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前回お話ししました浴室乾燥が優秀で、梅雨の時期が嫌いじゃなくなった研修生の大久保です。

コインランドリーが近くに無いので本当に助かります!

さて、前回は何もしていないのに勝手に全身から汗が出てくる『自汗』についてでしたが、

今回は頭や顔だけに汗が出る『頭汗(ずかん)』についてお話ししたいと思います。

頭汗は健康な人でも気候や飲食によって起こりますので、下記の症状がある場合に確定されます。

①湿熱タイプ

 症状 :口が粘る 口が渇く お腹が張る 小便が少なく黄色い すっきり排便できない 脈が速い

②陽虚タイプ

 症状 :四肢や腹部の冷え 小便が多く透明 軟便気味 疲れ気味 脈が遅い

今回は少なくて読みやすいですね(笑)何冊か中医書を引っ張り出して調べましたが字が少し違う

だけで、考え方はこの2パターンしか無いようです。

男性でも顔に汗をかくのは気になってしまいますが、女性はお化粧崩れなど大変ですよね。

一時的に止めたいのであれば脇や胸の上を圧迫する「半側発汗」という舞妓さんも使っている

身体の反射作用を使ってみてもいいかもしれません。ただ、本当に一時的ですので、慢性的な頭汗で

お困りの方は鍼灸治療で身体の根本から改善する事をおすすめ致します。

研修生 大久保昌哉

※新着時期を過ぎると左サイドバー《上記に記載のない症状》に収められています。

先日アップした「目が赤い」の解説の続きです。前回は五臓六腑由来の原因を解説しました。

今回は外的要因由来の解説になります。早速ですが、解説に移りたいと思います。

①外感風熱による目
突然の気候変動や寒暖の異常などの外的環境に由来する。高温などの環境が加わることで身体は熱を感受し、感受した熱が目に停滞することで目が赤くなる。
(特徴)

発症は急であるが伝染性はさほど強くない・急激に両目が赤くなる・熱感のある涙が出る・異物感や熱感を伴う・通常の刺激に対してまぶしく感じる

(身体症状)

寒気・発熱・頭痛・鼻がつまる・舌のコケは薄く白いなど

②天行時邪による目赤細菌やウイルス感染など生命要因に由来するものである。

伝染性や流行性のあるいわば「流行り病」によるもの。アデノウイルス感染による「流行性角結膜炎」での目の充血するイメージ。

(特徴・身体症状)発病は急であり伝染性は強い・一人に発症すればただちに広がる・眼は赤く熱感を伴う・目が乾くなど。

③邪熱伏絡による目赤

熱性の目の病気が一定期間なおらなかったり、長期間細かい作業を行い目を酷使することがきっかけとなる。体表よりも深部に原因が存在することから目の赤みは比較的落ち着いていることが多い。

(特徴・身体症状)目が淡紅色となる・光をまぶしく感じる・涙が出る・わずかに痒みや痛みを感じる・目が疲れやすく午後になると甚だしい

余談ですが、初めて中国にいった際、滞在期間中目が充血する状態が続いたことを思い出しました。

スタッフ 杉本

天気の悪い日が続くので、生まれて初めて浴室乾燥を使って少しウキウキしている

研修生の大久保です。電気代と乾き具合によっては梅雨に大活躍しそうな予感です!

さて、今回は何もしていないのに勝手に全身から汗が出てくる『自汗』について

お話ししたいと思います。なぜ“全身”と書いたかと言いますと、中医書には“頭”“脇”

“手足”“胸”“寝ている時”など、一口に汗と言っても出ている場所によって証立てが

変わっていきます。なので、今回はその中の“全身”の汗についてご紹介いたします。

①衛気不足タイプ

 症状 :寒気、倦怠感、頭痛、鼻づまり、風邪にかかりやすく治りにくい

②風湿タイプ

 症状 :途切れ途切れに少量の汗、寒気、風に当たるのを嫌う、身体が重い、舌苔は薄い白

③寒邪が転化し熱になるタイプ

 症状 :多量の汗、下がらない熱、顔が赤い、喉が渇く、舌苔黄色

④暑邪タイプ

 症状 :多量の汗、喉が渇く、胸がムカムカする、舌赤く黄色い苔

⑤気虚タイプ

 症状 :常に汗が出る、動くと多量の汗、時々軽い寒気、顔が白い、風邪をひきやすい

⑥陽虚タイプ

 症状 :動くと汗が出る、冷え症、小食、熱いものを好む、軟便、顔色が黄色か白い

今回はタイプが多いですね(>_<)解説も一度書いたのですが、大作になり過ぎたので削除しました(笑)

簡単に説明しますと・・・

①②⑤ 身体の表面を守ったり、汗が出る穴をコントロールをする“衛気”が何らかのトラブルで

    低下し、緩んだ穴から汗が出てしまう

③④  身体の中に入った邪が熱を出し、陰液(水分)が押し出されて汗が出てしまう

⑥   陰陽のバランスが崩れ、陰液があふれ出てします4

いかがですか?イメージがつかめると東洋医学は面白いですよね!

研修生 大久保昌哉

※新着時期を過ぎると左サイドバー《上記に記載のない症状》に収められています。

自分の身体の状況について東洋医学的に考えるようにしている。

私(杉本)は勤務中コンタクトをつけているがかなり視力が悪い(近視)。

視力は0.1以下であり、裸眼であれば人の顔がまったく見えないような状況である。

小学校の頃から近視であった。授業中に、「顔と机の距離が近すぎる」と言われることもあったがそれも原因の一つであろう。

その他近視となる原因は「親が近視(遺伝)」・「外の遊びをしない」「寝る時間が遅い」・「睡眠時間が短い」・「30cm以内の距離で本を読む」・「スマホ・ゲームなどの1時間以上続けての使用」などが挙げられる。

近視は、「眼のピントがズレること(網膜の前に像ができる)」状態である。

ゆえに目の奥行(眼軸)が長くなっていることが原因の多くとされている。

では、東洋医学的にはどのように考えられるのだろう?以下、中医書片手に解説をしていきたい。

●「近視」の東洋医学的な解説

近視は「目の根本に病気はなく、近くははっきり見え、遠くはぼんやり見える状態」を指す。

先天的な近視状況は本証の範疇に含まれない。

①気虚神傷による近視

目の酷使が原因による近視。働き過ぎ・明かりの元で細かい字を読むなどによる。

遠くを見るには陽気(生体エネルギー)が必要とされ、上記理由によるエネルギー損傷から遠くを見ることが難しくなる。

(特徴)近くを見ることができるが、遠くを見ることは難しい。

(身体症状)睡眠時夢を多く見る・忘れっぽい・強い倦怠感を伴う・脈は弱弱しいなど

②肝腎虚損による近視

五臓の「肝」は「目」と密接に関係している。そして「腎」は「肝」の栄養供給のバックアップを行っている。慢性病や過剰な精神抑鬱・過剰な性生活などによって「肝」や「腎」が虚損することで「目」の栄養不足が生じることが近視が出現する。

(特徴)視界が暗く遠くがはっきり見えない・長期化すると眼球内に疾患が生じる

(身体症状)膝腰が重だるい・尿をすっきり排出できない・残尿感を感じる・勃起不全など

スタッフ 杉本

※新着時期を過ぎると左サイドバー《上記に記載のない症状》に収められています。

コロナの影響か毎日の生活を見直すようになった。

結果、今周りにいる人とのかかわりを大切にすることや日常生活の見直しなど毎日を丁寧に暮らそうと感じている。

その中で一人でできることとして「食事」・「運動」・「睡眠」が何より大切なんだなぁ、としみじみと感じている。そして「食事」は日常生活における楽しみのかなりのウエイトを占める。

いくつになっても「おいしく食べれること」は人間にとって何よりも大切なのだなと感じている。

「予防歯科」という概念があるが、自分も「歯」は今のうちから守っていきたい。

前置きが長くなってしまったが、今回は「牙歯浮動」について解説していきたい。

もちろん「歯」のトラブルについても鍼灸治療は対応している。

●口腔内における東洋医学的な基礎概念

①「歯」は口腔内にあって食物を咀嚼する器官とされている。

古典上に「腎は骨を主る」「骨は歯の余たり」という記載もあり、歯の成長過程や堅固かどうかは五臓の「腎」に密接に関連している。

 ②「ギン」は歯根周囲の組織、いわば歯肉を指す。

これらは上歯ギン・下歯ギンに分けられる。これらは東洋医学上の気血(エネルギーや栄養物質)の通り道である経絡が各々通っているとされている。

上歯ギンは「足の陽明胃経」(六腑の「胃」)と密接に関係している。

下歯ギンは「手の陽明大腸経」(六腑「大腸」)と密接に関連している。

追加情報としては、これらの陽明経は他の経絡の中でも特に「気血」の量が豊富といわれている。

●「歯がグラグラする(牙歯揺動)」の東洋医学的解説

先に論じた通り、歯や歯肉は五臓の「腎」・六腑の「胃」「大腸」と密接にかかわっている。

ゆえに歯の疾患の多くは「腎」「胃」「大腸」のトラブルで見られることが多い。

以下、大きく3つの原因に分けてみたので解説をしたいと思う。

①陽明(胃・大腸)熱タイプ

歯肉に通ずる経絡(気血運行ルート)に熱が入ることが原因となる。

主に飲酒や油濃いもの・辛いものの食べ過ぎにより生じる。胃・大腸などの消化器に熱が生じるために身体各部に熱症状が生じる。

(特徴)

熱気をおびているために歯肉が赤く腫れる・歯が揺れ動く(歯肉を養う栄養分・歯をホールドするエネルギーが熱により焼却されるため)

(身体症状)

口臭(胃⇒口へ熱が昇るため)・便秘(便の水分が焼却されるため)・舌が赤い(体内に熱が生じているため)

②腎陰虚タイプ

「腎」における陰分の虚損が原因になる。歯を構成する物質が不足していることが歯がグラグラするという事態を招く。青壮年に多くみられ、過労や過剰な性生活が原因となることが多い。

陰分は身体を養い、潤す役割を有している。不足することで栄養不足・微弱な熱症状が全身で見られる。

(特徴)

歯がグラグラする(歯構成物質が不足するため)

(身体症状)

頭がクラクラする・髪が抜ける(頭部が養われないため)・脈が細い(栄養不足のため)

手足・胸部のほてり感(熱を有しているため)

③腎気虚タイプ

気の作用の一つとして、固摂作用がある。これは物を一定位置にとどめておく作用を有する。

歯と密接に関連する「腎」における固摂のエネルギーの失調は歯のグラグラ感を生じさせる。

加齢や過労が原因となることが多い。固摂エネルギーに限らず、身体のエネルギー不足症状が全身に現れる。

(特徴)

歯がグラグラする(一定位置に保持する力が低下するため)

(身体症状)

尿漏れ(膀胱内に尿をとどめておく力が不足するため)・脈が弱弱しい(全身のエネルギーが少ないため)

8020運動という言葉がありますが、お口の中は大切に!

スタッフ 杉本

排尿時に痛みが生じるものを「小便疼痛」・「尿痛」と指す。

同時に排尿困難・頻尿・尿意が差し迫る・血尿などをともなうことが多い。

痛みの種類は、「熱感」をともなう痛み・「しみる」ような痛み・「脹る」ような痛み・「絞られる」ような痛み・「刺すような」痛みなどが存在する。

痛みを生じさせる原因によって痛みの種類が異なってくるのであるが、以下の解説を参考にしていただきたい。

①下焦湿熱による排尿痛脂濃い物や甘い物、味の濃い物の過食やアルコールの常飲、外界の湿気などが原因。

体内に余剰水分が生じ、循環や排せつをせずに長期間留まることで熱気をおびる。

膀胱において熱気を帯びた水分が阻滞することから排尿痛が生じる。

(特徴)
耐え難い「激しい」痛みが生じる・尿色は赤く濁っている・尿石が混じることもあるなど
(身体症状)
水分過多・熱所見が見られる。口が苦く口が乾く・大便がすっきり排泄できない・お腹の張り感など
 

②心火による排尿痛六腑の「小腸」は取り込んだ栄養分を身体に必要な物質と不要な物質に分ける役割を担う。

この「小腸」と五臓の「心」は密接に関与している。過度な精神刺激などが原因で心の活動が活発になり、生じた熱が小腸に伝わるために排尿痛がおこる。
(特徴)

「灼熱感」を伴う痛みとなる・痛みの程度は比較的軽度・尿量少なく色は黄色い
(身体症状)

顔が赤い・のどが渇く・冷たい飲み物を好む・口内炎が出来る・動悸・不眠など

③下焦血オによる排尿痛

外傷や手術・冷えなどによって下焦(下半身)にオ血が生じることが原因となる。オ血は膀胱への気・栄養供給を阻滞させる。膀胱の排尿機能が低下した結果、排尿痛が生じる。

(特徴)

「鈍い」また「刺す」ような痛みが生じる・血尿が出たり血塊が混じる
(身体症状)

下腹部が痛む(痛みは固定痛)・唇が紫色・舌に点々が見られるなど

④肝鬱による排尿痛五臓の「肝」の失調に由来する。「肝」は全身の循環を煌びやかにする役割を担っている。長期間ストレスを感じる・精神的な抑欝を受ける・怒りなどの急激な精神刺激などにより「肝」が失調する。「肝」の失調は全身症状として出現するが、「膀胱」においては排尿機能の低下が出現し排尿痛が生じる。

(特徴)

「刺す」ようなまた「鈍い」痛みが生じる・小便の出し渋りが出現する
(身体症状)

頭痛・めまい・口が苦い・下腹部の張り感・月経不調など

⑤腎陰虚による排尿痛

「膀胱」は五臓の「腎」と密接に関係している。熱病による傷液の損傷・過剰な性生活・長期間病気を患うことなどにより腎に存在する陰液が虚損する。結果、相対的な熱が生じ膀胱に波及することで、膀胱の排尿機能が低下した結果、排尿時痛が生じる。

(特徴)

「熱感」を伴う痛みとなる・血尿が出る・あるいは尿色は混濁している

(身体症状)

全身における微弱な熱症状が生じる。めまい・耳鳴り・のどが渇く・両頬が赤くなる・寝汗・膝腰の重だるさなど。

私もお酒を飲みすぎた翌日に心あたりがあるので、養生していきたと思っています。

スタッフ 杉本

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県別の大会ではよくある事ですが、今日の選抜甲子園で私の生まれた福岡と育った神奈川の

対決となってしまい、複雑な気持ちで応援していた研修生の大久保です。高校生の野球は

元気をもらえますね!

さて、今日は目の充血についてお話ししたいと思います。

風熱タイプ

 症状 :急激に目やその周りが赤くなる、目の痒み、頭痛、発熱、鼻づまり

 原因 :風寒の邪気が化熱、または風熱の邪気が肺などに入り、そこから目に上がる。

湿熱タイプ

 症状 :少し黄色く充血する、目の乾燥や痒み、消化器系の症状

 原因 :乱れた食事により湿邪が生まれ、それが化熱され目に上がる。

肝火上炎タイプ

 症状 :目の脹痛や目ヤニ、頭痛、口の中が苦く喉が渇く、尿が黄色く便秘ぎみ。

 原因 :ストレスやショックにより肝気がうっ結してしまう。長期化すると化火となり

     目に上がる。

肝腎陰虚タイプ

 症状 :薄く赤い充血が出現したり、治ったりを数年単位で繰り返す、寝汗などの陰虚症状

 原因 :長期間の病気や不健康な生活により肝や腎の陰気が少なくなり、虚火が生まれ目に上がる。

いかがだったでしょうか。今回「目の充血」についてお話ししたきっかけですが、先日、

歯に衣着せぬ愛のある毒舌を言い、テレビでは引っ張りだこのデラックスなタレントさんを

テレビで見た時に『そういえば去年の10月あたり、出る番組全てで目が充血してたなぁ』と

思い出し、自分なりの診断を考えてみようとしたのがきっかけです。詳しい症状を聞いていない

ので、完全に推測になりますが、テレビ出演での疲労と、番組終了のストレスなどが重なった為に

肝火が上炎したのではないかと考えます。ただ、ネットでは『ビタミン不足』とも言っていた

ようで、それを加味すると湿熱タイプも頭に入れながら治療する時は確定できる症状を聞かなければ

ならないなと思いました。

全くの想像で話しが進んでおりますが(笑)良い診断トレーニングができた一日でした。

研修生 大久保昌哉

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前回からの続き。早速であるが解説に移りたいと思う。

●嗅覚異常の東洋医学的解説

嗅覚の異常・減退を「失嗅」と指す。この「失嗅」と「鼻水」「鼻づまり」は密接に関係しており、同時に見られることが多い。

①肺経風熱による失臭
気候が原因。熱気をおぼた外的環境を身体が感受する・ないし体内に留まることで熱気をおびることがきっかけとなる。これらが鼻の穴に留まることで嗅覚の異常が生じる
(特徴)

嗅覚は低下する・鼻づまりも見られる・鼻水はネバネバしており黄色・発症は急であるが比較的すぐなおる(身体症状)

発熱、寒気、咳、痰が多くでる、脈が速いなどの風邪症状が出現

②胆腑鬱熱による失臭
体表にいた熱性の外的環境がさらに体内に侵入することで生じる。熱がさらにうっ積し、鼻の穴に上襲ことにより嗅覚異常が生じる。
(特徴)

嗅覚が低下・鼻が詰まる・黄色粘稠で臭気のする多量な鼻汁をともなう・(身体症状)

発熱・頭痛・口が苦い・のどが渇く・痰は多い・全身倦怠感・舌の苔は黄色くかつ多いなど 

③脾経湿熱による失臭
飲食不摂生などにより体内に生じた余剰水分が原因となる。これらが消化器に長期間に停滞することでに消化吸収能が低下。そのうちのひとつとして身体上部へのエネルギー供給能が低下する。その影響で鼻の穴の通りが停滞するために嗅覚異常が生じる。
(特徴)

嗅覚の低下・あるいは消失。鼻閉をともなう・鼻水は多量で黄色粘稠で臭気のする(身体症状)

頭重感・頭痛・黄色い痰がでる咳が生じる・すっきりと排便できない・舌の苔は黄色くべたべたしているなど。 

④肺脾両虚による失臭

「肺」は鼻の穴に通じており、「肺」が栄養できないために嗅覚異常が生じる。

長期的な咳症状による「肺」が虚損していること・過労や虚弱体質などにより「脾」が虚損することが原因となる(「脾」は「肺」をバックアップする性質を有している)(特徴)

嗅覚差・白く粘稠な鼻汁が出る。疲れた時に悪化することが多い。

(身体症状)

全身倦怠感・力なくボソボソと話す・小食でお腹が脹る・など

⑤血オ阻肺による失臭「オ血」が鼻の穴ないし嗅覚ルートに生じることが原因となる。

オ血は生理物質の「血」が停滞することによって形成される。冷え・熱・湿気・外傷・代謝の低下・手術後など多種多様である。(特徴)

嗅覚の減退や消失・鼻が詰まる・あるいは鼻水が出る。(身体症状)

頭のふらつき・頭痛・咳が出る・舌の血色が悪いなど。

気血両虚による失臭エネルギー・栄養不足により鼻の穴を栄養できなくなることが原因となる。

疲労・過労・思慮過度・長期間病気を患うこと・慢性病・出産などにより「気」と「血」が不足することが原因となる。
(特徴)
嗅覚の消失・疲労により悪化・鼻水の量はすくない
(身体症状)

 頭がくらくらする・全身倦怠感・脈が弱弱しいなど

スタッフ 杉本

最近読んだ本の中に「嗅覚」についての記載があった。

嗅覚は人間の有する原始的である。食物を口にしていいものか否かを「臭い」を嗅いて判別し、飲食物を口にしていたらしい。

嗅覚に限らず五感に関しては文明の発達により人間は感覚に頼らなくてもいい状況が続いたことで衰えてきているそう。そしてそれが体の異常として現れることもあるらしい。

五感の中でも「嗅覚」。昨今のコロナウイルスを患った場合に出現する症状の一つとして「嗅覚異常」が掲げられている。

コロナウイルスに限らずどうしておこるのであろう?まずはない頭を振り絞り自分なりに考えてみた。

通常、嗅覚は息を吸い込む過程で鼻の中に存在する嗅上皮が臭いをとらえ、脳に情報を伝達する。

その機能が衰弱することで嗅覚異常が起きることが考えられる。機能が衰弱する理由は何か?

①嗅上皮⇒神経伝達⇒脳といった嗅覚を認識するルートのいずれか障害。一例として鼻づまりなどが挙げられる。

②嗅覚を認識するためには吸気(鼻で息を吸うこと)が必要であると仮定。息を吸う力の減弱も嗅覚の減退などにつながるのではないかと推測。一例として加齢による嗅覚現象を考える。

東洋医学的な側面でこれを考えてみる。

鼻は五臓の「肺」に通じている。肺のトラブルにより嗅覚異常を疑う。(そもそもの全身的な肺を正常に働かせる機能の低下も考えられる)

②吸気は「肺」と「腎」の協調作業により行われている。「肺」、「腎」のトラブルを考える。

③水分余剰や代謝異常が生じることによると考えた。(水液が鼻穴部に集まることによって鼻づまりが生じ臭いがしないなどの例)

大きく3つの理由を考えてみたが、そろそろ詳細が気になったため中医書で調べることとした。

以下、しらべた内容の解説に移りたいと思う。

・・・と思ったがかなりの長文となってしったため、「失臭」についての東洋医学的な解説は次回の記事で掲載したいと思う。

「中医書ではどのように記載されているのであろう?」と興味のある方は次回の記事だけでも読んでいただければ幸いです。

少し筆が重くなっているのですが、最近では本を読む中で自分の頭でしっかり考える過程を大切にしております。私のブログを楽しみにしているというもの好きな方がいるとは思えませんが、ご理解いただけると幸いです。いずれはもとの更新頻度に戻れるよう頑張ります!

スタッフ 杉本

昨日、所属する三旗塾主催の大きな勉強会があり、実行委員として大きな仕事をやり遂げたせいか

今日は一日ゴロゴロ休日を過ごしている研修生の大久保です。今年は東洋学術出版社の井ノ上社長と

金子先生がお話しして下さったのですが、お二人の知識の深さに自分の勉強不足さを痛感しながら、

そんな金子先生のもとで勉強させて頂いているありがたさも感じた一日でした。

さて、前回『陰虚証』の症状についてご紹介いたしました。今回はそのメカニズムについてご説明します。

陰液とは、体内で『潤い』『栄養』『静寂』の働きをします。この陰液や血液が熱による病気や慢性病、

過度な夜の営みや精神疲労などにより損傷した為、身体が陰虚の状態に陥ります・・・

伝わりましたでしょうか?私が中医学を勉強する上で大切にしている事はイメージです。

今の説明をもっと分かりやすく皆さんと一緒にイメージしながらお話しします。

まず、火が着いたコンロとその上に置いてある水をはった鍋。そしてその鍋の上には少しずつ水が出ている

蛇口を思い浮かべて下さい。ラーメン屋さんの奥にありますね!

私たちの体内には陰と陽があり、いつも絶妙なバランスで保たれています。先ほどのイメージでいくと

『陽』はコンロで、『陰』が水を張った鍋です。そして、少しずつ蛇口から出ている水は飲食した

ものの水分です。健康な時はこの『沸騰して水が無くならない。かといって水が溢れない』状態にいます。

これが何らかの損傷を受けてしまい、水かさが減ると陰陽のバランスが崩れ、コンロの火力は変わらないのに

鍋の水が沸騰してしまいます。

そのせいで陰虚証は熱症状が出るということですね。イメージできましたでしょうか?

研修生 大久保昌哉

※新着時期を過ぎると左サイドバー《上記に記載のない症状》に収められています。

先日手動のみじん切りマシンを買って、色々なものをみじん切りしている研修生の大久保です。

餃子とコールスローとキーマカレー作ってみました!

さて、以前に陰虚証治療のお話をしたのですが、今回は「陰虚証とは何か」について少し深めに

ご紹介したいと思います。

・陰虚証とは

『陰液や精血が不足した状態を表す』です。

陰液?精血?ですよね。ざっくり言いますと、

陰液 →人体にある水分や腎の中にある陰精のこと。

精血 →精気と血液のこと。

陰精?精気? …一つ調べるとまた一つ謎が出てくる(笑)

さらにざっくり言いますと、身体の中の体液や血液。つまり、水分が不足した状態の事を

『陰虚証』といいます。

・症状は

手足のほてり・微熱・午後に増減する熱・口や喉の乾燥・痩せる・寝汗・黄色い尿・眩暈・かすみ目

不眠・夢をよく見る・動悸

・重症化すると

落ち着かない・怒りっぽくなる・頬がチークを塗ったように紅い・咽頭痛・性欲亢進・頭痛

口の中が苦い・空咳で痰に血が混ざる事がある・便秘

などになります。日常生活でそこまで困らない症状が多いので、一見見落とされがちですが、

治療方針を決める重要な手がかりです。

上記の症状で「何となく不調」とお困りの方は一度ご相談ください。

次回は陰虚証になるメカニズムを詳しく解説していきたいと思います。

研修生 大久保昌哉

※新着時期を過ぎると左サイドバー《上記に記載のない症状》に収められています。

 「声が小さい」小学校〜高校時代の成績表ないし三者面談での教員から杉本に対する評価である。

意識して自分の中で、大きな声を出すように努めてみる。

最初の数回は大きな声が出るものの時間の経過とともに疲労感を感じ声が小さくなってくる。

それでも頑張って声を出す。息切れがする。

それでも頑張って声を出す。疲弊しきってしまい声を出すこと自体が億劫になってしまう。

そんな経験をしたことがあることは私だけではないのではないでしょうか?

上記症状を「少気(しょうき)」と東洋医学では指す。

今回はこの少気についての解説を行いたいと思う。

●少気(しょうき)とは??

息が続かずに声に力がない、話すことがおっくうになる・息切れがするなどの症状を総称して「少気」と呼ぶ。その名の通り、エネルギーが少ないことが原因となる。呼吸や発生に関与するエネルギー(宗気)の不足によるものが多い。全身症状としても倦怠感・疲れやすい・脈が弱弱しいといったものがみられる。水湿・食滞・水飲・気機の阻滞によっても少気は現れるが、主に五臓六腑の失調に由来するものが多い。以下、解説に移りたいと思う。

①脾気虚による少気

消化器の機能低下が原因となる。飲食物から得たエネルギーは宗気を構成する物質のひとつである。もともと虚弱体質であることや長い間病気を患うこと、過労などによって消化器が損傷すると飲食物からエネルギーを取り込む力が減退・体内のエネルギーが不足するために少気となる
(特徴)
ボソボソ声で話す・疲労により悪化する
(身体症状)
食欲不振・小食・下痢・食後お腹の張り感を伴うなど。
 

②心気虚による少気五臓の「心」は全身の生命活動を主宰するとされている。老衰・長期間病気を患うこと・過度な精神刺激による精神失調などに「心」が損傷すると全身の生命エネルギーが低下・不足してしまう。

エネルギーの不足症状のひとつとして、宗気不足が生じ少気が生じる。(特徴)

疲労により悪化
身体症状)

動悸・汗が出る・精神疲労・眠れない・寝ても目が覚めやすい・舌の色は淡いなど

③肺気虚による少気
呼吸や発生を主る五臓「肺」の虚損による。肺疾患を患う・長期間咳症状が続く・虚弱体質であることなどが肺の損傷を招く。呼吸する力・発生する力が低下・不足することで少気が生じる。
(特徴)

疲労や長期間話すことで悪化・声が低く弱弱しい(身体症状)

風邪をひきやすい・全身疲労感・呼吸も弱く浅い・汗がでるなど

④熱傷気陰による少気熱によりエネルギーが消耗されることが原因となる。熱が五臓の「肺(呼吸器)」や六腑の「胃(消化器)」に侵襲し、エネルギーを消耗させることで不足し、少気となる。(特徴)

夏の暑い時期や熱病の後期に見られることが多い

(身体症状)
全身疲労感・汗が出る・口が乾く・便は乾燥する・便秘・舌のコケは少ない・体が熱い・動悸など

スタッフ 杉本 

※新着時期を過ぎると左サイドバー《上記に記載にない症状》に収められています。

頭暈について調べる中で、同じ頭項症状に「頭揺」をいう言葉を見つけた。

「頭」が「揺」れる。初見の言葉で眩暈とはどう違うのか?と気になってしまった。

そこで、今回は「頭揺(ずよう)」について調べたことを記したいと思う。

●頭揺(ずよう)とは?

頭部がゆれたり、震えたりする症状を指す。自覚の有無を問わず頭が揺れを自身ではコントロールできない。「めまい(頭暈)」・「頭重感」と同時に見られることが多いが、本症では頭の揺れを主症状としたものを述べていく。

●「頭揺」についての東洋医学的解説

「動揺」の性質は「風」によるものが多い(風が吹いて揺れるイメージ)。

体内に生じた「風」が頭部を侵襲することで、「頭揺」が生じる。

①風陽による頭揺精神抑鬱が長期間続く・怒りの感情が頂点に達するなどがトリガーとなる。これらの感情は五臓六腑「肝」の失調をもたらす。「肝」は「風」と密接に関連しているとされている。「肝」が失調し、体内に風が生じ頭部を侵襲することが頭揺が生じる。

 (特徴)

頭の揺れ方は激しく突然発症することが多い。ストレスや精神的緊張が機縁となり頭揺が出現する。

(身体症状)

 めまい、四肢のふるえ・顔や目が赤い・口は苦くのどが渇く・舌は赤くコケは黄色いなど。 

②虚風内動による頭揺加齢により体質が虚弱となること・病後に身体の整理物質が不足することが原因となる。

身体の中の潤い物質が不足して体内に熱が生じる。熱が生じた後に風が生じ、頭部に上昇することで頭揺が生じる。(特徴)

頭の揺れ方は比較的穏やか・長期間続くことが多い・自覚していないことが多い(身体症状)

不眠・寝汗・目の乾き・かすみ・膝腰が重だるくて力が入らない・耳鳴り・倦怠感が強くやる気がでないなど。

スタッフ 杉本

※新着時期を過ぎると左サイドバー《上記に記載にない症状》に収められています。

鼻水が止まらないなど、鼻の中から鼻水が出る量が多い状況を「鼻流涕」という

以下、この「鼻流涕」について解説していきたい。

①風寒による鼻流涕寒冷な外的気候が原因となる。

気候が身体に影響を及し全身の運搬エネルギーが低下することで、鼻部に滞りが生じた結果、鼻流涕となる。
(特徴)
鼻水はサラサラしており量が多い・鼻孔は塞がれる・クシャミは頻回
(身体症状)

寒気がする・発熱・頭痛・咳が出る・汗はでないなど。

②風熱による鼻流涕高温な外的気候が原因となる。

気候が身体に影響を及し全身の運搬エネルギーが低下することで、鼻部に滞りが生じた結果、鼻流涕となる。
 (特徴)

鼻水は黄色くネバネバしている・量は多い

重症の場合は鼻孔周囲は赤く腫れ痛みを伴う・鼻は塞がれる

(身体症状)

寒気・発熱・頭痛・咳・汗が出るなど。

③湿熱阻滞による鼻流涕体内の余剰水分に由来する。

脂濃いものや甘いもの、味の濃いものの過食やアルコールの過剰摂取により「湿熱」が生じる。

湿熱は消化器の能力の低下を招く。吸収した水液物質の運搬能力の低下した結果、鼻部に水液物質が停滞することで鼻流涕となる。
(特徴)

鼻水は黄色く濁っている・量は多い
重症の場合は鼻水は鼻からのどに流れ込む・生臭い臭気を感じる(身体症状)

頭重感・口の中が苦くネバネバする・飲み物を欲さない・小便が黄色い・舌のコケが黄色くボサボサしているなど

④燥熱による鼻流涕
高温・乾燥した気候に由来する。これらが鼻孔部に侵襲することや肺を損傷させることで、肺の全身運搬エネルギーが低下した結果、鼻流涕がおこる。
(特徴)

鼻水は黄色くネバネバしている・量は少ない・血液が混じるあるいは膿血性の鼻水である・鼻は乾燥して痛む(身体症状)

頭痛・口やのどが乾燥し苦い・冷水を好んで飲む・便は乾燥し小便は黄色いなど

⑤気虚による鼻流涕全身のエネルギー物質の不足により生じる。五臓六腑における「肺」に多くみられる。

肺の機能のひとつとして、体表面から身体に必要な物質が漏れ出ないよう調整する機能がある。

皮膚における汗などが代表的であるが、鼻における鼻水も同様である。

肺が失調することで鼻に存在する鼻水が漏れ出てしまうために鼻流涕が生じる。
慢性的な咳症状・虚弱体質などが原因となる。
(特徴)

鼻水は水のようにサラサラしている

日が経つと白くネバネバしきることが難しくなる・時には黄色みを帯びることもある。(身体症状)

感冒にかかりやすい・ボソボソ声で話す・全身倦怠感・下痢症状など

⑥腎虚による鼻流涕五臓六腑の「腎」の失調による。

腎は物質を一定の位置にとどめておくエネルギーを有している。

ここでは、「鼻水」を「鼻腔・鼻孔」内にとどめておく作用が低下する事を指し、ゆえに鼻水が漏れ出てしまう状態が生じる。

加齢や大病・長期間病気を患うこと・過剰な性生活などが原因となる。(特徴)

鼻水はサラサラしている・量は少ない・寒冷刺激によって量は増える・慢性的に持続ししばらく治らない・鼻は塞がるなど(身体症状)

嗅覚減退・腰と膝の痛み・手足の冷えなど

スタッフ 杉本

四肢腫脹、これは上下肢の「むくみ」が生じる一つの症状を指す。

手足左右すべてに出現するもの・上肢、下肢のみに出現するもの・両側あるいは片側のみ出現するものなど生じる部分は様々である。

以下、腫脹が出現する基本的な4パターンの解説になります。

①湿熱蘊結

もともと身体の熱が旺盛な方に見られる。寒さや多湿な気候が身体に影響を及ぼすことで、熱の停滞が促される。熱の停滞は体内の水分の停滞も引き起こすため四肢に腫脹が生じる。また熱や停滞した水分は身体の生理物質の運行も阻害する。これも手足の腫れを生じる原因となる。熱由来であることから腫れのほかに疼痛や熱感を伴う。

(特徴)熱由来であるために腫れのほか、痛みも伴う。患部は光沢のある発赤・熱感が生じる。

(身体症状)関節の腫脹や痛み・皮膚の灼熱感、発赤・発熱・悪風・口が乾くなど。

②気滞肌表

体表の皮膚・皮下組織・筋肉における運行障害が原因となる。運行障害の原因としては、精神抑鬱や運動不足などの内的要因や気候などの外的要因によるものがある。

(特徴)循環に滞りのあるため張り感が強い。弾力性のあるむくみ・張った感じを自覚している・押してもすぐ戻るといった特徴がある。

(身体症状)胸脇部が張って苦しい・よくため息をつくなど。

③寒湿凝滞

寒冷な気温・多湿な気候が体内に侵入することで体の循環に滞りが生じることが原因となる。

寒冷な気候は体内の生理物質を凝縮させる(水⇒氷)。また多湿な気候は体内の生理物質を停滞させる(ネバネバ・しどじどしているため)。

これらが体内に侵入することで生理物質の滞りが生じ、腫脹として現れる。

(特徴)手足の固定性の関節痛(特に下肢)・手足の脹れ・重いだるくて動かしにくい 

(身体症状)口が頭をくるまれたような頭重感・口が乾かないなど

④気虚血オ

体内の生理物質押し進めるをパワーが弱い・不足することにより部分的に滞りが生じることが原因となる。加齢・長い間病気を患う・飲食物の不摂生などがもともとの原因となる。

(特徴)手足・両下肢のむくみ・押して陥凹してももとにはもどりにくい

(身体症状)手足の冷え・肢体の痺れ・運動無力・皮膚に紫色の斑紋・甚だしければ半身不随など

スタッフ 杉本

※新着時期を過ぎると左サイドバー《上記に記載にない症状》に収められています。

以前、花粉症に関連して「目のかゆみ」について解説させていただいた。

「かゆみ」に付随して赤みや充血が伴う方も多く見受けられるでしょう。

目の赤くなる症状は、「結膜」という眼球の表面おおう薄い透明な粘膜の炎症によってなることが多い。「結膜」は目の表面の粘膜には、目に入ってきた異物や病原体が目の中に侵入するのを防ぐはたらきがある。 炎症を招く原因となるのは、花粉症などのアレルギー性によるものや、ウイルス性・細菌性によるものなどが挙げられている。

それでは以下、「目赤」についての東洋医学的な解説を行っていきたいと思う。

●「目赤(もくせき)」とは?

目赤とは、眼球の白い部分が赤くなる状態を指す。両目、片目のみの症状がある。

体内に生じた熱が身体上部に上り、血とともに目に集まることにより生じる。熱の度合いが強いほど赤みも鮮明となる。その他、気候や異物が入ることも目が赤くなる原因となる。

 ①肝胆火盛による目赤

五臓の「肝」は目に通じるとされている。ゆえに「肝」のトラブルは目症状として現れやすい。

長期間ストレスにさらされることや精神抑鬱、強い精神刺激は「肝」の機能失調を招く。

機能失調が長期間続くことで体内に熱が生じ、生じた熱が目に上炎するために目赤が生じる。

(特徴)

両目が鮮紅色となる。目の脹痛をともなう。(身体症状)

頭痛・口が苦く咽が乾く・胸肋部の張り感、痛み・尿が黄色・便秘・舌が赤いなどの熱症状

②肝腎陰虚による目赤「肝」トラブルによる目赤。目は「肝」から栄養物質・潤い物質の供給を受けている。

「肝」において栄養物質・潤い物質が不足してしまうと、五臓の「腎」よりバックアップを受ける。

「肝」「腎」双方とも不足してしまうと、潤い不足から体内に微弱な熱が生じてしまい熱が上炎し目に到達することで目の赤みが生じる。

潤い物質が不足する原因としては長期間病気を患うことや飲酒過多・過剰な性生活などが挙げられる。

(特徴)

両目が淡紅色となる・緩やかに目が淡紅色となる(身体症状)

腰膝の重だるさ・手足胸部のほてり・寝汗などの症状

③酒毒による目赤アルコールが原因で体内に熱が生じることが原因となる。消化器で生じた熱が「肝」に波及しさらに目に到達することで目赤が生じる。アルコールの常飲他、味の濃い物の過食や湿気の多い環境も原因となる。

(特徴)

両目が次第に黄赤色となる。(身体症状)

目の乾燥・痒み・体の重だるさ・頭の重だるさ・大便はベドベドしてすっきり出ないなど。

今回は内臓失調型の目赤の解説を行わせていただきました。

少し解説が長くなってしまいそうなので、続きは次回に…。

スタッフ 杉本

※新着時期を過ぎると左サイドバー《上記に記載にない症状》に収められています。

最近、頭顔面部の症状を主訴としてかかられる患者さんが当院では多い。

先日お見えになった患者の方・また随伴症状として訴えらえれていた「眼瞼下垂」。

上瞼が下がっていたり、開けづらくなる症状を指す。

これは東洋医学的にどのような状態を指すのか?

自分自身もどういった原因・機序でおこっているのかあやふやであったこともあるため復習もかねてにブログにて書くことにした。

●眼瞼下垂(上胞下垂)について

上まぶたが落ち、挙上することが困難あるいは開眼できなくなる状態を指す。

先天性・後天性のものがある。

先天性のものは両目に同じ症状が見られ遺伝や発育不全が原因とするものが多い。

後天性のものは片目に発症することが多く病後、創傷などを原因とする。

脳内や眼の中に発生する腫瘍が原因となるも眼瞼下垂もあるが、本症の範囲ではないためこれは除外する。以下、解説に移りたいと思う。

①中気下陥による眼瞼下垂消化器の所有するエネルギー(消化・吸収などの活動)の低下が原因となる。

食の不摂生や思慮過度が消化器にダメージを与えることがきっかけとなる。もともと体質レベルとして脾胃(消化器)が弱い人にも見られる。

消化機能の低下は、身体のエネルギー・栄養物質を吸収・運搬する力の低下を招く。

筋肉を栄養素で養うことが出来ない結果、上まぶたを挙上させておく状態をキープできないために眼瞼下垂が生じる。
(特徴)緩やかに発症する・徐々に下垂し時間経過とともに下垂は強くなる(午前中は軽いが午後や夜間は下垂する)・軽症であれば下垂は半分程度であり、重症のものは完全に下垂するなど
(身体症状)全身倦怠感・寒さを恐れる・呼吸が浅く力ない・脱肛や子宮脱など

②風邪入絡による眼瞼下垂気候などの外的環境が原因となる。

この風邪(ふうじゃ)は「よく巡る」という特徴があり、皮膚から体内に侵入しては身体の各部分に影響をもたらす。顔面部へ到達した風邪が皮膚よりさらに深部にある筋肉・血管を障害することで眼瞼下垂が生じる。

 (特徴)急速に発症する・目のかゆみを伴う・頭痛・目の脹れを伴うことがある
(身体症状)悪寒・発熱など
 

③気滞血オによる眼瞼下垂

眼瞼部に通ずるエネルギー・栄養のルートの運行障害により生じる。

頭額部・眼部に外傷や手術などの物理的な原因により運行ルートが損傷されることで眼瞼部まで巡らず眼瞼下垂となる。
(特徴)眼部・頭額部の外傷や手術などがきっかけとして発症することが多い。
(身体症状)眼部・頭額部にズキズキとした痛みが生じる。

さくら堂では本当に多種多様の疾患とそれに対する治療に携わることが出来る。

一日一日を大切にして自分の知識と経験にしていきたいです。

スタッフ 杉本

 ※新着時期を過ぎると左サイドバー《上記に記載にない症状》に収められています。

訪問治療に伺っている庭の河津桜が咲き始め「春はもう少し」と喜んでいる研修生の大久保です。

(調べてみると河津桜は稀に12月にも咲くようですが…)

さて、杉本先生のようにシリーズ化しておりますが(笑)今回も舌で見られる症状の一つ

『舌萎(ぜつい)』についてご紹介したいと思います。

舌萎とは

 ・舌を動かす力が入らず、出し入れや回転ができない。

 ・ひどい場合は前歯の裏まで舌が届かない。

考えられる証は

<痰湿阻絡>

・顔色が白い、言語障害が出る、胃周辺がムカムカしてはる、舌が硬い感じ、苔は厚い

※舌萎とは、で「力が入らない」と言っているのに「硬い感じ」とは矛盾している気がしますね!

 イメージとしては、痰や湿によって舌に流れる気を通す管に蓋がされたと考えて頂くほうが

 いいかなと思います。蓋があるので栄養が届かず力が入らない。けれど蓋によって内部は

 詰まっている。低下したと考えられる臓器は脾、肺、腎です。

<心脾両虚>

・顔色、爪、唇が白っぽい、動悸、不眠、忘れっぽい、食欲が無い、舌は無力感、苔は薄く白い

※『医食同源』とよく言いますが、良い“食事”をしても“吸収”する器官が悪いとそれも

 万病のもとになると言うことですね。この場合も脾の機能低下から関連する心や舌に影響が

 出ています。(←五行色体表の縦の関係ですね!)

<肺熱薫灼>

・舌が乾く、痰の出ない空咳、もしくは出ても粘り気がある痰が少し出る、

 喉、口、鼻が乾く、小便黄色い、便秘ぎみ、苔は黄色い

※熱邪が肺に侵入、または治療の過程で熱邪を取り切れず残りが肺に侵入した為に身体の水分が蒸発し

 舌が萎縮してしまったと考えられます。参考文献によりますと虚証の部類に入るようなのですが、

 どう考えても実証のような… 私の翻訳ミスかもしれませんし、ここはもう少し他の文献を調べる

 余地があります。

<肝腎陰虚>

・舌は暗く、意識がハッキリせず朦朧、耳が遠い、両頬が赤い、手の震え、苔は無い

※長期間体内に熱邪が入ったり、大量の出血により肝腎の機能低下が起こります。

 肝の気の通り道にある頬や腎の通り道にある舌の両端に症状が出るのが特徴的です。

舌萎治療のポイントは※印の説明でも触れていますが『時間軸』です。慢性的な臓腑の病変が結果的に

舌に現れたのか、一気に舌に出現したのか。また、実証でも虚証でも現れる症状なので、弁証をしっかり

立てて治療に挑まなければなりません。

研修生 大久保昌哉

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「舌を診察すれば、病気がわかる」より

※新着時期を過ぎると左サイドバー《上記に記載のない症状》に収められています。

味覚の異常について記載をしてきたが、本日は「口の中が塩辛い」状況を述べたいと思う。

なかなか遭遇することなく少しマニアックになってきたかもしれないのですが、宜しければお付き合いください。

「口の中が塩辛い」状態を「口鹹」という。

定義としては「口内に塩辛い味を自覚することで、ときには塩辛い唾や涎を排出することもある状態」とされている。

味について述べると、五つの臓腑はそれぞれ「味」(酸っぱい・苦い・甘い・辛い・塩辛い)をつかさどっているとされている。

「塩辛い」は五臓のうち「腎」が担当しており、腎の虚損によって腎の液が昇ることで塩辛い唾やよだれが生じる。腎が虚損する原因としては過労・老化・慢性病など挙げられる。

以下、解説に移りたいと思う。


①腎陰虚(じんいんきょ)
腎が有する潤い物質の不足により生じる。潤い物質の不足により熱が生じ、この熱が上炎し腎液を煎ずることによって、口鹹が生じる。
口の中が塩辛い他、少量の塩辛いよだれがでる・口、咽の渇き・耳鳴り・膝腰が重だるい・不眠などの症状が現れる。


②腎陽虚(じんようきょ)
腎が有する陽気の不足が原因となる。陽気は腎液を腎の中に留めておく作用があるが、不足することで腎液が上部へ溢れてしまい、口鹹が生じる。

口の中が塩辛い他、全身の倦怠感・寒がり・四肢の冷え・夜間頻尿などの症状が現れる。

スタッフ杉本

 ※新着時期を過ぎると左サイドバー《上記に記載にない症状》に収められています。

味覚の異常について書いてきたが、「甘さ」を自覚するケースもあるらしい。

中医書には「口甜(こうてん)」と記載されている。

自身の経験を振り返ってもなかなか「甘さ」を感じることはないが、糖尿病患者や風邪症状の患った人にみられることがあるらしい。

以下、解説を行ってみたいと思う。

●口甜(こうてん)とは?

口甜(こうてん)とは、口内に甘味を自覚することである。口甘という。
古典上「脾疸(ひたん)」という記載があるが、脾疸は病名である。

甘いものを食べ過ぎて消化器に熱が生じ、熱が口まで上昇することで口の中が甘くネバネバする状態を指す。つまり口甜は脾疸の症状の一つなのである。

以下、解説に移る。脾胃の損傷によるものだが、「実熱」「虚熱」の違いがある。

①脾胃熱蒸口甜(ひいねつじょう)
辛い・脂濃い・甘いもののを過食は体内に熱を生じさせる。生じた熱が上に昇ることで口甜を生じさせる。
その他、高温多湿の環境が消化器に余剰水分や熱を生じさせ飲食物のエネルギーとともに上蒸することでも発生する。

口の中が甘い・口が乾き飲み物を欲する・多食・すぐお腹がすく・唇や下にできものが生じる・大便が乾燥などの身体症状を伴う。


②脾胃気陰両虚口甜(ひいきいんりょうきょ)
老化・長期間病気を患うことで脾胃(消化器)の機能減退が生じる。潤い物質の消耗は熱を生じさせ、消化器の水分は更に消耗した結果、口甜が発生する。

 口が甘い・飲食物を欲さない・口が乾き飲み物がほしいが多くは入らない・精神疲労・腹部の張り感などの身体症状を伴う。

スタッフ 杉本

 ※新着時期を過ぎると左サイドバー《上記に記載にない症状》に収められています。

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