定期的に通っていただいている患者様の症状を見る(治療補助で)と、症状の展開や五臓六腑の連動性を感じる機会が多い。
現代医学では診療科も分かれており、一見関係がないように思われる「肩」と「眼」。
全てが「肩の痛み」→「眼疾患」と展開するわけではないのですが、伝統医学上での知識を通じることで、展開や連動性が見えてくることがあります。
下記、一例ですが事例を用いて紹介したいと思います。
■初診(2年前):主訴「五十肩」
50代女性。「腎陰虚」ベースと判断(加齢により保湿成分が損なわれた状態)。
肩関節を構成する組織の潤いが損なわれた結果、組織が硬くなり痛みとして現れる。
数回の治療で回復。その後は、症状によって適切な通院頻度を提案。来院いただく(急性症状は週2回程度・養生目的で月1度)。
■1●回目:主訴「眼の痛み」
弁証は「肝腎陰虚」。「腎陰虚(加齢により保湿成分が損なわれる状態)」→「肝腎陰虚」の展開。五臓六腑の「腎」と「肝」は保湿成分を補う関係にあり、腎に不足している陰液を肝が補うことで、肝も陰液を不足しまうような状態。
「肝」は人体における眼と密接な関係があり、眼の保湿成分が失われることによって痛みとして生じる。
少し専門的ですが、伝統医学上での症状の連動性や展開を感じることが出来たでしょうか?
事例のような「肩」と「眼」に限らず診療科が別な症状でも連動しているケースは多く存在します。そして鍼灸治療はあらゆる疾患に対応しております。
主な通院目的以外にもお身体のことで気になることがあれば、対応できますので気軽にご相談下さいませ。
スタッフ 杉本
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