〒242-0021 神奈川県大和市中央3-8-26 杉中央ビル1階

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定休日

水曜日・金曜日・日曜日・祝日
※ただし急を要する方には第2・第4日曜日にて
個別対応も可能なこともあります。前日までにご相談ください。

 いびきは中医書に「鼾眠」と記載されている。

睡眠中に気道の滞りが生じ、呼吸が荒々しくなり、時に止まり時に持続する症状である。

 

多くの原因は五臓「肺」にある。肺は気をつかさどり、呼吸をつかさどる。

肺系が詰まることは、気道の詰まりを生じさせるために、いびきは必ず発作する。

他には他臓腑の失調に生じた停滞物質が気道を邪魔することがいびきを生じさせる原因となる。

早速見ていきたい。

 

●「鼾眠」の4タイプ●

①肺気失宣

外的気候が肺に影響することで、肺の宣発作用が低下する。鼻は肺に通じるため、肺の気の散布機能が低下することで鼻が詰まり、いびきが生じる。

(身体症状)

鼻がふさがる・咽喉部がいがいがする・咳症状など

(治療)

宣肺散邪・通穴利咽

 

②痰熱閉肺

火熱の邪を感受する、鬱鬱とした気分が長時間続き爆発する。これらに生じた体内の熱が津液を焼きたんが形成される。痰と熱が結びつき、肺のルートを素体することが気の通り道をそたいさせ、呼吸がスムーズに行えないことからいぎきが生じる。

(身体症状)

雷のようなゴロゴロとした音のいびき・痰の音でヒューヒュー喉が鳴る・胸肋部の悶々とした感じ・痰が黄色くネバネバしている・吐き出しにくい・口が乾く・汗が出る・鼻息が暑い・便秘。小便の量が少なく赤い

(治療)

清金化痰

 

③脾虚湿

もともと消化器が弱く、飲食不摂生、味の濃い・甘い・油濃いものなど消化器のはたらきを弱めるもので、飲食物の消化吸収能力が低下した結果、病理的な水液物質が形成される。水液物質は肺へと侵襲し、呼気が阻害されるためいびきが生じるとされる。

(身体症状)

ふくよかな体形・日中も眠気が強い・呼吸がゼロゼロ音がする・痰が多い・舌に白い苔がつくなど

(治療)

健脾益気・燥湿化痰

 

④オ血阻滞

血流の停滞が主な原因となる。ぶつけるなどの外傷・ストレスなどに由来するが、血流停滞により生じたオ血が鼻や喉の通り道を狭めてしまうためにいびきが出現する。

(身体症状)

痛みを伴うことが多い・夜は気持ちが落ち着かない・舌の色が紫色など

(治療)

活血化オ通キョウ

 

スタッフ 杉本

夢遊病とは、睡眠中に無意識の状態で歩きまわる状態を指す。

 

東洋医学では、

五臓の観点からは「精神活動」を担う五臓の「心」密接に関与している。

 

くわえて精神活動の面では「五志(五臓にはそれぞれ感情を担うとする)」という概念が存在し、

「心」以外の臓腑失調でも夢遊がみられるとされる。

 

また「心」の虚損にも、他の五臓が関与しているケースも多い。

この「心単独のトラブル」・「五志」・「他の五臓のトラブルが心におよぶ」の観点から原因を特定していく。

 

以下、東洋医学的な夢遊病の原因7タイプについて説明する。

①心気虚

心のエネルギー不足は心神の機能失調・精神不安を生じる。疲労が蓄積するなど過剰な精神疲労をもたらした後、比較的多く夢遊が出現することが特徴である。

(身体症状)

胸ぐるしさ・息切れ・倦怠感など

(治法)

養心安神

 

②心肺陰虚

心陰の消耗は心神の機能失調・精神不安を生じる。考えすぎることなど精神疲労をもたらした後、比較的多く夢遊が出現することが特徴である。

また「魄」をつかさどる肺が損傷されるため、煩躁感や不安感を伴い、横になっても落ち着かず心神がぼんやりし、幻視幻聴がみられる。

(身体症状)

口の渇き、寝汗、大便の乾燥、小便が赤い、舌が赤く苔が少ないなどの(陰虚内熱症状)

(治法)

栄心潤肺・清熱安神

 

③心腎不交

多くは高年齢・身体が虚弱あるいは働き過ぎによる「心」の損傷により、「腎」にも影響が及ぶことで生じる。心陰を上に供給することが出来ずに、心火が極度に亢進する。心火が下へ降って腎と交わることができずに、心腎不交となり、精神不安に加えて夢遊が出現する。

(身体症状)

動悸・不眠(心火)・ものわすれ・眩暈耳鳴り・腰の重いだるさ(腎陰虚)

手足胸部のほてり・一定時間の発熱・寝汗など(陰虚内熱)

(治法)

交通心腎・養陰清熱

 

④肝気鬱結

多くは情志の失調に由来する。ゆえのこのタイプの特徴は感情の変化によって出現・症状悪化する。

(身体症状)

胸部のはり・よくため息がつく・怒りっぽいなど

(治療方法)

疏肝理気・解鬱安神

 

⑤痰火じょう心

痰が心神に作用して生じる。痰が生じる原因としては、食べ過ぎ・鬱鬱とした気分が脾を損傷させる。脾は水液の散布を担うが、機能低下により水液が停滞され痰が形成される。また、外邪により肺が損傷され、水液散布機能が低下することも原因となる。

長期間停滞した痰が熱化して心に作用することが原因。

(身体症状)

痰が多い・胸中の煩躁感・痰は黄色く粘っこい・口が苦く喉が乾く・大便の乾燥・小便の量が少なく赤いなど。

(治療方法)

じょう痰瀉火安神

 

⑥痰濁阻滞

痰が心神に影響が及ぶことで生じる。痰が生じるメカニズムは⑥タイプと一緒とにているが、熱化していないことが違いとして挙げられる。

(身体症状)

胸悶感・嘔吐・悪心・眩暈・動悸・精神疲労・大便がベタベタしたスッキリしない

(治療方法)

健脾化痰・理気安神

 

⑦オ血素滞

外傷出血の致すところである。心は血脈をつかさどり、神を蔵する、血液が停滞すると、心身活動の停滞をもたらし、夢遊をもたらす。

(身体症状)

胸中の煩熱・口が渇く・唇がむらさき・下に赤い点々が多い

(治療方法)

活血化オ・寧心安神

 

スタッフ杉本

「睡眠中夢をみて悩まされること」を東洋医学的には「多夢」という。

 

①心脾両虚

飲食の不摂生や過労・考えすぎによる精神の消耗・他の五臓の病変での影響により、五臓「脾」が虚損する。脾の機能低下は運化の異常を招き、飲食物から栄養素を取り込むことができず、精神失調を招くことで多く夢をみることとなる。

(身体症状)

不眠・たむ・顔色に色どりがない・動悸・よくものを忘れる・食欲減退・お腹が張り便がゆるい・話し声がボソボソ・倦怠感

(治療)

健脾養心

 

②心腎不交

五臓「心」・「腎」の虚損による。身体の陽気のコントロールする「心」と陰分をコントロールする「腎」。互いの協調バランスが崩れることにより、心身が休まらずに多く夢を見る。

(身体症状)

もの忘れ・ざわざわして眠れない・動悸・眩暈耳鳴り・腰膝主だるい・一定時間の発熱・寝汗・喉が乾く

(治療)

滋陰降火・交通心腎

 

③心胆気虚

平素から虚弱体質であり「心」・「胆」ともに虚弱であり、情緒が緊張して心胆が損傷することで不安が引き起こされる。夢も多くみることが多い。

(身体症状)

悪夢でおびえる・目覚めやすい・ドキドキする

(治療)

益気鎮椋・安心定志

 

④痰火内じょう

フツフツとした怒りの感情を抱いたり、肝の疏泄の失調などで、気持ちが鬱して爆発する。

怒りにより生じた熱分が津液を焼却し。痰が形成され、熱化した痰が心神を錯乱することで夢を多く見る。

(身体症状)

眩暈・動悸・怒りっぽい・痰が多く胸がつかえる・口が苦く粘っこい・舌の苔が黄色くベッタリついている

(治療)

清熱化痰

 

睡眠トラブルに関しても、中国伝統医学では治療対象となります。

お悩みの方はぜひ一度ご相談くださいませ。

 

スタッフ 杉本

見出し

・身体がだるく無力感があり、知らず知らずの睡眠状態に入ってしまう

・睡眠時間が健康のものよりも長い

・季節の変わり目に眠気が強くなる

・意識状態が不鮮明かのように寝ている

 

これらは東洋医学的な病証であり、「嗜睡」・「嗜臥」・「多び」という。

原因は、頭部が養われないことよりおこるものが多い。

我々鍼灸師は、「どうして頭部が養われなくなったのか?」、「どの五臓六腑のトラブルで生じているのか」を考えながら、治療を行っていく。

 

代表的な原因5パターンを以下に紹介したいと思う

①湿困脾陽

湿気の強い地域に居住する人・長時間雨水で濡れるなどの湿邪を感受すること。

或いは生もの・冷たいもの・味の濃いもの・甘いもの・飲酒の過度により脾胃が損傷する。

陽気を昇らず頭がはっきりせず嗜睡が生じる。

(身体症状)

頭が重い・中夜問わず眠い・四肢が重だるい・食欲が減少・お腹のはり・口粘り水分はほしくない・大便はゆるい・むくみ・舌にこけがベッタリしている

(治療)

温中化湿・健脾醒神

 

②心脾両虚

同様に消化機の低下によりエネルギー・栄養を生み出せないことがにより生じる

多くの原因は病後の失調・思慮過度・飲食不摂・失血など

(鑑別ポイント)

倦怠感を伴う・顔色に色どりがない・動悸息切れ・食事量少なく下しやすい

(治療)

補益心脾

 

③腎陽虚

長患いにより五臓「腎」が損傷する、あとは治療の失敗などが原因。

これらは身体の陽気を消耗し、陽気が不足してしまうことで頭がはっきりしない。

(鑑別ポイント)

寒さを嫌がる・膝腰以下がむくんで身体が重いだるい・足が冷える・精神疲労・ボソボソ声で話すなど

(治療)

温補元陽

 

④腎精不足

働きすぎ、高齢で身体が衰えることが原因。

腎精が損傷し、髄海(頭部・脳のイメージが近い)が満たされないことで眠気が生じる。

(鑑別ポイント)

頭がくらくらする・精神疲労・耳鳴り・難聴など

(治療)

填精補腎

 

⑤オ血阻キョウ

頭部外傷や精神緊張・などによる身体の循環が停滞することによって生じる。

気血の運行がスムーズでなくなることで血脈の滞りが生じ、陽気が詰まった結果、嗜眠が生じる。

(鑑別)

頭痛・嗜眠・舌が赤黒い

(治法)活血通絡

 

 

スタッフ 杉本

眼がはっきり見えないという「目昏」の続き。

早速残り4パターンの解説に移りたい。「目昏」は「目に栄養がいかないこと」が原因であることが多い。

今回は「循環低下」・「加齢」に由来するものを紹介したい。

①風痰上襲(詰まり)タイプ

痰(代謝異常により形成されたベタベタな水液物質)が目への栄養供給をブロックすることにより生じる。

痰は飲食の不摂生などにより形成される。詰まってしまうイメージか。

時折、瞼がピクピクするといった症状を時折伴うことが特徴である。

②肝鬱気滞(ストレス)タイプ

精神抑鬱などにより五臓「肝」が失調する。肝は全身の気の動きをコントロールしている。

肝のはたらきが悪くなれば、目への循環する力も低下する。その結果、栄養物質を届けることができないために目昏が出現する。ストレスフルな状況から解放された時には症状がスッキリ消えることが特徴である。

③肝腎陰虚(栄養不足)タイプ

加齢とともに生理物質の「精」は少しずつ少しずつ減少していく。精は栄養物質である「血」の源成分である。精と血がともに減少することは、目へと供給する血液の不足を招いてしまう。結果、目昏が出現。保湿成分の不足するためにドライアイ傾向見えないすいことが特徴である。

④命門火衰(加齢・消耗)タイプ

加齢・過労・大病を患うことなどが原因。体力をはじめとする身体のあらゆる生理物質を大きく消耗させてしまう。

目の栄養物質も大きく消耗・不足することにより目昏が出現する。

いかがだったでしょうか?

「眼がはっきり見えない」というシーンは、加齢以外にも、栄養・ストレスなどあらゆることが原因で生じるものである。ということがわかっていただければ幸いです。

何個かのタイプを兼ねる場合もございます。最近もご相談いただいた症状で数回の治療で改善いただいております。

お悩みの方はぜひ一度ご相談くださいませ。

スタッフ 杉本

眼がはっきり見えないことを「目昏」・「眼花」という。

結論から言うと中医学では6パターンに分類される。多くのものは「眼に栄養がいかない」状態である。

ただ栄養そのものが少ないのか・栄養はあるが目までとどかないのかにも原因は異なる。

そして、目に届かないのは循環力が停滞しているからか・詰まりがあるからかにも分類される。

本日は素体と栄養が不足することによって生じる「目昏(眼花)」について解説していきたい。

①心肝血虚(目の栄養不足タイプ)

五臓「肝」は血液を貯蔵する役割を担い、「心」は血液循環を統括する。肝の損傷は目へと供給する血液の不足を招き、心の損傷は血液を目へ届ける力の停滞を招く。結果、目がはっきり見えない症状が出現する。

鑑別ポイントとしては、顔色が青白いこと・動悸や不眠症状が出現することが挙げられる。

②脾気虚弱(栄養生み出せないタイプ)

栄養のは飲食によって作られるが、飲食物の消化・吸収能力が低下した結果目へ供給する栄養分が不足してしまうことによる目の見えづらさが生じる。

鑑別ポイントとしては瞼が重かったり、目の疲れを感じることが挙げられる。

本日は、ここまで。残り4タイプについてはまた後日解説いたします。

スタッフ 杉本

前回の続き。「熱」・「詰まり(水液余剰)」・「弱り(潤い不足・エネルギー不足)」。3タイプの鼻づまりを考えていきたいと思う。

③肺経鬱熱タイプ(熱タイプ)

鼻〜肺までのルートに熱が侵襲することにより生じる。鼻水は粘々しており色は黄色い。

④肝胆湿熱タイプ(熱タイプ)

体内に存在する余剰な水分が熱化し、鼻まで昇ることにより生じる。鼻水が黄色く多量にあり臭気を伴うことも多い。

⑤肺脾気虚タイプ(機能低下タイプ)

身体の水液代謝異常により余剰な水分が鼻にのぼることで出現する。鼻の空気の出入りする力も弱い症状も伴うため鼻づまりが生じる。他のタイプと異なり左右交互に鼻づまりが出現するといった面白い記載がある。

⑥肺腎陰虚タイプ(潤い不足タイプ)

身体の潤いが不足した結果、ほてりのような微弱な熱が生み出される。その熱が鼻へと及び鼻の粘膜・鼻水が焼却されることによって鼻づまりが生じる。鼻の乾燥症状や痒みを伴うことも。

⑦気滞血オタイプ(エネルギー不足タイプ)

鼻へと通ずる気血の通り道(経絡)が素体されることによって生じる。鼻が十分に空気を出入りさせる力がなくなるために鼻づまりが出現する。

鼻づまりも鍼灸治療の対応疾患です。

鼻の通りをよくするために、患部(といっても鼻の孔には処置いたしません)のツボを用います。

その他、鼻づまりがどういった原因で生じているのか?を判断し治療いたします。

例えば、余剰な水分が原因の鼻づまりには、水液代謝をよくするツボなど。

お悩みの方はぜひ当院に一度ご相談ください。


スタッフ 杉本

鼻つまりについても最近相談をいただくことが多い。 

 鼻つまりは当たり前であるが「鼻がつまらない」ことが必須である。そこで平時と比較して鼻がつまる状態とはどういう状況か考えてみた。 

 ・鼻腔に何もつまっていない 

 ・しっかりと鼻から空気を吸い・鼻からしっかりと空気を出すことができる。

簡単にであるがこのような状態が考えられる。

物理的にも機能的にも鼻腔をつまらせないことが大切かと思われる。そして何が原因で鼻がつまるのか?を把握してくことが改善の入り口となる。

そこで中医書をひいて調べてみた。「鼻塞」という表記があり 簡易的に「気候」・「熱」・「詰まり」・「弱り」と分類されている。

今回は「気候が原因での鼻づまりとその鑑別ポイント」について解説していきたい。 

①風寒タイプ

口・鼻から寒冷な気候が入ることが原因となる。肺へと達した寒冷刺激が肺の空気を吸う・吐くはたらきに影響を及ぼし鼻の空気の出入りする力を弱めるため鼻づまりが生じる。鼻水は水っぽいことがポイント。冬季・急激に気温が低下したときに生じやすい。


②風熱タイプ

熱が鼻腔に侵襲することにより生じる。熱が水液物質をとばすために黄色く粘々した鼻水となる。ゆえに鼻づまりは比較的強く出現する。鼻腔の粘膜が赤くなることも。発熱時などによくみられる症状である。

「熱」・「詰まり」・「弱り」が原因の鼻づまりについては次の記事で。

スタッフ 杉本

味覚の減退や飲食物の香りがしないものを「口淡(こうたん)」「口淡無味(こうたんむみ)」という。

古典(霊枢・脈度編)では「味覚」と「脾・胃」の関連性を説いておりとされている。五臓の「脾・胃」の機能が弱まることによって味覚の減退が起こるものとされている。

(飲食物の入り口は「口」であり、受け止め先は「胃」であることから関係性はイメージできるであろう。このことから「脾胃」の不調は「口」にも及ぶ)

中医書では原因は3種類記載されているが、いずれも脾胃が弱まることで生じている。

ゆえに食欲不振を伴うことが非常に多い。

●口淡無味の東洋医学的解説●

①脾胃気虚(ひいききょ)タイプ食べ過ぎ・嘔吐・下痢などによって消化器が弱ってしまうことが原因となる。また大病を患い、食事の量が極端に減ったり、体力が低下してしまったことも原因となる。

飲食の消化系統のはたらきがが低下し、食欲不振や下痢が出現する。入口である口においては味覚の減退が出現する。


②湿困脾胃(しっこんひい)タイプ
余剰水分が消化器のはたらきを阻害することが原因となる。余剰な水分は飲食の不摂生ほか、湿気を感受することによっても生じる。同様に消化系統のはたらきの悪さが口におよぶことで味覚の減退が生じる。ただ余剰な水分が存在することから口の中が粘々したり、胃のもたれ感を伴うことがこのタイプの鑑別ポイントである。 舌の苔がベッタリついていることも特徴か。

③気陰両虚(きいんりょうきょ)タイプ

発熱後などの体力低下や水分不足の状況が原因となる。体力(=エネルギー)・水分の不足が消化器の活動におよび、口のはたらきにも及ぶことで味覚を感受する力が弱まる。気力体力ともに落ちている状況の他、口やのどの渇きが伴うこともこのタイプの特徴。舌の苔は少なく舌の色は赤いことが多い。

多くは脾胃の失調ですが、「何が原因で脾胃が弱ったのか?」という鑑別のもと治療をおこなっていきます。お困りの方はぜひ一度当院までご相談ください。

スタッフ 杉本

※新着時期を過ぎると左サイドバー《上記に記載にない症状》に収められています。

 ●嗅覚異常の東洋医学的解説

中医学では嗅覚障害のことを「失嗅(しつきゅう)」という。

古典の内容をざっくり説明すると「鼻のはたらきがよろしくないこと」ことにより生じる。

ざっくりしすぎてよくないので鼻の正常な状態を考えてみた。

・必要な空気が体内へ吸入されること

・不要な空気が体外へ排出されること

・鼻をはじめとした気道につまりがないこと

・適度に潤いが物質が存在すること(鼻水・鼻毛) などが考えられる。

「しっかりと空気の交換ができること(主に吸気)」・「つまりがないこと」・「匂いを感じる物質が十分にあること」が原因か。上記おおきく3つのタイプに分類するが、下記中医書の記載を参考に説明していきたい。


●失嗅の東洋医学的分類●

①肺経風熱による失臭(鼻づまりタイプ)

風邪の初期のイメージ。発熱初期は主に体内ではなく体表面に病気の原因が存在するが、気道の入り口である鼻の穴に熱がとどまることで生じる。熱が鼻の水液成分をとばすため黄色い鼻水や鼻詰まりが生じる。鼻が詰まるゆえに嗅覚のトラブルも出現する。

発症は急であり、発熱・咳などの風邪症状を伴うことが特徴。

②胆腑鬱熱による失臭(吸気・呼気低下タイプ)体表にいた熱が体内に侵入することにより生じる。巡ることなく鬱積して熱が身体上部へ昇り、鼻の穴に作用することで嗅覚の異常が生じる。鼻水・痰が多く空気を吸う・吐く力の異常が原因らしい。口の苦みを伴うことがポイントか。

③脾経湿熱による失臭(鼻づまり+吸気・呼気低下タイプ)飲食不摂生などにより消化器に余剰な水分が溜まる。水液が散布されることなく長期間に停滞することで消化吸収能が低下。エネルギー不足のため身体への上部へのエネルギー供給が低下。吸気・吐気の力が低下することにより鼻の穴の通りも悪くなるために嗅覚異常が生じる。余剰な水分が多いことから鼻づまりや鼻水が多くなることが特徴である。

④肺脾両虚による失臭(吸気・呼気低下タイプ)

気道の入り口である「鼻」は肺に通じている。その肺はエネルギーと水液物質を全身に散布しているが、その働きは五臓「脾」に依存している(エネルギー・水液物質は脾より生み出される)。

「肺」「脾」双方が虚損することで、エネルギー・水液物質を生成・供給する力が弱くなることで身体上部(鼻)では鼻づまり・嗅覚の減退が生じる。ひどい場合には嗅覚障害となり、左右差が生じることも。

⑤血オ阻肺による失臭(鼻づまりタイプ)血液が停滞することにより生じる「オ血」。これが鼻の穴に生じることで発症する。

「オ血」が鼻の穴をブロックすることで匂いの感受性が低下・ひどい場合には嗅覚障害が生じる。ウイルスなどが鼻を侵襲する・鼻をぶつけるなどの物理的な外傷がきっかけとなる。鼻のつまりを伴うことも多い。

⑥気血両虚による失臭(機能失調タイプ)エネルギー・栄養不足により鼻の穴を十分に養うことができなくなることにより、嗅覚の失調が生じる。鼻の通りはよく鼻水が少ないことが特徴。

先述の3タイプ(①・②・③)と比較して、後述の3タイプ(④・⑤・⑥)の方が治りにくいとされる。

鑑別はもちろんのこと、おおよその治療期間と適切な治療頻度を提案のもと治療をすすめていきます。新型コロナウイルス後遺症でよく見受けられた症状です。当院にも多くご相談いただいている疾患ですので、お困りの方はぜひご相談ください。

スタッフ 杉本

2022/8

コロナウイルス罹患後の後遺症の方を20例ほど見させて頂いた。

デルタ株以前は3例ほどで味覚障害が主体であった。

オミクロン株以後は圧倒的に咽痛が増える。

咽痛⇒発熱の順で発症し、咽痛のみ残す感じである。

中医学の文脈に載せると風熱の邪が侵襲し、熱のみ残存する形を取りやすい。

もう少し進展する熱で傷陰(水分を消耗させること)し、乾き主体の咽痛があらわれる。

湿熱、湿毒の邪を主体としたデルタ以前と比べ圧倒的に治りが良い。

これからもわかるように、オミクロン株になってから罹患率は圧倒的に高まったが、明らかに減弱化傾向にあると言えるだろう。

※一定期間を過ぎると上記に記載の症状に収められています。

脱肛についての治療に携わる機会をいただいた。

この脱肛の原因については大きく3つに分類することができる。(記事「脱肛について」参照)

今回携わった方は「中気下陥タイプ」。消化器の下垂症状が強く腸が肛門から出てしまうタイプである。今回は「中気下陥タイプ」で「脱肛」に効くツボを調べてみた。

●中気下陥タイプの脱肛に効くツボ●

ツボの効果を穴性という。ツボを使うことで「どこ」に「どのような効果」があるのかが古典上に記載されている。ここで使うべきツボは「中気(消化器)」の「気」を補い「内臓位置を持ち上げること」が大切になっていく。

「益気固脱」という穴性のツボを調べてみたところ、4つのツボを見つけることができたので紹介したい。

①合谷(ごうこく)


◎場所…手背・第2中手骨中点の橈側

◎簡単取穴ポイント:手の甲かつ親指と人差指の間の凹み・若干一指し指側で探す

◎ツボの効果…「益気固脱」・「益気昇陽」(参考『常用兪穴臨床発揮』:人民衛生出版)

②帰来(きらい)


◎場所…下腹部、臍中央の下方4寸、前正中線の外方2寸

◎簡単取穴ポイント:①おへそしたから指4本分下に降る→②さらに親指1本分下に降りる→③指3本分外に向かったところが帰来となる

◎ツボの効果…「益気固脱」(参考:『鍼灸学』・『中国灸療法』・「経絡兪穴学』)

③上リョウ(じょうりょう)


◎場所…第一後仙骨孔部

◎簡単取穴ポイント:仙骨に存在する4つの穴(左右で対象に位置)のうち1番上を探す

◎ツボの効果…「益気固脱」(参考『鍼灸学』)

④長強(ちょうきょう)

◎場所…尾骨と肛門の間

◎ツボの効果…「益気固脱」(参考『臨床経穴学』)「固脱止瀉」(参考『中国灸療法』)

いかがだったでしょうか?今回は「中気下陥タイプ」の脱肛に効くツボを4つ紹介してみました。

紹介した場所ですが、中々セルフケアが行いにくい場所かと思います。

まずは「合谷」のせんねん灸からはじめていただくのがおススメです。

「脱肛症状があるけど自分がこのタイプに該当するかわからない…」という方はぜひ一度ご相談ください。

スタッフ 杉本

腰痛・肩こりだけではなくで、時折変わったお悩みで来院される方がいらっしゃる。

今回は「目がピクピクする」という主訴での問い合わせがあった。

このピクピクは全身いたるところに出現し、東洋医学では「筋てき肉じゅん(きんてきにくじゅん)」と呼ぶ。これは主に栄養・潤いの不足により筋肉・血脈が滋養されないことにより出現する。

「目(まぶた)」に焦点を当ててみる。「眼皮跳」というそうで、先の「栄養潤い不足」のほか「脾胃気虚」・「風熱外侵」と分類されている。

このタイプの鑑別ポイントとしては、「眼にどういった症状が出現するか」かと思う。

①栄養・潤い不足タイプ(血虚生風)

眼を過度に使用することなどによって目の潤いはじめ栄養が損なわれたことにより生じる。瞼の栄養・潤いも不足することで目がピクピクする。頻出し、自分の意志で止めることができない。

眼のかすみやドライアイ・時に痒みを伴うことが特徴。

②疲労タイプ(脾胃気虚)

瞼の動きは脾胃と密接に関与しているとされている。飲食の不摂生・働きすぎ・考えすぎは脾胃のはたらきを妨げ、瞼の動きをコントロールできなくなることで目のピクピクが出現する。

まばたきの回数が多く、筋肉のひきつる感じが伴うことも。目の疲れ・まぶたの重だるさを伴うことが特徴。

③気候タイプ(風熱外襲)

花粉症・アレルギーなど熱性を伴った外的気候が瞼に影響を及ぼすことで生じる。

①・②よりも頻繁には出現しないが、瞼に湿り気を伴う。目は赤くなり痒みや痛みが伴うことも特徴。

眼の症状はじめ、各種お身体の状態や生活習慣のお話をお聞きした上で、脈・お腹の診察をしてどのタイプかを判断いたします。

急性であれば週に2回・慢性的であれば週に1回の治療でご案内させていただくことが多いです。

お悩みの方は、ぜひ一度当院までご相談ください。

スタッフ 杉本

《参考文献》

『中医症状鑑別診断学』人民衛生出版

『漢方用語大辞典』

・前回、帯状疱疹の症状としての水泡形成についての記述を行った。今回は、発症初期の「炎症(熱)」に加えて、体内外の「余剰水分(湿)」が結合する「湿熱」が作用しているのではないかと考えてみた。 自分自身の興味としては発症初期の「灼熱痛」となってしまったため、今回解説を行いたい。

●「肌フ疼痛」について

中医症状鑑別診断学では皮膚の痛みを「肌フ疼痛」と記述している。

原因としては「①熱毒」・「②心脾両虚」・「③脾腎両虚」と記載されている。

あくまでイメージであるが、①「熱タイプ」・②「栄養不足タイプ」・③「免疫力低下タイプ」と思っていただきたい。熱を生み出す可能性は②・③もゼロではない(免疫力が低下した後に熱気候を受けるなど)が、熱性を重視してこの記事では「①毒熱タイプ」で解説を行っていきたい。

●熱毒皮フ疼痛について

熱が原因で生じる皮膚・筋肉の痛みを指す。多くの原因としては免疫力の低下に乗じて体内に湿性の強い気候を感受することにより生じる。感受した気候は「皮膚」と「筋肉」の間に停滞し、体内を循環しないことで熱性を帯びてしまう。熱がさらに高まれば栄養物質が焼かれてしまいピリピリとした感覚を伴い、強い灼熱痛を生じる。

●「熱毒」により身体に出現する症状

文字そのままの意味で「熱」の症状が多くみられる。風邪の初期症状に類似した記載が多い。

高熱・寒気・体の節々が痛い・のどの痛み(渇き)・食欲がない・口が苦いなど

●熱毒皮フ疼痛に効果のあるとされるツボ

治療法としては、「清熱解毒」・「涼血」などを用いるとされる。

十四経発揮によると、「清熱解毒」のツボは12穴・「涼血」のツボは16穴確認できた。その中で両方の性質を兼ねたツボは5つ。「委中(いちゅう)」などの代表穴他、「支正(しせい)」なども効果があるとの記載がみられた。

発症段階や部位などによって用いるツボは異なってくるものと考えられる。

今回の解説はここまで。段階や病態などをしっかり意識した治療が必要な疾患であることが考えられる。

少しマニアックになってきているため、御覧になっている患者様にはチンプンカンプンな内容となっているかもしれない。ただ、帯状疱疹で悩まれている方に少しでも届いてほしいと考えています。

実際に多くの方が帯状疱疹後神経痛で当院に通われています。お悩みの方はお力になれればと考えておりますので是非当院まで一度ご相談ください。

スタッフ 杉本

《参考文献》

『中医症状鑑別診断学』人民衛生出版

『中医基本用語辞典』東洋学術出版社

『漢方用語大辞典』

『十四経発揮』 東医針法研究会編

先日、『帯状疱疹の東洋医学的な記載』について簡単に紹介させてもらった。

『帯状疱疹』は初期では皮膚の発熱や灼熱痛あるいは軽度の発熱などの熱症状が出現する。

その後、皮膚が赤らみ・大小さまざまな大きさの水泡が形成される。

自分自身がひっかかっているのだが、初期の炎症症状の後にどうして水泡が出現するのだろう?

そこで水泡の発症機序について少し調べてみることとした。

前回のブログから少し流れがそれてしまうかもしれないが、少しお付き合いいただきたい。

●「皮膚水泡」について

「水泡」は皮膚表面に水泡が発症することを指す。水痘などとも表記される。

大小さまざまな大きさが存在し、単発でいたるところに存在することもあれば、一部に集まって存在することもある。

隆起している皮膚は薄い場合も厚い場合もあり、液体は透明であったり混濁してあったりする。

皮膚科疾患ではよく見られる症状の一つではあるが、病種は同じでなく水泡の表現形式も多様である。

中国伝統医学では、場所・色・疱内の液体の性質などによって分類している。

多くは平素から湿熱が体内に存在しているところ感染症を感受し、湿熱が体内から肌表までのぼってくることですることで発症するとされる。

●皮膚水泡についての東洋医学的分類

多くは「湿」(体内の余剰水分)について記述されているものが多い。

この「湿」がどのようにして形成されるのか?おおきくは「気候を感受したもの」・「消化器の機能低下」などが原因として挙げられている。以下、見ていきたい。

①風湿水泡(温暖気候タイプ)

春〜秋の季節の温暖な気候に出現しやすい。温暖な気候により皮膚表面が柔軟になることで肌表は気候の影響を受けやすい状態となる。湿性が強い気候を感受し、散布されることなく一定位置に湿気が停滞することから水泡が出現する。

発症部位は一定でなく、水泡はわずかに赤味を帯びている。破れたあとの水量は少なく汗腺の多く存在するところに出現しやすいとされる。

②寒湿水泡(寒冷気候タイプ)

冬季などの寒冷な気候に出現しやすい。寒冷な気候が人体に作用することで全身の巡りが停滞する。水液物質の流れも同様に停滞し肌表部に底流することによって水泡が形成される。手足・顔・頬に出現しやすく水泡の色は白い。なかなか治りにくいことも特徴として挙げられる。

③湿熱水泡(余剰水分+熱タイプ)

消化機能の低下による水液代謝が弱まることで生じる「余剰水分」や急激な精神刺激などから「熱」が体内生じてしまうことに由来する。この体内に存在する「湿」と「火」が結合した後に皮膚へと燻蒸されることで水湿が形成される。発症は急激であり熱感も強く伴うことが多い。小さな水泡が多数出現し水泡はパンパンに張れ光沢を伴うような性状であることが特徴である。

④脾虚湿水泡(余剰水分タイプ)

消化機能の低下による水液代謝が弱まることで生じる「余剰水分」が原因。身体内部から皮膚表面へと水液があふれるような形で出現する。そのため発症は緩やかである。熱感も伴わない。

比較的大きな水泡が形成されやすく、皮膚も薄いため破れやすいことが特徴として挙げられる。

⑤虫毒水泡

小さな水疱があっており、身体あらゆる部分に形成されているとの記載であるが、中国伝統医学以外での治療が長けているとされているため詳細の記述は控えさせていただく。

①〜⑤の分類に基づくと、帯状疱疹における水泡形成においては、「③湿熱」パターンが多いように感じる。

発症初期の「炎症(熱)」と体内に存在する「余剰水分(湿)」が結合し、皮膚表面まで燻蒸することが原因となっているのではないかと推測する。

症状の経過を追うことで見えてくることもあることがわかってきたような気もする。

まだまだ理論は甘い気もするのでもう少し詰めて考えていきたい。そしてよろしければもう少しこの「帯状疱疹シリーズ」にお付き合いいただきたい…。

スタッフ 杉本

●帯状疱疹とは?

帯状疱疹とは、水痘・帯状疱疹ウイルスによって引き起こされるウイルス感染症の1種である。

(原因)

幼少期などに水痘をり患した後、神経節に潜伏した水痘帯状疱疹ウイルスがストレス・疲労・加齢などによる免疫力低下がトリガーとなり再活性化することにより生じる。ウイルスの再発生かのメカニズムは現状では不明であるとされる。また他人から感染して発症するわけではない。

(症状)

神経(知覚)の走行に沿って、皮疹・違和感・痛みが出現する。その後帯状に紅色丘疹・浮腫性紅斑・紅暈を伴う小水疱が列序性に出現し、痛みや痒みがともなう。発症部位によって合併症が出現。

さらに皮疹発症後、1〜3か月を超えて残る疼痛を『帯状疱疹後神経痛』と呼ぶ。

これは、急性期の皮膚・神経の炎症が神経に強い損傷を与えたことによって生じる。皮疹治癒後にも継続する痛みであり、特に高齢者が発症するリスクが高い(約3割の方が該当)。

上述が、現代医学的な帯状疱疹の説明である。当院でも『帯状疱疹後神経痛』を主訴として通院される患者さんは多い。発症部位や出現する症状は多種多用である。

少し、東洋医学的にも考えたいと思い中医書を開いてみた。

おおまかな内容は以下の通りである。

●中医書による帯状疱疹について

『帯状疱疹』はウイルス感染によって引き起こされる急性期の皮膚疱疹病を指す。

春秋に発症することが多く、初期では皮膚の発熱や灼熱痛あるいは軽度の発熱・全身倦怠感・食欲不振を伴うことがある。

続いて皮膚が赤らみ・大小さまざまな大きさの水泡が形成される。これら水泡の集団は一か所ないし数か所に帯のような形状で配列されている。ただし皮膚は正常とされる。

軽度のものは皮膚に指すような痛みがあるが、目立つようなな水泡はない。重症のものは大きな水泡を形成する。疱疹は常に身体の一側に生じ、胸肋部・胸部に最も多くみられ、次いで顔面部が多いとされている。顔面部に発症するものは疼痛はさらに激しいものとなる。2〜3週間で水泡の状態は落ち着き(乾燥するとされる)、治癒後は瘢痕は残らないとされる。

中医書では「蛇丹」の範囲とされ、発症部位によっていろいろな表現で記載されている。

ここでの記載では「①肝胆湿熱」・「②血虚風燥」の記載がみられる。

前置きが長くなってしまったので、解説はまたの機会に・・・・。

スタッフ 杉本

いつもお見えになっている患者さんの本日の主訴が「顔が痒い」という内容であった。

もともと体の中の保湿成分が少ない「陰虚タイプ」である体質であることから、身体のいたる部分に以前から痒みとして出現していた。保湿できないゆえに乾燥し痒くなってしまったのである。

そんな方であるが今週に入ってなって顔の痒みが出てきたのである。

この時期の特性としては、「春」へと徐々に移行し、風が猛烈に音をたてて吹いている。

風によって運ばれた花粉などが人体へ影響を及ぼす。

漢方でいうところの「風邪(ふうじゃ)」も痒みの原因のひとつとして挙げられるだろう。

ざっと考えてみたが「陰虚(乾燥タイプ)」・「風邪(気候タイプ)」以外に何が考えられるであろう?

中医書(中医症状鑑別診断学)を開いてみる。

どうやら顔面の掻痒感は「顔面掻痒(がんめんそうよう)」というらしい。

●「顔が痒い(顔面掻痒)」について

顔面掻痒は「頭部(あたま)」・「顔面部(かお)」・「頚部(くび)」に出現する限局性の痒みである。

少しマニアックであるが、古典に記載してある「白屑風」・「油風」は「顔面掻痒」に含まれる。

●「顔面掻痒」の東洋医学的3分類

①風熱上襲タイプ

気候に由来する。発汗などにより開いた皮膚表面の毛穴から花粉などが付着することで皮膚に炎症が生じる。痒みは頭・顔・首などのあらゆる身体上部に出現する。虫の這うような独特な痒みを伴う。乾燥症状も伴い頭部がフケっぽくなることも。

②血熱風燥タイプ

体質的に熱がこもったタイプに多い。熱は栄養素をもやしてしまい全身的な栄養不足が生じる。供給できる栄養が少なく頭部が養われないことにより痒みが生じる。栄養不足ゆえに痒みが生じるイメージ。痒みは頭皮に限局しており、頭部が養われないこともあるため抜け毛も多い。熱が精神面におよべば自律神経失調症状が出現・不眠や口の渇き・心がざわざわして落ち着かないなどの症状が出現する。

③虫毒侵襲

微生物が原因。特に外的影響から身体を守る力が弱い小児に生じやすい。頭や顔に虫が影響を及ぼすことで痒みが出現する。目視で確認することができ、はっきりとした原因が挙げられることが特徴である。

「乾燥」・「花粉」を上げましたが、中医書では「栄養不足」・「熱」・「虫」も挙げられていました。

痒みひとつでもいろいろな原因が挙げられることがわかるのではないかと思います。

原因がはっきりしているものもあれば、体質由来のものもある。

体質由来のものに関しては比較的治療に時間を要します。

日常的な養生方法含めて、症状の改善のお手伝いができればと思いますのでお悩みの方はぜひご相談くださいませ。

スタッフ 杉本

※新着時期を過ぎると左サイドバー《上記に記載のない症状》に収められています。

先日、患者さんから40年ぶりに蕁麻疹(じんましん)を発症したとの話であった。

夜中に発症し、深夜にあいてたドラックストアに駆けつけて薬を飲んだことで以降は落ち着いているらしい。

『430種鍼灸表解』によると、『蕁麻疹』は中医学でいうところの、「隠疹」に該当するらしい。

●隠疹とは?

皮膚に発生する鮮紅色・蒼白色の面状や帯状の扁平隆起である。

「隠」という文字どおり、現れたり消えたりすることがこの名に由来する。

●蕁麻疹が出現する原因

ポイントは「熱」と「栄養」か。

『430種鍼灸表解』の記載によると大きく分けて、「皮膚が位置するところに熱が存在すること」・「皮膚の栄養状態が悪いこと」が原因として記載されている。

熱・栄養不足が生じる原因の一例は以下の通り

・辛いものや味の濃いものの食べ過ぎにより体内に生じた熱が身体表面(皮膚)へ押し上げられたこと。

・免疫力が低下に外的な気候の影響を受けやすくなる。熱性を帯びた気候を感受することで体内に熱が加わる

・食事の栄養状態が悪く、皮膚の栄養状態が低下すること

・胃腸の炎症が症状が全身に波及すること などなど

●蕁麻疹の東洋医学的分類

上述の内容を踏まえて「中医症状鑑別診断学」を用いて「隠疹」の細目の確認をしていきたい。

本書では、6つのタイプに分類されている。

①風熱タイプ(熱気候タイプ)

熱性の強い気候を感受することにより生じる。身体の免疫力が低下していると尚更生じやすい。皮膚表面において栄養物質の損傷や炎症症状を生じさせることにより生じる。

熱の性質が強いため色の赤味は強く、痒みは激しい。温めると悪化し、夏に発症しやすい。急激に全身に広がるケースもみられる。

②風寒タイプ(冷え気候タイプ)

冷えの性質が強い気候を感受することにより生じる。寒さで冷えることにより皮膚表面が引き締まることで栄養物質が皮膚へと供給されないことが原因となる。

冷えの性質が強いため赤味は弱くかゆみは伴わないことも。冷えたり風にあたると悪化することが特徴である。外気にさらされている素肌に出現することが多い。

③血熱タイプ(炎上タイプ)

血液が存在するところに熱が生じることが原因となる。炎症症状のイメージ。

熱が生じる原因としては、カッとするなどの怒りの感情が沸く・体に熱を生じさせる食物を口にすることが挙げられる。突如発症し、赤味やかゆみの程度は甚だしい。ひりひりとした皮膚の熱感も伴う。

④血オタイプ(滞りタイプ)

血液運行が滞ることで、体内から体表面(皮膚)に栄養物質を供給することができなくなることにより生じる。特に月経前の女性・皮膚を圧迫している部位に生じることが多い。

停滞するがゆえに暗紅色である。激しい掻痒感を伴い、かくと患部が拡大する。夜間や精神抑うつ状況が続く際に悪化することもある。

⑤胃腸積熱タイプ(消化器炎症タイプ)

飲食の不摂生や食した魚介類が体に合わないことで、消化器に熱が生じる。消化器に存在する熱が皮膚に部分まで燻蒸し、体外へ発散されることなく皮膚・皮下に停滞することで蕁麻疹が出現する。

皮膚はかゆいが赤味の程度は比較的落ち着いている。胃腸機能の低下が原因であるため腹部の不快感や便秘を伴うことが多い。

⑥気血両虚タイプ(栄養不足タイプ)

エネルギー・栄養不足ゆえに皮膚に潤いがなくなることで生じる。色味はさほど赤くないが激しいかゆみが出現する。隆起物は突然現れてはすぐ消える状態を繰り返し中々治癒しないことが多い。ストレス・や飲食の不摂生により消化器の消化・吸収能力が低下し。長患いも原因となる。

担当患者様は「甲殻類」を口にされたようで発症された様子です。

上記⑤「消化器炎症タイプ」に該当しますが、治療以降再発がない状態を維持できております。

熱タイプは比較的治りやすいとのことですが、栄養不足タイプは治療に時間がかかるとのこと(『中医症状鑑別診断学』)。

蕁麻疹の治療も当院での治療適応症状です。お悩みの方はご相談ください。

スタッフ 杉本

※新着時期を過ぎると左サイドバー《上記に記載のない症状》に収められています。

この喉の痛みを
「咽喉痛」
という。
新型コロナウイルス罹患後に訴えられる方が多い。東洋医学的にどのようなケースで生じるのか少し調べることとした。
●喉の痛み(咽喉痛)の東洋医学的6パターン
①風寒タイプ(冷えタイプ)
口・鼻から入った寒冷刺激が原因。気道や食道の通り道である「のど」に停留することで痛みが出現する。
多くは痛みの程度が弱いものが多い。
 ②
風熱タイプ(熱タイプ)

口・鼻から入った温熱刺激が原因。機序は①タイプと同じ。

炎症症状が強いことから、多くは刺すような痛みとなる。喉の粘膜も赤く腫れあがる。


 ③湿熱タイプ(余剰水分滞りタイプ)

体内外の余分な水分・熱が原因。食べ過ぎ飲み過ぎなどで長期間停滞した水分が熱化し、咽喉部へ侵襲することにより生じる。食べ過ぎ・飲み過ぎで消化が追い付かず、胃から咽喉部に押し上げられるイメージ。また高温な環境が口・鼻から入ることも原因となる。痛みは強烈で小胞が咽喉部に形成されることがある。

④鬱火タイプ(滞り・ストレスタイプ)

咽喉部に熱が侵襲することが原因。熱が生じる原因としてはストレス・運動不足などで全身の巡る力が停滞。「滞ると則ち熱化」という東洋医学の原則のもと、発生した熱が咽喉部にしてしまうことで喉の痛みが出現する。

発症が急激であり、刺すような痛みとなる。軽度の嚥下困難や声が出にくくなることが生じることがこのタイプの特徴。

⑤陰虚タイプ(乾きタイプ)

咽喉部に熱が侵襲することが原因。熱が生じる原因としては体内の潤い不足が挙げられる。生じた熱が咽喉部を侵襲することによって咽喉部の痛みが生じる。熱のレベルが④よりも弱いため喉の痛みが弱い。しかし喉の渇きが強くみられる。痰詰まりもあるが、吐き出そうとしてもなかなかでないことが特徴。

 ⑥気陰両虚タイプ(エネルギー不足+乾きタイプ)

全身のエネルギー・潤い不足により咽喉部の痛みが出現する。

「⑤陰虚タイプ」と同様の症状が出現。相違点としては、エネルギー不足のために疲れると痛みの度合いが強くなる(疲れると痛む)、話し声に力がない、全身無力感といった症状が出現する。

新型コロナウイルスではどれに該当するか?

実はすべてに該当する可能性があります。発症のどのタイミングか・また罹患された方の体質や年齢などなどもありますが、絶えず変異していることがこのウイルスの特徴です。時には「風寒①」時には「風熱②」・時には「湿熱③」となります。

中々判断が難しいかと思いますが、症状の鑑別は我々専門家にお任せください。最近多くご相談いただいている症状です。お悩みの方はぜひ一度当院へご相談ください。

スタッフ 杉本

◎参考文献:「中医症状鑑別診断学」:人民衛生出版社

ここ数日「むくみ」についての話を聞くことが多い。勉強会でもなぜか立て続けに「むくみ」について話すことが多かった。せっかくなので記事にして振り返ってみたいと思う。


●東洋医学的なむくみについて

「むくみ」=「浮腫」・「水腫」と中医書には表記されている。

主にむくみは体内の水液物質が停滞することにより生じる。五臓の「脾」・「肺」・「腎」が協力をして全身の水液物質を循環しているか、どれかないし二つ以上の臓腑が正常に働かないことにより生じることが多い。

 ◎「肺」・「脾」・「腎」の水液代謝における役割とは?

「肺」は上半身・「脾」は中心・「腎」は下半身に位置している。

3臓が協調することで、全身へと水液はめぐっている。簡潔な説明となるが、

◇「肺」…身体に取り込まれた水液を身体の内・外・上・下へ運行する役割を担う。

はたらきが悪くなることで、上半身に位置することから顔・手の甲などにむくみが出現することが多い。

◇「脾」…飲食において取り込んだ水分を他臓腑と協力して全身に供給する役割をもつ。消化吸収能力の低下により、むくみ症状が出現。消化器(腹部・腸管)のむくみを自覚すること・関節部分へのむくみが出現する。

◇「腎」…全身の水液運行・不要な水液物質を「尿」に変化させる役割などを持つ。また必要なものは身体上部に戻す(再度肺へ)。はたらきが悪くなることにより身体下部を担当することから下肢のむくみとして出現しやすい。

●むくみ(浮腫・水腫)の東洋医学的分類

少しマニアックになってしまいますのでご興味のある方はお付き合いください。

主に水液代謝の中枢である「脾」・「肺」・「腎」。これに加えて水液の通路である「三焦」が通じることで正しい水液循環が行われています。加えて尿を排出する「膀胱」も正しく働かないことで体内に水が蓄積されるためむくみも生じます。

これらの五臓が失調することで、全身ないしいずれかの部位に「浮腫」・「水腫」が生じます。失調を引きおこす原因としては、環境・季節などの外部要因や食事の不摂生や疲労などの「内的要因」が掲げられます。

「どこ」が「どのように」失調するかで「陽水」・「陰水」・「風水」・「皮水」・「正水」・「石水」・「黄汗」・「五水」などに分類されるそう。(例:皮水=脾虚湿困(消化機能低下による身体中心に存在する水が皮膚に溢れて起こる水腫のこと)

ここでは、中医書に記載してある6パターンについて解説します。上述のように「肺」・「脾」・「腎」の失調が多いことがわかるかと思います。

①風寒襲肺浮腫

寒冷な気候が原因で「肺」の働きが悪くなることが原因としてあげられる。冷たい空気を吸い込むことで冷えにより肺の働きが悪くなるイメージか。身体上部の水液代謝異常が生じることから、頭顔面部・まぶたのむくみなどが出現すると記載されている。

②風熱犯肺浮腫

発熱などが原因で「肺」の働きが悪くなることが原因としてあげられる。同様に当顔面部やまぶたの出現するが、発症が急であることが多い。発熱・咳・舌が赤いなど熱症状が身体各部に見られることが「①」との鑑別ポイントとなる。

③水湿困脾浮腫

消化器の疲れていることや湿気などにより「脾」のはたらきが悪くなることが原因としてあげられる。水液物質が身体の中心に位置することでおなかの張り感・皮膚のむくみなどが出現する。また「脾」は四肢をつかさどるという性質から、手足のむくみが生じることが多い。発症はゆるやかであり、比較的長期間続く。

④脾陽虚浮腫

冷えにより「脾」のはたらきが悪くなることが原因としてあげられる。水を巡らせる力・身体へ押し上げる力が低下することで、むくみが生じる。特におなか(「脾」が位置するため)・下半身(水が上がらず下へ落ちるため)に出現する。

押しても凹みがもとに戻らないことがむくみの特徴としてあげられる。

⑤腎陽虚浮腫

「腎」のはたらきの低下により生じる。腎は下水を不要なものに変化させたり、必要なものを身体上部へ戻す役割を担う。ゆえに「腎」は全身へと水液を回しており腎が弱ることでむくみが全身で出現する。ただ下半身に位置することからまずは下半身がむくみ、その後両足がむくむことが多い。脾陽虚タイプよりもむくみの程度は強い。

⑥気血両虚浮腫

五臓(「脾」・「肺」・「腎」)のはたらきが弱まることにより生じる。飲食による栄養摂取状況の低下・長い間病に伏せることが原因となる。面部・四肢などに出現することが多い。

むくみでお悩みの方はぜひ一度当院へご相談ください。

スタッフ 杉本

※新着時期を過ぎると左サイドバー《上記に記載のない症状》に収められています。

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