〒242-0021 神奈川県大和市中央3-8-26 杉中央ビル1階

営業時間
9:30~18:30
定休日

水曜日・金曜日・日曜日・祝日
ただし急を要する方には第2・第4日曜日にて
個別対応も可能なこともあります。前日までにご相談ください。

不妊歴が10年以上に及ぶ方、E2が極端に低い方、卵巣嚢腫をもつ方あるいは年齢的なリスクを抱える方など、比較的妊娠レベルが低いと予想できるケースでは邱紅梅先生とカンファレンスをいたします。 

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邱先生は北京中医薬大学出身で北京で婦人医としてご活躍されていました。婦人科医として専門知識、とくに不妊症の症例に関しては豊富な経験をお持ちです。邱先生については「漢方養生法」「漢方的183のアイディア」(ともにオレンジページ)、「わかる中医学入門」(燎原出版)、生理で診断体質改善法(家の光協会)などに、その考え方が示されています。

2020/4

コロナ騒ぎで3~4月の学校の授業がすべてキャンセル。コロナの勢いが止まらなければ5月もなさそう。

塾の講義はzoomによるWeb授業で凌いでいるが、講演会はすべてキャンセル。

せっかく作ったレジメもお蔵入り

しかし、時間ができた分いつも読まない類の本が読めるので、それそれで良いのだろう。

百度で中国のコロナウィルス情報を集めていたが、最近はここから頭を話して色々な本を読んでいる。

心を楽しくさせる工夫も必要だね。

膝を折って力を溜める時期と考えればそれも悪くはないだろう。

妊娠中期以後の逆子に、足の小指の爪際(至陰)が効果的なのは結構知られている話です。
太平聖恵方(10世紀末)に張文仲の説として、横産で右至陰灸三壮(小麦大様)とあります。
その流れは、鍼灸資生経(1220年)、類経図翼・婦人病(1624年)、鍼灸大成・婦人門(1601年)と続きます。 
また神応経・婦人部(1425年)に難産に合谷、三陰交、太衝とあり、血を思わせる条文があります。これも歴代文献に散見します。
この至陰単独か、合谷+三陰交+太衝かが2大系統です。 我が国でも啓迪集・婦人門(曲直瀬道三、1574年)に至陰、大衝とある。
療治之大概集・婦人門(杉山和一、1682年)に三陰交・合谷・至陰とあります。
岡本一包も鍼灸聚英の説として至陰を紹介しています。
和漢三才図絵・懐妊胎孕(1712年)、鍼灸重宝記・妊娠(1718年)も右の至陰です。
(胎児に針を刺す)
面白いところでは鍼灸則(1767年)には、横産で手から出てきた胎児の手のひらに軽く刺す、とありました。
(昔の妊娠中期の逆子の文献がない)
逆子が出産時においてのみ記載されるのは、妊娠中期から胎児の頭が下を向くのが正常である、という認識がなかったためです。
1750年前後にアメリカの産科医ウイリアムスと、日本の産科医賀川玄悦により、この事実がほぼ同時に発見されました。それゆえ、それ以前の文献には妊娠中の逆子という認識はありません。
このように1000年近い歴史に洗われた至陰の灸です。試す価値はあると思います。
右側の至陰穴
から始めるの王道ですが、初めに指でギュッと押してみて胎児が動いた方から始めると良いでしょう。

ドライアイは、肝が差配する血量が減少したときによく起ります。中医学でいう血(けつ)は、いわば栄養素と保湿の役割をします。その血を各組織に「分配−供給する」のが肝の役目と考えてください。

目は私たちが考える以上に大量の血を消耗します。そのため肝が血を届けても、届けても補充が間に合わず、ついには肝自身が疲労困憊し、その活動力を恒常的に低下させてしまうのです。

そ結果、慢性的な目の乾き、視力減退、まぶしいなどの症状があらわれます。

現代はテレビ、パソコン、携帯、人との距離の近さなどで眼を乱暴なまでに酷使します。おまけに眼の休息タイムである睡眠時間も削られています。(皆さん寝ない分の時間を、テレビやパソコンに当てていないでしょうね) 

肝はいつも眼のことを気にして栄養と保湿の源の血を送り届けるわけですが、限界を超えると動かなくなります。肝っ玉(肝のこと)母さんが倒れる前に寝てください、眼の酷使は控えてください。最低でも7時間の睡眠は確保してくださいね。


仕事ではパソコン、帰宅後にはスマートフォン。

四六時中、「目」を酷使されている方は多いのではないでしょうか?

現代社会では休む間もなく活動する「目」。伝統医学上では「目」は五臓六腑の「肝」と密接なかかわりを持っているとされています。

肝は目の働きを維持し、肝の病変は目に現れる。

目が乾く・涙が止まらない・目が赤くなる・目がかすむなどの症状に悩まされることはないでしょうか?

特に悩まされる方も多いであろうドライアイ。中医書には「目干渋」という表記が見られたため以下、解説をしていきたいと思います。

目の生理的な働きは、肝血(肝が蓄えている栄養・保湿物質)の滋養に頼っています。

つまり肝が目に十分な血を供給されることで乾燥は防げるのです。

裏を返すと、不足することで目が滋潤されずに諸症状が見受けられます。

「目干渋」とは、両目の潤い不足による乾燥症状、はっきりしないこと、疲れを感じやすいことを指しています

ものがはっきりと見えにくい「視力減退(目昏)」と同時に見られることが多いですが、「乾燥症状」を主な症状とし、区別されております。

この乾燥症状の原因としては、潤い物質の損傷が大きな原因となります。

◆「潤い不足型(陰液・血不足)」目の潤い不足のため目の乾燥が症状が生じてしまう。

原因としては4つ。目の過度の使用(血の損傷)・節度を越えた飲酒(陰液損傷)・過度の憂い、号泣(体液損傷)・思い悩み(思慮過度は消化器活動を減弱させるため水液を吸収できない)が挙げられる。乾燥ほか、はっきりとものが見えない・ものを見ると疲れを感じやすいといった症状がみられる。

その他の症状・・・爪の色が淡い、不眠多夢、耳鳴り、手足のほてり等

◆「気候(乾燥・熱)型(水液損傷)」=乾燥・熱気の強い気候により体内(目)の潤い物質が損傷され目の乾燥症状が生じる。乾燥症状の他、かゆみも伴いやすい。

●その他の症状・・・口鼻の乾燥、のどの渇き、乾いた咳が出る等

電子機器の発達により現代社会では、目を休ませる暇はありません。

ゆえに、1〜2時間に1回、目を閉じる・遠くを見る等を行い目を休ませることをお勧めいたします。

目のトラブルも鍼灸治療の適応となっておりますので、各種症状でお悩みの方はぜひ当院までご相談ください。

スタッフ 杉本

※新着時期を過ぎると左サイドバー《ドライアイ》に収められています。

一口に不眠症と言っても様々なタイプがあります。

○寝つくのに時間がかかる

V・E・フランクルは長年不眠で悩む患者さんに、意図的に寝らない訓練を指示し、不眠を解決した例を挙げています。

これなどは、さしずめ寝ようとする意識が過剰になった人に効果的です。寝なきゃ、寝なきゃどうしよう眠れないもうこんな時間だ?あるいはまだこんな時間だ、という流れです。不安とイライラが交互に襲います。

眠ることに意識が行き過ぎ、興奮状態を呈しているともいえます。肝気鬱不眠の代表です。興奮系の所作、たとえば寝る前の熱いお風呂、カフェイン、ニコチンなどは避けたほうが無難です。

○すぐに目が覚める

ちょっとした物音や光に反応する不眠と考えてください。単純にいえば眠りが浅いタイプです。

夢を見ているような感じで、でも起きると憶えていないこともよくあります。

30代後半から多く見られます。女性ホルモンが減りだした頃と重なるようです。

また眼精疲労がある方がなりやすい不眠ともいえましょう。

中医学では血虚不眠の代表的症状です。

○怖い夢を覚えている、一度起きたら眠れない

上記の[すぐに目が覚める]タイプからの発展します。

更年期入口の兆候のひとつであらわれることもあります。

また精神不安を抱えながらの生活であらわれやすくなります。

性格としては引きずる人、こだわる人、取り越し苦労の人が陥りやすい不眠です。

まれですが寝るのが怖い人もいます。

卵巣刺激ホルモンの一時的な過剰現象でなることもあります。

中医学では心の病証か肝の血不足で捉えることが大半です。

○お風呂で快眠のケースも?

お風呂に入ると、良く眠れるという人も多くいます。

冒頭の肝気鬱タイプでも二通りあります。

ひとつは精神的ストレスによる肝気鬱です。概ね熱いお風呂に入ると、眠れなくなくなります。

同じ肝気欝タイプでも肝気鬱から全身の循環が悪くなるタイプ人がいます。循環の悪さが入眠を妨げるわけです。お風呂で末梢循環を改善すると眠りやすくなります。

すぐ目が覚めるタイプの方は、一生懸命にお風呂に入らないようにしてください。

疲れて入睡困難も併発します。

お風呂をリラックスタイムとして位置づけ、ぬるめでジュワっとした発汗程度に抑えます。

目はつぶったほうが良いと思います。

体が溶けて行く感じを味わう瞑想睡眠は意外に効果的です。

2019/7

お疲れ様です。金澤です。

寝苦しい季節になりましたね(>_<)朝も昼も夜も汗はお供ですね(*_*;

厳密に言えば今はエアコンがあるから常にお供ではないかもしれません

夏は暑いです(*_*;熱が籠ります(*_*;汗をかきます(*_*;

この暑さに抗することが出来なければ熱中症のような症状を起こしやすくなります。

飲食や空調などの外から熱を下げる方法もありますが、身体の中から暑さに抗する身体を作ることが夏を乗り越えるためには肝要になってきます。

その一つの方法として「睡眠」が大切になってきます。

東洋医学では、睡眠には大きく分けて2つの効能があります。

①潤す作用

睡眠中に身体の陰・血(身体の保湿する力)が育まれます。この陰・血に身体を潤す効果や養う効果があり、しっかりと睡眠が取れていると身体の陰血が充実して暑さに対して抗うことができます。

②冷ます作用

睡眠のもう一つの効能は身体の熱を冷ます役割があります。

暑さによって身体の中に籠った熱を夜間の睡眠で取り除くことをしてくれます。

車などに搭載されているラジエーターをイメージして頂けたらと思います。身体にもラジエーターと同じように熱を冷ます作用を持っています。

睡眠中には、このような働きが東洋医学視点ではあります。いつの時期も睡眠は大切ですが、特に暑い時期は意識して取るようにしてください。特に夏に体調が悪くなる人は!

夏は寝苦しくなりやすい時期で睡眠時間や睡眠の質が落ちやすくなります。

なるべく寝やすい環境を整えて睡眠の質、時間をとり、身体の中から暑さに抗する身体を作っていきましょう(^^)/

~院長より~

睡眠障害で訪れる方も少なくありません。

急性のものはストレス、緊張といった心理的要因が多いものです。

慢性のそれは種々の原因が考えられます。

上記のものは陰液不足といって更年期前後に多くみられる症状です。

陰液を補う、首元を緩める、元気を益すなどの効能が高いツボを組み合わせていきます。

主に突然発症し一側の口、目が歪みがあらわれるもの。

顔面部は麻痺し板のようだと表現をする方が多く、どの年齢でも発症する可能性があります(とはいえやや男性に多い)。

顔面部に冷えを受けることや睡眠中に風寒の邪を受けるなど因とする。僕が北京中日友好病院で研修させてもらっていた頃、顔面神経麻痺の患者さんをたくさん見た。その頃(1980年代末)北京ではほとんど自転車通勤。そりぁ~顔に冷たい風がばんばん当たるわなぁ。今はほとんど自家用車(笑)

現代医学では中枢性と末梢性の顔面神経麻痺に分けられ、ここでは末梢性の顔面神経麻痺について書くが、昨年(2019年)は中枢神経系や顔面神経近くの腫瘍摘出後の麻痺なども診る。

顔面神経に支配されている顔にある筋肉の運動麻痺をベル麻痺と言います。このベル麻痺の原因は明らかになっていませんがウイルスが関与しているともいわれる。

顔の筋肉が動かなくなったら、現代では病院がファースト選択になるでしょう。中枢性でなく末梢性であれば薬物療法(抗ウイルス、ステロイド、ビタミン剤等)が一般的かと思います。

その次の選択肢の一種として鍼灸がくる。

よって当院では急性期の方が2割、その後の後遺症の方が8割という図式になる。

急性期症状に限定して記載する。

突然発症し一側の顔面部の板のような感覚麻痺、目が閉じられず涙を流す、口角が落ち、頭痛、耳の後ろや耳の下の疼痛などが主な症状。発熱、歯痛、中耳炎、帯状疱疹などの症状がある。

先のとおり顔面神経麻痺(急性期)の原因は風寒の邪の侵入が多い。

治療としては風寒の邪を取り除く治療を行います。代表穴でいえば合谷足三里およびどの顔面部の陽明経のツボをよく使います。

このような考え方で顔面神経麻痺を治療していきます。

常習性の便秘には3つのパターンがあります。大腸の蠕動運動が弱い弛緩型便秘。これは比較的刺激に対応してくれるため、野菜をたくさん取る。水を一気に飲む。運動する。肛門〜直腸を刺激するなどで解決することが多いものです。

問題は蠕動運動が活発過ぎる痙攣型便秘です。過度の刺激で腸内バランスを崩し、便秘をさらに悪化させることも少なくありません。流行の●●●エネマで重度の便秘に陥った方もおられました。便秘と下利を繰り返す人もけいれん型に多くいます。かなりリッラックスした環境が整わないと排便は望めませんので、会社や駅、デパートのトイレに世話になることは余程でない限りないでしょう。内関、太衝、風池などのツボが効果的です。

もうひとつ直腸型便秘があります。主に便意がある際に、トイレに行かない(行けない)の繰り返しで、脳が指令しても肛門括約筋が開かない状態に陥ります。便意もなく、2週間以上放置している人も少なくありません。承山、委中、風池 などツボのほか、出なくてもよいですから《便意があったらすぐトイレ》の習慣だけは身に着けましょう。お願いします。 

肛門菅の皮膚に亀裂が生じる症状を「肛裂」という。

俗にいう「切れ痔」であるが、主な原因は体内に存在する熱が長時間存在することで体内の潤い物質が損傷され、腸菅が乾燥して便が硬くなり、排便時に力んで皮膚が引き裂かれるか、あるいは肛門周囲の皮下の潰瘍がやぶれることよって発病する。

東洋医学的な解説は大きく分けて3パターンであり、以下解説を行う。


①乾燥+熱型
乾燥や温度の高い気候の影響・辛い味・味が濃いものなどを過剰に摂取したために生じる。
辛い味・油の濃いものは体内に熱を生む作用があり、胃腸に熱が生じさせる。

気候・飲食物によって生じた乾燥と熱が、身体の水液物質を消耗させられた結果、便と肛門部の水分も損傷されてしまう。結果、便が渇き硬くなり排出時力むことによって肛裂が形成される。

(特徴)排便時に激しく痛み出血を伴う・排便後痛みは軽減するが継続する・鮮血が混じる
その他の症状)口の苦さ・のどの乾き


湿気+熱型
高温多湿な環境や脂っこいもの、甘いもの、酒などの過剰摂取により生じる。
甘い物や酒は、粘着度が高い性質を有する。体内に長期間停滞することで胃腸に湿熱が生じてしまいその湿熱が下降して肛門に至る。その結果、粘着度の高い便が形成され、排出がスムーズに行うことができず、力み排出しようとすることで肛門が傷つき、出血や腫れが生じ、裂肛となる。

(特徴)便状はべドべドと粘着度が高い・出血を伴う・肛門周囲に湿り気がある

(その他の症状)身体が重だるい・食欲不振

③血・水分不足型(体内の血や水分の不足による病症)
血は栄養作用があり、津液は潤い作用を有している。栄養・潤いが失われることで硬い便が生じ、肛門粘膜を擦過することで裂肛となる。
出血などで血が体外に排出されてしまう・加齢により保湿能力が低下することことなどが血不足・水分不足の原因として挙げられる。

この血や津液は体内を冷ます作用を有するために不足することで相対的な熱を体内に生じさせてしまい、乾燥したさらに硬い便を形成することもある。

(特徴)便が硬く排出しにくい・排便時の痛み・便秘傾向
(その他の症状)口や舌の乾燥・不眠

上記のように原因を考えて治療を行っております。

痔についても鍼灸治療は対応しております。

お悩みの方は、ぜひ一度当院までご相談くださいませ。

スタッフ 杉本

※新着時期を過ぎると左サイドバー《痔》に収められています。

鍼灸はいろいろな疾患に対応しております。

「痔」もその内のひとつ。なかなか言い出せない・どんなことをするのか分からないため病院にかかりにくいという方もいらっしゃるのではないでしょうか?

当院では主にお話しを通じて原因を考え出し、手足・体幹のツボを主に用いて治療を行っております。今回は「いぼ痔」についての解説を行っていきたいと思います。

中医書では「いぼ痔」を「肛門生痔」と表記されており、直腸の末端や肛門部の血脈が滞り、静脈瘤が形成される現象を指す。痔核の分類は以下の通り。

①風+熱型(気候型)
気圧・高温の気候が原因となることが多い。熱は風を生じさせるという特性を有しており、熱と熱によって生じた風が、肛門に達し停滞することで痔核が生じる。熱による水分損傷で便は乾燥して硬くなっていることが多い。

(特徴)出血することが多くポタポタと点滴する
(その他の症状)口や舌の乾燥・動悸・頭のふらつき・尿が少なく濃い

②湿気+熱型(飲食不摂生型)
濃厚なもの、辛い物、酒などの摂取過多によって胃腸に湿熱が生じる。この湿熱が下降し、大腸・肛門部に停滞すると粘着性のある「湿」が肛門部の血の流れを滞らさせることで痔核が形成される。

(特徴)排便時は痔核が脱出しポタポタと出血することもある・肛門に灼熱感がある
(その他の症状)身体が重だるい・食欲不振

③気+血の停滞型
肛門部の気・血の流れが滞ることにより痔核が生じる。原因としては、長時間の坐位・妊娠による肛門部の圧迫などの「物理的圧迫」や全身の気や血の流れをコントロールする五臓六腑の「肝」の疏泄失調などが挙げられる。

(特徴)出血量が比較的多い・残便感が生じる
(その他の症状)腹部の張感

④エネルギー不足型
気の働きのひとつ「固摂」作用。体内の物質が外に漏れ出ないようないする作用・内臓を位置にとどめているを有する。気の不足することで、体液に物質が漏れ出ること・内臓の下垂が生じてしまう。

体内にある血が体に漏れ出ることで痔核を形成する。また内臓の下垂により痔核が脱出しても自然に戻らない。(気が充足している場合は気の作用でもとに戻る)原因としては、出血過多・働きすぎ・長時間続く下痢・加齢などが挙げられる。
(特徴)痔核が脱出しやすい・出血しやすい
(その他見られる症状)顔が色白い・息切れ・四肢の無力感・ボソボソと話す

スタッフ 杉本

※新着時期を過ぎると左サイドバー《痔》に収められています。

このようなご時世の中でもたくさんの新規の患者様にご予約をいただいている状況です。

中でも最近は「不妊症」と「陰部神経痛」を主訴の患者様が多くお見えになるように感じています。

先日「陰部神経痛」を訴えられて来院される方の治療に携わる機会があったのですが、「陰部神経痛様」であるケースも多く見受けられます。この陰部神経痛様としては、子宮内膜症や内痔由来のものもございます。ゆえに先日から数回にわたり「痔」についての解説を行っていきました。

今回のテーマは「脱肛」。「いぼ痔」をそのまま放置してしまったがゆえ生じる症状といえますが、以下東洋医学的解説を行っていきたいと思います。よろしければお付き合いください。

●「脱肛」とは何か?

直腸粘膜・肛門管・直腸・S字結腸の一部が肛門の外へ脱出する症状を指す。長時間歩いたり、排便時に力むと生じる。脱出部分には腫脹・びらん・出血・疼痛・掻痒感などが現れる。また息切れ・無力感・食欲不振・大便がすっきり出ないなどの全身症状を伴うことが多い。

主な原因としては、飲食の不摂生、過労、分娩時のいきみ、長期間病まいを患うことによる気血の消耗であり、気血が不足し中気が下陥すること(消化器を一定位置にとどめておく機能で不足することで下垂を起こす)によって生じることが多い。

常に脱出する場合も力んだ時に脱出する場合も同様の原因と考えられている。脱肛を構成する原因は以下の通り。

●「脱肛」の東洋医学的解説

①中気下陥による脱肛

心身疲労、産後の消耗、慢性の下痢、長期に渡る咳症状などによって気(エネルギー)が消耗する。内蔵を一定位置にとどめておくエネルギーが虚損し、加工することでに脱肛となる。
(特徴)排便、咳込むことによって肛門が脱出・自力では戻らず手で戻さないと戻らない

 (そのほかの症状)顔色は青白い・唇色も淡い・息切れ、咳が出るなど。

腎陽虚による脱肛

加齢・長期間病気を患う・出産による消耗、過剰な性生活・「①中気下陥」からの発展などによって腎のエネルギーが虚損し、肛門部を約束するエネルギーが不足し脱肛が生じる。

(特徴)慢性症状として脱肛が生じる

(そのほかの症状)物忘れ・朝方に生じる下痢・膝腰の重だるさ・寒がりなど。

③湿熱(大腸)による脱肛
 味の濃いもの、アルコールの過剰摂取などにより胃腸に粘着度の高い「湿」が生じる。この「湿」は粘着度の高さゆえ停滞をもたらす。「湿」は停滞することで「熱」をおびる。この生じた「湿熱」が下降し、大腸に流入する、あるいは長期に渡る便秘や痔疾の影響で脱肛となる。
(特徴)肛門が脱出して赤みをおびて腫れ痛みを生じる 悪臭が強く黄色い粥状の便あるいは膿血便を下痢する。
(そのほかの症状)口が乾き便は乾燥する・顔色、唇とも赤いなど。

スタッフ 杉本

※新着時期を過ぎると左サイドバー《痔》に収められています。

「痔ろう」とは、直腸と肛門周囲の皮膚をつなぐトンネルができる痔のことを指す。

肛門周囲に膿がたまる状況が慢性化することで「痔ろう」が形成されます。

形成される主な原因は肛門の組織に細菌が侵入すること。下痢などを通じて大腸菌などの細菌が肛門腺へ入りこみ化膿を引きおこした結果、腫瘍を形成。進行し肛門の内外をつなぐトンネルができることで「痔ろう」となります。

特徴としては、肛門周囲張れてズキズキ痛むこと・お尻に熱感を伴うこと・膿が出ることが挙げられます。

上記、現代医学的な「痔ろう」の説明ですが、東洋医学ではどのように考えられるのか?

以下、解説を行っていきたいと思います。

●痔ろうについての東洋医学的解説

「痔ろう」は「肛漏」という。肛門周囲に溜まった膿にって、肛門周囲部が破られる。その後、傷口が癒合しないで外部へと通ずる管を形成し、そこから膿が漏出され、したたり落ちるのが止まらない状態を指す。

① 熱型

気候や濃い味や酒、辛いものの過食により体内に熱が生じることが原因となる。

熱が腸・肛門周囲に停滞し、血や津液が燃やされた結果、膿が形成される。さらに熱はこれを潰破することで痔ろうが生じる。
(特徴)
肛門周囲は赤い腫れ、痛み、熱感を伴う・黄色く粘着度の高い膿

(そのほかの症状)発熱・口の渇き・便秘・尿が濃く少ない

虚熱(きょねつ)型
身体を冷ます物質が不足することで、体内に相対的な熱が発生する。その熱が体内の血や津液燃やすことで膿を形成し、潰破されることで痔ろうが生じる。熱の程度は熱型と比べて低いために、発症はゆるやかであることが特徴的である。働きすぎや思慮過度、過剰な性生活が原因とされる。

(特徴)肛門周囲は赤い腫れ、痛み、熱感を伴うが熱型ほどではない・さらさらとした膿
(そのほかの症状)倦怠感・寝汗

虚寒(きょかん)型

冷えにより生じる。気の作用の一つに体をあたためる作用がある。気が不足し体を温める作用が不足すると、体内に冷えが生じてしまう。冷えは体内物質を固める性質を有しており、肛門部の血や津液を固めた結果、膿を生じる。膿の漏出が長時間続いた結果、気が損傷したことが原因となることが多い。また気は固摂作用(物質を漏れ出ない作用)を有しており、不足することで膿は体外へ漏れ出る。

(特徴)肛門周囲は熱感なく、青くなる・さらさらとした膿がしたたり落ちる
(そのほかの症状)寒がる・息切れ・倦怠無力感

スタッフ 杉本

新着時期を過ぎると左サイドバー《痔》に収められています。

患者さんを診ていると、主訴か随伴症状かはともかく、胃腸が悪い方は殊の外多いように感じます。

病名なら慢性胃炎などに相当でしょうか。伝統医学なら『胃緩』(いかん)という病名になります。

病理になら脾の運化失調が多いでしょう。

一般に食べたくない、もたれる、そこから元気が湧かないなどの症状があらわれ、しまいにやる気がない、かったるいなどの症状が続きます。なんとなく生活のクオリティーが低くなっている状態と考えてください。

その中に案外に下記のような方が多くいます。

基本的にこの手の方は食べられる量がそう多くない(食欲不振)のですが、頭(思考)で食べようとする方が多くいます。

『夕方お腹が減ると困るから、昼に食べておこう』『時間が来たから食べなければ』という感じで食事をします。要は胃の状態に合わせた食事を摂るという発想がないわけです。

意外に思うかもしれませんが、食欲がないときは、普通に食べただけで、それが過食と同じ状態をあらわし、ますます胃腸に負担をしいり、その結果胃の正常レベルを下げることになります。

食べたくないときは、量を減らすか?抜いてください。

負担を軽くする(胃の)という視点はとても大事なことだと考えます(スタッフより)

※院長より

胃の痛みで鍼灸院を訪れる方って結構います。大半は脾の運化に問題がある。単純にいえば消化、吸収のトラブル。これを基本に食滞(食べ過ぎ、消化不良相当)はないか、ストレス的な要素による機能停滞はないか、外の寒さは、冷たいものを取り過ぎていないか?などなどを考慮しながらツボと手技を決定します。ときに強い血オ、湿熱など方もおられます。私の臨床例だと膵臓癌、胃癌、今まさに腹膜炎や腸閉塞を起こしている方もいました。

舌診もとても参考になります。

最近感染で胃腸炎的な症状が出ることを胃腸型感冒という。 伝統医学ではこれに相当するものに風寒直中(フウカンジキチュウ)があります。 風寒の邪気が口から入り胃まで到達した状態です。

お腹の冷感部でかつ痛みがある場所に直にお灸を据える。※跡を残さないのでご安心を(笑)

その間、合谷穴などで衛気を鼓舞する。軽いものならこれで症状が改善する。 

風寒直中の患者さんはそう多くないが年間で10〜20例ぐらいは診るだろうか。 一般に感冒で鍼灸にかかろうとする発想がないでしょう(大笑) 

最近の例だと、上記の方法に至陰のお灸を加えた。直中に加え、下肢冷感が顕著だったからである。 今時はこの手の感冒も増えるので…夏場の暴飲暴食などで胃腸が機能レベルが低下している方が少なくない。 くれぐれも自重して下さいませ。

あまり知られていませんが、寒伏というものがある。文字通り寒が伏せているということ。例えば冬に感受した寒邪が地面に伏せてじっとしているように体に潜んでいる。それが春先に一挙にあらわれる感じで発症する。

先月の臨床で、なぜか急性の股関節痛の患者さんが重なったことがありました。 

変形や先天性のものを除いては、普段そこまで重なることがなかったのに不思議だな〜と思いながら過ごしました。 

股関節痛を訴えていた方の共通していることは股関節を曲げる筋肉を酷使していたこと。 

フィットネス、ゴルフ、クライミング、重たい物を持ち上げるなど… 

受傷機転や患部の痛み方、背後にある臓腑の盛衰などを考えると一括りにはできない。それは、どの臨床でも同じですねー各々の状態は横に置いて共通の部分を話すと、長期に患部に負荷がかかったことで気血の循環を妨げられ患部の虚実が生まれてしまったこと。その状態が急性の痛みを発症させるベースを作られてしまったのではないだろうかと考えた。    (スタッフより)

※院長より

股関節痛はよく見る疾患です。原因は多種、先天性股関節脱臼から体重における比重のアンバランス、膝や足首代償性の痛み、あるいはその人の癖の中で負荷が掛かるなど・・・側弯症の場合や神経痛として股関節付近が痛むこともあります。肝、腎の調整を主体として治療し、寒邪の影響がないなどを考慮しながら進めていきます。


2016/6 臨床例 60代 男性、公務員。

数時間前から急性の胃の痛み。

食事との連動は薄い。

元より憩室のある方。

こういう時はまず痛みを取ることが優先される。

梁丘に反応がないので、裏内庭に灸。

滑肉門に反応、滑肉門と水平位の手陽明経のに刺鍼。

2時間で治まるだろう。

※裏内定

2020/04/17

東洋医学視点の疾患タイプ別シリーズ

〇胃痛

東洋医学では胃痛、または胃緩痛と呼び、胃部の疼痛が主要なものをいう。

原因

①外からの冷え、生もの冷えなどを好んで食べる

②思い悩みや怒りなどの感情によって胃に流れる気が滞り強い痛みが出るタイプ

③脾胃(消化器)の力が長期間落ちると胃を栄養できずに弱く痛むタイプ。

治療分類

実証型(余剰型)

・胃痛が強烈、温めると痛みが軽減する→冷えに由来する胃痛

・張って痛み、げっぷや便が腐ったような臭いがする→消化不良に由来する胃痛

・痛みが針に刺されるが如し?キリキリ痛むタイプ→ストレスなどを起因とした血オ胃痛

実証の他症状

・口渇、消化不良や食欲不振、便秘を兼ねる→熱によるものが多い。

※ストレス型と熱型はかなり食欲にムラがある。

虚証(パワー不足)

・痛みは軽度、温めることや、さすることなどを好む。空腹時に痛みが出現しやすく食事をとると痛みは減少→気が不足

※胃の保湿機能が落ちている方は胃部に焼灼感を伴うこともある。

虚証の他症状

・足や手が冷え寒さを嫌う、力が入らない、ドロドロ便、食欲不振→活動能力が著しく減少する。

タイプによって使うツボは変わるが、足三里や内関、腹部の穴を用いるケースが多い。夏場の時期も含め生ものや冷たいものはほどほどに。

院長より

以上が中医書による模範解答。

臨床は多種多彩。それだけはダメ。

長時間の座位による胃の圧迫、広背筋の弱さなどからくる猫背による圧迫などは比較的によく見る。

膵臓癌による食欲不振、お腹の張りなどではことさらに背中の痛みも併発する。

長期の飲酒過多の方も気をつけよう。胃上部の炎症や潰瘍があることも。

食べるスピードも大事。一食毎に3回は休憩を挟むとよい。休憩ごとにお茶かお湯を60CCくらい飲んで欲しい。

問診とともに舌診も大事になってくる。

2012/5

臨床例

この患者さんは、腹膜炎、腸閉塞などを繰り返す方。

腸内のオペ歴も数回あり、今回は急性発作で冷汗をかきながら来院。 

鍼灸院の場合、比較的慢性疾患の患者さんが多いのですが、今例のように普段からお通いになっている方が、何かの急性病を起こし来院するケースもまれではありません。

どうみても腸閉塞の痛みではないのですが、息するだけで痛む持続痛であることから本来ならば救急外来の領域だと思います。

ただ、よく診ると患部が大腸ではなく、胃にあるようです。

通常の排便後に悪化していることも、大腸疾患ではない証左になります。

中医でいう直中の部類に入るでしょう。

ここは吐方を用います。

鳩尾、内関で胃の上部を緩め、太衝から気を上に上らせました。

10分後に大量の嘔吐。

お顔の色は血色が戻りました。

これで治れば申し分ありません。

治らなければ救急車です。

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