2020/11
この臨床例は年に数回しかできないケースである。
知力と技術がスパークした時しかできない。
今ケースでは妊娠中期を超えるあたりから頸管が3㎝以下になる。
張り止めで何とか小康状態を保ってはいたが、33週あたりから入院レベルに相当する2.1㎝まで縮む。
ここからが技術。
陽陵泉で鼠径部に響かせる。帰来の補法を掛け中を締める。後は中間カンのお灸。
次回検診時にまでに2㎝を下回ると入院。
その間治療できる回数は2回。
結果は2.9㎝まで戻る。
一度縮んだ頸管は戻らいという説もある。
ゴムのように伸び縮みするという説もある。
いづれせよ、強くはないだろうからいつ入院でもおかしくはないが・・・
3,4mm戻ったケースは何例もあるが、正直ここまでの回復は予想外。
本当に良かった。
こういう疾患を一介の鍼灸師に任せてくれた患者さんに感謝する。
本当に決めたいときの治療は、その病理により変わるが、だいたいはシンプルになる傾向がある。

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