前回の続き。(冷え・食べ過ぎタイプについて解説)
今回は「熱」と「滞り」が原因の上腹部痛について解説をしていきたいと思う。
●「胃かん痛(上腹部痛)」についての東洋医学的分類●
◎「熱タイプ」の胃かん痛(肝火反胃・胃陰虚)◎
④肝火反胃(かんかはんい)タイプ
熱タイプであり感情や飲食が原因となり生じる。多くは長期間抑うつ状態が続くことで怒りが爆発することなどが原因により生じる。辛い物や甘いもの味が濃いもの体を温めるものの食べ過ぎも原因となる。
鑑別ポイントとしては、発症が急激であり燃えるような痛みが生じることか。口の渇きや口の苦みを伴うこともある。
⑤胃陰虚(いいんきょ)タイプ
熱タイプであり、潤いや保湿が不足することにより生じる。ほてりのような微弱な熱である。
多くは慢性病により胃の潤い・保湿成分を損傷してしまったことが挙げられる。
鑑別ポイントとしては、発症はゆるやかでありシクシクとした隠痛であること。口やのどの渇き・ほてり・唇の乾燥を伴うケースが多い。
◎「滞りタイプ」の胃かん痛(肝鬱気滞・お阻胃絡)◎
⑥肝鬱気滞(かんうつきたい)タイプ
全身のはたらきをコントロールする「肝」の機能失調により「胃」のはたらきも低下することで生じる。「肝」の失調は感情の急激な変化・ストレスに由来することが多い。
※鑑別ポイントとしては、停滞によりお腹の強い張り感が伴う。げっぷ・食欲不振・便秘などの消化器系の滞り症状を伴う。
⑦お阻胃絡(おそいらく)タイプ
全身のはたらきの低下が血液運行の停滞も及ぶことで生じる。「⑥肝鬱気滞タイプ」が長期化することにより生じる。
※鑑別ポイントとしては、針に刺されたような痛みであること・痛む場所が一定であることが挙げられる。
少し長くなってしまいましたが、いかがだったでしょうか?
おへそ上の痛み一つとってもいろんな原因があることが分かったのではないでしょうか?
「冷え」・「食べ過ぎ」・「熱」・「ストレス」・「滞り」、いろいろな原因が挙げられます。
お悩みの方はぜひ一度当院へご相談ください。
スタッフ 杉本