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2020/6

胞宮とは東洋医学の名称で子宮及び卵巣を指す。オ血ともいう。

この胞宮が血オである状態が胞宮血オ(そのまんま)という。

この状態はとても妊娠しにくい。

概念上は血オは血流障害、粘着度の高い血、鮮度の低い血などの総称である。

4つの視点でこれを判別する。

①月経の状態。ひとつ例を挙げると血塊と呼ばれる粒状、レバー状の血の出る。それが出ている間は強い痛みがある。

②診断名。不妊鍼灸の場合。不妊外来と併用なさる方が多数を占める。よって病院で何かしらの診断がなされているケースも少なくない。たとえば腺筋症、筋腫、卵巣嚢腫、癒着、不育症などなど。

③お腹を触ると硬結か圧痛がある。とくに下腹部にその傾向があらわれやすい。

④舌診。とくに舌下動脈が太く、紫色を呈す。

脈にもあらわれることもありますが、かなり高度な診断なので割愛します。

この状態の方がこの10年くらいで凄く増える。

血オは2次病理なのでその原因となり1次病理が存在する。

これはまた追々書こうと思う。

※新着時期を過ぎると左サイドバー《不妊症》に収められています。

2020/6

不妊外来へ通われている患者さんには他の疾患にない大きな特徴があることに気づく。

もちろん東洋医学の視点からであるが、それは「大なり小なりの肝気鬱がある」ということ。

この不妊外来肝気鬱と呼ぶべき病理は、この治療のゴールというか着地点が見えないことに起因することが多い。

ゴールが3か月後か或いはもっと先の5年後か実のところ誰にもわからない。

たとえば骨折なら1か月後に骨がつくと予想できるが不妊治療ではこの予想が極めて立てにくい。

これは大きな不安を呼ぶ込む下地となる。

精神不安は血を消耗する。

血が消耗すると、ますます不安や恐れが強くなる(東洋医学では血は精神・感情のの栄養と考えているため)。

もう一つはこの治療は結論としては妊娠したか、しなかったかのどちらかしかない。

本来ならそうではないが・・・

事実、今回は妊娠しなかったけど内膜が10ミリ超えたから妊娠の可能性がより高くなったという思考する方は少ない(妥協する方はおられるが、それをもってステップアップと捉える方は少ない)。

そのため一回一回の判定日の緊張度は半端ない。

これが他の治療にないストレスとなり、肝の疏泄が失調し肝気鬱なる。

ほかにも周りからの重圧、金銭的不安、仕事との兼ね合いなどがこれに拍車をかける。

この治療で受ける反復ストレスがほかのストレスをも受けやすい気質に変化する感じといえばわかりやすいだろうか。

先が見えない不安と毎回毎回の緊張により恒常的な肝気鬱が作られる。

これが全身の気の巡りに影響し、とくに下垂体系のホルモン(FSH,LHなど)の異常に繋がることも良くある。

また肝気鬱とは肝気が停滞して十分な気を流すことができない状態という意味であるから、この気が最も必要な排卵、受精、着床の過程でのトラブルも引き起こす。

不妊の鍼灸治療では年齢的問題からくる腎精の盛衰、筋腫や内膜症或いは癒着などで起こりやすい血オがの有無などが重要視されるが、肝の疏泄を十分に確保すること(肝気鬱を改善すること)も大事な治療になる。

※新着時期を過ぎると左サイドバー《不妊症》に収められています。

2013/5

《症例・男性不妊》

不妊症の原因の男女比率は実際には同じくらいだといいます。

しかし、現実に不妊治療に通うのはほとんどが女性です。

男性の場合、簡易テストで精子運動率や直進率を測るの一般的であり、精密なデーターを取ることはまれのように思います。

ひとつに運動率を上げるお薬がないことが挙げられるでしょう。

データーを取っても、その後の治療の手がないと、データーを取る意味が薄いということです。

また、運動率が低くても人工や体外などの治療ならば、質の良いものを選び出せばこと足りるということもあります。

41歳、お料理関係のお仕事、男性(もちろんですが・・・)

主訴:自然妊娠をご希望

治療開始時の精子運動率11%

一般論では運動率は腎の趨勢および肝の疏泄が大いに関わります。

それに食生活ですね。

最近は人工的化学物質やパソコンをする時間の長さが性欲や運動率と関わるというデーターも出てきています。

この患者さんのケースでは食生活、腎精不足が絡んでいました。

食生活の指示も良く守って頂き、低炭素の食事に変えて頂きました。

その結果、ヘモグロビンA1c7の前半から5の後半まで落ちました。

しかし、3か月後の運動率は7%に落ちています。

腎精不足が相当に強いので、当然の結果ではありますが・・・

ただ、この患者さんはありがたいことにもう少し細かな検査を受けてくれています。

それを見ると良好精子率は格段に挙がっていました。

●解釈としては全体の精子数は落ちていましたが、レベルの高い精子は増えたと考えられます。

これだと自然妊娠は難しい(ごめんなさい)ですが、人工だと確率が高くなると考えて良いと思います。

全体数を維持するために性行為を大事にしながら(性行為のあるほうが運動率は落ちません)、人工に挑戦されるという方向は見えてきました。

※新着記事を過ぎてもと左サイドバー《不妊症の症例と雑記》の収められています

2012/5

この患者さんは6回目の胚移植(ET)の3週間ほど前にお見えになる。

ZIFTかIVF-ETかの確認を取らなかったが、過去2回の胚移植は2個同時戻しだという。

弁証すると腎陽虚からの水湿過多、世間でいう『冷え症は不妊になる』の典型例。

当院で不妊全体の1割にも満たない例である。

通常は冷えが治れば妊娠するほど簡単な例は少ない。

個人的見解では、このタイプの方は着床期内膜(最も妊娠しやすい排卵後7日前後の内膜)の時期が後ろにずれるか、低いレベルで安定する。

また、エストロゲン、プロゲステロンを入れても、元の腎陽が不足のため、なかなか内膜の厚さや柔軟さに反映しない。

今回、初めて内膜が10ミリを超え、妊娠反応も出る。

ただ、後数日経たないとたい胎嚢の確認はできない。

私としては後は祈るだけ。

※新着時期を過ぎるても左サイドバー《不妊症の症例と雑記》に収められています。    

2020/5

《症例・不妊症》

30代半ばの女子。

D3のFSHが上がり続けて29を超える。

E2の減少もあるなら補腎益精が基本。

FSHの上昇のみなら肝の疏泄失調を加味。

時に血オで新血ができないことも ...

詳細は省くが、このケースでは腎精消耗より、血の生成不足が著しい。

原因は心労。

精神不安はとにかく心血を不足しやくする。

睡眠不足も顕著で、肝の血不足しがちで気虚もあらわれてくる・・・

血不足が長期化する腎精が滋養できずに良質の生殖の精が作られない。

こういう状態では、ホルモン剤を投与しても、効きが悪いというか、感受性が下がってくる。

不妊治療中なら、ピルでリセットを繰り返すことに、

こういうケース幾度も見てきた。

最悪にシナリオなら早発閉経に

脾胃を立て直し、気血を増やすという手もなくはない。

配穴は急性なら配当する腹部に集約、慢性なら全身に拡散。

ちょっと奇策だが、首肩辺りを鍼でほぐし、睡眠レベルを上げるという手もある。

何とかFSH上昇を食い止め下げに転じた、27ちょっとだが・・・・。

もう少し下がったらE2を上げる方向に舵を切る。

後はニコッとする。

2020/5

新コロナウィルスの脅威の中、来月までは当院では患者さんの減らして継続となっております。

通常時の7割減は厳しいのですが、もっと厳しい業種の方もおられ、泣きごとは申しません

こんな状況で4月、5月で3名の方が妊娠まで辿りつくことができました。

うちお二人が40を超えても諦めずに頑張ってくれていたので嬉しかったですね。

とくにお一人は2年以上継続しており、採卵のできない状態からの出発だったので本当に良かったです。

不妊治療の絶対数が減少している中ではかなりの確率ですが、これはもうおひとりおひとりの問題なので確率は何の意味も持ちません。

今後も東洋医学の立場から丁寧かつ的確な治療に心掛けたいと思っています。

2020/5

◇症例◇

奥様が不妊外来に通い始めた友人のK君。

ついでに自分の精子の運動率を測ってみることになりました。

何と30数%しかありません。通常50%以上ないと、自然妊娠が難しいとされています。

「不妊はオレの問題???」  こんな例、つまり男性の側に問題があることも少なくありません。自分の責任を自覚したK君は運動率アップ作戦を敢行します。 その内容は………  1.海馬補腎丸を毎日3回飲む。

 2.太谿に日に数回お灸を据える 、のふたつです。

漢方の立場では、精子の運動率は腎精と肝の疏泄が絡みます。 ストレス、緊張、焦りなどの心理状態があれば、肝の全身の気を促す働きを停滞させます。 これを専門家は肝の疏泄失調と呼びます。運動率は著しく落ちますね。 また、腎精が転化し精子を作り出します。そこで腎精不足は、精子減少症や活きの悪い精子が増え、結果運動率の低下となって現れます。
話を戻しましょう。海馬補腎丸を飲んだり、太谿に灸を据えること腎精にアプローチする行為なのです。ちなみに太谿は脚の内踝とアキレス腱の間の拍動部に取ります。 1ヶ月後……
運動率は70%近くになりましたとさ めでたしめでたし。

不妊症は夫婦二人の問題です。

男性も怖がらず婦人科の門を叩いて下さい。 問題がなくとも女性を温かく見守ってあげて下さい。 

愛する人の精神的なフォローを怠らないでください。 お願いします。

2020/5

一般に鍼灸院では比較的、痛みを主訴に来院する方が多いようと思います。

90%以上が痛みの方という所も少なくありません。

うちは少ないほうですが、それでも半分の方が痛みを主訴とします。

そこで痛みのレベルが落ちていくことで通院のモチベーションに繋がります。

しかし不妊治療に関しては話しが違います。

もちろん筋腫や内膜症で生理痛が強い方もおられますが、ほかの主訴と比べて自覚的な痛み指標が少ない気がします。

その代わりではないでしょうが、精神的なことや仕事上などで、色々なプレッシャーを抱えながら生活しています方の割合が高いように思います。

不妊治療が長く続くと不安、イライラや悶々いったネガティブな感情で日常生活が楽しくなくなってきてしまいます。

一番問題なのは視野が狭くなってきてしまいます。

伝統医学では、そういう状態が続くと気血の消耗や気血の停滞を呼び込みやすくなり、さらに不妊レベルを上げるといったジレンマに陥ります

精神、肉体的な緩和のために、《ご自身の心が踊ること》をしてあげてください。

現実的に難しいかもしれませんができる範囲で探してみてください。

JRさんなら《そうだ、京都に行こう》でしょうか、残念ながら不要不急ですが

好きだったことを思い出しましょう。

今の視点から解放してあげてください。

2020/4

チョコレート嚢胞は卵巣に残留血などの不要な液体の入ったブヨブヨとした袋が出来ること。内膜症のひとつです。軽度であれば妊娠に問題はありません。時間、大きさなどの諸因子により、炎症、癒着、硬化の三要素が妊娠を阻害します。

炎症で問題点はふたつ。ひとつは卵子を採卵できないこと。もうひとつは常時炎症状態が続くとマクロファージが精子をやっつけてしまうことです。

癒着では卵管の癒着から卵子の通過障害という流れが問題です。

硬化は卵巣表面の膜が硬くなり、排卵に至らない。つまり卵胞が卵巣の表層の膜を突き破れないことがあります。

一般に定量ピルで疑似閉経状態を作るか、オペをするかの選択があります。しかし子宮活動期(閉経まで)増殖を繰り返す性質がありますので、一定期間が経つと再発します。

鍼灸の場合、骨盤内の血流を促し、進行を止めることは可能です。

オペ後の状態を維持することも選択肢としてあります。抗炎症、抗硬化の働きもあります。強度の癒着には一端オペなどで体を戻した後で、十分な気血を補うという方法が良いと思います。

個人的には中医弁証の則り、子宮力を高めるようにしながら、スポットを炎症か癒着か硬化かに当て治療します。さらに妊娠率を高めるように精進します。

2020/4

最近に不妊症の患者さんを診ていると、一つの特徴にたどり着きます。

それは血オの方が増えているということ。

伝統医学で胞宮血オと判定するときには経血色・質、茶オリの程度、生理痛の程度、

あるいは腺筋症、卵巣嚢腫などの病歴、

あるいはBBT曲線などから総合判断します。

これに加え不育症で着床後の血栓などもこの範疇です。

血には活血化オという治療が必要です。

活血化の治療は不妊治療では禁忌として扱われることが多いのが現状です。

しかし、これをしないと実に妊娠率を上げるとことは適いません。

この矛盾をどうするか?

※オという字を漢字で書くと文字化けしてしまいますのカタカナのオで統一します。

解決策はココ↓↓↓

血は2次病理であるということ。

血の原因となる1次病理をしっかりと見極めることで解決します。

腎虚血オ、湿熱血オ、血虚血オ、肝鬱血オなどが代表的です。

1次病理を叩きながら、2次病理である血に対応することでこの問題は解決するのです。

不妊治療で毎日基礎体温表を眺めていると、本当に基礎体温の低い方が多いのには驚きます。 

以下はネットケアーからの引用です。

5月25日〜27日大阪で開催された日本抗加齢医学会で発表された。産科婦人科舘出張 佐藤病院院長の佐藤雄一氏、順天堂大学医学部小児科学講座らの共同研究グループが民間の3万2000人のビッグデータを分析して明らかにした』※平均基礎体温を0.5℃刻みで見ると

35.0℃未満0.1%

35.0℃以上35.5℃未満1.9%

35.5℃以上36.0℃未満36.8%

36.0℃以上36.5℃未満60.2%

36.5℃以上37.0℃未満0.9%

37℃以上0.1%

平均基礎体温が36℃に満たない女性が38.8%にも上った、ということです。

『低温期の基礎体温を、過去(1972年)の報告と条件を整えて比較したところ、0.32度低くなっていた。』

これって相当にすごいことというか深刻なことだと思います。

僕が診た患者さんの中で最も低かった方は35.2度でした。真っ先に甲状腺機能低下症を疑いました

続きます。『その特徴を調べたところ、低値群で、タンパク質摂取量、運動実施率が有意に低く、朝食欠食率、月経異常の割合は有意に高かった。』 (2018年6月1日)とあります。


低タンパクで運動不足は予定調和的結論でその通りでしょう。

僕の臨床体験も加味すると、筋量がそんなに多くないなら、気温が少し低いだけでも「寒い!寒い 」を連発する方がなんと多いことか(笑)

こんなケースは伝統医学では腎陽の不足として治療することが多いでしょう。もちろん「低体温=腎陽不足」というほど短絡的ではありません、肝血虚の方もこの傾向を持ちますから、しっかりと分析する必要があります。
不妊で問題になる低体温は、上述の陽気不足なら、子宮の活動力も確実に低下していると考えて良いでしょう。ここから病理連鎖で不妊症まで展開というケースも少なくありません。36.3℃は欲しいですね。
不妊症の場合、通常の腎陽を補う治療にある療法を加えます。なかなか面白い結果が出ています。
腹巻をすることで逆効果の方をたくさん見てきましたので、もう一度繰り返します。
低体温にも色々な原因があります。仮に陽気不足にしても温めるレベルのみの低下か、活動能力レベルまで低下するかで、その後の2次病理への展開が全く異なります。

不妊歴が10年以上に及ぶ方、E2が極端に低い方、卵巣嚢腫をもつ方あるいは年齢的なリスクを抱える方など、比較的妊娠レベルが低いと予想できるケースでは邱紅梅先生とカンファレンスをいたします。 

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邱先生は北京中医薬大学出身で北京で婦人医としてご活躍されていました。婦人科医として専門知識、とくに不妊症の症例に関しては豊富な経験をお持ちです。邱先生については「漢方養生法」「漢方的183のアイディア」(ともにオレンジページ)、「わかる中医学入門」(燎原出版)、生理で診断体質改善法(家の光協会)などに、その考え方が示されています。

2020/01/20

◇症例◇
今、巨大筋腫の方を数名見ている。
そのうちお一人は、出血量が多いことや痛みが強いこともさることながら、生理が始まると全く食べられなくなる。毎回2Kg前後体重が落ちる。
気持ち悪さでとにかく食べられない。
僕も診ている間に、4Kgほど落ちたことがある。湿熱が溜まりやすい時期と仕事でのハードワークがたたったのであろう。
鍼灸治療はもともと生理前だけで、忙しいご本人の都合を優先させていたわけだが、この治療間隔では埒があかないと思い、週一度来てもらうことにする。
なかなか仕事の都合で難しいのだが… 最近は少し筋腫も小さくなる。何より生理中から始まる食欲不振がかなり減少。


これはご本人にとって何より嬉しいことらしい。 役に立って良かった。 

2019/4

◇症例◇

この間、不思議なBBT(基礎体温表)を見ました。

低温期が+−0、2℃ぐらいは良くあるのですが、このケースでは+−0、4℃あります。

体温を計る時間も一定しておられます。

高温期になったという意味ではありません。

排卵前の話しです。

伝統医学的には腎虚が多いといってしまえばそれまでですが、

何か腑に落ちません。

低温期の乱高下は、睡眠状態の乱れと関連する、という経験則がありましたから、その辺を尋ねます。

とにかく睡眠が浅く、よく起きられるようです(途中覚醒が多い)。

2度寝、3度寝、4度寝・・・・・

体温を計る時間は一定でも・・・

眠って1時間後だったり、3時間後だったり、5時間後だったりするわけです。

日によっては起きて2時間後のときもあるでしょう。

この睡眠の不安定さは伝統医学でいう心の病症が多いのですが、

この辺も治療対象となりますね。

H31,4/16

お疲れ様です。金澤です。

不妊治療と鍼灸を組み合わせている方は割合的に多いと思います。特に最近は体外受精をされている方が多い印象です。卵巣機能の状態で採卵できるか変わってくると思います。東洋医学では概ね益精、活血もしくは疏肝を組み合わせて卵巣状態の機能を上げるように工夫しています。また鍼灸で心身を整えることによって誘発剤の感受性を高めてくれる可能性もあります。

ただ時間の問題や不安、他人との比較などの感情揺さぶりは常にあるものです。この感情の揺さぶりが身体に影響することもあります。感情をなくせ!とは言いません、というより言えません。人造人間ではないのですから…

心身一如、心と身体は一つ。東洋医学の考え方です。

視点を変えることも大切なことになります。以前に比べて生理の状態が良くなった、ストレスを溜め込まなくなった、採卵が1個から2個になったなど、ご自身の今と昔のプラス変化を見てあげることも大切なことかなと私は思います。

余計なお世話!って思われてしまうかもしれませんね

それでもお手伝いしたいから書いてみましたm(_ _)mごめんなさい!

〜院長より〜

不妊症鍼灸の方々の9割以上は不妊外来との併用です。

金澤先生の言どおり益精、活血そして疏肝と補腎が妊娠への鍵となります。

とくに卵巣機能を上げたいなら益精から補気養血が重要です。

まずD3でE2を30くらいまでもっていきたいですね。

2019/1

◇症例◇

筋腫が10㎝を優に超える患者さん。

腹診でも触知できます。

本来ならオペの領域ですが、年齢が50歳を超えているので、閉経までは持たせたい(この状態を維持する)ということで治療を受けることにしました。

筋腫は腹部鍼が良く効きます。

腹診で患部硬結の対側や臍部に表れる第2硬結を潰してゆきます。

5分ほどで患部硬結がなくなりました。

ここまでは鍼を刺していません。

鍼管という筒を当て、上からトン・トン・トトンと叩いているだけです。

後は中医弁証に従い活血化オ。

翌日、生理終了4日目に関わらず、まるで生理が再開したような出血が始まります。

筋腫の治療でこのようなことはむしろ良い兆候。

次回の病院での検査ではかなり縮小した数値が期待できるでしょう。

2018/11

子宮内膜症は不妊症の原因疾患のひとつです。異常内膜組織がどこにあるかでちょっとずつ症状に違いが出ますね。腹膜、卵巣、ダグラス窩に大きく分けます。

腹膜型は生理痛がチクチク針で刺されたかのような感じになります。

卵巣型はいわゆるチョコレート嚢腫ですが、かなり激しい痛みです。絞られるような感じという方が多いようです。サイトカイン(炎症物質)が多くなりますので風邪を引いたように悪寒や関節痛をあらわすこともあります。

ダグラス窩型は肛門痛が特徴です。肛門の奥のかなり痛みがあります。

まず、確定診断が必要です。

治療は一時生理を止めて内膜様物質を縮小させます。

昔はリュ―プリンで元から生理を止めましたが、副作用が強く、更年期様症状があらわれる方もいます。これで自律神経失調症になり治療した経験も何度かあります。

最近は低量ピルで生理をコントロールするのが主流です。

必要以上に怖がらず、まず診断することが肝要です。

問題はここからです。

縮小した状態をどう維持するかです。

腹腔鏡でオペも選択肢です。

しかし、その前に骨盤内の循環を促す運動などで維持管理に努めてみるのはどうでしょうか?

現代は自然に逆らう生活が主ですね。

OLさんならずっと座っています。

スパー勤務なら寒すぎです。

もっと動いて動いて・・・言いたいのです。

2018/08 

今日の新患さん。 主訴は第ニ子不妊。 年齢(48歳)、言葉尻から最後のチャレンジをしたいという意向がうかがえる。 

詳細は省略するがかなり重度の子宮内血オ。

E2の数値や脈診から腎精不足。 活血化オを第一義治療とし、益精を絡ませるという戦略で良いだろう。 

ただし、左心経を触れると冷たい。 動悸の有無を尋ねるとよくあるとのこと。 甲状腺機能低下でチラージンを飲まれていた、という話もあり、冷え症を予想する。 

これが予想外に根っからの暑がり。 冷たいものもガブガブいける口。

機能低下的でありながら、実熱症状を出す。 ならば証はふたつほどに絞られる。 こういうケースは時折ある。 大きな治療方針である活血化オ、益精にあるツボを加味して行く。

ちょっと思考を変えて、伝統医学の世界観から恒常性について考えて見ます。

恒常性の維持とは同じ状態を毎日保てる働き・仕組みを指します。

外部環境が刻一刻と変化しても、体の中は一定です。細部を見渡すとエントロピーの法則に従いたくさんの細胞が死滅するわけですが、すぐに再生して元の状態に戻ります。

厳密には全く同じということは有り得ませんので、見かけ上はあまり変わらない状態に戻るというのが正しい認識になります。

例えば前回の月経に比べ、ちょとだけ痛みが強いとか量が多いとかでは悩まないでください。誤差を認めないと非常にストレスがたまり、不妊の誘因になりかねません。

○毎日全く同じということは有り得ない。同じ程度の状態が真実で誤差を認めましょう。

本題に入ります。恒常性維持には精、気血、衛気の3要素が深く関与します。「気血のめぐりが悪ければ病気になります」。何となく納得してしまう言葉ですね。最近は女性誌にも登場するフレーズです。

12本+2本の経脈(けいみゃく)が体を巡り、そこから絡脈(らくみゃく)という枝を出します。これが体内最大のネットワークシステムであり、ここを流れる2大栄養素が気と血なのです。このネットワークの中には中継地点があります。これが経穴(けいけつ)、いわゆるツボです。

気血の原材料は口から入るもの、つまり食べ物、水、空気などです。自選的システムで必要量に応じて配分されています。夜寝ている間に、余力の気血が肝に溜められ、その一部が子宮に流れ込みます。睡眠不足、ストレスで肝の働きを停滞させると子宮に流れ込む気血が増減します。これが排卵までの日数の差としてあらわれます。

では気血の質はどのように保たれるのでしょうか?

そこで精の役割が出てきます。腎を根源とする精は気血とともに経脈、絡脈を流れます。精は気に血に転化する物質です。精の足りない人は、量的に気血が足りていても、ときに気血両虚の症状を起こしたりします。概ね腎の弱い人です。月経の日数や量は平均的ですが、ホルモン剤を使っても、なかなか内膜が10mmを超えない人などが相当します。

これだけで恒常性が維持されるほど世の中は甘くありません。ときに外部環境の変化が激しくかつ急であったり、内部に尋常なならざる邪が存在することもあります。新種のウィルスや現在の放射能による影響などがこの類です。迷惑千万ですが・・・このとき大活躍するのがフワフワの気である衛気です。主に体表、粘膜、臓腑の表層部に存在し、初期対応を主な役目とします。衛気が弱いと膣に感染症を起こしたり、膀胱炎を起こしたりします。長いめで見ると子宮漿膜層の筋腫などを起こす要因にもなりかねません。 

衛気の強化には適度な発汗や筋肉の収縮が欠かせません。  

(要約) 気血の材料は口からはいるもの。気血は経脈・絡脈を通り全体を栄養する。気血の質は精により変化することも。急な内外の変化には衛気が対応する。 

うひとつ大事な視点があります。

これらはすべて心の持ちようで変化します。

ウキウキ感が全身を覆っているような心持のときに最大限の働きをします。病は気から、気の持ちようとはこのようなことを指すのでしょう。笑うと免疫力が上がるという報告もあるくらいです。

○気持ちを穏やかにする工夫。

○腎ー精のラインの強化。

○口から入る空気、水、食事を気をつけながら適量の気血を維持する。

○適度の運動で衛気の力を維持する。

の4要素が重要になります。

21018/4

今年に入り3月末の時点で12名の妊娠が確認されました。

40代の方も3名おり、35歳より上の方々は11名です。

昨年から40代の方々の妊娠〜出産に関わる中で意を強くしたことがこの「実年齢と子宮年齢は違う」ということです。

患者さんの8割方の人は体外受精の段階で、タイミング療法から数えると3〜7年くらい経過しています。

その間、誘発剤類、リセットに用いるピル類、あるいは混合ホルモン系、刺激ホルモン系などの投与が常時あり、 子宮自体に過剰負担がかかっています。

素問の挙痛論だったと思いますが(違ったらごめんなさい)、『労すれば気消耗す』という下りがあります。

労は労働ではなく、真面目、一生懸命などという解釈です。

つまり一生懸命も過ぎれば気が減りますよ、という意味。

一生懸命不妊外来へ通い、一生懸命子宮に刺激を与え、心ならずも子宮を一時的に過労状態にさせていると思われるケースもあります。


数字的にはGOサインなのに、何といいますか、子宮の生命力のようなものが足りず妊娠に至らないケースがあると感じます。

さらに長期化の中でストレス、恐れ、不安などの心理が増大して、投薬の効果すら弱まってきます。

生命を根付かせ、、育くむ器官の持つ奧(心底)にある力のようなものを引き上げることが肝要なように感じます。


実年齢に焦りを感じる気持ちは重重理解します。


しかし、子宮の年齢も大事であるという認識に立ち返ることも必要です。

妊娠を意識しなかったときの楽しさを思い出してみませんか?

まずは、子宮の側から一旦考えてみてはいかがでしょうか?

子宮を過労から守るという視点は是非に考えるべきでしょう。

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