AMH
今年になってAMH検査を受ける方が非常に増えてきました。
AMHは抗ミューラー管ホルモン検査のことです。
卵胞の前段階である原始卵胞から分泌されるホルモンの数値を測ります。
この数字が正常値内なら、まだまだ卵胞に育つべき原始卵胞が十分にあることを表します。
低いと原始卵胞が少なくなってきていることを示します。
逆に高すぎると多嚢胞性卵胞を疑います。
そこで排卵できる期間を推定できる指標になるわけです。
AMHが低いと排卵できる期間が短いですよ。つまり閉経までの時間がありませんよ、という解釈が成り立ちます。そこでAMHで子宮年齢を測るという言い方になるわけです。
伝統医学では腎精の盛衰と、このAMHの数字は相関します。
腎精が衰え、衝任脈が通じなくなれなば、天癸という物質がなくなり、閉経を迎えます。
AMHが低いことは腎精が弱いことを表します。
そこで腎精を補う治療を優先します。
そこに補気補血加味します。
ただ、卵胞の数は変わりません。その人のもつ成人期までの腎精の基礎的な力で数は決まっていますから変わりません。腎精を補うのは、そのひとつひとつの質を上げるわけです。
AMHは原始卵胞の数の総和を表しますが、ひとつひとつの質の問題を論じているわけではないのです。妊娠はひとつの元気な卵胞があれば可能なわけです。
この数字の低さで落ちこんでしまうことで起こる精神状態の悪さのほうがよっぽど問題が大きいでしょう。
ここで感じて頂きたいことは、内膜の厚さもそうですが、量と質の両面から判断しなければなりません。
量は数字化しやすく、質は数字化しにくいので、総じて量の話しに向いがちになります。本来質量揃ってこそ子宮年齢もいえるのです。
AMHが低くても落ち込む必要はありません