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今回は「小便不利(排尿困難・尿量減少」について。

同じように排尿が難しい状態である「小便不通膀胱内に尿が貯留しているが排尿困難な状態)」というのに対して、「小便不利」は尿量自体が少ないため排尿が困難な状態を指します。

早速ですが、解説をしていきたいと思います。

①肺気失宣型

水液代謝を担う臓腑の「肺」。正常に働くことによって全身への水液の運搬を行っている。

気候等から影響で「肺」が損傷されることで水液の循環障害が生じる。膀胱に対して水液が運搬されないことによって生じる。

(主症状)尿量の減少・または無尿

(その他見られる症状)瞼からはじまり四肢、ひどい場合には全身がむくむ・咽喉部の腫れや痛み

②脾陽不振型

食生活の不摂生・生ものや冷たいものばかり好んで食べる・寒いところに長時間いるなどが原因で消化器のエネルギーが損傷する。消化・吸収能力の低下によって、水液が巡らないことによって生じる。

(主症状)尿量減少・無尿・腰以下の強いむくみ

(その他)疲労感・倦怠感・四肢の重だるさ等

③腎陽虚衰型

長期間病気を患う、加齢等によって「腎」のエネルギーが損傷する。

その結果、膀胱の気化機能が低下してしまうことによって生じる。

(主症状)尿量減少・無尿・腰以下の強いむくみ

(随伴症状)四肢の冷え・膝腰の痛み等

④湿熱内阻型

油濃いもの、甘いもの、アルコールの多量摂取・湿気が強い、温度の高い気候などが原因で、体内に「湿熱」が生じる。湿熱が水液の運行ルートを侵害することで運行障害が生じてしまうことによって生じる。

(主症状)尿量減少・無尿

(その他見られる症状)口が乾くが飲み物を欲さない

⑤気滞湿阻型

精神的抑鬱や気の動きの調整を担う五臓「肝」の失調によってエネルギーの運行に滞りが生じる。

結果、水液物質の運行も付随して滞りが生じてしまうことで生じる。

(主症状)尿量減少・無尿

(その他)食後お腹が張る・側胸部の張り等

いかがだったでしょうか?

水液代謝を担う五臓「肺」「脾」「腎」の虚損によるものや、気候由来のもの、いろいろな原因が考えられます。

「排尿困難」・「尿量が減少」でお困りの方、泌尿器トラブルも体質改善も鍼灸治療の適応ですので是非一度ご相談ください。

スタッフ 杉本

5診を終えた患者さん。

主訴は「リュックを背負ったような背中(左右)」の重だるさ。

幸い主訴の軽減は確認できるが、新たに「右側の側胸部」の重だるい痛みを訴えられる。

そこで、今回のブログでは「側胸部の痛み」について解説したいと思います。

中医書には「脇痛」との記載があるが、側胸部のほか・腋下〜肋骨の一番下(第12肋骨まで)の範囲を指している。

この「脇部」には五臓六腑の「肝」「胆」と密接なかかわりがある経絡(気・血の運行ルート)が循行している。ゆえに側胸部の痛みの多くは「肝」「胆」の機能失調と多くの関連性があるとされている。

◆肝鬱気結タイプ

激しい感情の変化(刺激)や長期間によるストレスが原因で、「肝」が担う生理物質の運行をスムーズに行う役割に影響が生じる。主に側胸部の運行ルートに滞りが生じて痛みとして出現する。

(痛みの性質)張った痛み・痛みの部位は移動する・感情の変化で痛みが増減する

(その他の症状)よくため息をつく・精神的抑うつ・食事量の減少等

◇肝陰不足タイプ

「肝」の保有する保湿成分が失われることで経絡内を潤すことができないために側胸部の痛みとなって出現する。(原因は他の臓腑への供給・熱による陰液損傷などが挙げられる)。

(痛みの性質)耐えることでできるほどの軽微な痛み

 (その他の症状)口が乾く・目の乾き・両頬の赤らみ・眩暈症状等

◆肝胆湿熱タイプ

飲食の不摂生(甘いもの・油こいもの・味の濃いもの・アルコールの取りすぎ)・湿気が原因となって水液に滞りが生じる。停滞した水液が熱化し、「肝」「胆」を侵襲することによって側胸部の気の運行が阻害される。ゆえに側胸部の痛みとして生じる。

(痛みの性質)張った痛み・灼熱感を伴うような痛み

  (その他の症状)口が苦く粘る・食欲不振・目が赤い・黄疸等

◇気候タイプ

寒さや気圧などの気候が体表面を侵襲することによって生じる。「胆」に関与する経絡が侵襲されることによって側胸部の痛みが生じる。

(その他の症状)発熱と寒気が交互に現れる・飲食物がほしくない・口が苦い・のどが渇く・眩暈等

◆水液べトべドタイプ

消化器機能の低下+気候や飲食不摂生が加わることによって水液代謝に関与する臓腑(脾・肺・腎)の異常が生じる。この3つの臓器の異常が互いに関与することで水飲が停留し、側胸部に注がれることで痛みとなって現れる。

(痛みの性質)張った痛み・不快感を伴う・呼吸するとき痛みが強まる

  (その他の症状)唾液がよく出る・呼吸が浅く回数が多い等

◇オ血タイプ

運行の滞り・外傷・手術などが原因となりオ血が生じる。このオ血が側胸部に停滞するために側胸痛みが生じる。

(痛みの性質)刺すような痛み・痛みの部位は一定

(その他の症状)患部に腫塊が見られる・顔いろがどす黒い等

以上、代表的な6つの原因を解説させていただきました。思いの他、長くなってしまいました。

このように側胸部の痛みひとつとってもいろいろな原因が考えられます。

お困りの方は一度当院までご相談いただければ幸いです。

スタッフ 杉本

※新着時期を過ぎると左サイドバー《上記に記載にない症状》に収められています。

2020/12

脳鳴(のうめい)は中医学の症状名です。

頭の中で何かの音がすることを指します。

普通は耳鳴りのような感じが頭の中でしている感じがします。

この患者さんはちょっと変わっていて、首が張ってくると、「ポコッ」という音がするそうです。

30年以上の臨床経験の中でも数例の記憶しかありません。

肝の疏泄失調が主因でした。数回で消失しましたので安堵しました。

鍼灸院では、ときに聞いたこともないような病気の方がお見えになります。こちらの不勉強(その通りなのですが)

以前、トキゾプラズマ症の方がお見えになりました。

伝染病の一種で、日本には皆無に近いと教わりましたが、お見えになりました。

伝統医学の利点はたとえその疾患に詳しくなくとも、定型的な病理を知って上で、本人の症状、緩解因子や増悪因子、それに脈診、舌診などを重ねると大概の病理は把握できる点にあります。


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治療目的の症状として来院されるわけではないが、「むくみ」を気にされている方は非常に多い。

「足」のむくみを気にされる方が多い気もするが、「顔(瞼含む)」・「手」・「胸部」・「腹部」など身体のありとあらゆる場所にみられる。

むくみがおこるメカニズムとしては、水液物質が体内に停滞することが挙げられる。

伝統医学上では「むくみ」についてどのように考えられるのか?

今回は身体の水液代謝を担う臓腑を介した解説を行いたいと思います。

●「むくみ」=「浮腫」・「水腫」とは?

「むくみ」は伝統医学上では、「浮腫」・「水腫」と表記される。

水液の循環を主る五臓の「肺」・「脾」・「腎」。この3つの臓器が正常に働かないことが水液の停滞をもたらす大きな原因と考えられている。

◎「肺」・「脾」・「腎」は水液物質とどのように関わる?

五臓六腑の「肺」・「脾」・「腎」。これらはそれぞれ、身体の上部〜下部に位置するがそれぞれが互いに関与しながれ全身のスムーズな水液の運行が実現されている。

(身体上部=「肺」・中部=「脾」・下部=「腎」が位置している。)

「肺」身体に取り込まれた水液を身体の外・下部へ運行する役割を担う。

この役割によって通常は、「身体の外」⇒汗として排出され・「身体の下」⇒尿として排出される。

正常に働かない(運行に障害が生じる)ことによって、むくみ症状が出現する。胸部に位置することから、胸部のむくみとして出現しやすい。

「脾」…飲食において取り込んだ水分(栄養物質を含む)を他臓腑と協力して全身に供給する役割を有する。正常に働からないこと(消化・運行障害が生じる)ことによって、むくみ症状が出現する。身体中部に位置することから、腹部のむくみとして出現しやすい。

◆「腎」…身体の水液運行や量をコントロールする役割を有する。不要な水液物質を「尿」に変化させる・排出するのはこの腎の役割。正しく働かないこと(気化・排尿障害が生じる)ことによって、むくみ症状が出現する。身体下部に位置することから下肢のむくみとして出現しやすい。

伝統医学上における「むくみ」のメカニズム、いかがだったでしょうか?

水液の吸収・運搬・排出のトラブルにより生じることにより起こることがご理解いただけたのではないかと思います。

自身のむくみの原因を把握する上での参考になればうれしいです。

今回は、代表的な3つの臓腑を用いて説明させていただきましたが、その他、心・肝・三焦・膀胱のトラブル・栄養不良の場合にも見られます。

細かい説明については、次回の記事で説明を行いたいと思いますのでご興味のある方はぜひご覧下さい。

長くなってしまったため今回はこれにて失礼いたします。

スタッフ 杉本

こんにちは!研修生の大久保です。

先日『いびき録音アプリ』をインストールして自分のいびきを聞いてみたところ、一晩中地響きのような

いびきが録音されていてショックを受けました。西洋医学的には「肥満」「疲労」「ストレス」「睡眠不足」

が原因に挙げられるのですが、中医学的にはもう少し詳しく原因を分けます。私同様いびきに悩まされている

方は是非ご一読ください!

①肺に邪が入るタイプ

 症状)途切れ途切れでよく響くいびき、鼻づまり、鼻水、咳で胸が苦しい、喉が痛痒い

 原因)外にある六邪(風暑湿燥寒火)が肺に侵入し、肺から鼻に流れる気が乱れる

②痰熱タイプ

 症状)雷のようないびき、痰が絡む息づかい、胸肋部が苦しい、出にくく黄色い痰

    口が乾き汗が出る、便秘気味

 原因)火熱の邪が侵入したり、心配事が長期化してしまう事で体内に熱が産生されます。この熱が

    津液(体内の水分)を蒸発させ痰ができ、これが肺の働きや気道の道で邪魔をします。

③脾虚タイプ

 症状)重苦しいいびき、喘ぐような呼吸、お腹が張る、粘っこい痰、疲れやすい、軟便、肥満気味

    日中眠い、舌の両側に歯形がつく

 原因)消化器の弱い体質や暴飲暴食で脾を傷つけてしまい気の流れを悪くする。流れの悪い所には

    痰が生じ、それが肺の働きを邪魔します。

④血オタイプ

 症状)大きいいびき、窒息するような呼吸、寝相が悪い、頭痛、喉鼻が腫れて痛い、

    喉が渇くが水を飲みたくない

 原因)外傷や熱に関係する邪が入ったり、心配事の長期化により熱が生じ、津液では無くここでは

    血の流れを悪くし血オを作ります。これが肺や喉や鼻に入りいびきの原因になります。

いかがでしょうか。声の響きや日中に出ているサインで4つのタイプに分けられました。原因が分かれば

日常生活で気を付ける事もできますね!ちなみに私はコロナ太りや、お酒好きなのもあって③の脾虚タイプ

かなと思います。まずは一ヵ月、適度な運動とほどほどのお酒でどれ程改善できるか実験してみます!

研修生 大久保昌哉

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こんにちは!研修生の大久保です。

皆さん鼻血を出した事ありますか?自慢にもなりませんが私は一度も出した事がありません(笑)さて、この鼻血ですが、ぶつけた等の物理的なものを除いて、七つものタイプに分けられます。簡単ではありますが理由も書いておきます。

①風寒タイプ

 風邪と寒邪が合わさり体表に留まったり背中から肺に侵入します。

 微熱で悪寒があります。

②風熱タイプ

 風邪と熱邪が合わさり体表に留まったり鼻から肺に侵入します。

 高熱が出て悪寒はありません。

③胃火タイプ

 暴飲暴食などで胃に熱が生じ、その熱が鼻に伝わり出血を起こします。

④肝火タイプ

 精神的ストレスにより肝に熱が生じ、鼻に伝わります。

⑤脾不統血タイプ

 慢性病などで虚弱体質になり、血管内に血液を留めておく気の作用が低下し、

 出血します。身体にも内出血が見られます。

⑥腎陰虚タイプ

 腎にある陰(水)が消耗し、相対的に陽(火)が強くなり虚熱が生じます。

 その熱が鼻に伝わり出血を起こします。

⑦陽竭陰脱タイプ

 症状は意識不明で脈は微弱なので救急搬送レベルです(><)

小学校の昼休みによく鼻血を出す友達を思い出しながら書きました。

ダニエル・キーオン医師の著書『閃く経絡』では救命医時代に止血困難で救急搬送された患者を孔最というツボを押して止血したという逸話があります。これから風邪・寒邪の勢いが強くなる季節になりますので、急な鼻血が出ましたら一度お試しください(o^―^o)

研修生 大久保昌哉


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2020/11

この患者さんは不思議だった。

二週間ほど前に2日ほど、起きているときだけ体が硬直し、動けなくなり、胸悶感が出る。
症状から察して狭心症の類ではない。
以前も葬儀の際、死んだ方の霊に取り付かれたり、実際に死んだ方を視覚で捉えたりしてらっつしゃいます。


私の周りにはこういう方がたくさんいるので、不思議なことだと思わないが・・・・・

今回は起因になる出来事がないのが不思議・・・・

これは心血虚の方に良くある現象ですはありますが・・・。

急激に心血虚になるか、心血虚が急激に悪化するかでで良く見られます。

スーパームンのせいでは????

患者さんは『我が意を得たり』の感じで・・・・

ずっとスーパームーンを凝視していたらしい。

これはありか?なしか?

とにもかくも脈診に依拠し心血虚と判断して、その処置をしました。

翌日から元通りになりました。

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2020/11

喘息発作の方が…
問診。 詳細は省くが、ポイントは待合室に入るなり喘息発作。
風熱だ!
問診で導いた証の確証には物的証拠があったほうが良い。
脈浮数、手示指端の皮膚温が高い。
そこに刺絡。

発作が収まり、喉奥の張り付いた違和感のみ残る。 肝鬱や痰熱残存か? 問診。
痰飲と取る。
豊溜と中の右横二寸の反応点に刺鍼。 
この反応点は堅い感じの10円玉大で、なかなか取れない。
なかなか取れないとき上下、前後、左右の法則を使う。

反応のない同位左側に二本刺鍼。
きれいに反応点が消える。
喉奥の違和感消失。 この状態は慢性期の中のいわば急性期。肺に痰熱がある痰熱壅肺が風熱の邪の影響を受け発作したものである。 発作条件には外邪のほか、飲食の不摂生などもある。 つまり自分の

養生の枠外もあるが、養生次第で起こさなくもできるということだ 

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こんにちは。研修生の大久保です。

先日、私が半年ほど治療させて頂いている患者様と寝汗について話しをしていたら「私もずっと前から下着が濡れる位寝汗をかくのよ。」と、治療方針を変える位の重要な症状を教えて頂きました。私自身がその前に聞き出せる知識を持っていたらと反省しながら、何故今まで言わなかったのかを聞くと「こんなしょーもない事言っても何もならないでしょ。」と、まだまだ“何でも言えるお兄ちゃん”になれていない事を自覚し更に反省をした瞬間でした

さて、そんな寝汗ですが、東洋医学では『盗汗(とうかん)』という言葉で出てきます。そして、この盗汗は「寝ている時にだけ出て、起きると引く」症状を差します。なので起きたにも関わらず止まらない場合は盗汗と呼びません。ただ単に暑い環境で寝ていた為なら良いのですが、冷や汗だったり大粒の汗だと心配な病気のサインにもなりますので注意してください。

話が逸れてしまいましたが、この盗汗の原因は『血虚型』『陰虚型』『湿熱型』『実熱型』の4タイプに分けられます。前2つは『虚証』ですが後の2つは『実証』ですので、治療方針も入れるのか出すのか他の症状を聞いて見極めます。

私も中医学を勉強する以前は寝汗をかいても「たまたまでしょ。」と気にも留めていませんでしたが、思い返すと寝不足だったり、仕事が忙しく疲れていた時だったり『虚証』のサインが出ていたのだと思います。皆さんも治療の際は是非「こんな事言ってもなぁ…」と思わず、何でも言ってみてください!

研修生 大久保昌哉

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一昨年あたりによくテレビや書籍で紹介されていたオノマトペ(擬音語・擬態語)。円滑なコミュニケーションや子供の教育等に効果的なようですが、治療の時にもとても役立ちます。今回は痛みの種類とオノマトペをご紹介致します。

<血オ型>チクチク ギューッ

刺さるような一定の場所で起こる痛み。じっとしていても痛い場合がある。

<気滞型>ジンジン パンパン

場所が移動する脹った痛み。気分や機嫌で場所や痛みの強弱が変化する。

<寒邪型>チーン ギューッ

局所的な冷痛や激痛。温めると和らぐ。

<湿邪型>ズーン ドーン

重だるい痛み。治ったと思っても再発すしたりする。

<虚証型>シクシク ジーン

はっきりしない鈍い痛み。場所も「なんとなくこの辺り」と表現する場合が多い。

同じような表現がありますが、治療の際は追加でお話しを聞いて症状を確定してゆきます。

私も鍼治療を受けるのですが、いざベッドの上で自分の状態を説明するとなると上手くまとまらなかったりしますよね。痛みで受診される際にお役立てください。

研修生 大久保昌哉

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先日の動悸のお話の続きです。早速ですが、②熱、③精神面についての解説となります。

②熱による動悸

発熱した際や炎天下での運動を行っている際に胸の拍動を感じたことが経験が誰しもあると思います。このように体の内部に熱が生じた際には動悸が起こります。ちなみに私はお酒を飲む際は動悸を自覚してます。これも体に熱が生じているのです。以下、原因を見てみましょう。

◎飲食不摂生型(痰火ジョウ心型)

普段から油濃いもの・生もの・辛い物・飲酒を過度に摂取する人は身体の中に余剰な物質をため込みやすい。このような不摂生を繰り返したり、感情の刺激(怒りだと血がカーっと上るようなイメージ)が加わることで生じる。動悸の他、口が苦い、不眠、夢を多くみるなどが生じる。

●「潤い不足(陰虚)タイプ)」

原因・症状は前述の「血虚タイプ」(動悸がする②参照)と類似。違いとしては、身体の中を潤す(=冷ます)物質が不足することにより弱い熱が生じる、身体がほてる、寝汗をかくなどがみられる。

③精神面から生じる動悸「驚き・恐れタイプ」

強すぎる感情の動きは身体の症状として現れます。伝統医学では過度に恐れる・過度に驚くといった精神的な動きが動悸を生じさせる原因として考えられています。

とても怖がりな人がお化け屋敷に入ることをイメージしていただいたらと思います。

お化け屋敷に入るという状況に恐れをなして、ドキドキする。

お化け屋敷に入ってお化けが大きな声ととも突如現れる。驚きドキドキする。

上記のように精神面も動悸を生じる一因とされています。

長々と解説をさせていただきましたがいかがだったでしょうか?

動悸ひとつでも様々な原因があることが分かったと思います。

皆様が自身の身体を理解する上での何かしらのヒントになれば幸いです。

もちろんこの「動悸」も鍼灸治療対象ですので、お困りの際はご相談下さいませ。

スタッフ 杉本

※新着時期を過ぎると《上記に記載のない症状》に収められています。

先日の動悸のお話の続きです。

前回動悸の主な原因としては、①心拍活動を担うエネルギーや必要な物質不足、②熱、③精神不安を挙げさせて頂きました。今回はこの3つの原因について解説させていただきたいと思います。

①エネルギー・栄養物質不足による動悸

心臓が拍動することで全身への血液供給が果たされています。この全身への血液供給をするためには、大きく考えて「①心臓を収縮するためのエネルギーがある」「②心臓内に全身へ運搬するための血液が必要量存在する」ことが必須です。

裏を返すと、心臓収縮し血液を運搬するエネルギーがないこと(これを気虚・陽虚という)・心臓内に全身へ運搬するための血液の量が不足している(これを血虚・陰虚という)ことが動悸の原因となります。更に、運搬するエネルギーがないことは二次的に血液の滞りを生じさせることとなります。(これをオ血という)。原因や身体に現れる症状については以下の通り。

〇「運搬エネルギー不足(気虚)タイプ」

心臓収縮、血液運搬を担うエネルギーが不足することで生じる動悸。

加齢や長い間病気を患うことなどが原因として挙げられる。動悸の他、身体のだるさや発汗、活動量の低下がみられる。

●「運搬エネルギー不足+冷え(陽虚)タイプ」

気虚タイプに加え、冷え症状が加わる。原因は気虚タイプに同じ。違いとしては身体を温めるエネルギーが不足するために手足の冷えや顔色が青白いといった症状がみられる。

◎「運搬エネルギー不足+停滞(オ血)タイプ」

運搬エネルギー不足の結果、血管内に存在する血液の供給スピードが低下し、滞りが生じてしまう。

また身体を温めるエネルギーが不足することで、冷えによる滞りも生じる(冷えることで液体が固体になるイメージ)。刺すような痛みが生じ、特に肘内側に痛みがあらわれることが特徴。

●「栄養物質不足タイプ(血虚)タイプ)」

運搬するための栄養物質が不足しているため、心臓が全身への供給を行うために必死に活動するイメージ。慢性病、産後・外傷に伴う出血過多、思い悩みすぎることで生じる。

栄養不足のため、顔色が青白い・眩暈・眠れないなどの症状がみられる。

続けて②・③も解説を…と思っているのですが、少しでも見やすくしたいため文を分けて掲載したいと思います。よろしければ次回「熱」・「精神面」由来の動悸についての解説を行いますので是非ご覧いただければと思っております。後ほどアップ致しますので続きは「動悸がする③」へどうぞ!

スタッフ 杉本

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最近、患者様の主な症状や気になっている症状として「動悸」が多くみられる。

「動悸」は心臓のドキドキという拍動を自覚することを指すが、伝統医学の中では「心悸」といわれている。

ただ主に身体的な症状を指す「動悸」に対し心悸」は不安感を感じるといった精神面での症状も記載されている。

心悸の観点から話させてもらうと、胸の拍動については身体的⇔精神的と相互に作用していることが考えられる。

胸がドキドキする現状から、「私の身体は大丈夫かしら…」と不安感を感じる。(身体→精神)

また面接を前にして、「噛んでしまったらどうしよう・・」と不安を感じ胸がドキドキする(精神→身体) といったシーンは誰もが経験したことはあるのではないか。

また胸の拍動を担う心(しん)は「こころ」と読めるように東洋医学では心は精神活動を統括するとされている。このことから心悸は精神的な面とも密接に関与されていることが分かる。

精神面以外にも主な原因としては、エネルギー不足(少ないエネルギーを全身に供給させるために活動が活発になる)、熱(活動亢進)も考えられています。

上記3つの動悸の原因についての解説は、長くなってしまったため「動悸がする②」に掲載いたします。

本日はこれにて失礼いたします。

スタッフ 杉本

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お疲れ様です。杉本です。

本日、口内炎が生じた患者様がお見えになりました。

その名の通り、口内炎は「口内に炎症がある状態」になります。

炎症は「熱」を指します。

今回のケースは身体を潤す・冷ます成分が不足し相対的な熱が生まれる。下記②「陰虚火旺」に該当)そこに気候の暑さ(熱)が加わることで生じた口内炎でした。

口内炎は中医学では「口中生ソウ」と言います。

生じる原因としてはその他どのような理由が考えられるのでしょうか?

①脾胃積熱(ひいせきねつ)

暴飲暴食を通じて胃腸に余分な熱を生じさせるが原因。口、唇、舌、歯茎にも口内炎ができ周囲は赤くはれる。ひどい場合は頬が腫れることも。特徴として口が乾き冷たい飲み物を欲することが多い。

②陰虚火旺(いんきょかおう)

大きな疲労や発汗過多、発熱により身体を潤す、冷ます成分が失われ相対的な熱が生じた状態。口内炎が反復して生じるが、赤くはれることは少ない。口が乾く、手足のほてり、眠れないなどが特徴。

今回来院された患者様のケース。

③中気不足(ちゅうきふそく)

働き過ぎや長い間病気にかかることで胃腸に元気がなくなったことで生じる。疲れることで口内炎が発症する。反復的に口内炎が生じることが特徴。

以上代表的な原因を挙げさせていただきました。

その他の内臓由来(五臓六腑)・気候由来で考えられる熱症状を加味して治療に当たってまいります。

出来るとつらい口内炎も鍼灸治療の適応疾患ですので、お悩みの方はぜひご相談下さい。

スタッフ 杉本

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こんにちは!研修生の大久保です。だんだんと暑さも緩み、朝夕は過ごしやすい日が出てきましたね。夏も好きですが私はこの季節に窓を開けて虫の声を聞きながら寝るのも好きです。

さて、今日はそんな睡眠についてお話ししようと思います。睡眠と言っても日中にどうしてもとれない眠気です。東洋でも西洋医学でもそんな眠気を嗜眠(しみん)と呼びますが、西洋医学では意識障害の一つに入ります。

東洋医学ではもう少し軽い状態と捉えて頂いたほうが良いかなと思います。それでは四つのタイプをご紹介致します。

1【湿困脾陽タイプ】

 読んで字のごとく!湿の性質を持つ邪が脾(消化や運化に携わる臓腑)を傷つけ、

 体内で行われている気の交換が障害され、淀んだ気が上半身で停滞し眠気が取れなくなります。

 長時間雨に打たれたり、暴飲暴食、冷たいものを過剰に摂取する事で起きます。

 また、思い悩む事で脾を傷つけてしまう事も原因となります。

2【心脾両虚タイプ】

 心と脾は互いに助け合う関係にあります。長期間の悩み事や心配事、出血などで心血を消耗したり、

 暴飲暴食や過労で脾を傷つけたりして関係が崩れると、精神が不安定になり眠気が取れなくなります。

 個人的にはこのタイプが西洋医学的な嗜眠に入るのかなと思います。上記に挙げたタイプでも同じ

 「脾」が入り分かりづらくなっていますが、治療の現場では脾の作用低下による症状が出ているか

 を見ながら1と2の区別をしています。

3【腎陽虚(腎精不足)タイプ】

 長期間の病気や、寒・湿の性質を持つ邪などの外邪により腎の陽気が傷つき、身体を動かす

 エネルギーが産生されず、眠い状態が続く。加齢などによる元々のパワー不足(腎精不足)も原因。

 手足の冷えや下痢、血色の悪い肌などが特徴的です。

4【血阻滞タイプ】

 頭部の外傷や恐怖体験などにより体内を流れる気や血が鬱滞し、陽気が頭部に上がらず眠気が

 取れない。出血を伴う外傷なら病院に行く方がいいと思いますが、たんこぶ程度ならぶつけた事

 すら忘れて、気が付けばその辺りから嗜眠症状が出てるという事はあるかもしれません。

いかがでしょうか。個人的には1と3のタイプが多いかなと思います。「寝具には気を使っているのに眠気が取れない」という方は一度身体の状態を見てあげると意外にも内部から不調の原因が出ているのかもしれません。


研修生 大久保昌哉

※新着時期を過ぎると《上記に記載のない症状》に収められています。

2020/9

主訴が鼻血で鍼灸治療にくる方はそう多くはない。

うちはいらっしゃるけど((´∀`*))ヶラヶラ

血オ、血熱、下陥が3大証ということになろうか。

現代医学の言葉を借りれば血栓傾向にある方、血圧が高めの方、ほてり症、血管壁の弱い方などが対象となりやすい。

※今回の方は抗リン脂質抗体症候群があり、溶血剤(バイアスピリン)を常用する。原病理は血オと捉えてよいだろう。その証左にちょっとぶつかっただけ良く出血するらしい(そこから2次病理にも展開しているのでもう少し複雑だが・・・)。

鍼灸の応用力を見事に示す症例であったように思う。

※新着時期を過ぎると《上記に記載のない症状》に収められています。

2020/7

一般論して食後は血圧は上昇することが多いといいます。

消化・吸収の作業のために血液量が増えるからです。

つまり、消化・吸収という一連の作業のためにエネルギーが必要ということです。」運転中にエンジンの回転が早まるとガソリンの消費が上がるようなものです。

しかし、逆に下がる人も少なくありません。

自律神経の関係がより前面に出るときがそれ。

●交感神経優位;興奮状態、胃腸の消化・吸収力は低下。血圧は上がる。

●副交感神経優位;リラックス状態、胃腸の消化・吸収力は亢進。血圧は下がる。

これによりす血圧は下がりやすくなります

伝統医学なら肝病理で処理することが多いケースです。

またあるドクターのブログを拝聴していたら以下のような意見がありました。

消化・吸収を促進する胃液は血液中の水分を元に作られます。食事毎の血液消費量は700ml程だそうす。そうとなれば食後は血液が減りかつ濃くなるということです。血液量が減る分方血圧は下がります。

この食後低血圧は高齢者、パーキンソン病、高血圧や糖尿病を伴う神経障害のに良く見られるそうです。食後ほどなく入浴し、お風呂場で転倒するケースに実はこの食後低血圧症の方が結構多いと思います。食後一時間内の入浴はお控えください。

これは伝統医学なら陰虚の方の特徴ともいえなくはないです。

食後40〜50分くらいに血圧を測定してもらい、この辺のデーターを集めることでより的確な鍼灸治療ができるのです。

※新着時期を過ぎると左サイドバー《上記に記載のない症状》に収められています。

2018/9 

症例《皮膚掻痒感》

掻痒感とは痒みのこと。 主訴は首の後ろの痒み。 髪が当たる部分は痒くてしょうがない。 

見た目の発疹はなし。

 触ると、上半身のみ汗ダラダラ。

背中、首、額から汗 下半身はあまり汗をかいていない様子。 

脈、舌および諸症状から三焦の湿熱と取る。 

※諸症状を書くと長くなるので割愛します。 

鳩尾+〇穴と〇穴が極めて有効です。 

症状は追いません。症状から割り出した病理を追います。 

後、皮膚疾患では湿熱でもどちらに勢いがあるかで出てくる症状が違います。 

逆にいえば、皮膚を見て、ひとことふたこと聞けば、どちらに勢いがあるかがわかるということ。 これができるようになれば本当に鍼灸は楽しい。 

病理に対してそれに抗するツボを当ててゆく。

これこそが醍醐味です。 

今日も楽しい一日でした。 ありがとうございます

2015/5

《症例・心肥大》

ここまで大きな心肥大の方も早々は来られません。

心房細動もあります。

いつ狭心症を起こしても良い渋滞でしょう。

今回は長歩きの後、還流障害を起こし(いままでもあったとおもうのですが・・・)、この疾患ならでは下肢の浮腫が見られます。

足背までむくんでいます。

なかなか治療は容易ではありませんが・・・・

おまけに、浮腫部のうっ滞性皮膚炎あるいは局限性神経炎を思わす症状が・・・

これは痛そう、ただ急速に還流を良くすると、血栓の可能性も・・・

なかなか難治な治療でした。活血化オに補気を少し加えながら、患部の清熱も少し。

熱だけは急速に取れましたが・・・これからです。

2014/11

《症例・涙目》

涙目を主訴に鍼灸院を訪れる方はそう多くはありません。

大きく、陰虚型、熱型、気虚型に大別します。

この患者さんは詳細を省きますが、

あることが続き非常に疲れ、

時々あった涙目が恒常的に起こるようになった例です。

朝だけあった涙目がほぼ一日中起るようになりました。

衛気虚と判断し治療しました。

1年前からの悪化していましたが、一度の治療で涙目の起こる頻度が半減しました。

学ぶことが多い臨床例でした。

ありがとうございました。

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