一口に不眠症と言っても様々なタイプがあります。
○寝つくのに時間がかかる
V・E・フランクルは長年不眠で悩む患者さんに、意図的に寝らない訓練を指示し、不眠を解決した例を挙げています。
これなどは、さしずめ寝ようとする意識が過剰になった人に効果的です。寝なきゃ、寝なきゃどうしよう眠れないもうこんな時間だ?あるいはまだこんな時間だ、という流れです。不安とイライラが交互に襲います。
眠ることに意識が行き過ぎ、興奮状態を呈しているともいえます。肝気鬱不眠の代表です。興奮系の所作、たとえば寝る前の熱いお風呂、カフェイン、ニコチンなどは避けたほうが無難です。
○すぐに目が覚める
ちょっとした物音や光に反応する不眠と考えてください。単純にいえば眠りが浅いタイプです。
夢を見ているような感じで、でも起きると憶えていないこともよくあります。
30代後半から多く見られます。女性ホルモンが減りだした頃と重なるようです。
また眼精疲労がある方がなりやすい不眠ともいえましょう。
中医学では血虚不眠の代表的症状です。
○怖い夢を覚えている、一度起きたら眠れない
上記の[すぐに目が覚める]タイプからの発展します。
更年期入口の兆候のひとつであらわれることもあります。
また精神不安を抱えながらの生活であらわれやすくなります。
性格としては引きずる人、こだわる人、取り越し苦労の人が陥りやすい不眠です。
まれですが寝るのが怖い人もいます。
卵巣刺激ホルモンの一時的な過剰現象でなることもあります。
中医学では心の病証か肝の血不足で捉えることが大半です。
○お風呂で快眠のケースも?
お風呂に入ると、良く眠れるという人も多くいます。
冒頭の肝気鬱タイプでも二通りあります。
ひとつは精神的ストレスによる肝気鬱です。概ね熱いお風呂に入ると、眠れなくなくなります。
同じ肝気欝タイプでも肝気鬱から全身の循環が悪くなるタイプ人がいます。循環の悪さが入眠を妨げるわけです。お風呂で末梢循環を改善すると眠りやすくなります。
すぐ目が覚めるタイプの方は、一生懸命にお風呂に入らないようにしてください。
疲れて入睡困難も併発します。
お風呂をリラックスタイムとして位置づけ、ぬるめでジュワっとした発汗程度に抑えます。
目はつぶったほうが良いと思います。
体が溶けて行く感じを味わう瞑想睡眠は意外に効果的です。