2012/5
この患者さんは6回目の胚移植(ET)の3週間ほど前にお見えになる。
ZIFTかIVF-ETかの確認を取らなかったが、過去2回の胚移植は2個同時戻しだという。
弁証すると腎陽虚からの水湿過多、世間でいう『冷え症は不妊になる』の典型例。
当院で不妊全体の1割にも満たない例である。
通常は冷えが治れば妊娠するほど簡単な例は少ない。
個人的見解では、このタイプの方は着床期内膜(最も妊娠しやすい排卵後7日前後の内膜)の時期が後ろにずれるか、低いレベルで安定する。
また、エストロゲン、プロゲステロンを入れても、元の腎陽が不足のため、なかなか内膜の厚さや柔軟さに反映しない。
今回、初めて内膜が10ミリを超え、妊娠反応も出る。
ただ、後数日経たないとたい胎嚢の確認はできない。
私としては後は祈るだけ。
※新着時期を過ぎるても左サイドバー《不妊症の症例と雑記》に収められています。