口・鼻から入った温熱刺激が原因。機序は①タイプと同じ。
炎症症状が強いことから、多くは刺すような痛みとなる。喉の粘膜も赤く腫れあがる。
③湿熱タイプ(余剰水分滞りタイプ)
体内外の余分な水分・熱が原因。食べ過ぎ飲み過ぎなどで長期間停滞した水分が熱化し、咽喉部へ侵襲することにより生じる。食べ過ぎ・飲み過ぎで消化が追い付かず、胃から咽喉部に押し上げられるイメージ。また高温な環境が口・鼻から入ることも原因となる。痛みは強烈で小胞が咽喉部に形成されることがある。
④鬱火タイプ(滞り・ストレスタイプ)
咽喉部に熱が侵襲することが原因。熱が生じる原因としてはストレス・運動不足などで全身の巡る力が停滞。「滞ると則ち熱化」という東洋医学の原則のもと、発生した熱が咽喉部にしてしまうことで喉の痛みが出現する。
発症が急激であり、刺すような痛みとなる。軽度の嚥下困難や声が出にくくなることが生じることがこのタイプの特徴。
⑤陰虚タイプ(乾きタイプ)
咽喉部に熱が侵襲することが原因。熱が生じる原因としては体内の潤い不足が挙げられる。生じた熱が咽喉部を侵襲することによって咽喉部の痛みが生じる。熱のレベルが④よりも弱いため喉の痛みが弱い。しかし喉の渇きが強くみられる。痰詰まりもあるが、吐き出そうとしてもなかなかでないことが特徴。
⑥気陰両虚タイプ(エネルギー不足+乾きタイプ)
全身のエネルギー・潤い不足により咽喉部の痛みが出現する。
「⑤陰虚タイプ」と同様の症状が出現。相違点としては、エネルギー不足のために疲れると痛みの度合いが強くなる(疲れると痛む)、話し声に力がない、全身無力感といった症状が出現する。
新型コロナウイルスではどれに該当するか?
実はすべてに該当する可能性があります。発症のどのタイミングか・また罹患された方の体質や年齢などなどもありますが、絶えず変異していることがこのウイルスの特徴です。時には「風寒①」時には「風熱②」・時には「湿熱③」となります。
中々判断が難しいかと思いますが、症状の鑑別は我々専門家にお任せください。最近多くご相談いただいている症状です。お悩みの方はぜひ一度当院へご相談ください。
スタッフ 杉本
◎参考文献:「中医症状鑑別診断学」:人民衛生出版社