●帯状疱疹とは?
帯状疱疹とは、水痘・帯状疱疹ウイルスによって引き起こされるウイルス感染症の1種である。
(原因)
幼少期などに水痘をり患した後、神経節に潜伏した水痘帯状疱疹ウイルスがストレス・疲労・加齢などによる免疫力低下がトリガーとなり再活性化することにより生じる。ウイルスの再発生かのメカニズムは現状では不明であるとされる。また他人から感染して発症するわけではない。
神経(知覚)の走行に沿って、皮疹・違和感・痛みが出現する。その後帯状に紅色丘疹・浮腫性紅斑・紅暈を伴う小水疱が列序性に出現し、痛みや痒みがともなう。発症部位によって合併症が出現。
さらに皮疹発症後、1〜3か月を超えて残る疼痛を『帯状疱疹後神経痛』と呼ぶ。
これは、急性期の皮膚・神経の炎症が神経に強い損傷を与えたことによって生じる。皮疹治癒後にも継続する痛みであり、特に高齢者が発症するリスクが高い(約3割の方が該当)。
上述が、現代医学的な帯状疱疹の説明である。当院でも『帯状疱疹後神経痛』を主訴として通院される患者さんは多い。発症部位や出現する症状は多種多用である。
少し、東洋医学的にも考えたいと思い中医書を開いてみた。
おおまかな内容は以下の通りである。
●中医書による帯状疱疹について
『帯状疱疹』はウイルス感染によって引き起こされる急性期の皮膚疱疹病を指す。
春秋に発症することが多く、初期では皮膚の発熱や灼熱痛あるいは軽度の発熱・全身倦怠感・食欲不振を伴うことがある。
続いて皮膚が赤らみ・大小さまざまな大きさの水泡が形成される。これら水泡の集団は一か所ないし数か所に帯のような形状で配列されている。ただし皮膚は正常とされる。
軽度のものは皮膚に指すような痛みがあるが、目立つようなな水泡はない。重症のものは大きな水泡を形成する。疱疹は常に身体の一側に生じ、胸肋部・胸部に最も多くみられ、次いで顔面部が多いとされている。顔面部に発症するものは疼痛はさらに激しいものとなる。2〜3週間で水泡の状態は落ち着き(乾燥するとされる)、治癒後は瘢痕は残らないとされる。
中医書では「蛇丹」の範囲とされ、発症部位によっていろいろな表現で記載されている。
ここでの記載では「①肝胆湿熱」・「②血虚風燥」の記載がみられる。
前置きが長くなってしまったので、解説はまたの機会に・・・・。
スタッフ 杉本