不妊治療で毎日基礎体温表を眺めていると、本当に基礎体温の低い方が多いのには驚きます。
以下はネットケアーからの引用です。
5月25日〜27日大阪で開催された日本抗加齢医学会で発表された。産科婦人科舘出張 佐藤病院院長の佐藤雄一氏、順天堂大学医学部小児科学講座らの共同研究グループが民間の3万2000人のビッグデータを分析して明らかにした』※平均基礎体温を0.5℃刻みで見ると
35.0℃未満0.1%
35.0℃以上35.5℃未満1.9%
35.5℃以上36.0℃未満36.8%
36.0℃以上36.5℃未満60.2%
36.5℃以上37.0℃未満0.9%
37℃以上0.1%
平均基礎体温が36℃に満たない女性が38.8%にも上った、ということです。
『低温期の基礎体温を、過去(1972年)の報告と条件を整えて比較したところ、0.32度低くなっていた。』
これって相当にすごいことというか深刻なことだと思います。
僕が診た患者さんの中で最も低かった方は35.2度でした。真っ先に甲状腺機能低下症を疑いました
続きます。『その特徴を調べたところ、低値群で、タンパク質摂取量、運動実施率が有意に低く、朝食欠食率、月経異常の割合は有意に高かった。』 (2018年6月1日)とあります。
低タンパクで運動不足は予定調和的結論でその通りでしょう。
僕の臨床体験も加味すると、筋量がそんなに多くないなら、気温が少し低いだけでも「寒い!寒い 」を連発する方がなんと多いことか(笑)
こんなケースは伝統医学では腎陽の不足として治療することが多いでしょう。もちろん「低体温=腎陽不足」というほど短絡的ではありません、肝血虚の方もこの傾向を持ちますから、しっかりと分析する必要があります。
不妊で問題になる低体温は、上述の陽気不足なら、子宮の活動力も確実に低下していると考えて良いでしょう。ここから病理連鎖で不妊症まで展開というケースも少なくありません。36.3℃は欲しいですね。
不妊症の場合、通常の腎陽を補う治療にある療法を加えます。なかなか面白い結果が出ています。
腹巻をすることで逆効果の方をたくさん見てきましたので、もう一度繰り返します。
低体温にも色々な原因があります。仮に陽気不足にしても温めるレベルのみの低下か、活動能力レベルまで低下するかで、その後の2次病理への展開が全く異なります。