脱肛は直腸やS字結腸などが肛門から脱出する病理であり、排便時や咳をした時に脱出する事が多い。
脱肛する原因は脾、腎、湿熱が絡み
脾気下陥、腎陽虚、湿熱蕴結がある。
①脾気下陥と腎陽虚
元気(大元の気という意味)の不足によって臓器をその場にとどめる力が低下し、大腸が脱出する。
元気が不足する原因は
・加齢
・出産の影響
・長期に及んだ呼吸器疾患
・幼い頃からの虚弱体質
などがあり、どれも脾気や腎気を消耗し気の作用を低下させる。
脾気虚による下陥の場合は
痩せ身、顔色が白い、呼吸が荒い、声が小さい、疲れやすい、頭がフラフラしたり眩暈がする(エネルギー不足によるもの)など、虚弱な症状が現れやすい
腎陽虚の場合は
寒がり、顔色が青白くなる、腰や膝がダル重くなる、おしっこの時間が長くなったり出きらなくなる、下半身が浮腫む、男性は勃起不全になる、女性は下腹部(子宮)が冷える
といった腎に関わる症状が現れる。
②湿熱蕴結
味の濃いもの、辛いものの食べ過ぎによって胃に湿熱が溜まり、それが大腸へ流れて脱肛する。
あるいは、長期的な便秘や下痢、飲酒後に排便を我慢するなどすると発生する。
脱出した腸は赤くなる事が多く、それは熱を帯びている為である。
また、出血や痛みを伴う。
随伴症状として口の渇きを伴う
スタッフ伊澤