●脳鳴とは?
頭の中で音が鳴り響くする症状をさす。耳鳴りと症状が似ているが、耳ではなく頭の中で鳴り響くような感覚が生じる。
多くは髄海の虚衰・湿痰などによって起きるとされる。
①髄海不足による脳鳴
髄海はいわば脳を指す。頭蓋腔内の髄質を指すが、髄が集まることで脳が形成されている。脳の発達には精の貯蔵庫である「腎」が密接に関与しており、精と腎が髄を生み出している。
腎精が不足してしまうと、脳が滋養できなくなってしまい脳鳴が生じる。
加齢・虚弱体質であること・長い間病気を患うこと・大病を患うことが腎精を損なう原因となる。
膝腰の重だるさ・眩暈・耳鳴り・もの忘れなどの症状が出現する。
②心脾両虚による脳鳴
栄養不足により頭部に栄養分を供給できないことが原因となる。働き過ぎ・飲食の不摂生による消化器の機能低下や考えすぎ・心配事が続くなどによる精神疲労が栄養不足を招く。
睡眠時間が短くなる・夢を多く見る・疲労倦怠感・動悸・下痢・むくみなどの症状が見られる。
③湿熱阻滞による脳鳴頭部へのエネルギー運搬ルートに滞りが生じることが原因となる。
油濃いもの・味の濃いもの・アルコールの過剰摂取は体内に余剰な水分や熱を生み出す。
これら消化器に生じた熱は上に昇る。昇った熱は頭部へのエネルギー運搬ルートを停滞させてしまった結果脳鳴が生じる。頭や身体が重だるい・めまい・吐き気・下痢などの症状が見られる。
④肝気欝結による脳鳴
頭部内・頭部へのエネルギーの運搬がスムーズでないことが原因となる。
エネルギーの運搬をコントロールと五臓の「肝」が担っている。
肝の機能低下が低下することで、エネルギーの運行が停滞してしまう。機能低下は精神抑鬱や大きな精神刺激により生じることが多い。怒ると悪化するという特徴を有し、その他、胸肋部の張り感・よくため息をつく・口が苦く咽が乾くなどの症状が見られる。
スタッフ 杉本
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