●なぜ肛門に燃えるような痛みがでるのか?●
燃えるような痛みを前回のブログで「灼痛(しゃくつう)」であることを説明した。
簡単すぎる表現かもしれないがイメージだけでも掴んでもらいたい。
体内に炎症が生じるイメージである。
ではなぜ炎症が生じるか?熱が体内に発生するのだが、
高温多湿な「環境」・暴飲暴食などの「飲食」・仕事における「ストレス」・保湿が失われる「加齢」など多数挙げられる。
次に場所について考えてみる。
「肛門」で生じているが、「肛門は消化に携わる内臓の出口」であることが挙げられる。
つまり「飲食物の流れ」から考えると
口→胃→小腸→大腸→肛門 というルートを通る。
つまり、口から大腸においてどこかで生じた熱は肛門へおよぶということがわかる。
上述はあくまで一例である。
外的な要因が肛門へ直接作用することもあり(例:肛門を長時間圧迫するなど)
五臓の観点から見ると、「心」は小腸に関与し、「肺」は大腸に関与する。
ここでは、「肛門の灼痛」は肛門だけの問題ではないことをご理解いただければ幸いである。
●熱タイプの肛門疼痛に3タイプ●
ここで中医書を見てみる。「肛門疼痛」の中で「灼痛」が生じるものは3つ確認することができた。
「実熱(熱が非常に盛んなもの)」・「湿熱(高温多湿なもの)」・「虚熱(保湿不足なもの)」である。順番に見ていきたい。
①実熱(じつねつ)肛門疼痛
肛門に「熱」が侵襲することが原因。辛いもの・甘いもの・油濃いもの・酒を口にすることで生じた熱が下降し、肛門へ侵襲することにより生じる。熱気を帯びた気候が直接肛門部へ作用することも原因の一つとなる。どちらかというと気候由来のものが多い。
鑑別ポイントとしては冷やすと痛みが軽くなること。
②湿熱(しつねつ)肛門疼痛
肛門に「熱」が侵襲することが原因。胃〜大腸における消化過程において生じた熱が肛門部まで下った結果、経絡の運行障害(滞り)が生じたことにより痛みが出現。
多くは高温多湿な環境が原因となる。
鑑別ポイントとしては、腹部の張り感が伴うことか。膿血便・粘液を排出するなど伴うこともある。
③虚熱(きょねつ)肛門疼痛
身体の「保湿」が不足することにより「ほてり(熱)」が生じることにより生じる。
①・②と比較して痛みの程度は落ち着いている。痛みはあるときは痛くある時は軽いことが特徴である。
最近「陰部の灼痛」で来院される方が多いこともあり、原因の解説や分類を記事にしてみました。
皆様の身体がどのような状態なのかを把握する上での参考になれば幸いです。
スタッフ 杉本