患者さんを診ていると、主訴か随伴症状かはともかく、胃腸が悪い方は殊の外多いように感じます。
病名なら慢性胃炎などに相当でしょうか。伝統医学なら『胃緩』(いかん)という病名になります。
病理になら脾の運化失調が多いでしょう。
一般に食べたくない、もたれる、そこから元気が湧かないなどの症状があらわれ、しまいにやる気がない、かったるいなどの症状が続きます。なんとなく生活のクオリティーが低くなっている状態と考えてください。
その中に案外に下記のような方が多くいます。
基本的にこの手の方は食べられる量がそう多くない(食欲不振)のですが、頭(思考)で食べようとする方が多くいます。
『夕方お腹が減ると困るから、昼に食べておこう』『時間が来たから食べなければ』という感じで食事をします。要は胃の状態に合わせた食事を摂るという発想がないわけです。
意外に思うかもしれませんが、食欲がないときは、普通に食べただけで、それが過食と同じ状態をあらわし、ますます胃腸に負担をしいり、その結果胃の正常レベルを下げることになります。
食べたくないときは、量を減らすか?抜いてください。
負担を軽くする(胃の)という視点はとても大事なことだと考えます(スタッフより)
※院長より
胃の痛みで鍼灸院を訪れる方って結構います。大半は脾の運化に問題がある。単純にいえば消化、吸収のトラブル。これを基本に食滞(食べ過ぎ、消化不良相当)はないか、ストレス的な要素による機能停滞はないか、外の寒さは、冷たいものを取り過ぎていないか?などなどを考慮しながらツボと手技を決定します。ときに強い血オ、湿熱など方もおられます。私の臨床例だと膵臓癌、胃癌、今まさに腹膜炎や腸閉塞を起こしている方もいました。
舌診もとても参考になります。