先日の動悸のお話の続きです。
前回動悸の主な原因としては、①心拍活動を担うエネルギーや必要な物質不足、②熱、③精神不安を挙げさせて頂きました。今回はこの3つの原因について解説させていただきたいと思います。
①エネルギー・栄養物質不足による動悸
心臓が拍動することで全身への血液供給が果たされています。この全身への血液供給をするためには、大きく考えて「①心臓を収縮するためのエネルギーがある」・「②心臓内に全身へ運搬するための血液が必要量存在する」ことが必須です。
裏を返すと、心臓収縮し血液を運搬するエネルギーがないこと(これを気虚・陽虚という)・心臓内に全身へ運搬するための血液の量が不足している(これを血虚・陰虚という)ことが動悸の原因となります。更に、運搬するエネルギーがないことは二次的に血液の滞りを生じさせることとなります。(これをオ血という)。原因や身体に現れる症状については以下の通り。
〇「運搬エネルギー不足(気虚)タイプ」
心臓収縮、血液運搬を担うエネルギーが不足することで生じる動悸。
加齢や長い間病気を患うことなどが原因として挙げられる。動悸の他、身体のだるさや発汗、活動量の低下がみられる。
●「運搬エネルギー不足+冷え(陽虚)タイプ」
気虚タイプに加え、冷え症状が加わる。原因は気虚タイプに同じ。違いとしては身体を温めるエネルギーが不足するために手足の冷えや顔色が青白いといった症状がみられる。
◎「運搬エネルギー不足+停滞(オ血)タイプ」
運搬エネルギー不足の結果、血管内に存在する血液の供給スピードが低下し、滞りが生じてしまう。
また身体を温めるエネルギーが不足することで、冷えによる滞りも生じる(冷えることで液体が固体になるイメージ)。刺すような痛みが生じ、特に肘内側に痛みがあらわれることが特徴。
●「栄養物質不足タイプ(血虚)タイプ)」
運搬するための栄養物質が不足しているため、心臓が全身への供給を行うために必死に活動するイメージ。慢性病、産後・外傷に伴う出血過多、思い悩みすぎることで生じる。
栄養不足のため、顔色が青白い・眩暈・眠れないなどの症状がみられる。
続けて②・③も解説を…と思っているのですが、少しでも見やすくしたいため文を分けて掲載したいと思います。よろしければ次回「熱」・「精神面」由来の動悸についての解説を行いますので是非ご覧いただければと思っております。後ほどアップ致しますので続きは「動悸がする③」へどうぞ!
スタッフ 杉本
※新着時期を過ぎると《上記に記載のない症状》に収められています。