今回は「小便不利(排尿困難・尿量減少」について。
同じように排尿が難しい状態である「小便不通(膀胱内に尿が貯留しているが排尿困難な状態)」というのに対して、「小便不利」は尿量自体が少ないため排尿が困難な状態を指します。
早速ですが、解説をしていきたいと思います。
①肺気失宣型
水液代謝を担う臓腑の「肺」。正常に働くことによって全身への水液の運搬を行っている。
気候等から影響で「肺」が損傷されることで水液の循環障害が生じる。膀胱に対して水液が運搬されないことによって生じる。
(主症状)尿量の減少・または無尿
(その他見られる症状)瞼からはじまり四肢、ひどい場合には全身がむくむ・咽喉部の腫れや痛み
②脾陽不振型
食生活の不摂生・生ものや冷たいものばかり好んで食べる・寒いところに長時間いるなどが原因で消化器のエネルギーが損傷する。消化・吸収能力の低下によって、水液が巡らないことによって生じる。
(主症状)尿量減少・無尿・腰以下の強いむくみ
(その他)疲労感・倦怠感・四肢の重だるさ等
③腎陽虚衰型
長期間病気を患う、加齢等によって「腎」のエネルギーが損傷する。
その結果、膀胱の気化機能が低下してしまうことによって生じる。
(主症状)尿量減少・無尿・腰以下の強いむくみ
(随伴症状)四肢の冷え・膝腰の痛み等
④湿熱内阻型
油濃いもの、甘いもの、アルコールの多量摂取・湿気が強い、温度の高い気候などが原因で、体内に「湿熱」が生じる。湿熱が水液の運行ルートを侵害することで運行障害が生じてしまうことによって生じる。
(主症状)尿量減少・無尿
(その他見られる症状)口が乾くが飲み物を欲さない
⑤気滞湿阻型
精神的抑鬱や気の動きの調整を担う五臓「肝」の失調によってエネルギーの運行に滞りが生じる。
結果、水液物質の運行も付随して滞りが生じてしまうことで生じる。
(主症状)尿量減少・無尿
(その他)食後お腹が張る・側胸部の張り等
いかがだったでしょうか?
水液代謝を担う五臓「肺」「脾」「腎」の虚損によるものや、気候由来のもの、いろいろな原因が考えられます。
「排尿困難」・「尿量が減少」でお困りの方、泌尿器トラブルも体質改善も鍼灸治療の適応ですので是非一度ご相談ください。
スタッフ 杉本