小便に血が混ざり、赤い尿が出来る血尿は出血量の多さによって色が淡い赤〜紅赤まで上がり、甚だしいと血塊混じりの尿が出ることもあります。
今日は、尿に血が混ざる病理を中医学的に見てゆきます。
内容がやや多くなる為、前後編に分けさせて頂きます。
①膀胱湿熱によるもの
熱によって血の流れに支障をきたすケース。
この熱の出所は余分な水分にあり、不摂生な食事や湿熱の外部要因によって溜まります。
溜まった水分は「滞れば即ち熱となる」の法則に則って熱化し、血の運行を早め、やがては出血をもたらします。
膀胱に余分な水分・熱が溜まり、代謝が出来なくなることで下腹部の張りや膨満感、尿道でも熱感や痛みを生じます。
②肝胆湿熱によるもの
気の運行の一部を担当する肝と、それに付随する胆に湿気が溜まり熱化したもので
外部からの高温多湿によるもの、はたまた食事の不摂生、お酒の飲み過ぎや生ものの食べ過ぎによって胃腸を害し、湿気が溜まって熱を帯びるもの
これらが肝に影響すると肝胆湿熱になります。
そうする事で発熱や口の苦み、吐き気や季肋部痛とともに、血尿が現れる事があります。
血尿は、肝胆に溜まった湿熱が膀胱へと降りる事で発生します。
③心火更盛によるもの
これは熱の亢進により血脈を損傷するもの。
心火更盛では、精神的な疲労や消耗が重なる事で心が熱化し、その熱が小腸に降り、下腹部の脈絡を炙る事で発生します。
強い熱が影響する為、血尿の色ははっきりとした赤になる事が多くあり
心疲労による心の騒めきや不眠、はたまた口腔内潰瘍を併発します。
スタッフ伊澤