潮熱とは、1日の中で発熱の温度が高くなったり平熱まで戻ったりするような熱を指し
まるで潮が満ちたり引いたりする様に似ている事から潮熱と呼ばれるようになりました。
1日の中でも特定の時間だけ熱が上がるという現象が現れ、何度も熱が上がり下がりする発熱とは別の病理として考えられています。
今回はそんな潮熱についての解説です。
①陽明潮熱
風邪と共に現れる潮熱。
身体の表面で邪気と身体の気とで戦った後、邪気の勢いが強いと身体の内側の経絡へと進行してゆきます。
その時に侵入するのが、胃腸との関連が強い「陽明」の経絡。
発熱と共にお腹の強い張りや便秘をもたらし、熱は日没辺りに強くなる性質があり、熱が上がると汗を伴います。
日没に熱が強くなるのは、陽明の経絡に気が多く巡る時間帯である為です。
②陰虚血失
身体の潤いが低下することにより、熱を抑えられなくなるタイプ
汗、嘔吐、下痢、出血などによって身体の液体成分が減少したり
寝不足や加齢によって不足する事で発生します。
特徴的なのは午後から夜間にかけて微熱が現れる事です。
手足や胸の火照り、頬が赤くなる、寝ている間に寝汗を沢山かくなどの症状が現れ
人によってはホットフラッシュといった形で現れることもあります。
③血瘀内熱
打撲などの外傷や、強い寒さ、また鬱々とした感情などは血の流れを悪くし停滞させます。
停滞した物は熱を帯びる性質を併せ持つ為、血が熱化します。
陰虚と同じ様に、午後や夜間に熱を発生させ、同時に痛みや肌の荒れ、青や紫かかった斑を表す事もあります。
④脾胃気虚
過度の疲労や食事の不摂生などを起因とする、気の不足がもたらす潮熱です。
脾胃は気の動きに大きく関与するのですが、その力が弱くなる事で気が下に停滞、溜まって熱を持つ事で発生します。
多くの場合は午前中に熱がでて、午後には落ち着く事が多く、熱と共に気虚の症状
疲れやすや倦怠感、呼吸のしずらさ、滲む様な汗が発生します。
疲労や空腹によっても増減し、熱は微熱で現れる事が多いです。
⑤暑熱傷気
子供に、夏場に見られる事が多いこのタイプ。
子供は身体未熟な為、夏場の蒸し暑さに耐えられません。
この時に陰液や気を損傷する事が潮熱の原因となります。
スタッフ伊澤