的には塊の血が出てくる、茶オリの期間が長いなどです。これなど子宮内膜が固い証左になります。《子宮に関わるツボ①》で示した通り崑崙穴を補助的に使うことは可能ですが、少し効果が弱いですね。

どうしてこういうことが起こるのでしょうか?

子宮の気はいわば子宮の運動エネルギーです。これに引き換え子宮の血、とくに子宮内部の血は卵子から胎児までの一連の過程の栄養素なのです。ここには受精卵の着床部位となる子宮内膜への栄養も含まれます。そして大事なことはこれら栄養の塊である血は、子宮の外部から子宮内部に流入する構造のなっているということです。

大事なのは脾・肝・腎

そこで血の根源である食物や水分から水穀の精微を吸収する脾、血のストック及び運搬を担当する肝、血が血らしく活動するためのエッセンスを供給する腎の精を調整しなければならないわけですね。

血を作り、運び、磨くのは脾・肝・腎精なのです。

古来より三陰交というツボが不妊治療によく使われるのはここに隠し味があるわけです。

3つの陰の経絡が交わるので三陰交です。

脾に属する太陰脾経、肝に属する厥陰肝経、腎に属する少陰腎経の3つで三陰交です。

よって不妊治療ではこの血の質・量を意識したアプローチが必須となるわけです。

※新着時期を過ぎると左サイドバー《不妊症(雑話、症例、内膜症、筋腫、その他)》に収められています。

2020/1

先週、少し時間に余裕が出来たので10数冊の書籍をひっくり返しながら、定位が子宮にあるツボを探してみました。

定位とは、そのツボが体のどこに効くかということですから、ここでは子宮にダイレクトに効くという意味になります。

三陰交、関元、地機などなど・・・18穴ほど見つかりました。

もちろん子宮と関わる臓器まで広げると50穴でも足りないでしょう(*`艸´)ウシシシ

その18穴の効能をさらに別の書籍に調べると「子宮を温める」「子宮の気を流す」「子宮の気を固める」「子宮の熱を下げる」「子宮の気の不足を補う」などとありました。

その中には僕が日常使わないツボもあります。

たとえば崑崙というツボ、足の外踝(くるぶし)とアキレス腱の間にあります。

「子宮の気を流す」効果とあります。

では今度は歴代の主治症を見てみましょう。

つまりどんな症状に使っていたかを調べてみたわけです。

子宮に関わる症状では圧倒的に多かったのは難産でした。次が後産(胎盤の排出)です。後は血塊(月経血が塊状になる)を出すなどでした。

ここからわかることは一つです。

つまり崑崙は子宮が強い収縮が必要な時に、その収縮力を上げる効果があるということです。

強く収縮を促して、出産までもってゆく、胎盤も排出する、生理中なら血の塊を出し切るということですね。

不必要な血が体内に残せば、それはもう血オになって下さいと言っているようなものなのです。

それもあってか昔の書籍を読むと血オをオ血という、「汚血」という字をあてたものまであります。

血オを作らないためにも崑崙はとても大事なツボということです。

僕が不妊症の患者さんに再三再四足首を回してねー、と強調するのはこういう意味があるわけです(崑崙は足首にある)。

※新着時期を過ぎると左サイドバー《不妊症(雑話、症例、内膜症、筋腫、その他)》に収められています。

2020/12

とても不思議な基礎体温表を見たことがあります

なにが

一周期に1.2度突如37℃を越えます。

低温から高温ではなく、高温期中に0.3ほどポ〜ンと挙がります。1日だけ急激に上がるわけです。なんというますか気配なく突然上がる感じなのです。

他の脈状などの所見から何の熱邪があります。

ホルモン剤との兼ねも検討しましたが、この現象に解釈がつきません。

色々と除外して最後にたどり着いたのが、これかも・・・

Q・お酒飲みますか?

A・はい、ウイスキーをストレートで

なるほどこれなら合点がゆきます。

脈との整合性もつきます。

多分、とても強いストレスがあるときに、それを晴らすために浴びるのだと思います。

伝統医学では気鬱が溜まっているときに外から湿熱邪(ウイスキー)を入れるとこのような現象があらわれも何ら不思議はないと考えます。

かなりストレス溜めてるなぁーと感じましたが、聞かないでもわかったので、あえてそこには触れずにスルーしましたが、一言だけ申し上げました。

ちょっと減らしましょうね。2割だけ減らしましょうね。


※新着時期を過ぎると左サイドバー《不妊症(雑話、症例、内膜症、筋腫、その他)》に収められています。

2020/11

この臨床例は年に数回しかできないケースである。

知力と技術がスパークした時しかできない。

今ケースでは妊娠中期を超えるあたりから頸管が3㎝以下になる。

張り止めで何とか小康状態を保ってはいたが、33週あたりから入院レベルに相当する2.1㎝まで縮む。

ここからが技術。

陽陵泉で鼠径部に響かせる。帰来の補法を掛け中を締める。後は中間カンのお灸。

次回検診時にまでに2㎝を下回ると入院。

その間治療できる回数は2回。

結果は2.9㎝まで戻る。

一度縮んだ頸管は戻らいという説もある。

ゴムのように伸び縮みするという説もある。

いづれせよ、強くはないだろうからいつ入院でもおかしくはないが・・・

3,4mm戻ったケースは何例もあるが、正直ここまでの回復は予想外。

本当に良かった。

こういう疾患を一介の鍼灸師に任せてくれた患者さんに感謝する。

本当に決めたいときの治療は、その病理により変わるが、だいたいはシンプルになる傾向がある。

※新着時期を過ぎると左サイドバー《不妊症(雑話、症例、内膜症、その他)》に収められています。

2020/10

不妊治療でのクロミット類の連続使用は内膜の薄化現象を起こすことはよく知られています。

伝統医学で考えるなら腎陰虚に傾きやすくなるということでしょう。

※最近の例では誘発剤で卵子が20個近く取れた方が・・・・

うちではめずらしい30前半の方でしたから、子宮の反応がすこぶる良いのでしょう。

上手く妊娠に辿りつければよいのですが・・・

この現象を考えましょう

一度に大量の卵子を生成すると言うことは、卵巣の負荷という視点からなら、相当に激しい消耗を強いることになります。

一挙に卵巣機能を下げることになりかねません。(AMHの値が下がるというのとちょっと違うのですが・・・)

こちらとしては補腎益精の治療をすることいなります

また直に腎精を消耗させ、腎陰不足を導くことで、腎陰から陰血の供給の受ける肝陰、心陰にも影響大ですね。

この辺は推定でしかありませんが、肝陰、心陰が不足すると、筋肉の強張り、痙攣、不眠、不安感が現れやすくなるわけです。

一臓の負担が他臓に影響する。

これが伝統医学の基本的考え方なのです。

ここを上手に補っていきたいと考えています。


※新着時期を過ぎると左サイドバー《不妊症(雑話、症例、内膜症、筋腫、その他)》からご覧ください。

2020/10

胚盤胞での移植。

11日目でhcgが20。

多嚢胞性卵巣に加え、不育症もある。

この状況はなかなか厳しい。

幸い今回はバイアスピリンを飲まれている。

それを加味しても、的確な活血方が出来て(それだけではないが・・・)3割弱の確率だろう、と予想する。

頭の中を経絡図に切り替えて余計なことを考えずに、それを患者さんに投影しながら刺鍼のみに集中する。

幸い心拍の確認は出来た。

しかしここからが大変

一回、一回の治療がまさしく勝負。

気負わず、迷わず、母子の力を最大限に引き出そう。

※新着時期を過ぎると左サイドバー《不妊症(雑話、症例、内膜症、筋腫、その他)》に収められています。

2020/8

P4に代表される黄体ホルモン。不妊治療の方を見ると圧倒的に低めの方が多い。

一般にMAXでも10以下だと黄体機能不全となるのだろうが、そこまでいかなくともとにかく卵胞期、排卵期が低めの方が多い。

その証左にBBT(基礎体温表)を見ても3日内で高温期MAXに近くまで急上昇する方はほとんどいない。

4日~7日ほどかかる方が多い。

伝統医学では医学では子宮の気の不足、腎精の不足、腎気・腎陽の不足あたりが有力病理であるが、それだけでもない。

以外に多いのは脾気虚、肝気鬱、子宮の血オなど。

とにかく様々な病理から展開する。

他の症状と合わせながら病理を確定してゆくことになる。

妊娠の前提条件としてここを整えることは非常に重要と考えている。

※新着時期を過ぎると左サイドバー《不妊症》に収められています。

2020/7

遺残卵胞は排卵できなかった卵胞が消退せずに卵巣の中に残ってしまうことをいう。

はっきりした原因は不明だが、大きくはホルモンバランスの不調が下地にあのるだろう。

珍しいものではなく、よく起こる現象とも言われている。

LHサージが適切時期より早めに放出されているだろう、と思われる人をよく見るが、それだけでもななそう。

1,2周期かけて自然消退を待つケースもあるが、プラノバール(中量ピル)あたりでリセットするケースも少なくない。

特に採卵予定時前に遺残卵胞があるケースではピルによるリセットが多いようである。

伝統医学なら遺残卵胞そのものは血オか血熱で処置できるが、その原因としては腎気虚、脾気虚、腎陰虚、肝気鬱が考えられる。

腎気虚では消退する力のそのものが低下する。

脾気虚では数値上での異常は少なくとも卵子に力がないという特徴があるので排卵に失敗しやすい。

腎陰虚なら卵巣の表層部が厚くなり排卵しにくくなる。

肝気鬱はおおむねLHサージが前倒しで起こので、適切な大きさになる前に排卵を迎えることがある。

これだけではないが、だいたいこんな感じのイメージでとらえてもらえれば理解しやすいと思う。

※新着時期を過ぎても左サイドバー《不妊症》に収められています。

2020/7

生理中の中休みとは生理開始4,5日目くらいに一旦生理出血が止まり、6目め当たりにまた始まることを言います。

止まる日は人により少し前後することもあります。

これは通常4日目あたりに子宮の活動状態がMAXになることに由来します。

4日目は、子宮では経血を外に押し出す働きが依然継続しながら、卵巣では新しい卵を作り始めます。子宮に力がないと子宮の排泄と卵巣の生産を同時に行うことは叶いません。

とくにこのおり、子宮の排泄の力に影響を与えるのが腎気です。

結果腎のうち腎気が弱いと中休みが起きやすくなるわけです。

※腎気が弱いー子宮の気が少ないー妊娠しにくいとなるわけです。

※新着時期を過ぎても左サイドバー《不妊症》に収められています。

2020/6

胞宮とは東洋医学の名称で子宮及び卵巣を指す。オ血ともいう。

この胞宮が血オである状態が胞宮血オ(そのまんま)という。

この状態はとても妊娠しにくい。

概念上は血オは血流障害、粘着度の高い血、鮮度の低い血などの総称である。

4つの視点でこれを判別する。

①月経の状態。ひとつ例を挙げると血塊と呼ばれる粒状、レバー状の血の出る。それが出ている間は強い痛みがある。

②診断名。不妊鍼灸の場合。不妊外来と併用なさる方が多数を占める。よって病院で何かしらの診断がなされているケースも少なくない。たとえば腺筋症、筋腫、卵巣嚢腫、癒着、不育症などなど。

③お腹を触ると硬結か圧痛がある。とくに下腹部にその傾向があらわれやすい。

④舌診。とくに舌下動脈が太く、紫色を呈す。

脈にもあらわれることもありますが、かなり高度な診断なので割愛します。

この状態の方がこの10年くらいで凄く増える。

血オは2次病理なのでその原因となり1次病理が存在する。

これはまた追々書こうと思う。

※新着時期を過ぎると左サイドバー《不妊症》に収められています。

2020/6

不妊外来へ通われている患者さんには他の疾患にない大きな特徴があることに気づく。

もちろん東洋医学の視点からであるが、それは「大なり小なりの肝気鬱がある」ということ。

この不妊外来肝気鬱と呼ぶべき病理は、この治療のゴールというか着地点が見えないことに起因することが多い。

ゴールが3か月後か或いはもっと先の5年後か実のところ誰にもわからない。

たとえば骨折なら1か月後に骨がつくと予想できるが不妊治療ではこの予想が極めて立てにくい。

これは大きな不安を呼ぶ込む下地となる。

精神不安は血を消耗する。

血が消耗すると、ますます不安や恐れが強くなる(東洋医学では血は精神・感情のの栄養と考えているため)。

もう一つはこの治療は結論としては妊娠したか、しなかったかのどちらかしかない。

本来ならそうではないが・・・

事実、今回は妊娠しなかったけど内膜が10ミリ超えたから妊娠の可能性がより高くなったという思考する方は少ない(妥協する方はおられるが、それをもってステップアップと捉える方は少ない)。

そのため一回一回の判定日の緊張度は半端ない。

これが他の治療にないストレスとなり、肝の疏泄が失調し肝気鬱なる。

ほかにも周りからの重圧、金銭的不安、仕事との兼ね合いなどがこれに拍車をかける。

この治療で受ける反復ストレスがほかのストレスをも受けやすい気質に変化する感じといえばわかりやすいだろうか。

先が見えない不安と毎回毎回の緊張により恒常的な肝気鬱が作られる。

これが全身の気の巡りに影響し、とくに下垂体系のホルモン(FSH,LHなど)の異常に繋がることも良くある。

また肝気鬱とは肝気が停滞して十分な気を流すことができない状態という意味であるから、この気が最も必要な排卵、受精、着床の過程でのトラブルも引き起こす。

不妊の鍼灸治療では年齢的問題からくる腎精の盛衰、筋腫や内膜症或いは癒着などで起こりやすい血オがの有無などが重要視されるが、肝の疏泄を十分に確保すること(肝気鬱を改善すること)も大事な治療になる。

※新着時期を過ぎると左サイドバー《不妊症》に収められています。

2013/5

《症例・男性不妊》

不妊症の原因の男女比率は実際には同じくらいだといいます。

しかし、現実に不妊治療に通うのはほとんどが女性です。

男性の場合、簡易テストで精子運動率や直進率を測るの一般的であり、精密なデーターを取ることはまれのように思います。

ひとつに運動率を上げるお薬がないことが挙げられるでしょう。

データーを取っても、その後の治療の手がないと、データーを取る意味が薄いということです。

また、運動率が低くても人工や体外などの治療ならば、質の良いものを選び出せばこと足りるということもあります。

41歳、お料理関係のお仕事、男性(もちろんですが・・・)

主訴:自然妊娠をご希望

治療開始時の精子運動率11%

一般論では運動率は腎の趨勢および肝の疏泄が大いに関わります。

それに食生活ですね。

最近は人工的化学物質やパソコンをする時間の長さが性欲や運動率と関わるというデーターも出てきています。

この患者さんのケースでは食生活、腎精不足が絡んでいました。

食生活の指示も良く守って頂き、低炭素の食事に変えて頂きました。

その結果、ヘモグロビンA1c7の前半から5の後半まで落ちました。

しかし、3か月後の運動率は7%に落ちています。

腎精不足が相当に強いので、当然の結果ではありますが・・・

ただ、この患者さんはありがたいことにもう少し細かな検査を受けてくれています。

それを見ると良好精子率は格段に挙がっていました。

●解釈としては全体の精子数は落ちていましたが、レベルの高い精子は増えたと考えられます。

これだと自然妊娠は難しい(ごめんなさい)ですが、人工だと確率が高くなると考えて良いと思います。

全体数を維持するために性行為を大事にしながら(性行為のあるほうが運動率は落ちません)、人工に挑戦されるという方向は見えてきました。

※新着記事を過ぎてもと左サイドバー《不妊症の症例と雑記》の収められています

2012/5

この患者さんは6回目の胚移植(ET)の3週間ほど前にお見えになる。

ZIFTかIVF-ETかの確認を取らなかったが、過去2回の胚移植は2個同時戻しだという。

弁証すると腎陽虚からの水湿過多、世間でいう『冷え症は不妊になる』の典型例。

当院で不妊全体の1割にも満たない例である。

通常は冷えが治れば妊娠するほど簡単な例は少ない。

個人的見解では、このタイプの方は着床期内膜(最も妊娠しやすい排卵後7日前後の内膜)の時期が後ろにずれるか、低いレベルで安定する。

また、エストロゲン、プロゲステロンを入れても、元の腎陽が不足のため、なかなか内膜の厚さや柔軟さに反映しない。

今回、初めて内膜が10ミリを超え、妊娠反応も出る。

ただ、後数日経たないとたい胎嚢の確認はできない。

私としては後は祈るだけ。

※新着時期を過ぎるても左サイドバー《不妊症の症例と雑記》に収められています。    

2020/5

《症例・不妊症》

30代半ばの女子。

D3のFSHが上がり続けて29を超える。

E2の減少もあるなら補腎益精が基本。

FSHの上昇のみなら肝の疏泄失調を加味。

時に血オで新血ができないことも ...

詳細は省くが、このケースでは腎精消耗より、血の生成不足が著しい。

原因は心労。

精神不安はとにかく心血を不足しやくする。

睡眠不足も顕著で、肝の血不足しがちで気虚もあらわれてくる・・・

血不足が長期化する腎精が滋養できずに良質の生殖の精が作られない。

こういう状態では、ホルモン剤を投与しても、効きが悪いというか、感受性が下がってくる。

不妊治療中なら、ピルでリセットを繰り返すことに、

こういうケース幾度も見てきた。

最悪にシナリオなら早発閉経に

脾胃を立て直し、気血を増やすという手もなくはない。

配穴は急性なら配当する腹部に集約、慢性なら全身に拡散。

ちょっと奇策だが、首肩辺りを鍼でほぐし、睡眠レベルを上げるという手もある。

何とかFSH上昇を食い止め下げに転じた、27ちょっとだが・・・・。

もう少し下がったらE2を上げる方向に舵を切る。

後はニコッとする。

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休診日:水曜日・金曜日・祝祭日・第1.3.5日曜日

不妊症や生理痛、陰部神経痛、腰痛、坐骨神経痛などでお悩みの方は神奈川県大和市のさくら堂治療へ。ぎっくり腰、椎間板ヘルニア、五十肩、膝痛、寝違えなど、急性期の治療も対応します。

診療日※(予約優先)                              

 
10:00~12:00 受付 第2・第4
15:00~18:30 受付 15:00~16:00
(16時最終受付)

★日曜診療のお知らせ★
*基本第2・第4日曜は診療日です。

  • 2月12日(第2日曜)
  • 2月26日(第4日曜)
  • 3月12日(第2日曜)
  • 3月26日(第4日曜)

※このホームページは鍼灸治療のほか医学、歴史、地域、時事、感情の動き、院内の出来事などを読み物風として仕上げております。雑誌を読む感覚でお使いくだされば楽しいかと存じます ~スタッフ一同より~

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046-260-0638

<受付時間>
9:30~18:30
※水曜日・金曜日・祝祭日・第1.3.5日曜日は除く

鍼灸さくら堂治療院

住所

〒242-0021
神奈川県大和市中央3-8-26
杉中央ビル1階

アクセス

相鉄線・小田急線大和駅相鉄口下車、徒歩6分。
駐車場駐車場完備。
瀬谷、三ツ境、相模大野、さがみ野、鶴間、南林間、桜ヶ丘、高座渋谷からもお近くです。

営業時間

9:30~18:30

定休日

水曜日・金曜日・祝祭日・第1.3.5日曜日

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