鼻水が止まらないなど、鼻の中から鼻水が出る量が多い状況を「鼻流涕」という。
以下、この「鼻流涕」について解説していきたい。
①風寒による鼻流涕寒冷な外的気候が原因となる。
気候が身体に影響を及し全身の運搬エネルギーが低下することで、鼻部に滞りが生じた結果、鼻流涕となる。
(特徴)
鼻水はサラサラしており量が多い・鼻孔は塞がれる・クシャミは頻回
(身体症状)
②風熱による鼻流涕高温な外的気候が原因となる。
気候が身体に影響を及し全身の運搬エネルギーが低下することで、鼻部に滞りが生じた結果、鼻流涕となる。
(特徴)
重症の場合は鼻孔周囲は赤く腫れ痛みを伴う・鼻は塞がれる
(身体症状)
寒気・発熱・頭痛・咳・汗が出るなど。
③湿熱阻滞による鼻流涕体内の余剰水分に由来する。
脂濃いものや甘いもの、味の濃いものの過食やアルコールの過剰摂取により「湿熱」が生じる。
湿熱は消化器の能力の低下を招く。吸収した水液物質の運搬能力の低下した結果、鼻部に水液物質が停滞することで鼻流涕となる。
(特徴)
重症の場合は鼻水は鼻からのどに流れ込む・生臭い臭気を感じる(身体症状) 頭重感・口の中が苦くネバネバする・飲み物を欲さない・小便が黄色い・舌のコケが黄色くボサボサしているなど
④燥熱による鼻流涕
高温・乾燥した気候に由来する。これらが鼻孔部に侵襲することや肺を損傷させることで、肺の全身運搬エネルギーが低下した結果、鼻流涕がおこる。
(特徴)
頭痛・口やのどが乾燥し苦い・冷水を好んで飲む・便は乾燥し小便は黄色いなど
⑤気虚による鼻流涕全身のエネルギー物質の不足により生じる。五臓六腑における「肺」に多くみられる。
肺の機能のひとつとして、体表面から身体に必要な物質が漏れ出ないよう調整する機能がある。
皮膚における汗などが代表的であるが、鼻における鼻水も同様である。
肺が失調することで鼻に存在する鼻水が漏れ出てしまうために鼻流涕が生じる。
慢性的な咳症状・虚弱体質などが原因となる。
(特徴)
日が経つと白くネバネバしきることが難しくなる・時には黄色みを帯びることもある。(身体症状)
感冒にかかりやすい・ボソボソ声で話す・全身倦怠感・下痢症状など
⑥腎虚による鼻流涕五臓六腑の「腎」の失調による。
腎は物質を一定の位置にとどめておくエネルギーを有している。
ここでは、「鼻水」を「鼻腔・鼻孔」内にとどめておく作用が低下する事を指し、ゆえに鼻水が漏れ出てしまう状態が生じる。
加齢や大病・長期間病気を患うこと・過剰な性生活などが原因となる。(特徴)
鼻水はサラサラしている・量は少ない・寒冷刺激によって量は増える・慢性的に持続ししばらく治らない・鼻は塞がるなど(身体症状)
嗅覚減退・腰と膝の痛み・手足の冷えなど
スタッフ 杉本