味覚の異常について書いてきたが、「甘さ」を自覚するケースもあるらしい。
中医書には「口甜(こうてん)」と記載されている。
自身の経験を振り返ってもなかなか「甘さ」を感じることはないが、糖尿病患者や風邪症状の患った人にみられることがあるらしい。
以下、解説を行ってみたいと思う。
●口甜(こうてん)とは?
口甜(こうてん)とは、口内に甘味を自覚することである。口甘という。
古典上「脾疸(ひたん)」という記載があるが、脾疸は病名である。
以下、解説に移る。脾胃の損傷によるものだが、「実熱」「虚熱」の違いがある。
①脾胃熱蒸口甜(ひいねつじょう)
辛い・脂濃い・甘いもののを過食は体内に熱を生じさせる。生じた熱が上に昇ることで口甜を生じさせる。
その他、高温多湿の環境が消化器に余剰水分や熱を生じさせ、飲食物のエネルギーとともに上蒸することでも発生する。
②脾胃気陰両虚口甜(ひいきいんりょうきょ)
老化・長期間病気を患うことで脾胃(消化器)の機能減退が生じる。潤い物質の消耗は熱を生じさせ、消化器の水分は更に消耗した結果、口甜が発生する。 口が甘い・飲食物を欲さない・口が乾き飲み物がほしいが多くは入らない・精神疲労・腹部の張り感などの身体症状を伴う。
スタッフ 杉本
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