2021/2
最近見た方のお話。
伝統医学では舌診といって舌の大きさ、色、苔の状態なども参考に病理状態を分析するのが常です。
この方の舌は中央列紋を境に片方が白い苔で覆われており、もう片方は苔がなく乾いて真っ赤な舌でした。
つまり中央を境に左右が全く違う舌です。まるで左右で別人のような感覚を抱きました。
長く臨床をやってますが、ここまではっきり分かれるケースは初めてでしょう。
主訴は「口の苦み」で真っ赤な方のみ苦みを感じます。
通常は口の苦みは熱邪で起こります。多いの肝の熱か少陽病。
肝の熱は他の症状から察することが出来ましたが、わからないことはここから
熱なら温かいものを(例えば温かい茶など)飲んだら苦みが増し、冷たいもの(例えばお水)なら熱を冷やすわけですから、苦みは減弱するでしょう。
実際はこの逆になっています。
冷たいものの方が苦みを感じます。
味覚(苦み)は冷たい方がわかりやすいという特徴でもあるのでしょうか?
たしかにはなまるうどんでぶっかけ・冷・中をお願いすると温・中より味の濃さが際立ちますが・・・・(少し違う・・・)
こういう矛盾は臨床の中ではよく出てきます。
それゆえにこの解決のため、勉強しなければなりません。
いつまで経ってもこれ良いとはならないのが臨床なのでしょう。
ありがとうございました。
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