20121/6
臨床中に意識する一つが病理の伝播ルート。
たとえば肝の病理が隣り合う脾に伝播すると肝脾不和。
ストレス性胃炎などで良く見られる。
脾の運化失調が続くと腎気の力が低下する脾腎両虚。
疲労症候群の定番。
どちらも相克関係による伝播ルート。
相性が肝心脾肺腎の順に並ぶので相克は肝脾腎心肺となる。
これは素問により起こり、難経で定番となるルートであるが、同じ素問でも別ルートの記載もある。
細かすぎて誰も聞きたくないだろうが、僕はそのルートも意識している。
さすがは古典の中の古典といわれる素問、頭を垂れるしかない。
600年近くかけて練られただけのことはある。
ときおり引っ張り出すと色々な臨床のヒントを与えてくれる。
ときには古典も読むべきだろうね。

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