⑤湿熱鬱結(しつねつうっけつ)タイプ
消化器の虚損から体内に余剰な水分が生じた後に、余剰水分が熱気を帯びることにより生じる。
熱気を帯びた水液物質が子宮・子宮への血液供給ルートに侵入することで血液の運行が阻害される。結果、血液の停滞及び凝固され生理痛が生じる。
●主な原因
食生活(普段より辛いもの・味が濃いもの・飲酒・甘いもの)を食する。
長期間精神抑鬱状態が続くこと
●月経の特徴
月経前や月経期にお腹の指すような痛みがある(熱感も伴う)・お腹を押されると苦しい
血液は黒い赤であり臭いも伴う
●全身症状
帯りものは黄色く濁っている・小便は赤く回数が多い・舌は赤く苔は黄色い・脈がはやいなど
⑥衝任虚寒(しょうにんきょかん)タイプ
身体の保有する温める力が不足していることが原因となる。子宮・子宮への血液供給ルートにも温める力が低下するために冷えが生じ生理痛がする。
●主な原因
もともとの陽虚(身体をあたためる力が不足している状態)体質
過度な性生活・若年での出産・出産過多など
●月経の特徴
月経後半・月経終了後に下腹部痛が生じる・温めると楽になる・色は淡く・量は少ない
●全身症状
寒がり・普段から下腹部が冷える・腰が冷えて重だるい・量が多く水様のオリモノが出る
⑦肝火上炎(かんかじょうえん)タイプ
全身の循環を担っている五臓の「肝」。働きが失調することで全身の生理物質の運行が停滞する。
停滞が長期間続くことで体内に熱が生じてしまい、生じた熱が子宮の運行をさせてしまうため月経痛が生じる。
●主な原因
長期間にわたるストレス・精神抑鬱・突発的な精神刺激を受けるなど
●月経の特徴
月経前・月経期におこる下腹部の張った痛み・経血は鮮紅で量が多い
●全身症状
顔や目が赤くなる・口が苦い・怒りっぽい・頭痛・めまい・便秘など
スタッフ 杉本
◎参考文献◎
「中医基本用語辞典」 東洋学術出版
「漢方用語大辞典」 創医会学術部
「430種疾病鍼灸表解」 中医古籍出版社
「中医症状鑑別診断学」人民衛生出版社
「イラストわかる指圧 生理痛・生理不順」 ユリシス出版部