2020/12
若き頃、師匠に教わった学習法のひとつです。
モデルは確かグレーシー柔術。
当時、連戦連勝のヒクソングレーシー。日本柔術の流れを汲む、ブラジリアン柔術の達人。高田延彦を完璧につぶし、U伝説を崩壊に導いた御仁。
今でこそ復活を果たしたプロレスですが、一時プロレスというジャンルを存亡の危機に陥れた人です。
この人の必殺技は?
ダイガーブリーカーでも、16文キックでも、卍固めでもありません。もちろん逆さ抑え込みでフォールにいくわけがありません。オクラホマスタンピートもしません。
すいません、誰もわかりませんね。
彼の技は、ただひたすら、マウントポジションを取り殴るだけです。そのマウントまでの入り方がむちゃくちゃ多彩です。それだけで世界の強豪達をつぶしてきました。
ひとつの技を磨き、磨き、磨くことで相手の多様な技に対処したのです。
勉強には二通りあります。
あれをやって、これをやってと総合力を身につける方法と、ひとつに集中し、その視点からあれやこれと学ぶ方法のふたつです。
師匠は後者を一点突破全面主義という名で教えてくれたわけです。
実は治療にも二通りあります。
主訴を治すために臓腑を、経絡をという風に全体的な調整をしていくケースと、患部のみのバランスを調整するケースです。一般に前者は慢性期の持ちやすく、後者は急性期に適します。
対象とする疾患が同じでも時期に応じてその治療方法は異なてくるものです。
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