月経が正常の周期よりも1週間以上早くことを「経行先期」・「月経先期」・「経早」などという。
甚だしい場合には、生理が1カ月に二回くるものもある。
前回までに解説した『熱(ねつ)』や『気虚(ききょ)』によるものが多いとされるが、番外編として『血オにおける生理周期が早まる原因』を解説していきたいと思う。
●血オの経行先期について
経行先期の原因となる子宮の「血オ」状態とはどのような状態であろう?
シンプルなイメージでいうと、「血液を溜める器が小さくなった」状態である。
あくまで例であるが、今まで5リットル溜められていた器が、1リットルしか溜められない状態となる。
通常よりも小さい器となってしまい血液が少量しかないため生理周期の早まりが生じる。
●血オ状態となる原因について
長時間同一姿勢で過ごすことなどの物理的圧迫などが起因となる。
物理的圧迫は身体の循環力の低下をもたらす。子宮内の巡りが悪くなることは子宮内の活動力低下や血流低下を生じされるために、血オ状態が生じる。
その他にも手術跡・ストレス・湿気・冷え・熱なども血オ形成の原因となる。
●月経の特徴・身体症状
経血は紫暗色・血塊を伴うことが多い。一般的に初期に多くの出血が見られ、その後少量の出血が続く。
お腹が張って押されると苦しい・舌に赤い点々が見られるなどの身体症状が出現する。
上記より、①「血の巡りをよくする」(活血化オ)とともに、②「血オを形成する要因」にも着眼して治療を行っていきます。
(ex.冷え体質が原因で血オが形成されるのであれば①に加え、身体を温める力を高める治療を加える)
スタッフ 杉本
◎参考文献
「中医症状鑑別診断学」 人民衛生出版社
「中医症候鑑別診断学」 人民衛生出版社
「わかる中医学入門」 燎原出版社
「中医基本用語辞典」 東洋学術出版社
「漢方用語大辞典」 燎原出版社
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