以前、花粉症に関連して「目のかゆみ」について解説させていただいた。
「かゆみ」に付随して赤みや充血が伴う方も多く見受けられるでしょう。
目の赤くなる症状は、「結膜」という眼球の表面おおう薄い透明な粘膜の炎症によってなることが多い。「結膜」は目の表面の粘膜には、目に入ってきた異物や病原体が目の中に侵入するのを防ぐはたらきがある。 炎症を招く原因となるのは、花粉症などのアレルギー性によるものや、ウイルス性・細菌性によるものなどが挙げられている。
それでは以下、「目赤」についての東洋医学的な解説を行っていきたいと思う。
●「目赤(もくせき)」とは?
目赤とは、眼球の白い部分が赤くなる状態を指す。両目、片目のみの症状がある。
体内に生じた熱が身体上部に上り、血とともに目に集まることにより生じる。熱の度合いが強いほど赤みも鮮明となる。その他、気候や異物が入ることも目が赤くなる原因となる。
①肝胆火盛による目赤
五臓の「肝」は目に通じるとされている。ゆえに「肝」のトラブルは目症状として現れやすい。
長期間ストレスにさらされることや精神抑鬱、強い精神刺激は「肝」の機能失調を招く。
機能失調が長期間続くことで体内に熱が生じ、生じた熱が目に上炎するために目赤が生じる。
(特徴)
両目が鮮紅色となる。目の脹痛をともなう。(身体症状)
頭痛・口が苦く咽が乾く・胸肋部の張り感、痛み・尿が黄色・便秘・舌が赤いなどの熱症状
②肝腎陰虚による目赤「肝」トラブルによる目赤。目は「肝」から栄養物質・潤い物質の供給を受けている。
「肝」において栄養物質・潤い物質が不足してしまうと、五臓の「腎」よりバックアップを受ける。
「肝」「腎」双方とも不足してしまうと、潤い不足から体内に微弱な熱が生じてしまい熱が上炎し目に到達することで目の赤みが生じる。
潤い物質が不足する原因としては長期間病気を患うことや飲酒過多・過剰な性生活などが挙げられる。
(特徴)
両目が淡紅色となる・緩やかに目が淡紅色となる(身体症状)
腰膝の重だるさ・手足胸部のほてり・寝汗などの症状
③酒毒による目赤アルコールが原因で体内に熱が生じることが原因となる。消化器で生じた熱が「肝」に波及しさらに目に到達することで目赤が生じる。アルコールの常飲他、味の濃い物の過食や湿気の多い環境も原因となる。
(特徴)
両目が次第に黄赤色となる。(身体症状)
目の乾燥・痒み・体の重だるさ・頭の重だるさ・大便はベドベドしてすっきり出ないなど。
今回は内臓失調型の目赤の解説を行わせていただきました。
少し解説が長くなってしまいそうなので、続きは次回に…。
スタッフ 杉本
※新着時期を過ぎると左サイドバー《上記に記載にない症状》に収められています。