前回の続き、少精の原因について加えてゆきます。
③気血両虚
虚弱体質や消化器系の失調や長患いを原因とするエネルギー・栄養不足です。
これは腎ではなく心や脾(循環精神や消化器)の不調から発展した少精であるのが特徴です。
精をコントロールする腎も、エネルギーや栄養を運んでもらわないと上手く機能できません。
このタイプは腎そのものよりも、腎を栄養するまでの過程で問題が起こっています。
虚弱体質で胃腸が弱く食べ物から気血を取り出せない
寝不足や出血によって心の不調をきたす
血と精は「精血相生」といって、血は精から作られ、精は血から作られるといった相互関係にあるので、血が少なくなると必然的に精も少なくなります。
こんな様に、腎を原因としなくても精を作れなくなってしまう場面が発生します。
随伴症状としては顔色の悪さ、疲れやすいといった気の不足症状や
動くと動悸がする、息切れが激しい、眠りが浅いといった心に関係する症状
食欲減退や食後の眠気といった胃腸の弱り症状
など、どこの気血が不足しているかによって様々なものが現れます。
④湿熱下注
お酒の飲み過ぎや味の濃い食べ物の食べ過ぎなど、食事の不摂生は体内に余分な水分を生じさせます。
この水分は容易に熱を帯び、「湿熱」となって身体に異常をきたします。
この湿熱が「肝の経絡」に侵入すると、この経絡は陰部にも流れている為に生殖器系の問題を生じさせます。
少精と共に陰嚢の湿り感、陰部の臭いの増悪が起こります。
「湿」というのは除去が困難な病理産物なので、下腹部に留まり易く、尿を黄色くさせます。
湿熱が長期化し、熱が蒸溜するようになると口の苦味や、舌の苔が黄色くなるなどといった上部の症状も現れます。
スタッフ伊澤