2012/5
臨床例
この患者さんは、腹膜炎、腸閉塞などを繰り返す方。
腸内のオペ歴も数回あり、今回は急性発作で冷汗をかきながら来院。
鍼灸院の場合、比較的慢性疾患の患者さんが多いのですが、今例のように普段からお通いになっている方が、何かの急性病を起こし来院するケースもまれではありません。
どうみても腸閉塞の痛みではないのですが、息するだけで痛む持続痛であることから本来ならば救急外来の領域だと思います。
ただ、よく診ると患部が大腸ではなく、胃にあるようです。
通常の排便後に悪化していることも、大腸疾患ではない証左になります。
中医でいう直中の部類に入るでしょう。
ここは吐方を用います。
鳩尾、内関で胃の上部を緩め、太衝から気を上に上らせました。
10分後に大量の嘔吐。
お顔の色は血色が戻りました。
これで治れば申し分ありません。
治らなければ救急車です。