ちょっと思考を変えて、伝統医学の世界観から恒常性について考えて見ます。
恒常性の維持とは同じ状態を毎日保てる働き・仕組みを指します。
外部環境が刻一刻と変化しても、体の中は一定です。細部を見渡すとエントロピーの法則に従いたくさんの細胞が死滅するわけですが、すぐに再生して元の状態に戻ります。
厳密には全く同じということは有り得ませんので、見かけ上はあまり変わらない状態に戻るというのが正しい認識になります。
例えば前回の月経に比べ、ちょとだけ痛みが強いとか量が多いとかでは悩まないでください。誤差を認めないと非常にストレスがたまり、不妊の誘因になりかねません。
○毎日全く同じということは有り得ない。同じ程度の状態が真実で誤差を認めましょう。
本題に入ります。恒常性維持には精、気血、衛気の3要素が深く関与します。「気血のめぐりが悪ければ病気になります」。何となく納得してしまう言葉ですね。最近は女性誌にも登場するフレーズです。
12本+2本の経脈(けいみゃく)が体を巡り、そこから絡脈(らくみゃく)という枝を出します。これが体内最大のネットワークシステムであり、ここを流れる2大栄養素が気と血なのです。このネットワークの中には中継地点があります。これが経穴(けいけつ)、いわゆるツボです。
気血の原材料は口から入るもの、つまり食べ物、水、空気などです。自選的システムで必要量に応じて配分されています。夜寝ている間に、余力の気血が肝に溜められ、その一部が子宮に流れ込みます。睡眠不足、ストレスで肝の働きを停滞させると子宮に流れ込む気血が増減します。これが排卵までの日数の差としてあらわれます。
では気血の質はどのように保たれるのでしょうか?
そこで精の役割が出てきます。腎を根源とする精は気血とともに経脈、絡脈を流れます。精は気に血に転化する物質です。精の足りない人は、量的に気血が足りていても、ときに気血両虚の症状を起こしたりします。概ね腎の弱い人です。月経の日数や量は平均的ですが、ホルモン剤を使っても、なかなか内膜が10mmを超えない人などが相当します。
これだけで恒常性が維持されるほど世の中は甘くありません。ときに外部環境の変化が激しくかつ急であったり、内部に尋常なならざる邪が存在することもあります。新種のウィルスや現在の放射能による影響などがこの類です。迷惑千万ですが・・・このとき大活躍するのがフワフワの気である衛気です。主に体表、粘膜、臓腑の表層部に存在し、初期対応を主な役目とします。衛気が弱いと膣に感染症を起こしたり、膀胱炎を起こしたりします。長いめで見ると子宮漿膜層の筋腫などを起こす要因にもなりかねません。
衛気の強化には適度な発汗や筋肉の収縮が欠かせません。
(要約) 気血の材料は口からはいるもの。気血は経脈・絡脈を通り全体を栄養する。気血の質は精により変化することも。急な内外の変化には衛気が対応する。
もうひとつ大事な視点があります。
これらはすべて心の持ちようで変化します。
ウキウキ感が全身を覆っているような心持のときに最大限の働きをします。病は気から、気の持ちようとはこのようなことを指すのでしょう。笑うと免疫力が上がるという報告もあるくらいです。
○気持ちを穏やかにする工夫。
○腎ー精のラインの強化。
○口から入る空気、水、食事を気をつけながら適量の気血を維持する。
○適度の運動で衛気の力を維持する。
の4要素が重要になります。