2021/1
前回子宮を定位とするツボが18穴あるとお話ししました(子宮に関わるツボ①参照)。
その効能は大きく「子宮を温める」「子宮の気を流す」「子宮の気を固める」「子宮の熱を下げる」「子宮の気の不足を補う」の5つに分けられます。
これだと治療学上どうしても足りないものが出てきます。何でしょう
「子宮の血を補う・増やす」
「子宮の血を散らす・促す」の2つです。
前者は子宮の血が少ない時に使います。具体的に経量が少ない、生理が3日で終わるなどの方。相応に子宮内膜が薄いと考えて良いでしょう。
後者は子宮の血流が悪いということ。具体的には塊の血が出てくる、茶オリの期間が長いなどです。これなど子宮内膜が固い証左になります。《子宮に関わるツボ①》で示した通り崑崙穴を補助的に使うことは可能ですが、少し効果が弱いですね。
どうしてこういうことが起こるのでしょうか?
子宮の気はいわば子宮の運動エネルギーです。これに引き換え子宮の血、とくに子宮内部の血は卵子から胎児までの一連の過程の栄養素なのです。ここには受精卵の着床部位となる子宮内膜への栄養も含まれます。そして大事なことはこれら栄養の塊である血は、子宮の外部から子宮内部に流入する構造のなっているということです。
大事なのは脾・肝・腎
そこで血の根源である食物や水分から水穀の精微を吸収する脾、血のストック及び運搬を担当する肝、血が血らしく活動するためのエッセンスを供給する腎の精を調整しなければならないわけですね。
血を作り、運び、磨くのは脾・肝・腎精なのです。
古来より三陰交というツボが不妊治療によく使われるのはここに隠し味があるわけです。
3つの陰の経絡が交わるので三陰交です。
脾に属する太陰脾経、肝に属する厥陰肝経、腎に属する少陰腎経の3つで三陰交です。
よって不妊治療ではこの血の質・量を意識したアプローチが必須となるわけです。
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