排尿時に痛みが生じるものを「小便疼痛」・「尿痛」と指す。
同時に排尿困難・頻尿・尿意が差し迫る・血尿などをともなうことが多い。
痛みの種類は、「熱感」をともなう痛み・「しみる」ような痛み・「脹る」ような痛み・「絞られる」ような痛み・「刺すような」痛みなどが存在する。
痛みを生じさせる原因によって痛みの種類が異なってくるのであるが、以下の解説を参考にしていただきたい。
①下焦湿熱による排尿痛脂濃い物や甘い物、味の濃い物の過食やアルコールの常飲、外界の湿気などが原因。
体内に余剰水分が生じ、循環や排せつをせずに長期間留まることで熱気をおびる。
膀胱において熱気を帯びた水分が阻滞することから排尿痛が生じる。
(特徴)
耐え難い「激しい」痛みが生じる・尿色は赤く濁っている・尿石が混じることもあるなど
(身体症状)
水分過多・熱所見が見られる。口が苦く口が乾く・大便がすっきり排泄できない・お腹の張り感など
この「小腸」と五臓の「心」は密接に関与している。過度な精神刺激などが原因で心の活動が活発になり、生じた熱が小腸に伝わるために排尿痛がおこる。
(特徴)
(身体症状) 顔が赤い・のどが渇く・冷たい飲み物を好む・口内炎が出来る・動悸・不眠など
③下焦血オによる排尿痛
外傷や手術・冷えなどによって下焦(下半身)にオ血が生じることが原因となる。オ血は膀胱への気・栄養供給を阻滞させる。膀胱の排尿機能が低下した結果、排尿痛が生じる。
(特徴)
「鈍い」また「刺す」ような痛みが生じる・血尿が出たり血塊が混じる
(身体症状)
④肝鬱による排尿痛五臓の「肝」の失調に由来する。「肝」は全身の循環を煌びやかにする役割を担っている。長期間ストレスを感じる・精神的な抑欝を受ける・怒りなどの急激な精神刺激などにより「肝」が失調する。「肝」の失調は全身症状として出現するが、「膀胱」においては排尿機能の低下が出現し排尿痛が生じる。
(特徴)
「刺す」ようなまた「鈍い」痛みが生じる・小便の出し渋りが出現する
(身体症状)
頭痛・めまい・口が苦い・下腹部の張り感・月経不調など
⑤腎陰虚による排尿痛
「膀胱」は五臓の「腎」と密接に関係している。熱病による傷液の損傷・過剰な性生活・長期間病気を患うことなどにより腎に存在する陰液が虚損する。結果、相対的な熱が生じ膀胱に波及することで、膀胱の排尿機能が低下した結果、排尿時痛が生じる。
(特徴)
「熱感」を伴う痛みとなる・血尿が出る・あるいは尿色は混濁している
(身体症状)
全身における微弱な熱症状が生じる。めまい・耳鳴り・のどが渇く・両頬が赤くなる・寝汗・膝腰の重だるさなど。
私もお酒を飲みすぎた翌日に心あたりがあるので、養生していきたと思っています。
スタッフ 杉本
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