脱肛についての治療に携わる機会をいただいた。
この脱肛の原因については大きく3つに分類することができる。(記事「脱肛について」参照)
今回携わった方は「中気下陥タイプ」。消化器の下垂症状が強く腸が肛門から出てしまうタイプである。今回は「中気下陥タイプ」で「脱肛」に効くツボを調べてみた。
●中気下陥タイプの脱肛に効くツボ●
ツボの効果を穴性という。ツボを使うことで「どこ」に「どのような効果」があるのかが古典上に記載されている。ここで使うべきツボは「中気(消化器)」の「気」を補い「内臓位置を持ち上げること」が大切になっていく。
「益気固脱」という穴性のツボを調べてみたところ、4つのツボを見つけることができたので紹介したい。
①合谷(ごうこく)
◎場所…手背・第2中手骨中点の橈側
◎簡単取穴ポイント:手の甲かつ親指と人差指の間の凹み・若干一指し指側で探す
◎ツボの効果…「益気固脱」・「益気昇陽」(参考『常用兪穴臨床発揮』:人民衛生出版)
②帰来(きらい)
◎場所…下腹部、臍中央の下方4寸、前正中線の外方2寸
◎簡単取穴ポイント:①おへそしたから指4本分下に降る→②さらに親指1本分下に降りる→③指3本分外に向かったところが帰来となる
◎ツボの効果…「益気固脱」(参考:『鍼灸学』・『中国灸療法』・「経絡兪穴学』)
③上リョウ(じょうりょう)
◎場所…第一後仙骨孔部
◎簡単取穴ポイント:仙骨に存在する4つの穴(左右で対象に位置)のうち1番上を探す
◎ツボの効果…「益気固脱」(参考『鍼灸学』)
④長強(ちょうきょう)
◎場所…尾骨と肛門の間
◎ツボの効果…「益気固脱」(参考『臨床経穴学』)「固脱止瀉」(参考『中国灸療法』)
いかがだったでしょうか?今回は「中気下陥タイプ」の脱肛に効くツボを4つ紹介してみました。
紹介した場所ですが、中々セルフケアが行いにくい場所かと思います。
まずは「合谷」のせんねん灸からはじめていただくのがおススメです。
「脱肛症状があるけど自分がこのタイプに該当するかわからない…」という方はぜひ一度ご相談ください。
スタッフ 杉本