2020/04/17
東洋医学視点の疾患タイプ別シリーズ
〇胃痛
東洋医学では胃痛、または胃緩痛と呼び、胃部の疼痛が主要なものをいう。
原因
①外からの冷え、生もの冷えなどを好んで食べる
②思い悩みや怒りなどの感情によって胃に流れる気が滞り強い痛みが出るタイプ
③脾胃(消化器)の力が長期間落ちると胃を栄養できずに弱く痛むタイプ。
治療分類
実証型(余剰型)
・胃痛が強烈、温めると痛みが軽減する→冷えに由来する胃痛
・張って痛み、げっぷや便が腐ったような臭いがする→消化不良に由来する胃痛
・痛みが針に刺されるが如し?キリキリ痛むタイプ→ストレスなどを起因とした血オ胃痛
実証の他症状
・口渇、消化不良や食欲不振、便秘を兼ねる→熱によるものが多い。
※ストレス型と熱型はかなり食欲にムラがある。
虚証(パワー不足)
・痛みは軽度、温めることや、さすることなどを好む。空腹時に痛みが出現しやすく食事をとると痛みは減少→気が不足
※胃の保湿機能が落ちている方は胃部に焼灼感を伴うこともある。
虚証の他症状
・足や手が冷え寒さを嫌う、力が入らない、ドロドロ便、食欲不振→活動能力が著しく減少する。
タイプによって使うツボは変わるが、足三里や内関、腹部の穴を用いるケースが多い。夏場の時期も含め生ものや冷たいものはほどほどに。
院長より
以上が中医書による模範解答。
臨床は多種多彩。それだけはダメ。
長時間の座位による胃の圧迫、広背筋の弱さなどからくる猫背による圧迫などは比較的によく見る。
膵臓癌による食欲不振、お腹の張りなどではことさらに背中の痛みも併発する。
長期の飲酒過多の方も気をつけよう。胃上部の炎症や潰瘍があることも。
食べるスピードも大事。一食毎に3回は休憩を挟むとよい。休憩ごとにお茶かお湯を60CCくらい飲んで欲しい。
問診とともに舌診も大事になってくる。