月経が来ない(経閉)

●無月経の東洋医学的解説

通常、発育した女子は平均14歳前後で月経が見られるとされるが、18歳までに月経の来ないもの・月経は来ているが3カ月以上中断している状態を中医では「経閉」という。


この経閉が生じる理由は大きく分けて2つに分類される。

@子宮内を充満させる血液量を生み出せないこと(肝腎不足・気血両虚)

A子宮および子宮への血液供給ルートに停滞が生じて血液が通じないこと(気滞血オ・痰湿阻滞)

 

◎血液生成不足タイプの経閉

@肝腎不足(かんじんふそく)経閉

血液不足により子宮内の血液が空っぽになるために経閉が生じる。

血液である「血」の不足や血を生成する源となる「精」の不足により生じる。

「血」・「精」の不足は、先天的な体質・過剰な性生活・長期間大病を患うこと・加齢・出血過多が原因となる。

(特徴)

初潮が遅い(18歳過ぎても来潮しない)など、成長・発育に影響が見られる

月経周期が延長し、経血が少なくなり、次第に閉経する(子宮内の血液が減少・枯渇するため)

(身体症状)

膝腰重だるい・頭部のふらつき・眩暈・耳鳴り・聴力減退・難聴など


A気血両虚(きけつりょうきょ)経閉

血液不足により、子宮へ供給される血液が少なくなることで生じる経閉である。

飲食の不摂生による栄養状態の低下・働き過ぎ、思い悩みすぎ、慢性病による体力の消耗などによって栄養・血液不足を生じさせることが原因となる。

(特徴)

月経周期が延長し、経血が少なくなり、次第に閉経する(子宮内の血液が減少した後、枯渇するため)

(身体症状)

めまい・顔色は青白い・不眠・動悸・精神疲労・倦怠感など


◎滞りタイプの経閉

B痰湿阻滞(たんしつそたい)経閉

体内に余剰水分が生じ子宮への血液供給が阻害されること・また余剰水分が子宮内におよべば子宮の働きが阻害されることで経閉が生じる。(ベタベタした水液がその他の物質の運行を停滞させるイメージ)

余剰水分が生じる原因としては、油濃いもの・甘いもの・味の濃いものの過食・アルコールの常飲・湿度の強い環境などが挙げられる。

(特徴)

帯下を伴うことが多い(体内の水分量が余剰なため)

月経周期が延長し、経穴量が少なくなり次第に経閉する(子宮への血液供給が停滞するため)

(全身症状)

身体の湿り気が出る・食欲不振・頭重感・めまいなど

 

C気滞血オ(きたいけつお)閉経

体内に血オ(血液が停滞し凝縮したもののイメージ)が生じ、血液運行が停滞するため子宮への血液量が減少することで生じる。

また子宮自体にも生じることで血液を溜めておく器が小さくなることで閉経が生じる。

血オが生じる原因は、全身の循環力の低下・冷え・湿気・外傷・手術後などが様々な原因が挙げられる。

(特徴)

下腹部に刺すような痛みが生じる・押されると痛い

(身体症状)

舌に赤い点々が見られる・抑鬱感・胸の張り感など

 

「血液不足タイプ」については、五臓六腑を整え血液を生成できるように

「滞りタイプ」については、滞りの原因(循環の低下や余剰水分)を取り除き、子宮に血液を運搬できるように治療を行っていきます。

 

スタッフ 杉本

 

◎参考文献

「中医症状鑑別診断学」 人民衛生出版社

「中医症候鑑別診断学」 人民衛生出版社

「問診のすすめ」 東洋学術出版社

「中医基本用語辞典」 東洋学術出版社

「漢方用語大辞典」 燎原出版社