寒②
入りきらなかった悪寒の続きです。
⑤少陰寒化による悪寒
少陰とは、中医学でいう心と腎を指します。
どちらも心陽・腎陽と呼ばれる身体を温める作用を持っているのですが
それぞれの陽気が少なくなったり、外から来た外邪が陽気を傷つける事で発生します。
悪寒以外には、手足の冷え、疲れやすい、すぐ眠くなる、身体が浮腫む、嘔吐や下痢を併発するなどがあります。
⑥真熱假寒による悪寒
熱が身体の深いところに入り込み、陽気を閉じ込める事で浅いところまで熱が届かずに冷えてしまいます。
寒いのに温めたくない、お腹の灼熱感がある、冷たいものが飲みたくなるなど、身体を冷やしたくなる症状が現れるのが特徴です。
身体の内側には熱が、外側には冷えがある病理となっています。
⑦瘡瘍初期の悪寒
強い熱邪に当てられたり、脂っこい食生活を送ったり、傷を負ったり
これらは身体のバリア機能を損ない、バリア機能が弱くなった所に熱が溜まり、経絡の流れを悪くなって病の発生に至ります。
悪寒はバリアと邪のせめぎ合いにより発生しますから、病の発生に至る初期に悪寒を発現させるのです。
悪寒が出る期間は短い事が多く、すぐにおさまって、それぞれの病に移行して
発熱や患部の腫脹や発赤、痛みを現します。
⑧寒飲内停の悪寒
余計な水分が貯まる事で悪寒を発生させます。
貯まった水分は気を遮るので、身体を温める力が及ばなくなり、悪寒を発生させます。
よく貯まるのは胸、胃腸、手足で
胸の場合は痰を伴う咳や喘息と一緒に
季肋部の場合は季肋部痛と一緒に
胃腸の場合は腸鳴(胃腸がゴロゴロ言う)と一緒に
手足の場合は手足の腫れぼったさとと一緒に
悪寒を生じます。
水の停滞により、副産物として悪寒が発生するのです。
と、いうように寒気ひとつでも様々な原因で発生します。
どんな寒気が、どんな症状と現れるのか、ご自身の悪寒と照らし合わせてみてください!
スタッフ伊澤